2006/8              聖歌の詩の明るさ
 
  聖歌とは童謡「たきび」の作詞者、巽聖歌のことである。今年は彼が生まれてから百一年目。  時を経るほどに輝きを増すように見える聖歌の詩魂。その明るさはどこから来るのであろうか。北原白秋のようなウェットなやさしさで包まれた哀愁があるわけではない。新美南吉のような心の底から絞り出すよな憐情があるわけでもない。聖歌の詩はただ、淡々と水と火で練られたハガネのようにごまかしのない真っ直ぐな明るさで迫ってくる。これは正に、もの作りに励む職人の性根の底にあるものではなかろうか。「なにくそ、負けるもんか……」決して口には出さないが、その思いはひたすら鎚を振り下ろしつづける音に込められ、浄化された韻律はすべての人の心のリズムに同化していく。
 聖歌の詩の明るさは少年の頃の真摯なまなざしを想い出させ、世の中が暗ければ暗いほど、人々はその明るさに惹かれることになる。                    
                                                     テコ

トン・テン・カンのリズムと童謡のリズムが重なった!


たき火の作詞者 巽聖歌は岩手県紫波町の出身です。
詩情あふれる童謡や童話を広めた
聖歌 の生家は鍛冶屋でした。我が家もそうでした。
紫波町運動公園にある巽聖歌の記念碑には
師である北原白秋が絶賛したという
「水口」の詩が刻まれています。
 2005年は 巽聖歌が生まれて百年目の年でした。
 当地、紫波町では聖誕祭、岩手県童謡唱歌のつどい、童謡まつりが行われました。
                                     テコ
 
            
            生誕100年記念出版「巽聖歌の詩と生涯」CD付  

         岩手県学校図書館協議会推薦図書 特別頒布のお知らせ


  付録CD  ☆よあけのほし  ☆厩の中
        
       ☆たきび  ☆あさがおすった

       ☆キャベツのお山に  ☆とりいれ
 
 子供から大人まで幅広い世代の誰もが知っている愛唱歌「たきび」。♪かきねの かきねの まがりかど♪で始まるこの歌は、古き良き時代の日本の風景「ふるさと」を見事に描写しています。この童謡「たきび」の詩をつくった詩人巽聖歌は、このほかにもたくさんの子供の心情やふるさとを歌った作品を作っています。

巽聖歌の生誕地、岩手県紫波町在住の郷土史家・内城弘隆さんは、聖歌生誕100年を記念して、巽の詩作のモチーフになった全国に点在するゆかりの場所や、時代背景、巽の心情まで研究を続け、この度一冊の本にまとめられました。巽の詩作の中から特に「ふるさとが感じられる詩」100編を選び解説しています。

かつての日本は、経済的には恵まれていたとは言えませんでしたが、子どもたちはみんな生き生きと心豊かに生活していたように思います。それに比べて、今の子どもたちを取り巻く環境は、決して恵まれているとは言えないようです。お年玉を何万円も貰い、食べたいものを好きなだけ食べ、テレビゲームに夢中になって、携帯でのメールやインターネット利用が当たり前という時代にあって、一方では、「いじめ」「不登校」「引きこもり」「自殺」「鬱病」「万引き」など悲しい言葉も氾濫しています。

子どもも大人も明らかに心を病んでいる不幸な時代に突入しました。お金だけでは決して満たされないのが人間の本質でしょう。今、最も憂うべきは「心の貧困」ではないでしょうか。今一度、巽聖歌の心に触れて見ませんか。きっと、殺伐とした世相にあっても、心を癒してくれる泉となりましょう。

 巽聖歌は岩手県紫波町出身。主に東京都日野市を拠点に活躍。北原白秋、新美南吉らと深く交遊関係にあったほか、北海道から宮崎県まで詩編のモチーフになった場所は全国に点在しています。紫波町名誉町民。
 著者の内城弘隆氏は、岩手県内の公立小中学校の教員を歴任。岩手県童謡団体連絡協議会の結成に参画。 著書に「盛岡藩御役医 どっこ医者物語」他。

                           記

書名 ふるさとは子供の心「巽聖歌の詩と生涯」
著者 内城弘隆  DTP製作 畠山貞子  挿絵 橋本和子
発行 どっこ舎   印刷・製本 ツーワンライフ
体裁 A5判 360頁 上製本 
付録 巻末に「たきび」など聖歌の童謡6曲を収録したCDがついています。
                                             

巽聖歌童謡 かるたへ
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