道迷い
「おかしい」と思ったが今自分のいる場所がどこなのか全くわからない、だからどちらへ行くべきか困った、そうしてとんでもないところへ行ってしまい遭難騒ぎになることも珍しくありません。集団登山で、地図も磁石ももたずについていき、はぐれてしまうとこんなことになってしまいます。
日帰りの登山やハイキングでも、地図と磁石、非常食やヘッドランプ(懐中電燈など)の携帯は山で自分の身を守るための最低条件です。
道迷いはどのような場所で、あるいはどのようなときにおきるのか
登山道や指導標の未整備によって道に迷ったという例はほとんどなく、コースの勉強不足、地図やコンパスの不携帯、ルート確認の不足など登山者側にある要因が多くを占めるといわれています。
山の安全対策(http://www.geocities.jp/kyongsea/index.htm)より抜粋
- 登山道での道迷いの原因
- ・みんな間違える所に、踏み跡ができてしまう。
- ・登山道が手入れされていない。藪が極端にひどい。
- ・けもの道とまちがえる。
- ・新しく作られた林道に、寸断されてしまっている。
- ・山菜取りや渓流つりの人が踏み跡を作る。
- ・似たような地形で迷う。大木、池、コル、ピーク、沢の分岐
- ・標識を見ない。他のことに気をとられ気が付かない。
- ・標識が壊れている。いたずら。
- 行動中の心理的要因
- ・おしゃべりに夢中
- ・珍しい動植物に目を奪われる
- ・時間的なプレッシャー
- ・急激な天候の急変で焦る
なぜ山で道に迷うのか?道迷いの心理
- 1「せっかくだから」という心理
- 特に下山道ともなれば、戻るということは登り直すことを意味する。しかし、この単純な指示に人はなかなか従うことができない。
- 戻るという気持ちを起こさせるには、間違った場所にいるという正確な状況把握が前提である。
- 2.「……なはず」という心理
- 道迷い中の人は過去の情報を無視して、現在見えているものだけで短絡的に判断する傾向にある。道に迷った人の行動はひとつひとつを取り出せば、それなりに合理的である。
- そして、「……なはず」と思いこんで行動してしまう。
- 3.「なんとかなる」という心理
- 山歩きに道迷いはつきものである。毎年登山者の10%以上の人がなんらかの道迷いを経験していると推定される。もちろん多くの人は、多少時間はかかっても自力で復帰している。
- 反面、それが道迷いを軽視することにつながっているのだろう。なんともならないことがある。この事実を忘れてはならない。
- 4.「間違ったら恥ずかしい」 という心理
- 集団を率いるリーダーとしてのプライドも、道迷いを誘発している。
- どんなに優秀なリーダーでも道を外れることはあるし、山歩きでは道を間違える可能性は常にある。
- その事実に、リーダー、メンバーともに寛容になる必要がある。
- 5.「本当に戻れるんだろうか?」 という心理
- 自力ではどうしようもないことが分かると、今度は不安と恐怖が訪れる。
- 不安や恐怖が過大になったものがパニックである。
- パニックになると、人間は合理的な判断ができなくなる。ナヴイゲーションに関する判断もさることながら、命に関わる判断ミスを容易に犯してしまう。
- 6.枠組み(認知地図)の歪み
- 道迷いに陥る時に、周囲や地図の情報を読み取る頭の中の枠組みが歪んでしまっているということである。彼らの多くは「自分は正しいルートを進んでいる」という枠組みを作り上げてしまって、その視点から周囲や地図を見ている。それに反する情報は、無視したり、自分の都合のよいように解釈してしまっている。正しいと考えている限り、この歪んだ枠組みの束縛から逃れることはできないのである。それが迷いをどんどん深刻なものにしていくのだ。
道迷いをしないために
- 「ルートから外れたかもしれない」という疑いを常にもつ
- ナヴイゲーション技術に長けたものは、決して迷わない、という訳ではない。むしろ彼らは「ルートから外れたのでは?」という疑いを常に持つ。そう思っても、時には正しいルート上にいることもある。
- しかし、「ルートから外れたのでは」と感じれば、地図や方向を確認し、現在地を確かめ、本当にルートから外れた場所にいるのか、それとも地図の間違いや自分の記憶違いなのかを判断し、深刻な道迷いに陥ることを回避できる。
- 山道では、ルートから外れることを皆無にすることはできない。重要なことは、それをどれだけ早く自覚し、対処できるかなのである。そのためには、確信が持てない時にはまず「ルートから外れたのでは?」という疑いを持つことだ
もし、道で迷ったら・・
- 迷ったら引き返す
- ・実際に迷ってしまったら、とにかく今来た道を引き返すことです。
- ・やたらと歩き回り「いまどこにいるかわからない」状態にが遭難で一番多いケース。
- 尾根にでる
- 決して慌てず冷静になることです。そして尾根に向かって歩きだします。 決して沢を下らないこと。
- 尾根に出ても登山道が見つからない時は、ピークなど目立つ所で救助隊にわかる合図を出すことを考えます。煙、鏡の反射、ホイッスルなどはよい合図になります。
- パーティを分散しないこと!
- 偵察に出る人は、声とか呼び子の音が聞こえる範囲で、行動する方が安全。偵察員は当然ザックも背負って出るべきで、デポは危険。それ以外は、同じ場所に止まって、地図などでルートを検討して偵察員が戻るのを待つ。
- 特に、日暮れ時、視界が悪い時、天候が悪い時、疲れている時は、メンバーがバラバラにならないようリーダーたちは注意することが大切です。
- 目印をつけておく
- 仲間を残して偵察に出る人は、道を探す時に、特に藪山などでは歩いてきた方向がわかるようにロープを木に結んだり、木の枝を折ったりして目印をつけておく。
完全に道に迷ったら
自力脱出が不可能であると判断したら、それ以上の体力を消耗させず救助を待ちます。
冷静な対処行動を取るとともに、絶対生きて帰るんだという強い意志を持ち続け
救助されるまでの間、下記のことに留意します。
- 水の確保
- 水は命綱。確保できなければ、ビニール袋を葉っぱにかぶせて水滴を集めたりする。
- 喰い延ばし
- チョコ一切れでも助かる。
- 風と雨対策
- 風や雨にあたらない場所を確保する。
- 暖をとる
- 一度焚いた火は消さないようにする。のろしの役割もする。
- ヘリコプター
- 上空からよく見えるように赤や黄など派手な色の服などを広げるか手で持って振り回したり、反射鏡になる時計やコッヘルなどで合図をする。
- ラジオを聴く
- 気分転換にもなり、自分の遭難ニュースが流れていないか確認することもできる。
標識について
標識の見方
標識は登山者にとって頼りになるが、設置に必ずしも一定のルールがあるわけではありません。時には破損したり、いたずらされてあらぬ方向を示している標識もあります。
さらに、標識は地図に記されているとは限らず、標識の地名が地図上の地名や位置と異なることも多いのも現状で、標識を過大評価すると道迷いの原因ともなりかねません。
標識の種類
- 人工の標識
- 1.一般的には木の柱と板を組み合わせたものが多く,内容も現在地、行先、標高など様々です。
- 2.岩や石、樹木にペンキで書かれた赤や黄、白などの丸印や矢印も方向を示しています
- 天然の標識
- 露岩や大木、水場、滝、ピーク、崖など地形や祠、鳥居、石像もよい目印になる