縄文クッキーを作ろう!



縄文時代の遺跡から、炭化した明らかに食品と思われるクッキー状のものが出土することがあります。これらは主にクリ、クルミ、ドングリなどの木の実やヒエ、アワといった穀物で作られていたようです。
ハンバーグ状、丸ダンゴ状、ひねり餅状などの形があり、その土地土地で採れる食料も違うわけですから、材料も地域によって多少違っていたのでしょう。
これらは石皿や二枚貝の殻などで焼かれたようで、中には土器などで型押しされた文様があるものまであります。縄文の昔から食文化というものが発達していたのです。
これらは研究者や研究機関の間では総称して『クッキー状炭化物』と呼ばれているらしいのですが、世間一般には
『縄文クッキー』という名が浸透し親しまれています。

縄文クッキーはまだ研究が進んでおらず、内容物はもちろん、日常的に食べられていたのか、携帯食なのかなど、まだまだ謎だらけというのが現状…ということです。
表面に文様があるものは、もしかすると祭祀用だったのかも…

山形県の遺跡から出土した縄文クッキーを科学的に分析したところ、『クリ・クルミの粉に、シカ・イノシシ・野鳥の肉、イノシシの骨髄と血液、野鳥の卵を混ぜ、食塩で調味し、野生酵母を加えて発酵させていた』ことがわかった…と研究結果が公表されたことがありました。

この研究発表があった後、日本各地の小学校や歴史博物館でこの『縄文クッキー』を作るイベントが開催されるようになり、おおむね好評のようです。
材料はドングリを擂り潰した粉を使うのが基本で、鶏肉を混ぜたり、砂糖や蜂蜜を加えて本当のクッキーらしき物を作ったり…中には鹿や猪の肉を使ったこだわりの縄文クッキーも…

ただ、発表された縄文クッキーの成分調査には疑問な点も多く、どのような分析方法で内容物を特定していったかのデータがほとんどないそうです。
したがって現在では縄文クッキーに鹿や猪の肉が入っていたとか、酵母が入っていたなどの説は否定派が多数を占めているとか…


木の実や穀物を使ってあることはほぼ間違い無いが、その他の材料に関しては白紙…というのが現状だそうです。

学問的には否定されている(否定というより証明できないということですが)肉入り縄文クッキーですが、実際にはどうだったのでしょうね。
管理人は縄文時代のことなど何も知りませんし、縄文人の知能がどれほどのものだったのかも知りません。しかし縄文人といえば簡素ではあっても家を造り、土器を作り、布で作った服を着て…ちゃんと人類らしい知恵と文化があった人たちです。木の実や穀物で作った粉に、食材を混ぜるということを思いついても不思議は無い気がします。むしろそんな行為は無かったと考える方が不自然なのでは…


というわけで(?)縄文の昔に想いを馳せ、今回はこの『縄文クッキー』に挑戦です。材料はとにかくドングリ。
学術的にどうとか、当時の縄文クッキーを完全に再現しようとか、大それたことはこの際考えません。
『ドングリは食えるのか!?そして美味いのか!?』
今回のテーマはこれだけ


縄文クッキー1号
食用どんぐりとして最もビギナー向け(?)なのがこの『スタジイ』。実は小さいですがアクがなく、生食可能。
年輩の人たちに聞くと、昔はよくこれを炒って食べたそうです。いいオヤツになったとか…

理由は知りませんが、神社の境内に植えられていることが多いみたいで、今回も近所の神社で採集させていただきました。

まず水に一日浸けます。そのあと浮いたものを取り除き、天日で干します。
天日で一日干したら、なぜかほとんどが割れました。 ペンチ等を使って殻を取り去ります。 さらに渋皮も剥いてこんな感じ。

スリコギで砕いて擂って… どんぐり粉ができました

まずはクッキーという名にふさわしい、甘めのお菓子っぽいのを作ってみます。
今回つなぎには長芋を使ってみました。 擂った長芋にどんぐり粉を加え、蜂蜜を少々。 フライパンで焼きます。
縄文時代の甘味料は何があったのでしょう。花の蜜や蜂蜜、あとカエデなどの樹液などでしょうか。

こんなんできました。
しっとり柔らかいクッキー。サクサクしたものができると思っていたら違いました。
つなぎに山芋を使ったせいか、サツマイモのお菓子みたいな味。まったく問題なく完食できました。

今度は鶏肉入り。クッキーというよりハンバーグ?
鶏肉をすり身にしてどんぐり粉を加え… さらにスリスリ、こねこね… フライパンで焼きます。とてもいい香り

焼いている途中で、餅みたいにふくれてきたのには笑ってしまいました。
味はなかなかで、普通に美味しい食べ物です。調味料なしでも十分いけました。

縄文クッキー2号
これも比較的初心者向き食用ドングリ(?)『マテバシイ』
都市部でも公園に植えられいることが多く、実も大きいため縄文クッキー作りのイベントでは、ほとんどこのマテバシイが使われます
僅かにアクがありますが、簡単に消すことができます

スタジイと同じく、水に一日浸けたのち天日で干しました。
天日干しで、やはり半分近くが割れました。 皮を剥きます。スタジイと違って渋皮がなかなか取れません。 一時間ほど煮ると、アクがほとんど抜けます。残った渋皮も剥がれやすくなりました。 煮ても柔らかくはなりません(多少はなったかも)。やはり砕いて擂って粉にします。


日本は海に囲まれた、海の幸に恵まれし国。縄文クッキーに獣の肉を加えることがあったのなら、魚貝類を加えることも当然あったはず…などとトーシロの管理人は考えました。
そこで魚を使った縄文クッキーです。
スーパーで買ったイワシ 内臓や頭、鰭などを取り去ります 骨ごとすり身に
はっきり言って、辺り一面ものすごく魚臭くなります!!
家族に大ひんしゅく間違いなし!
どんぐり粉を加え良く混ぜ合わせ… ちょっとパサパサ。水か卵でも加えた方が良かったかな? 焼きます。やっぱりにおいが強烈

魚臭い!苦い!!
これはなにかしらの調味料を入れたり、におい消しに薬味などを加えないときついです。

やはり縄文クッキーに魚は合わないのか?



『縄文クッキー作り体験イベント』では最もポピュラーな卵と砂糖を使ったタイプ。最もクッキーらしいものができる…はず…
つなぎには卵を使います。 どんぐり粉に卵を適量と砂糖を少々。 ………
卵の量を間違えたのか、形が崩れるは・焦げるは…
でも味はまったく問題ありません。クセがなく普通にクッキーの味でした。むしろ、もう少しドングリらしさを感じられる変わった味が欲しかった…と思えるほどです。




スタジイと鶏肉の縄文クッキーが美味しかったので、マテバシイでも試してみました。
スリコギ作業にも慣れてきた? スタシイの時とはちょっと違うような…配合を間違えたかな… 焼くといい香り…

ちょっと焦げたけど…やっぱり美味しい♪

2007/1

縄文クッキー3号
ドングリの中で一際大きくて存在感のあるクヌギ
子供の頃、憧れのドングリでした。
パッと見は栗に似てて美味しそう?
でも味が良かったら、栗のように現在でも食用にしてるでしょうから、期待はできないでしょうね。

三日ほど天日干しして皮を剥きます。何と半分以上が虫食い!(泣)人間は見向きもしませんが、虫には人気があるようです。 無事なものを茹でます。赤い汁がでてくるので、何度か煮こぼします。この赤いのがたぶんアクです。 一時間半ほど茹でて、赤い色が出なくなったら、例によってクラッシュ!!
クヌギのどんぐり粉完成です。 今回は北海道産長芋をつなぎに使いました。 両方を混ぜて再びスリコギでスリスリ…
上の三つは砂糖を加えたもの。下の一つは味付けなにもなしです。 フライパンで焼きます。 クヌギ縄文クッキー完成。なんか、去年よりクッキーっぽくできました。腕が上がった?

・・・・・・・・・・………。
…まあその…食えないことはないですが…旨くも不味くもない…
まだ苦みというか、渋が残っていました。もう少しきちんとアク抜きをしなければいけないのでしょうね。

やっぱり食用にするならシイ類がいいかな…

しかし、他に食料が無いという状況なら喜んでこれを食います。
砂糖を混ぜないヤツは、ちゃんとアク抜きさえすれば主食になりうるんじゃないでしょうか。
来年はカシ類に挑戦か?


2007/12