カイロウドウケツ

図鑑ネタをもう一つ

カイロウドウケツという生き物をご存知でしょうか。
私がこの生物の存在を知ったのは、タカラガイと同じく、管理人室で紹介した図鑑によってでした。
そこに載っていたソイツは、どう見ても生物の姿ではなく、古代石造建築物の一部、または未知の楽器とでもいった風貌の、へんてこな形をしていました。名前も「かいろうどうけつ」と、なんだかひどくオドロオドロしくて、不気味な印象を受けたことを覚えています。

カイロウドウケツは深い海に住む六放海綿綱カイロウドウケツ科の生き物…ようするにカイメンの仲間です。下部がテグスのような細い根毛の束になっていて、この部分を海底の砂に突き刺して直立しているそうです。
「かいろうどうけつ」という名前はオドロオドロしくもなんともなく、「偕老同穴」つまり「偕(とも)に老いを迎え、同じ穴(墓)に葬られる」という意味で、夫婦の仲睦まじさを表した中国の故事にちなむものでした。
このカイメンになぜそのような名前がついたのかというと、その籠筒状の体の中にドウケツエビというエビがカップルで住んでいるからです。
ドウケツエビは小さな幼体の時に籠の目から入り込み、おそらく生存競争の果てに最後には二匹になります。そして片方が雌となり、片方が雄に変わるのです。そして成長したエビのカップルは籠から出られない大きさとなり、一生添い遂げることになるというわけです。途中で性格の不一致なんてことになっても、どこへも逃げられません。(やっぱりオドロオドロしいかも…)

海辺の観光地あたりで売られていることがあります。英名はビーナスの花かご。
写真のは高さ25pほど。縁起物とされてはいますが、実際に結婚のお祝いにこれを贈ったりすると、良識を疑われる可能性があります(特に新婦に)ご注意を。
ドウケツエビ

2005/3/7