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都立図書館職員の労働組合のページ

 

こんにちは

 私たちは、都立中央図書館、都立多摩図書館に働く職員による労働組合です。
東京都教育委員会に働く職員は、「東京都庁職員労働組合 教育庁支部」に所属しています。
このうち中央図書館の職員は「日比谷分会」、多摩図書館の職員は「三多摩分会」に所属しています。
なお、1908年に東京市立日比谷図書館として開館した日比谷図書館は、石原都政による行政改革により20096月千代田区に移管され、都立日比谷図書館はなくなりましたが、分会名は、長い間親しんできた「日比谷分会」のままで活動することにしました。
 
 現在都立図書館には、中央図書館:93名、多摩図書館:18名の職員と、2館合わせて20名の非常勤と嘱託員が働いています。このうち職員は84%、非常勤・嘱託員は80%以上が加入して組合を構成しています。
私たちは、全国の仲間とともに、東京の図書館サービスを一層充実させるべく、当局が次々と打ち出してくる「都民サービス低下策」と闘っています。
 
       日比谷分会 所在地 〒106-8575 東京都港区南麻布5-7-13
          都立中央図書館内 教育庁支部日比谷分会
          Tel. 03-3442-8451(都立図書館代表番号)
          Fax. 03-5420-9703(分会専用)
   
       三多摩分会 所在地 〒190-8543 東京都立川市錦町6-3-1
          東京都多摩教育センター内 教育庁支部三多摩分会









日比谷分会は、このたび、新たな東京の図書館政策を実現する会が提案した              
「東京の図書館政策−都民の要求に応える新たな図書館振興計画を策定します」を全面的に支持します。
  中でも都立図書館について、書庫の拡充による所蔵資料の保存継承と、司書職員が専門性を発揮できるような
体制の充実が実現されることを願っています。                          



東京の図書館政策
都民の要求に応える新たな図書館振興計画を策定します

2014年1月 
新たな東京の図書館政策を実現する会 
共同代表:大澤正雄 広瀬恒子 

 

石原・猪瀬都政は東京の図書館サービスを著しく後退させました。  都立図書館については、100年以上の歴史をもつ都立日比谷図書館を千代田区に移管し、その結果生じた書庫容量の減少を理由とした蔵書の大量廃棄、司書職員の大幅削減、業務委託の拡大、資料費など図書館経費の大幅な削減、さらに専任であった都立中央図書館長を教育次長の兼務とするなど、極めて異常な「施策」が強行されてきました。その結果、市区町村の図書館からの求めに応じて提供する資料の「協力貸出」は石原都政が始まった1999年度104,271冊であったものが2012年度では86,780冊に、レファレンスは148,745件が79,370件と激減しております。  区立図書館については、都区財政調整制度を「活用」して、指定管理者制度の導入や窓口業務委託などの誘導と職員削減を推進してきました。  小中学校の図書館に専任の専門職員配置を望む声は強く、それに応えて市区町村では独自に「学校司書」を配置する動きが顕著になっています。しかし東京都はそれに対して何らの措置もせず、市区町村任せです。それどころか都立高校の学校司書を削減し、委託化を進めています。  かつて東京都は、図書館振興政策を策定、実行し、全国の図書館振興推進の役割を果たし、また国の図書館施策を変えさせました。再び民主的な都政を実現し、まず著しく後退させた図書館事業を回復し、さらに国際都市・東京にふさわしい図書館政策の策定・実現を図ります。


 政策1 東京の図書館振興計画を策定します。
  ・著しく後退させた図書館事業の回復、拡大をめざし、都立図書館、市区町村立図書館が協同して進める総合的
   な図書館計画を策定し、その実現を図る。

【都立図書館について】
 政策2 都立図書館の管理・運営の透明性、民主性を向上させます。
  ・図書館協議会(図書館法第14条)委員に都民と市区町村立図書館の代表を加える。
  ・中央図書館長を専任にする。
 政策3 図書館経費を石原都政以前の水準までに回復させます。
  ・都立図書館の経費総決算額 1999年度38億7千万円 2011年度28億4千万円 27% 減
   (文部科学省「地方教育費調査報告書」)
 政策4 図書館資料拡充計画を策定します。
  ・複本と刊行年の古い資料を除籍・廃棄する方針を見直す。
  ・市区町村からの資料要求に応えることができるよう、適切に複本を購入し保存する。
  ・資料購入予算額を回復し、安定的な確保を図る。
   1999年度5億円.2013年度4億3千万円 14%減(東京都立図書館「事業概要」) 
   ・都内市区町村図書館の除籍資料を保存する計画を策定、実施する。
 政策5 司書を計画的に採用し、都民と図書館からのレファレンス依頼に応える態勢を整えます。
  ・職員数 1999年度201名(うち司書161名)、その後10年間採用せず、2013年度106名(うち司書80名)
   53%減(司書51%減) (東京都立図書館「事業概要」)
 政策6 新都立多摩図書館の建設計画内容を公表し、都民、市区町村の図書館の意見を聴きます。

【区立図書館について】
 政策7 指定管理者制度、窓口業務などの委託を誘導する都区財政調整の積算内容を見直します。
  ・都区財政調整の内訳に、2010年度指定管理者、2013年度窓口業務の委託料をそれぞれ積算することを開始、
   図書館業務の外部化を誘導している。
  ・その結果、指定管理者制度導入の図書館は35%となっている(全国平均10%)。
 政策8 職員定数削減を進める都区財政調整の積算内容を見直します。
  ・都区財政調整の内訳で、図書館の正規雇用職員の人件費を2013年度は1999年度の53%に減らしている。
  ・区立図書館の正規雇用職員 1999年度2,420人、2012年度1,012人と59%減。
  ・この間図書館は20館増加しており、民間企業からの派遣職員のいる図書館は165館、36%も占める
   (全国平均25%)。
  ・派遣職員は、2012年度3,101人と、正規雇用職員の3倍近くに増大。
  ・特別区の図書館は、「官製ワーキングプア」と呼ばれる大量の不安定雇用・低賃金の労働者を生み出している。
 政策9 司書有資格者の採用を行い、司書職制度を実現します。

【市町村立図書館について】
 政策10 多摩、島嶼などの市町村に対する交付金を改善します。 
  ・図書館未設置の町村を解消するために東京都としての役割を果たす。
  ・図書館サービス拡充に資する財政措置をする。

【学校図書館について】
 政策11 小中学校の図書館に専任の司書職員を配置するための施策を実施します。
  ・小中学校の図書館に専任の司書職員を配置する事業を市区町村任せにせず、財政措置を含めた施策を実施する。
  ・現在、都内小中学校の図書館を担っている職員の多くは非常勤、臨時、委託スタッフ
   など不安定雇用・低賃金の労働者である。短い勤務時間数、複数校兼務などもあり不十分。
 政策12 都立高校図書館の司書採用を再開します。
  ・東京都は都立高校図書館の司書職員の退職を補充せず民間委託を進めており、2014
  年度は61校(全188校の3分の1)の図書館業務の委託が予定されている。

連絡先:大澤正雄 Tel 042(467)4716

「東京の図書館政策」賛同署名のお願い
 新たな東京の図書館政策を実現する会

「上記東京の図書館政策に賛同される方は、以下の賛同署名をクリックしてください。」

 



都立中央図書館開館までの軌跡と、新館建設への情熱あふれる都立図書館員の
とりくみの記録が、当時の図書館員の座談会とアンケートによってまとめられ、

日比谷分会から出版されました。1031日発行

【内容】

  ✤座談会 関係者が語る都立中央図書館開館へのあゆみ

    出 席 者;島田若葉 中多泰子 茂川敏夫 菅原勲

    紙上参加 :工藤又四郎 石井敏子

    司   会:進行:石井紀子

  ✤寄稿 田中章治 齋藤禎子 佐々木敏雄

  ✤もと都立図書館員へのアンケート

         アンケート回答者16

✤もと区市立図書館員等へのアンケート

         アンケート回答者8

  ✤資料 17

    「趣意書−参考業務の発展のために」

「東京都公立図書館の近状」(森博)ほか

  ✤付録 日比谷分会「分会ニュース」

    退職者インタビュー  12

★ 本の購入(送料込みで1000円)ご希望の方は、

    下記のアドレスにご連絡をお願いいたします。
   

hibiya100@gmail.com


都立図書館を考える会では、都知事選挙の折りに、立候補予定者に対して図書館政策を問うアンケートを行っています。
 今年410日の選挙に向けても、立候補予定者の「石原慎太郎候補」「小池あきら候補」「中松 義郎候補「渡邊美樹候補」に事前にアンケートをお送りしました。また告示日寸前に立候補を表明した「東国原英夫候補」にもお送りしましたが、東日本大震災や告示日に近くなってしまったこともあり、最終的にはお一人からしかお答えは頂けませんでした。
 結果として石原慎太郎候補の4期目の当選となった訳ですが、考える会はこれからも東京の図書館政策のあり方を知事に進言していく予定です。

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<アンケートのお願い>


2011
323

東京都知事選挙候補者 御中


都立図書館の整備充実の方策について

都立図書館を考える会
代表 石井 紀子

「都立図書館を考える会」は、都内の公立図書館利用者や有識者、職員など東京の図書館の充実を願うものが交流し、望ましいサービスのあり方を検討し発言する活動を行っております。
 東京都は1970年代から公立図書館を文化政策の柱と位置づけて区市立図書館の設置充実を進めるとともに、都立中央図書館を開設し、区市町村立図書館と連携し貸出から調査参考サービスなど多様なサービスを活発に進めてきました。その結果2009年度には都民の4割強の538万人が1人当たり20冊の資料を図書館から借り出しており、都民の暮らしの中に図書館が根付いてきています。情報社会の急速な展開のなかで、都民の資料と情報へのニーズは増大・深化しています。図書館はそのニーズに応える中核的機関として、より一層サービスを充実することが都民から期待されています。
1908
年に東京市立日比谷図書館が市民の書斎として開設されて以来、蓄積されてきた都立図書館の蔵書とサービスを担う司書は都民の宝です。これを引き継ぎ、さらに充実して将来に伝えていくことは私たちの願いであり責務であると考えます。
 つきましては、別紙アンケートにご回答頂き、都知事選挙立候補に当たってのお考えをお示しいただきたく、お願いいたします。
 
お答えをメール、ファクス、郵送などでお送りください。
お答えは図書館関係団体のHPに掲載し、都民のみなさまにその内容をお知らせします。
ご多用のなか、誠に恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

メールアドレス:t.toshokangaerugmail.com

<以下:アンケート本文に回答を入れ込みました>

 

 

【都立図書館の移転・改築について】
 
1、東京都教育庁は、1月27日に都立多摩図書館を移転・改築すると発表した。
40年前に都立中央図書館新設の際には、区市町村図書館の意思も受けた綿密な実施計
画・設計を行いました。都立多摩図書館の移転・改築計画についても、都民および区市
町村図書館関係者から、幅広い意見を取り入れて都民の期待に応える図書館を作るべき

だと考えますが、いかがでしょうか。

 

◇お答え:<小池あきら 革新都政をつくる会>
 全くその通りと思います。都立多摩図書館は都立中央図書館とともに、多摩地域の拠点
図書館として重要な役割を果たしています。移転・改築に当たっては、計画の段階から都
民及び区市町村の図書館関係者などから幅広い意見を取り入れて、都民の期待に応える図
書館をつくるべきです。

 

【東京の図書館の資料保存について】
2、東京都内の公共図書館の蔵書は、現在どの図書館も満杯状態になっており、資料保存
の問題は緊急の課題です。資料保存については、現在NPO法人共同保存図書館・多摩が
研究・普及活動をし、また市町村立図書館長協議会も活発に共同利用保存の問題を検討
しています。都立図書館は、こうした地域図書館や団体と連携して、今後の東京の資料
保存についての方策を策定する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 
◇お答え :<小池あきら 革新都政をつくる会>
公立図書館の蔵書・資料の保存は、図書館の心臓部の役割を担う重要な課題です。私は
都立図書館に新たな光を当てて、知と学術、文化・メディアの拠点としての役割を高めて
いきたいと思います。
そのためにも資料保存の方策を、地域図書館やNPOなどの団体と連携し、都庁全体の知
恵を結集して策定し、具体化します。
 
【図書館の協力貸出の進展について】
3.都民が求める資料・情報を早く確実に提供することは図書館の使命です。そのため、
地域の図書館にない本は、他の図書館から借りて提供する協力貸出事業が行われていま
す。都立図書館の役割は、地域図書館のサービスを支援し、地域図書館と一体となって
1300万都民の住民の資料・情報要求に公平に応えることだと思われます。都立図書
館は、相互協力に一層力を入れる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 
◇お答え :<小池あきら 革新都政をつくる会>
 都立図書館は、2でも述べたように、知と学術、文化・メディアの拠点として、都民は
いうに及ばず、企業や諸外国にも積極的に利用・活用されるべきと考えます。そのため
に、都立図書館が地域図書館のサービスを支援し、地域図書館と一体となって1300万
都民の要求に応えるために、一層相互協力に力を入れるべきと考えます。
 
【都立図書館の職員問題について】
4.1972年に都立中央図書館が開設される頃から採用した「司書」が定年退職の時期と
なり、ここ 年間で、50人以上退職しました。しかし、新規採用は、2010年度に20
ぶりに1名。2011年度も1名、2012年度の採用予定が2名と発表されています。
  きめ細かく都民の資料・情報相談にこたえる図書館専門職員・司書の採用は、退職職
員数に見合った採用計画を立てるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 
◇お答え :<小池あきら 革新都政をつくる会>
 図書館専門職員・司書の採用は、都民の資料・情報相談など図書館に必要な人員に見合
った計画を立てて行うべきです。
石原都政は都民生活に不可欠な職員、とりわけ専門職員を次々と削減してきました。看
護師、保健婦、児童福祉司、心理司、などその一例です。
私が知事に当選しましたら、都の職員採用計画、人事制度の抜本的な見直しを行い、都民
サービスに不可欠な職員を積極的に採用する決意です。
 
【都立図書館の将来構想の作成について】
5.東京都教育庁は都立図書館の改革方針(2002 1 月「都立図書館あり方検討委員
会」(第一次)報告、2005 8 月「同」第二次報告―都立図書館改革の基本的方向―)
に基づいて、現在のサービス計画を作成しています。しかしながらその内容は、将来に
わたって図書館経費を抑制することを基調としており、都民の学習権を考えるとき、憂
慮されるものになっています。
私たちは、この改革方針を見直し、都立図書館の将来構想を、都民に開かれた場で、
有識者や図書館関係者による論議を重ね作成することが望ましいと考えますが、いかが
でしょうか。
 
◇ お答え :<小池あきら 革新都政をつくる会>
 石原都政の都立図書館の改革方針は、「構造改革」路線にもとづいた「都財政再建推進
プラン」や「都庁改革アクションプラン」の具体化です。 徹底した職員削減をはじめと
する予算の削減と、事業の廃止と民営化の推進でした。
 私は地方自治の原点に立ち戻って「住民の福祉の増進」の視点から都政の事業を総点
検します。図書館のあり方についても、これまでの方針を見直し、都民と関係者の参加
で、開かれた討論の場をつくり、将来構想をつくっていきます。

 

 

 

2010.3.29

東京都立中央図書館長

松田 芳和 様

教育庁支部日比谷分会

分会長 米長 純子

 

都立図書館における個人貸出実施検討に関する要請書

 

いつも組合活動にご理解、ご協力をいただき、ありがとうございます。

 

入館者数増加の方策として個人貸出の実施が発案され、実施を前提としたプロジェクトチームの「中間まとめ」が近々出るとのことで、司書職員はみな、大変心配をしています。その問題の大きさを認識することなく、極めて杜撰で拙速に検討が進められているように感じています。

 

. 都立図書館の果たしてきた役割

都立中央図書館は、既存の公共図書館が個人貸出を中心的なサービスとして展開する中、それらとは一線を画した調査研究図書館として、また、区市立図書館の「図書館の図書館」として、誕生しました。東京の図書館サービス全体を支える役割をこれまで果たしてきたのです。かつての日比谷図書館の個人貸出、三多摩に対する多摩図書館の協力事業も、中央図書館がこのような姿勢で運営されてきたことで、機能してきた面があります。

個人貸出の実施の検討はこのことをしっかり踏まえ、総括した上でされるべきです。

 

. 改革方針との矛盾

個人貸出の実施は、都立図書館改革の諸方針と矛盾しています。

直近の「方針」である「「都立図書館改革の具体的方策」(平成18年8月)でも、日比谷図書館の区移管の理由として、「貸出業務は区市町村図書館の役割」「都立図書館はレファレンスと協力貸出を行い、個人貸出は行わない」とはっきり述べています。もちろん、その後の「フォローアップ3ヵ年プラン(平成22〜24年度)」でもその方針は変わっていません。

また、協力支援事業については、この間、協力貸出の制限強化措置が取られています。ここで都立図書館が直接に貸出を実施することは、区市立図書館、とりわけ、図書館サービスに対する要求水準が高く、来館に時間と手間もかかる三多摩の図書館とその利用者の理解は得られません。

「あり検」や「具体的方策」では、資料は一点一冊収集を基本としています。それを当時の社会教育部長が文教委員会で答弁したように、「最後の一冊」として未来の利用者に伝えていかなくてはなりません。そうなると、貸出による資料の汚破損、亡失も無視できない問題です。汚破損、亡失は、当面の事故の発生率の問題ではなく、将来の都立図書館の蔵書の価値に関わる問題として捉えるべきです。

 

.実務上も感じる問題

これまでも館内利用と協力貸出の競合が問題になることがありました。貸出の利便性ではなく、「ここに行けば確実にある」という形のサービスも求められていることもまた確かです。実際に調査していく中で、見たい資料が貸出されていて困った経験は誰にもあります。

この矛盾は、これまでは都の区市町村に対する支援という立場、あるいは複本や日比谷図書館の存在によって緩和されてきた面がありました。複本や日比谷のなくなった今、個人貸出を実施した場合には、借りられた個人と借りられなかった個人の利害の問題としても矛盾が先鋭化せざるを得ず、相当な理論と覚悟が必要だと考えます。

 

また、貸出業務の日常的な部分は委託に任せるにしても、委託管理や委託の範囲を超えた利用者対応その他による業務増は確実です。年々定数が絞られていく中での以上の労働条件の悪化は、職員の心身の健康に悪影響を及ぼすことも危惧されます。

 

. PTによる検討の限界

漏れ聞くところによると、館設置の検討PT(2回のみ開催)は、以上のような重大な点には触れず、実施を前提に、技術的あるいは他館との数字の比較をしたに留まるものだそうです。その報告書案は座長自身が独断で作成したとコメントをつけてPTメンバーに回覧、意見を求めたものと聞きます。

個人貸出を発案した職員も、他の要素を考えないとの条件下の発案であり、その問題の大きさを認めない者はいません。入館者数だけを問題として、このような報告書を元に検討を進めることは大変危険なことだと思います。

 

. 日比谷分会の見解

 日比谷分会は都立図書館の個人貸出実施には反対です。

 現在の東京都、教育庁の「区市町村のしていることはしない」ことと委託拡大の方針、来館者数など表面的な数字にこだわった評価とサービス改革、資料費はあっても資料を保存継承する体制や司書の知識経験の継承が危うい状態を重ね合わせると、都立図書館は将来的に「大きな区立図書館」でしかなくなってしまう心配があります。

 区市立図書館もイベント、講座を熱心に開いています。都立の豊富な蔵書は利用者にとって魅力であり、今後とも、この点での都立図書館の存在価値は高いと思われますが、今後の資料保存(年限を区切った廃棄)の状況は楽観できるものではなく、この点でも区市立図書館、特に市部の図書館は努力しています。

 

 個人貸出の実施は、都立図書館が「大きな区立図書館」に過ぎないことを内外に強烈に印象づけるものです。財政当局は、そのような施設の指定管理者化、あるいは廃止をためらうことはないでしょう。

 都立図書館を含め、東京の図書館サービスの維持発展のためには、「改革」というよりも「基本への回帰」、もう一度立ち止まってじっくり考えることが必要だと考えます。その上で、変えるべきところについて、みなが幸せなようにより良く変えるのです。

 

 日比谷分会は、以上の観点から下記のとおり、要請します。

 

 

個人貸出の実施検討については、都立図書館の存在意義に関わる問題であることを認識し、これまで都立図書館が果たしてきた役割、諸改革方針との整合性、区市町村立図書館との関係など様々な観点から、「都立図書館は個人貸出はしない」という基本的な「方針」を変更するようなことについては慎重に検討すること。

以上

 

区市町村立図書館が資料の貸出など住民への第一線の直接サービスを役割としているのに対し、都立図書館は広域的自治体の図書館として、高度・専門的な情報サービスの提供と区市町村立図書館への支援を主な役割としています。このため都立図書館は(中略)個人貸出は行わないことを基本とします。(「都立図書館改革の具体的方策」より)

 

 

「東京の図書館をもっとよくする会」は、一人会派4会派を含む都議会9会派に「
東京都立図書館の充実・改善についてのアンケート」を出しました。その回答のあ
った5会派の返事を頂きましたので、以下に到着順で掲載します。

<アンケート本文>

 

               御中

都立図書館の整備充実についてのアンケートのお願い

2009511日  

東京の図書館をもっとよくする会  

代表  大澤 正雄  

謹啓、貴下におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

「東京の図書館をもっとよくする会」は、東京都内の公立図書館の一層の充実を願うものが寄り合い、活動を行っている団体です。

  東京都は1970年代から公立図書館を文化政策の柱と位置づけて整備充実を進め、1973年には都立中央図書館を、1987年には都立多摩図書館を開設し、区市町村立図書館の支援と、調査参考サービスを進めてきました。2008年には都民人口の4割にあたる510万人が公立図書館を利用しています。

しかしながら、東京都教育庁は、都立図書館の施設・資料・人的資源を抑制する都立図書館「改革」を2001年から進めてきました。

1908年、東京市立日比谷図書館が市民の書斎として開設されてから蓄積されてきた都立図書館の蔵書と司書によるサービスは都民の宝です。これを引き継ぎ、さらに充実して将来に伝えていくことは私たちの願いであり責務であると考えます。

つきましては、別紙記載のことについて、貴党(会派)のお考えをお示しいただきたく、お願いいたします。お答えは当会のホームページなどに掲載させていただきます。5月末日までに、お答えを同封の返信用封筒でご返送くださいますようお願い申し上げます。

ご多用のなか、誠に恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

1.返送・問合せ先(略)

2.送付資料

1)アンケート依頼状(本紙)

2)アンケート質問用紙

3)アンケート回答用紙

4)返信用封筒

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

都立図書館の整備充実についてのアンケート 質問用紙

 

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

昨年、図書館法の改正を審議した衆院文部科学委員会と参院文教科学委員会は、図書館の専門職員である司書について、「多様化、高度化する国民の学習ニーズ等に十分対応できるよう・・・専門的能力・知識等の習得について十分配慮すること」とし、「有資格者の雇用確保、労働環境の整備、研修機会の提供など、有資格者の活用方策について検討を進める」ことを求める附帯決議を全会派一致で採択しました。

東京都は司書の定数削減を進め、ここ9年間は採用を行いませんでした。その結果、必要な司書が配置できず、その年齢構成も極めていびつになっていると報じられています(参考資料 法

多様化、高度化する資料・情報要求に十分に応えられる司書職員を確保、育成していくために、過度の定数削減を見直し、計画的・安定的に採用する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

東京都教育庁は、現在、都立図書館が区市町村立図書館に提供(協力貸出)する図書・雑誌を大幅に制限したうえ、提供(協力貸出)した図書・雑誌を住民・利用者に貸出さず、原則として借り受け館内の利用に限ることを計画しています。

  都道府県立図書館の役割は、地域の公立図書館のサービスを支援し、地域の公立図書館と一体になって住民の資料・情報要求に応えることではないでしょうか。

私たちは、資料・情報提供という図書館のもっとも基本的サービスを切りつめる方策をとるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

 

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

都立中央図書館は開設から36年経ち、書庫は3年後には満杯になる状況です。教育庁は20022月議会で、1タイトル1冊の資料は都立図書館として廃棄せず保存すると言明しました。しかし、教育庁は都立図書館の施設拡張は行なわないという2001年に定めた方針(20021月「都立図書館あり方検討委員会」(第一次)報告)を変えていません。この方針に固執するなら、議会答弁を反故にし、保存期間を短縮し、蔵書を次々と除籍・廃棄することになるのは明らかです。

都立図書館は、首都の中央図書館として、図書資料を後々までの利用に供することを期待されており、蔵書を増やすのは当然ではないでしょうか。

50年、100年の将来を視野に入れ、都立図書館の資料収蔵スペースを拡充する計画を早急に策定し具体化すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 

 

4.【図書館協議会の委員の選任について】

 都立図書館は、図書館法第15条に基づき都立図書館協議会を設けています。図書館協議会は、館長の諮問に応えるとともに、図書館奉仕について館長に対して意見を述べる機関ですが、東京都教育委員会はここ数年、委員の公募を行わず、都内区市町村の公立図書館長を委員から除外しています(参考資料◆法

図書館法は、委員の任命対象を学校教育、社会教育、家庭教育関係者と学識経験者としています。私たちは、都立図書館の奉仕の対象である都民から公募し、都内公立図書館長から委員を選任するべきだと考えますが、いかがでしょうか。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

東京都教育庁は都立図書館の改革方針(前記20021月報告、20058月「都立図書館あり方検討委員会」第二次報告―都立図書館改革の基本的方向―)を作成し、具体化してきました。しかしながらその内容は、将来にわたり図書館経費を抑制する基調のため、憂慮されるものになっています。

私たちは、教育庁幹部が密室で作成したこれら改革方針を見直すこと、そして都立図書館の将来構想を図書館関係者や有識者による都民に開かれた場で論議し作成することが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。

 

【参考資料】

都立図書館:司書採用、9年ぶりに再開方針 /東京

毎日新聞 平成2137(朝刊24面)

 都人事委員会は6日、都職員採用で01年度試験から凍結してきた都立図書館司書を09年度試験で9年ぶりに再開する方針を明らかにした。短大卒程度が対象の試験区分「2類」で1人程度を募集する。

 都立図書館は、中央(港区日比谷(千代田区、今年7月に区へ移管される予定)多摩(立川市)−−の3館。中央図書館総務課によると、昨年12月現在、常勤司書は計110人の64・5%に当たる71人が50歳以上。これに加え、定年後に再任用された司書が14人いる。

 新規採用の凍結に伴い、最年少の司書は33歳で20代はゼロとなっている。団塊世代が大量退職する中でも、利用者の支援には経験の蓄積が求められるため、新規採用の再開を求める声が出ていた。

 一方、都人事委は同日、雇用情勢の悪化を受け、09年度試験で都職員の採用予定者数を945人程度とし、前年度に比べ273人程度増やして実施すると発表した。身体障害者らを対象にした試験の詳細は、これとは別に発表する予定。【木村健二】

 

第23期東京都立図書館協議会委員名簿(平成18121日〜平成201130日)

氏名

現職等

糸賀 雅児

慶應義塾大学文学部教授

尾城 孝一

国立情報学研究所開発・事業部コンテンツ課長

奥村 美惠子

都立目黒高等学校長

小林 麻実

アカデミーヒルズ六本木ライブラリーアドバイザー

島田 京子

日本女子大学事務局長

辰巳 渚

文筆家・マーケティングプランナー

千野 信浩

週刊誌記者

中島 元彦

元・東京都教育長/東京市政調査会常務理事

野末 俊比古

青山学院大学文学部准教授

日癲)О

豊島区教育委員会教育長

松尾澤 幸恵

稲城市教育委員会教育長

山田 真哉

公認会計士

                                   

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「東京都立図書館の充実・改善についてのアンケート」回答

 

1.都議会・生活者ネットワーク

 

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

  専門的知識を持って、区市町村図書館を補佐・支援して行くべき都立図書館の職員には、司書資格を持つ人を増やしていくべきとかねてより主張して来ました。

  当然、計画的・安定的な採用が必要と考えます。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

  区市町村図書館が財政的な理由などから更なる充実が行なえない場合も多く、都の役割は区市町村図書館への協力・支援を行う意味が大きいと考えております。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

  おっしゃるとおりです。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

  生活者ネットワークは審議会や協議会に公募都民を入れるべきであると常に主張してきました。しかし、教育委員会関係ではなかなか一般都民や現場の声を聞こうとしない状況が続いており、残念なことだと思います。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

  まったく同感です。

  教育や文化というものに対して、目先の行政改革に追われて、愛情と将来を見据えた考えを持たない行政では、人を育て、発展を求めることは難しいと思います。

 

2.自治市民‘93

 

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

 社会教育の重要な柱を担う人材として司書の計画的採用が望まれます。自ら学ぶためには図書館司書の専門的知識による学習支援が欠かせないと思います。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

 国立国会図書館の資料を地域の図書館で借りたものの館内利用しかできないため、有効に使えなかった思い出があります。館外貸し出しは利用者の知る権利を満たす上で必要な要素で、この部分を縮小するのは本末転倒と言わざるを得ません。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

 国立国会図書館も資料増加のために関西館を作ったように、東京都もスペースがなければ新たな施設建設も含めて考えるべき時期に来ていると思います。また出版社の多くが東京に集中しているという地域特性を生かして、各出版社に協力を求めることも必要かと考えます。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

 限られた予算の中で副本を多くすべきか、それとも資料的価値の高い本を購入すべきなど本の選定をめぐって図書館利用者の中には様々な意見があり、しかもその意見は一長一短があり片方が正しくてもう片方が間違いと単純に言い切れるものではありません。

これらの考えを整理し、方針を出すためにも図書館協議会に都民が複数選ばれるべきだと考えます。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

 生涯教育が言われる現在、学校教育だけではなく社会教育の占める要素が重要であると思います。その中でも図書館の占める位置は重要と考えます。利用者の声を反映した透明性のある形による将来構想を作ることによって、図書館予算を減らそうという動きに対抗できると思います

 

3.都議会公明党

 

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

  ベテラン司書職員の大量退職が続く中、中長期的な視点に立って、司書職員を計画的に確保・育成していくことは必要であると考える。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

  区市町村図書館に対する支援や連携協力は重要な役割であると考える。区市町村図書館への提供の制限については、都立図書館の直接来館者へのサービス、蔵書の劣化防止等の問題もあると聞いている。都教育委員会の動きを注目していきたい。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

  都立図書館の蔵書の保存方針に従い、都教育委員会が適切に判断すべきことと考える。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

  都教育委員会が判断すべきことと考える。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

  都立中央図書館は平成21年1月にリニューアルオープンし、また、都立多摩図書館は同年5月に東京マガジンバンクをオープンさせたところであり、今後の将来構想については、都教育員会の動きを注目していきたい。

 

4.日本共産党東京都議会議員団

 

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

  貴会のお考えに賛同します。

  司書職員が十分に配置され、専門性を発揮していることは、図書館およびその蔵書が生きたものとして都民に活用されるための大前提です。都は定年退職を補充せず、ワンストップ化や日比谷図書館の千代田区移管で定数を削減していますが、定数を増やし、計画的に採用して育成を図るべきです。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

  貴会のお考えに賛同します。

 都立図書館に出向き、ゆっくり時間をかけて図書を閲覧できる都民は限られています。幅広い都民が都立図書館サービスを利用できるようにするために、協力貸出の制限や期間の短縮、借り受け館内の閲覧のみに限ることは行うべきではないと考えます。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

  貴会のお考えに賛同します。

 資料の収集と保存は都道府県立図書館の重要な役割の1つです。収集の充実について私たちは、都立図書館の図書購入費を最高時の4億6千万円の水準に増額するよう、都議会で予算の組み替え提案を行いました。同時に、古い本は廃棄するという方針は改めて、資料収蔵スペースを拡充して、保存もしっかりと行っていくべきと考えます。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

  貴会のお考えに賛同します。

 図書館協議会は、地域住民や利用者の声を十分に反映して図書館を運営するために設置するものであり、利用者や公募委員を加えないのはおかしいと思います。また、区市町村立図書館は、都立図書館と協力関係にあり、都民にとっては都立図書館利用の窓口の1つでもあるわけですから、区市町村立図書館長の館長を加えるのも当然と考えます。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

  貴会のお考えに賛同します。

 当時、あり方検討会はメンバーが庁内の課長級までの幹部だけ、都立図書館の司書や区市町村立図書館の関係者、利用者の意見を聞かず、図書館協議会にも諮問がないなかで方針を作成したことを、私たちは批判してきました。図書館関係者や有識者、都民に開かれた場で議論し、方針を見直していくべきだと考えます。その際、資料の収集と保存、都民サービスを充実させる方向で進めることは当然です。

 

5.都議会民主党

1.【司書職員の計画的採用・活用について】

 民主党は、本会議、文教委員会等でも、司書職員の確保、育成やレベルアップ、レファレラルサービスでの専門機関との連携が重要と考え、取り組みを求めてきました。今後も継続して取り組みます。

2.【区市町村図書館への協力・支援サービス縮小方針について】

  民主党は、本会議、文教委員会等でも図書館の充実を取り上げ、都立図書館の区市町村立図書館をバックアップする機能は重要、都内図書館のネットワークを構築すべきと求めてきており、今後も継続して取り組みます。

3.【資料収蔵スペース、施設の拡充について】

  民主党は、本会議、文教委員会等でも図書購入予算の拡充を求めました。また、保存年限を有限にし、1タイトル1冊とした収集方針、公共財である資料のマネジメントに疑問を呈し、書庫スペースを拡大すべきと主張してきました。改選後も実現に向けて取り組んで参ります。

4.【図書館協議会の委員の選任について】

  質問1.〜3.で述べたように、都立図書館は、公共の財産として、知の集積拠点として、充実する方向性が必要と考えます。

  石原知事の緊縮財政の下、何を守り、何を削るかという、都の財政方針の影響を受けているのではないでしょうか。

  民主党は、図書館充実へと財政方針を転換させ、その上で、都教育委員会に図書館のあり方についても都民を入れた検討をするよう求めていきます。

5.【都立図書館の将来構想の作成について】

  質問1.〜4.で述べたように、都立図書館は、公共の財産として、知の集積拠点として、充実する方向性が必要と考えます。

  これらの検討も石原知事の緊縮財政の下、何を守り、何を削るかという、都の財政方針と無関係ではないと考えます。

  民主党は、図書館充実へと財政方針を転換させ、その上で、都教育委員会に図書館のあり方についても都民を入れた検討をするよう求めていきます。

 

6.東京都議会自由民主党

「このアンケートに回答する予定はない」との連絡あり。

 

 

都立中央図書館長

影山竹夫 様

20081127日  

都庁職教育庁支部

日比谷分会執行委員会 

 

名簿の利用制限についての要請

 

先日来、マスコミで報道されておりますように、元厚生事務次官の殺傷事件では被害者の自宅住所等を調べるために図書館の蔵書が使用されました。それは大変残念なことです。

しかしながら、無差別殺傷や「テロ」への対処として、図書館が率先して利用制限をおこない、情報の自由な流れを遮断し、閉ざされた社会にしていくことは誤りだと私たちは考えます。

都立図書館は、1126日にサービス部長名で「『省庁の幹部職員の住所録等』の取り扱いについて」を発表しました。その内容の概略は、

    厚生労働省の名簿のうち、個人の住所・電話番号が記載されているものの閲覧を休止する。

    他の省庁の職員名簿、「職員録」「人事興信録」「日本紳士録」の個人情報が記載された資料は閉架とし、閲覧は指定された席でおこない、コピーは禁止。

というものでした。

 

現代という時代が、暮らしの「安全・安心」や、過敏なまでの個人情報の取り扱いを求めていることは十分承知しています。

しかし、いうまでもなく、図書館は住民の「知る権利」を保障する機関です。そのために図書館は「資料提供の自由」を有します。(「図書館の自由に関する宣言」(日本図書館協会 1979採択))それは図書館の根本的なミッションです。

 この「自由宣言」は、戦前の図書館が、まさしく「国民の安心・安全」を守るというお題目のもとに、時代に迎合し、やがて時代に呑み込まれていったことに対する深い反省のもとに、高く掲げたものです。そして時代にブレない姿勢を貫いてきたことによって生まれた住民の図書館に対する信頼があればこそ、戦後図書館は発展し、また社会的にも認知される存在になったのです。

 こう考えるとき、暫定的処置とはいいながら、今回、都立図書館が決めた処置を、私たち都立図書館に働くものは、大変残念かつ遺憾に思います。深い悲しみと憤りを感じます。時代の風潮を反映した「クレーマー」に対して備えるかのような過剰な自己規制ではなく、むしろ図書館の社会的な役割・任務を毅然としてアッピールする機会とすべきでした。

 

そこで、下記の論点から、早急にこの取り扱いを改め、撤回・見直すよう要請します。特に上記△了駑舛亮茲螳靴い郎拠のない過剰な自己規制であり、ただちに撤回すべきです。

 

○ これまで都立図書館も、「自由宣言」を元に資料の取り扱いを判断してきました。閲覧制限は個人の人権を具体的に侵害する等のごく限られた場合のみに限定されていました。(週刊誌による少年犯罪者の実名・顔写真報道等)

今回も1121日のマスコミからの問い合わせに対し、「厚生労働省などから要請もないし、図書館資料について司法判断が出たわけでもない、都民の知る権利の観点から閲覧制限はしない」という主旨の回答をおこなっています。ここまでは正しい処置であったと、私たちは考えます。

このような名簿も公開していくのは、憲法15条「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。2、すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない(以下略)」が述べる、主権者国民に対する公務員(とりわけ幹部公務員)の人事、ひいては国家・行政の透明性・公開性の確保という国民主権主義原則からの要請です。

○ それがなぜ変わったのか。まして今回は、その時点では、取り扱いを検討する前提ともなる当事者(厚生労働省や名簿に掲載された個人)からの要請もなく、また図書館資料についての司法判断があったわけでもありません。「検討」に入ること自体が必要ない状況でした。

その後、26日午後に、厚生労働省から都道府県教育委員会宛に「名簿の利用について配慮要請」の文書がファックスされましたが、「特段の御配慮」を「お願い」するものでしかなく、また、その対象資料は厚生労働省関連の名簿に限定されています。都立図書館が実施したような他の名簿類の閲覧制限までは求めていません。

○ 国会図書館は、厚生労働省の要請を受けて、20日に「緊急避難的」な処置をとりましたが、当然のことながら、対象は厚生労働省関連の名簿に限定されています。

○ 埼玉県知事は、県立図書館が閲覧制限しないことについて、「基本はオープンマインドの社会。クローズマインドの社会にならないように」と支持しています。

○ 図書館協会は、「これを理由として名簿の利用を過度に規制しないように慎重に」と述べています。

○ このように各図書館や、図書館以外の関係者ですら、取り扱いに苦悩しながらも、必要最低限に止めようとしているのは、図書館の基本的な任務についての認識が浸透しているともいえます。まさに「自由宣言」を掲げて歩んできたことの成果でしょう。ところが、都立図書館だけが、このことに逆行して、自らがその役割を放棄しようとしています。異常なことであり、大変悲しいことです。

○ また、厚生労働省からの「お願い」すら来ていない状況での「大慌て」の決定についても、異例でした。1126日に「『省庁の幹部職員の住所録等』の取り扱いについて」が出され、すぐさま同内容がプレス発表されました。前日の資料取扱委員会での合意は上記,世韻任△辰燭發里法↓△鯆媛辰垢襪箸いΣ変を行ったうえ、職員への周知も不十分な状態で大急ぎで発表を行う必要があったのか疑問です。

もっと議論を尽くし、職員への説明もきちんとされるべきだったと思います。厚生省の名簿(個人情報掲載)を所蔵しているのは3館の中で中央図書館のみで、さらに臨時閲覧室も今月いっぱいで閉室するので、資料の閲覧も残り数日で一時休止となります。そこまで待ってもよかったのではないでしょうか。

プレス発表の結果、マスコミや都内の公立図書館からの問い合わせは殺到し、ニュースでも取り上げられました。都立図書館が下した判断が都内や他県の図書館に与える影響は少なくありません。もっと慎重に行動すべきと考えます。

 

さいごに

 今回の一連の対処については、「図書館の自由」を図書館内部から揺るがす大きな事件であると考えます。

また、このことは、特異な犯罪をきっかけとして、国・自治体が組織としてその秘密性を高めることにつながります。それに公立図書館が加担することによって、害悪の印象を薄めているとも言えます。

他方では職員の「自己責任」を強調してネームプレートをつけさせているにもかかわらずです。

「『省庁の幹部職員の住所録等』の取り扱いについて」は、早急に見直し、撤回すべきものは撤回するよう、重ねて要請いたします。

以上

 

 

 

“祝 開館100周年!

「日比谷図書館100周年を祝う会

―都立図書館のあすを考える」

                       
11月15日盛会のうちに終了しました。

 

「出版ニュース」2008年12月上旬号 p.6〜9に、
「都立図書館のあすを考える 日比谷図書館100周年と現在の図書館」(山家篤夫)

 

が掲載され、この日も模様とともに、都に対して、新たな図書館政策の策定を求めています。
ぜひ、ご一読ください。

 

東京都教育長 中村 正彦 様

東京都教育委員会委員長 木村 孟 様

東京都立中央図書館 御中

 

都立図書館の充実に関する要望書

2008620

都立図書館を考える会

代表 石井 紀子

 

先般6月4日、図書館法の改定を含む「社会教育法等の一部を改正する法律」が国会で可決成立しました。本改定は教育基本法改正を受けたものです。

衆院文部科学委員会と参院文教科学委員会における審議は11時間に及び、図書館については市民が資料や情報を受領・発信する「地域の知の拠点」(渡海文科相)と位置づけられ、地方分権の下、その充実を図る地方自治体の責務が重大であることが浮き彫りにされました。

また、両院において、専門的職員の継続・安定した確保・育成が困難であることが「指定管理者制度の導入による弊害」であると指摘し、国と自治体に「有資格者の雇用確保」と「専門的能力・知識等の習得」に十分配慮するよう求める付帯決議が自民、民主、公明等の会派から提出され、全会派の賛成で採択されました。

現在、都立図書館は第二次あり方検討委員会報告の施策の具体化を進めていますが、国会審議で示された公立図書館に対する高い期待は、多くの都民が共有するところであると考え、都立図書館の管理運営について、次のことを要望します。

 

1.司書職員の計画的採用を進めてください

都立図書館の司書職員は、今後3年間でほぼ40人が定年を迎えます。再任用制度はあるものの、再任用辞退や定年前退職が増加し、既に司書職員の減少は著しい状況です。

「有資格者の雇用確保」に設置者自治体の努力が求められています。都民に充実したサービスを提供するため、退職不補充を改め、司書職員の計画的採用を実施してください。

 

2.区市町村立図書館への協力支援業務を維持・充実してください

東京都は、都立図書館あり方検討委員会報告に基づいて、複本を除籍(一部廃棄)し、協力貸出資料の限定、貸出期間縮小など、重要な協力支援業務である協力貸出サービスの規制を強化しています。2006年度の協力貸出冊数は2001年に比べ2割以上減少し、逆に区市町村立図書館の相互貸借は2倍以上に増加しています。都立図書館の責務を区市町村立図書館に転化したことの結果です。

区市町村立図書館への協力支援業務は、広域自治体である都道府県立の図書館に課せられた主要な業務です。協力貸出サービスはその要です。この上、搬送費を徴収し、さらに「館止め」という都道府県立図書館に例のない規制強化を行う方針は白紙に戻し、いたずらな規制は緩和し、協力貸出しサービスを充実してください。

 

3.都立図書館の書庫を拡張してください

都道府県立図書館は県域レベルの資料保存機能を持っています。人口12百万人の首都東京都が都立図書館の書庫拡張計画をまったく持たずに放置している現状は、文化的貧困としかいえません。

このため、これまで31万冊の複本が除籍(一部廃棄)されましたが、中央図書館の書庫容量は2010年度末で限界になります。2002219日の都議会文教委員会で、都立図書館の保存機能を懸念する委員の質問に対し、嶋津生涯学習部長は都立図書館といたしましては、資料一冊は、まさに都立図書館の責任において保管、収蔵するものでございます。」と、答弁されました。委員の懸念は多くの都民の懸念でもあります。 

都立図書館が一冊しかない本も保存できなくなる事態を招かないために、50年、100年先を見据えた都立図書館の書庫拡張計画を早急に策定し、事業実施してください。

 

4.日比谷図書館を都立図書館として活用してください

日比谷図書館の現有床面積は1万平米で、改築によって100万冊の収蔵が可能です。

日比谷図書館の資料費は、第一次都立図書館あり方検討委員会報告が出てから7年間、従来の三分の一に削減されているにも拘わらず、司書職員の努力と抜群の立地条件に支えられて、年間62万人、一日2千人もの利用があります。

東京都が日比谷図書館を移管しようとしている千代田区は、中央館を含め全図書館を営利企業の指定管理者にする方針を確立・実施しています。一世紀の間、都民の書斎として根付いている歴史ある日比谷図書館を、弊害が懸念される管理運営に委ねることなく、都立図書館として活用してください。

 

5.中央図書館の雑誌サービスを空洞化せず、充実してください

東京都は「都立図書館改革の具体的方策」(20068月)を公表し、「東京マガジンバンク(仮称)の創設」「一般雑誌から学術雑誌まで広範囲の雑誌 −約16,000誌を目標− を提供」とプレス発表しました。各メディアは、東京都が久々に打ち出した文化的事業であると報道し、都議会でも「都立図書館サービスの新たな展開」「公立図書館としては全国初の取り組み」2006929日)と評価する報道が紹介されました。しかし、プレス発表では、東京マガジンバンク「創設」のために、中央図書館新聞雑誌室がサービスに供している雑誌11千タイトルの三分の二、7千タイトルを多摩図書館に移管するとはしていませんでした。

雑誌は、調査研究において図書と併用される有用な情報媒体です。中央図書館では、雑誌の利用冊数(書庫からの出納利用冊数)は図書のそれとほぼ同数で推移しており、雑誌は利用者の調査研究と司書のレファレンス業務の重要な情報源です。

三分の二もの雑誌を失うことは、中央図書館の蔵書の多様性を大きく削ぎ、その上、サービスに支障を生じ、区市町村立図書館が所蔵していない資料を求めて中央図書館を利用してきた多くの都民の信頼を失います。  

雑誌の多摩図書館移管計画の見直し、中央図書館の雑誌サービスの充実を求めます。

以上

 

20074月の東京都知事選の際、「都立図書館を考える会」では、都知事選挙立候補者に対して
「都立図書館の整備充実の方策について」アンケートのお願いを発送しました。
アンケート内容は下記のとおりです。≫

 

都民のための都立図書館を求める陳情
都立図書館を考える会

 

石原東京都知事の定例記者会見における
図書館についての発言に対する抗議声明

                              
2006
1115
                              都庁職 教育庁支部
※毎日新聞 1018日(水)夕刊1面に
「都立図書館の2007年問題」 「都立図書館の司書 5年で半数が定年に」
が載りました。1020日に都知事の定例記者会見で、記者がこの問題について質問しました。
この回答に対する、見解です。

 

「都立図書館の改革の具体的方策」出る。
 8月24日、東京都教育委員会は、「都立図書館改革の具体的方策」を発表しまし
た。これは、「都立図書館改革の基本的方向(第二次都立図書館あり方検討委員会報
告)」(2005年8月)の内容を具体化したものです。
 東京都教育委員会または都立図書館のホームページから全文及び概要版が見られま
す。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr060824a.htm

東京都教育委員会の労働組合
 都庁職教育庁支部は、「都立図書館改革の具体的方策」に対する見解を発表し、
この「具体策」が、都民への図書館サービスを後退させ区市町村との協力関係を破壊
するであることを指摘しました。

具体的方策に対する支部見解

http://www.geocities.jp/hibiya_bunkai/img/forest.gif


http://www.geocities.jp/hibiya_bunkai/img/pin01.gif「日比谷分会の要求(申入書など)」

http://www.geocities.jp/hibiya_bunkai/img/book3.gif機関誌「分会ニュース」記事紹介



http://www.geocities.jp/hibiya_bunkai/img/bk_ttbtn_ext_08.gif2006.5.27 シンポジウム どうなる日比谷図書館?!
 −都立図書館のリストラ構想−
  を、開催しました。

 527日、あいにくの小雨模様の天気ではありましたが、シンポジウムには、都内の図書館
 関係者、利用者のほか、遠く福島や静岡から見えた方もあり、60名の参加者で、利用者に
 支えられた堺市の指定管理者制度導入反対運動、東京都のこれまでのめちゃくちゃな図書
 館政策について報告を受け、活発な論議が行なわれました。
 参加者一同で、東京都教育長と千代田区長に「要請書」を出すことを決め、
 530日に代表者7名で、2箇所への要請行動を行ないました。

 

http://www.geocities.jp/hibiya_bunkai/img/pin01.gif2006年度以前の「日比谷分会の要求(申入書など)」

 

http://www.geocities.jp/hibiya_bunkai/img/book3.gif2006年度以前の機関誌「分会ニュース」記事紹介

2006


2005


2004

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