【ビギナーのためのハーブ・ガーデニング講座12】
 ≡≡≡ 挿し木 ≡≡≡
「挿し木」と聞くと少し面倒に思われるかもしれませんが、挿し木は苗を増やすのに非常に便利な方法ですし、代表的なハーブのほとんどは挿し木で増やすことが出来ます(ラベンダー、ローズマリー、ミント、タイム、セージなどなど...)。また、ハーブは蒸れに弱い植物ですから、マメに枝を剪定することが多いのですが、その際についでに挿し木しておくと、ドンドン増えてしまい、育てる場所に困るほどです(ベランダ園芸だとこれが笑い話で済まないという...(^_^;))。ともあれ、殖やす喜びは貯金と同じ、是非是非皆さんも挿し木にトライして、「挿し木スト」を目指しましょう!ヽ(^o^)丿

挿し木の基本手順
(1) (2) (3) (4) (5) (6)
3〜5cm若い
芽を切る
葉は3枚
程度残す
長い葉は
切り詰め
茎は斜
めに切る
挿し床
を用意
半日陰
に安置
挿し木苗では、挿し木はどうやったら良いか?ということですが、挿し木が出来る種類の植物は、元々それに適した条件下にあれば、自然と発根して生命の維持に努めようとしますから、自ずから挿し木に成功するという訳です。ではどういう条件下におけば良いかというと、基本的には以下の3点にまとめられると思います。

  (1)適切に切り取られた挿し穂で挿す
  (2)無菌状態の挿し床に挿す
  (3)発根しやすい環境に置く

1)挿し穂
 挿し木するには挿し穂(=挿し木する部分そのもの)が必要ですが、挿し穂を作る時には以下の5点に注意すると良いと思われます。
メネデール  (1)なるべく若い芽を使用
  (2)穂の長さは3〜5cm程度に
  (3)葉を2〜3枚程度残す感じで(先端に芽がある場合はカット)
  (4)切り口は、節の下で、ナイフで斜めに切断
  (5)数時間〜1晩程度「水揚げ」する(=コップなどで水に挿しておく)
    ※有れば、「メネデール溶液」などの発根促進剤を用いると猶良い

 まず1点目ですが、若い芽の部分(=木質化してなく緑色の茎の所)は元々成長意欲が盛んな場所ですから(生物学的には多分成長ホルモンが集まっている、ということだと思いますが)、ここの部位を用いるとより発根しやすいようです。勿論木質化している部分でもうまく行くことはありますが、なるべく若い部分を使うに越したことはないと思います。

 2つ目の穂の長さについては、あまりに長いと、根が発根するまでの間に穂から蒸発する水分が多くなるので、発根まで穂の寿命が持たなくなるからだと思われます。

 3つ目の葉についても、残す葉の枚数を少なくすることで葉からの水分蒸散量が抑えます。もしも1枚の葉の面積が大きい種類のハーブ(ゼラニウムなど)の場合、葉を半分に切ったりすると有効です。また、一番先端の芽の場合は、当然新芽の部分がありますが、これは切り取っておきます。挿し木をした後、発根するまでの間、無駄な体力を苗に使わせないという意味で効果があるようです。

 4点目については、ハサミなどで切ると、切り口の細胞が潰れて死んでしまい、発根しなくなる可能性があるようですので、ナイフでスパッと切ります。この時、一般に斜めに切るとされていますが、普通に真横に切ったら発根しにくいのか?出ないのか?その辺は実験したことないので分りません。(^_^;)

 5点目は、やらなくても大丈夫だったりしますが、やっておいた方が無難だと思います。多分、その後、根の無い生活をするための水分を補給という意味があるんだと思います。また、メネデールは使うに越したことは無いと思います。小さいサイズなら300円程度で売っています。
2)挿し床
挿し床(赤球:バーミキュ=1:1) 「無菌状態」というと少し大袈裟に聞こえてしまうかもしれませんが、要はなるべく雑菌が繁殖しないように努めておくというだけのことです。挿し穂は、いわば生物(なまもの)ですから、放っておくと切り口からドンドン腐敗して行きます。そうすると、発根する前に切り口から細胞が腐蝕して発根することが出来なくなります。そのため、発根するまでなるべく腐敗しない環境においておく必要があるという訳です。
 やり方としては、なるべく通常の使い古しの土は用いず、市販の未使用の無菌状態の用土を使うことになりますが、経験的には、市販の赤球土とバーミキュライトを各々「赤球土:バーミキュライト=1:1」で配合したものを挿し床に用いると比較的成績が良かったので、私はこれを使用しています。
 この挿し床に、1)で準備した挿し穂を挿します。3号鉢なら3〜4本ぐらいが目安だと思いますが、別に何本挿しても問題はありません(場所の節約で私は10本ぐらい挿したりします(^^;))。その際、固めた挿し床にズブッと挿すと挿し穂の切り口が傷む場合がありますので、やさしく挿した方が良いかと思います。
 そうして挿した後に(挿す前でも良いですが)、鉢に水を充分与えて下さい。この時、メネデール溶液を上げると猶良いかと思います。
3)その後のケア
 挿し穂を挿し床に差した後は、半日陰な所にしばらく安置するのが良いとされていますが、私の場合それは1週間程度で、その後は通常の日当たり良い場所に置いています。挿し木したばかりの時は環境の変化への対応という意味と、何よりも水の吸い上げを自力で出来ない訳ですから、あまりに蒸散する状態に置くと、発根以前に苗が体力を消耗してしまい失敗する恐れがあります。一方で1週間ぐらいした後は、今度は発根のための体力が要るため、光合成をさせた方が良い、ということです。
 また、「早く根が生えますように!」と、可愛がって水を頻繁に与えると、却って腐敗が進みかねませんので、乾燥し過ぎない程度に、週に1〜2回程度の水遣りを充分だと思います。目安は、挿し床の赤球土が白ばんで来た頃に与えるので良いと思います。

 こうしておけば、大体2〜3週間ぐらいすると発根します。発根したかどうかは、鉢底から白い根が出ているかどうかで確認出来ますが、苗が鉢の上の方に植え付けられているとなかなか確認出来ず、その内に我慢できなくなって引っ張ってみると「プチッ!」と根を切ってしまった、ということもしばしば起こり得ます。(^^;)
発根に伴い発芽 それを防ぐための方法が1つあります。それは、発芽した時が発根の合図ということです。発根をすると、植物としての目に見える活動が再開されますので、それが発芽という形で端的に現れます。2〜3枚だけ残された各々の葉と茎の間の所から芽が出始めたら発根していると考え、そこで満足して、無理に確認しないようにしましょう。(^_^;)
 そして、鉢底から根が出はじめたら本格的に鉢に植え替えすれば良いのですが、ある程度鉢の中で根が回るぐらい安置しておく方が無難は無難です。あまりまだ根が成長し切っていない段階で植え替えると、植え替えた途端に枯らしてしまうことがママあります。何事も辛抱が肝心ですネ。(^▽^;)

 これらの過程で、葉や苗自体が萎えてくるようですと、水分の蒸散量が多過ぎるということですから、(1)事前の水揚げが足りなかった、(2)葉が大き過ぎたり、茎が長過ぎた、等の要因が考えられます。
 また、雑菌が繁殖してしまって発根がうまく出来なかったケースも考えられますが、これは萎えた後で抜いてみると、切り口の部分から黒く腐敗していることで確認が出来ます。勿論これは何処かの過程で雑菌が繁殖する状況があったということですが、仮に充分に気を付けていても、夏などの気温が高い時期にはどうしてもこのケースで失敗することがあります。この場合はなるべく春・秋ぐらいの季節を狙ってトライする方が良いかもしれません(ウチの場合、日当たり悪いので気温が比較的低いのか、真夏でも挿し木はヘッチャラですが...)。
4)おまけ〜キッチン挿し木
 以上ご説明したような感じが挿し木のテクニックですが、挿し木しようにも苗が無いことにはどうしようもないですよネ。ちなみに挿し木して増やしたいハーブとしては、レア物の珍しい苗もそうですが、キッチンでよく用いるハーブも沢山苗があると重宝することでしょう。

 そこで、最近では近所のスーパーでもプラ・パック入りで100円そこそこでハーブが売られていることがあると思いますが、それを利用して挿し木することも出来ますヨ! 「えぇ?」と思われた方もあるかもしれませんが、一方で、ネギやミツバなんて、よく根っこを地植えして増やしたりしますよネ。あれと全く同じ感覚です。買ってきた時に既にシナッとしているハーブだと少しキツイですが、大抵は新鮮な状態で売られているでしょうし、それに加えて、通常の園芸店で売られているものよりも幾分は香りの良さも留意されたものを出荷しているのでしょうから、うまく挿し木出来ればお得かもしれませんネ。(^o^)

 挿し木のやり方は上記と全く同じ要領で大丈夫です。パックのハーブで、料理に使うものの一部、数本を、下葉とかも料理に使った後で、挿し木用にすれば良いです。留意点としては、キチンと株元をナイフで斜めに切断しておくことぐらいでしょうか? 失敗しても、まぁ100円〜200円の話なので、苗を1株買うよりは安いかもしれません。うまく行けばワンサカ増やすことも出来ますので、是非一度試してみて下さい。ヽ(^o^)丿


※以上は、FHERBで、常連メンバーの流花さんに教えて頂いたことを基に自分なりの試行錯誤と考えをアレンジした挿し木のコツ、みたいなものです。皆さんも是非挿し木にトライして、苗を殖やす楽しさを味わってみて下さいネ。そして、多くのお友達に苗をバラ撒いて、周囲にハーブとハーブの友達の輪を広げましょう!ヽ(^o^)丿



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