* 排 卵 誘 発 剤 の 説 明 *

排卵誘発剤全体的な説明から…

≪目的≫
排卵誘発剤を使う目的はふたつある。
’嗟颪垢詢呂足りないときに、それを補うという使い方。
何らかの原因で卵が成長しなかったり、排卵が起きにくい、または起きないというときに、
ホルモンの不足している部分を補ってあげるという目的で使われる。
⊆然排卵はあるけれど、妊娠の確率を高めるために、複数の卵を排出させるという使い方。
ふつう卵は一回につき片方の卵巣からひとつだけでる。
しかし排卵誘発剤によって、たとえばひとつの卵巣から二つ、三つの卵を排出させることができ、
それによって受精のチャンスを増やすことができる。

排卵誘発剤のふたつの使い方の内、今自分がどちらの目的で使用しているのかをよく知っておく必要がある。

≪使用方法≫
排卵誘発剤には飲み薬と注射薬とありますが、いずれも少量からはじめ、徐々に投与する量を増やしていく。
飲み薬の方だったら、一日一錠からはじめ、足りないだけの量を確認しながら徐々に増やしていく。
その人が二錠で排卵が起こったならば、それ以上の投与をすることはない。
これが排卵誘発剤の正しい使い方となる。
そして排卵がうまくいくようになったら、その量で維持していく。
注射のほうが副作用は大きいが、非常に質の良い成熟卵を作ることができる。
このふたつのタイプはどちらがいいということでもなく、併用されることもある。

≪副作用≫
排卵誘発剤は不妊治療にとって効果的な薬だが、いくつかの副作用がある。
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これは一度に何個もの卵が排卵されたために起きる。
ふつうは単胎か殆どが双胎で、単胎率は80パーセントといわれている。
⇒饒祺畩蟷彪秕標群(OHSS)
排卵しにくい卵巣に対して排卵誘発剤を使ったときに、
卵巣が過敏に反応しておなかが張ったり、卵巣が大きく腫れてしまうことがある。
これが「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」と呼ばれるもの。
この現象は急激に起こるため、前もって予測することはできない。
そしてきわめてまれだが、腹水や胸水がたまって、呼吸困難を起こしたりすることもある。
こういったことが起こったら早めに入院して尿量、血液の濃縮度等を細かくチェックする事によって
大事に至ることを予防することが出来る。

こういったことが起きないように、いろいろと工夫して治療がすすめられている。
また、先ほどもお話ししたように排卵誘発剤ははじめは弱いものから、また少量から使うのが原則。
医師が経過を観察しながら目的に合わせて量と質を調整して使えば、決して恐い薬ではない。
排卵誘発剤は不妊治療にとっては、貴重な薬であり、妊娠率も大変高くなる。



私がOHSSで入院した時の体験談をまとめました。
何かの参考になれば…。
≪ OHSSの入院記録 ≫





ここからは、各薬品についての説明です。


〜内服薬〜

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1.セキソビット
内服剤の中でも最も作用が軽く排卵補助に使用される薬。
サイクロフェニルとも呼ばれるが、一般的にはセキソビットという名称で処方されている。
≪作用≫
これは卵巣を刺激する性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)の分泌が十分でない場合に有効な薬で、
脳下垂体や脳間視床下部に作用し、FSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を促し、卵胞発育を助ける。
セキソビットは、検査でホルモン異常が認められない場合に、第1段階として処方されることがほとんど。
≪使用方法≫
無排卵の場合、月経の5日目から毎日1〜3錠を5日間つづけて服用することで、だいたい1週間後に排卵を起こす。
ただし、作用が弱い分効果が期待できないこともあるため、最初にクロミットが処方されることもある。
また、クロミッドで過剰刺激が起こるような場合には、セキソビットで誘発する方法がとられることもある。
≪副作用≫
副作用はほとんどなし。過剰刺激の心配もほとんどなし。
排卵誘発剤の中では最も副作用の少ない薬がセキソビットで、おだやかに排卵を促すため、
体への負担や過剰刺激などもほとんど起こらない。
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2.クロミッド
世界的に見ても最もスタンダードな薬で、クロミッドはクロミフェンとも呼ばれる。
≪作用≫
脳下垂体を刺激して、FSHやLHの分泌を促すために有効な内服薬。
排卵を誘発するためだけでなく、黄体機能をよくする目的や、卵子の数を増やす目的など、
現在ではさまざまな使われ方をされている。
≪使用方法≫
飲み方はセキソビットと同様、月経の3〜5日目から服用を開始し、5日間飲み続けることで排卵を助けるが、
服用する量はそのときによってバリエーションがある。また、現在では卵胞の状態をチェックすることができるため、
卵胞が大きくなっていない場合は、2段投与といってクロミッドを再度服用したり、hMGやヒュメゴンといった注射を
プラスして、卵胞を成熟させ、hCGを投与して排卵させるなどの組み合わせもある。
≪副作用≫
子宮内膜が薄くなったり頸管粘液が減る場合がある。
注射にくらべると体への負担はほとんどないが、人によっては目がチカチカしたり、ごくまれに頭痛を起こす場合がある。
人によっては頸管粘膜が減ったり、子宮内膜が薄くなるなどの副作用が出ることや、卵巣からでるエストロゲンの
作用を抑えるため、更年期に似た症状が出ることもある。
過剰刺激はめったになく、卵子の数は平均2個、双子の確立は5%といったようにおだやかに作用するのが利点。
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〜注射薬〜

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1.フェルティノームP
FSHの純度が最も高くピュアな薬品。
≪作用≫
フェルティノームPはこの黄体化ホルモンをほとんどゼロに近い状態で精製しているため、
卵巣を過剰に刺激するリスクを抑えて排卵させることができるホルモン剤。
主に多嚢胞性卵巣や無排卵症の誘発剤として使われるほか、人工授精、体外受精、顕微受精にも利用されます。
また、FSHは更年期になると多量に分泌され、尿として排泄されるのですが、フェルティノームPはこの尿を
精製したもので、人間がもともと持っているホルモンからできている。つまりは足りないホルモンを、
人からもらっていることになると考えてよい。
≪副作用≫
安全性は高いが、ごくまれに過剰刺激も出現することがある。
新しく作った薬ではなく、人間のホルモンからできているため、安全性は高いが、まれに過剰刺激が起こることがある。
ただ、現在では卵胞計測をしながら加減することができるので、卵胞がいくつ出てくるか、
大きさはどのくらいで発育中かなど、注意深く観察していけば、それほど神経質に副作用を考える必要はない。
注射の場合、多胎妊娠の確率は約20%程度。

   

自己注射をしたので、そのときの注射セット。
(薬・溶解液(生理食塩水)・注射器・アルコール綿)
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2.hMG(hMG日研)
フェルティノームPに近い、国産のホルモン剤と同じ働きをする薬剤。
≪作用≫
卵巣刺激ホルモン(FSH)とごく少量の黄体化ホルモン(LH)の両方が入ったホルモン剤で、無排卵や人工授精、
体外受精などに使用されます。
hMGは卵巣に直接作用するため、クロミッドなどの内服剤では効果がないとわかっている場合は
最初から注射で、クロミッドである程度は効果があったけれど、あと一息の場合にhMGを追加するといった方法がある。
FSHとLHの両方の作用がある注射薬はいろいろありますが、FSHとLHの配合比はその製品によって差があり、
個人に合わせた使い分けや投与が行われるのがふつう。そのさじかげんは複雑かつケースバイケースとなる。
≪副作用≫
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や注射部位が赤くはれるなどの副作用が出る場合もある。
注射部位が赤くなるといった副作用のほかに、卵巣がはれる卵巣過剰刺激症候群を起こすことがあるが、
hMGで多数の卵胞ができても、hCGを投与しなければ重症になることはほとんどない。
また、クロミッドの場合は双子の確率が若干ふえる程度。注射剤は四つ子や五つ子などの多胎妊娠の確率は20%程。
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3.hMG(ヒュメゴン)
FSHとLHが1対1で含まれている薬剤。
≪作用≫
HMG日研と同様、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の両方が入ったホルモン剤だが、
FSHとLHの比率が1対1になっているのが特徴。無排卵や人工授精、体外受精などに使用される。
卵巣を直接刺激することで排卵を促す点も同様だが、強さでいうとhMGよりやや強めの作用となる。
ヒュメゴンはFSHもLHも全体的に低い場合に使われることがほとんど。
同じヒュメゴンでもヒュメゴン75とヒュメゴン150があるが、これはFSHとLHの組成が少し違うためで、
使い分けはケースバイケース。
ヒュメゴンやフェルティノームなど、ゴナドトロピン(FSH・LH)と同じ働きをするホルモン剤は、
FSHとLHの比率が違うだけで、いずれもhMGのバリエーション。
≪副作用≫
hMGと同じく卵巣過剰刺激症候群などの副作用がある。
副作用についてもHMG日研と同じで、注射部位が赤くなるといった副作用のほか、卵巣がはれる
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こすことがあります。OHSSは重症化すると胸水がたまって呼吸困難を起こしたり、
血液が濃縮するなど、命にかかわるケースもある。これもhCGを投与しなければ、重症化にいたることは
少ないので、早期発見とすみやかな対応が必要。
多胎妊娠の可能性は約20%。
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4.hCG
排卵や妊娠の維持に必要なもの。
≪作用≫
hCGは黄体ホルモンに似た働きをする薬で、クロミッドやhMGで卵胞を成熟させたあとに投与し、
排卵を起こさせる役目がある。
hMGが卵胞を大きくするのが仕事なら、hCGはこの卵胞を割るのが仕事。
卵胞が排卵に適した大きさになったころ、5000単位か1万単位を注射する。また、排卵後に黄体機能をキープするために
使用されることもあり、妊娠を維持するのに欠かせないホルモンでもある。
hCGはもともと赤ちゃんがつくり出すホルモンで、妊婦の尿から精製されている薬。
ヒト絨毛ゴナドトロピン、ヒト胎盤性性腺刺激ホルモンなどともいわれ、クロミッドやhMGとあわせて使用される。
≪副作用≫
クロミッドやhMGとの相互作用で卵巣過剰刺激症候群を起こすこともある。
hCGは、卵胞を刺激するクロミッドやhMGで多数の卵胞を成熟させ、卵胞が排卵に適した18〜20mmに
なったころ、hCGを投与して排卵させる目的で使われている。
副作用としては組み合わせて使われるクロミッドやhMGとの相互作用でOHSSを起こすことがあるが、
卵胞が大きくなっていても、最後にhCGを注射しなければ、重症のOHSSになることはほぼまれ。
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