ひげふじのきりえアートコーナー

『法句経和讃 無常品 第一篇 二十有一章』

埼玉県寄居町 萬年山少林寺 羅漢尊 A4判 22点(001-022)


法句経和讃 無常品 第一篇  01-00

00      
無常品者  むじょうほんにて  のべるのは

寐欲昏乱  めざめんとして   まようもの

栄命難保  さかえるいのち   ながからず

唯道是真  ぶっだのおしえ   まことなり

shorinji#001

法句経和讃 無常品 第一篇  01-01

01       睡眠解寐  こころのまよい   めざめたる

宜歓喜思  よろこびたかく   おもうなら

聴我所説  ほとけのことば   えらびたる

撰記仏言  わがとくことを   とくときけ

shorinji#002

法句経和讃 無常品 第一篇  01-02

02      
所行非常  このよのものは   かわりゆく

謂興衰法  おこりすたりは   さだめなり

夫生輙死  いきたるものは   たちまちに

此滅為楽  ほろびうせるは   たやすけり

shorinji#003

法句経和讃 無常品 第一篇  01-03

03      
譬如陶家  とうきつくりに   たとえれば

土延埴作器  つちをこねりて   つくりたる

一切要壊  うつわすべてに   こわれあり

人命亦是  ひとのいのちも   またしかり


土延
 <漢・エン> 水を加えて土を柔かくする。
shorinji#004


法句経和讃 無常品 第一篇  01-04

04
 如河駛流  かわのながれは   はやくして

往而不返  ながれくだりて   かえらざり

人命如是  ひとのいのちも   かくごとく

逝者不還  ゆきたるものは   もどらざり

shorinji#005


法句経和讃 無常品 第一篇  01-05

05
 譬人操杖  つえでうしおい   まきばゆき

行牧食牛  くさをたべさせ   はぐくめど

老死猶然  おいてしするの   あるごとく

亦養命去  いのちやしない   そしてさる

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法句経和讃 無常品 第一篇  01-06

06
 千百非一  ひとつにあらず    ひゃくせんの

族姓男女  いちぞくのもの  それぞれに

貯聚財産  きょまんのとみ   ためたとて

無不衰喪  うしなわざるは   なかりけり

shorinji#007


法句経和讃 無常品 第一篇  01-07

07 生者日夜  いきたるものは   ひるよると

命自攻削  おのれのいのち   せめけずる

寿之消滅  じゅみょうつきて  きえさるは

如常雫水  われかめのみず   もるごとし

 常雫水は意訳。
原字 蛍=ほたる=かんむりに巾。雨かんむり=に井。そして<水>。
<常>に口=くち=がない文字から、常=つね=にはないが、時々ある状態か。
<雨>に<井>の文字から、雨だれにより井=孔=穿孔と連想される。
原典注記に<蛍冠に火、穿><栄穽>と別文字もある由。
別経典に「少量の水」とある由。これらから「割瓶から漏る水」と意訳した。
康煕字典を検索したが、字源を見つけ出せなかった。

shorinji#008


法句経和讃 無常品 第一篇  01-08

08
 常者皆尽  いつもいるひと   すべてさる

高者亦墜  たかみのひとも   ちにおちる

合会有離  あいたるひとに   わかれあり

生者有死  いきたるひとに   しするあり

shorinji#009


法句経和讃 無常品 第一篇  01-09

09
 衆生相克  いきたるものは   あらそいて

以喪其命  たがいにいのち   うしなえり

随行所墜  おこないにより   それぞれに

自受殃福  わざわいとさち   うけるなり

shorinji#010


法句経和讃 無常品 第一篇  01-10

10
 老見苦痛  おとろえみるは   くつうなり

死則意去  しねばこころも   うしなえり

楽家縛獄  いえにたのしみ   つながれる

貪世不断  むさぼるせけん   たえるなし

shorinji#011


法句経和讃 無常品 第一篇  01-11

11
 咄嗟老至  おいはたちまち   おとずれて

色変作耄  いろつやかわり   おいぼれる

少時如意  わかきときには   いのままの

老見蹈藉  あしもおいては   おぼつかず

shorinji#012


法句経和讃 無常品 第一篇 01-12

12
 唯寿百歳  ひゃくのよわい   かぞえても

亦死過去  やがてはあのよ   むかえあり

為老所厭  おいてはひとに   うとまれて

病條至際  やまいにあのよ   ちかずけり

shorinji#013

法句経和讃 無常品 第一篇  01-13

13 是日已過  ひるよるつねに   すぎゆれば

命則随減  いのちしたがい   すりへらす

如少水魚  のこりすくない   みずにすむ

斯有何楽  さかなになんの   たのしみぞ

熱帯インドでは、雨期に流れできた川が、乾期には干上がり、
<残り少ない水に住む魚> 状態になる。

shorinji#014


法句経和讃 無常品 第一篇  01-14

14
 老則色衰  おいぼれはだの   つやはうせ

所病自壊  やまいをえては   こわれゆき

形敗腐朽  かたちやぶれて   くちてゆく

命終自然  いのちおえるは   しぜんなり

shorinji#015


法句経和讃 無常品 第一篇  01-15

15
 是身何用  このみになんの   ようあらん

恒漏臭処  つねにしゅうき   たれながし

為病所困  やまいのために   くるしみて

有老死患  おいてはしする   やまいあり

shorinji#016


法句経和讃 無常品 第一篇  01-16

16 嗜欲自恣  このむるままに   よくかけば

非法是増  あしきおもいは   いやまさん

不見聞変  うつりかわりを   みききせず

寿命無常  いのちかわるを   しらずして

shorinji#017


法句経和讃 無常品 第一篇  01-17

17
 非有子恃  こどもありとて   たのみなく

亦非父兄  ちちやあにとて   たのまれず

為死所迫  あのよたびたつ   そのときは

無親可怙  おやさえたのみ   なかりけい

shorinji#018


法句経和讃 無常品 第一篇  01-18

18
 昼夜慢惰  にちやだらけて   はたらかず

老不止婬  おいてもみだら   やめもせず

有財不施  ざいさんありて   ほどこさず

不受仏言  ほとけのおしえ   みみかさず

有此四弊  これらふるまい   するものは

為自侵欺  そのみはめつが   ちかくあり

shorinji#019


法句経和讃 無常品 第一篇  01-19

19
 非空非海中 そらにありても   うみにても

非入山石間 やまのいわかげ   かくれても

無有地方所 いずこのはてに   のがれても

脱之不受死 しからのがれる   ことあらず

shorinji#020


法句経和讃 無常品 第一篇  01-20

20
 是務是吾作 これをつとめて   これをなす

当作令致是 これをおこない   これすべし

人為此躁擾 よのひとつねに   いそがしく

履踐老死憂 こころうしない   うれいあり

shorinji#021


法句経和讃 無常品 第一篇  01-21

21
 知此能自浄 どうりをしりて   うろたえず

如是見生尽 いのちつきるを   みきわめて

比丘厭魔兵 ただしくくらす   ひとあれば

従生死得度 このよのうれい   きえさらん

shorinji#022

掲載したきりえ作品と和讃訳の知的所有権(著作権)は、藤田正俊にあります。

目次  切り文字羅漢品
00 法句経序 01 無常品 02 数学品 03 多聞品 04 篤信品 05 戒慎品 06 惟念品 07 慈仁品
08 言語品 09 双要品 10 放逸品 11 心意品 12 華香品 13 愚闇品 14 明哲品 15 羅漢品
16 述千品 17 悪行品 18 刀杖品 19 老耗品 20 愛身品 21 世俗品 22 述仏品 23 安寧品
24 好喜品 25 忿怒品 26 塵垢品 27 奉持品 28 道行品 29 広衍品 30 地獄品 31 象喩品
32 愛欲品 33 利養品 34 沙門品 35 梵志品 36泥シ亘品 37 生死品 38 道利品 39 吉祥品