平成・9・10年度の研究内容
理科研究室新聞
編集:小県東部中学校理科教科会
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平成8年度
       東部中学校理科教科会授業研究
1、単元名 『身のまわりの科学』 小単元「光と音の世界」 “光の世界:凸レンズでできる像”
2、小単元設定の理由                                                          今までに生徒は、小学校で「光が当たる物体(物質)によって明るさや温まり方に違いがあること」や、「光は直進したり、鏡で反射して方向が変化する」等の性質を学んできている。また、太陽の学習では“影遊び“を通して、「太陽の光が物体に遮られるときに陰ができること」や、「日向や日陰で地面の暖まり方が違うこと」等も学んできている。また。「凸レンズでの紙を焦がす」遊びについては、かなりの生徒が経験しており、太陽光に限っていえば、関心は高いといえる。しかしながら、生徒たちにとって太陽光以外の光に対しては、とりわけ反射光に対しての意識はほとんどないといってよいくらいである。そうした身の回りに満ち満ちている光を感じることもなく、それは直接手にすることもできず、生徒にとっては空気のような存在であることが多い。それゆえ、一般的に光に対しては問題意識を持てない生徒が多いのが現実である。こうした生徒に、光は規則性を持って反射や屈折をしたり、凸レンズの働きで、実像や虚像が できその位置や像の大きさには一定のきまりがあることを見つけだすことができるようにしたい。
 そこで、反射や屈折の性質を調べる観察・実験をするとともに、光の道筋を作図することで理解を深め、光に関わる自然事象を説明できるようにさせたい。そして、発展として凸レンズで実像ができることから、凸レンズを通った光の道筋を考える中でその規則性を調べさせたい。また、さらに他の状況を獲得した事実を根拠として予測し、その検証ができるようにさせたい。同時に、器具の扱いや観察・実験の記録の仕方など、自然を調べる能力や態度も育てたいと考え、本単元を設定した。
3.単元目標
 1総括目標
  身の回りの光に関わる事物・現象を観察・実験することを通して、光の性質・規則性について理解を深め、自然を調べる基礎的技能や態度を育てると共に科学的な見方や考え方を養う。
 2具体目標
  「自然への興味関心・意欲・態度」
   @光の進みかたに興味関心を持ち、身近な現象や既有経験を生かしその性質やきまりについて進んで調べようとする。
   A学習したことをカメラや望遠鏡等日常生活に関わっている身の回りの事物・現象と関連づけて調べたり考えたりしようとする。
  「科学的な思考」
   @観察・実験を通して考察し、光が直進することに気付き、光の反射や屈折による光の道筋についての幾何学的な規則性が説明できる。
   A物体の位置と凸レンズによる実像の位置や大きさから、凸レンズを通して光が進む道筋が予測でき、実像のでき方についての説明できる。
   B光に関わる規則性を使って、身の回りの光のよって起こる各種の現象を説明できる。
  「観察・実験の技能・表現」
   @光の直進性や反射・屈折のきまりに関わる実験を通して、結果をまとめることができる。
   A凸レンズとそれによってできる実像における実験を行い、結果を整理できる。

 「自然現象についての知識・理解」
   @光は直進することが分かる。
   A光は水やガラスなどの物質の境界面で反射する事に気付く。
   B実験を通して反射の規則性が見つけられる。(入射角・反射角が等しい)
   C光は水やガラスなどの物質の境界面で屈折する事に気付く。
   D屈折する時の規則性が見つけられる。(入射角より屈折角が小さい・又は逆)
   E凸レンズでの光の進み方を実験を通して知る。
   F凸レンズによってできる実像について知る
   G実像のできる条件を作図を使って探る事ができる。
    (物体とレンズ、レンズとついたての距離が関係していることが見いだせる。また物体を焦点内に置くと実像の出来ないこと)
   Hレンズの反対側から見ると拡大した虚像が見られる事を知る。
    (拡大して見える像が虚像である事を知る。)
4、小単元展開
時間 学習問題   学習活動 指導  
『光はどのような進み方をするのだろうか。』 ○光についての性質について発表る。
・光はものすごいく速く進む。
・まっすぐ進む。        
○光が直進することの確認実験をする。
・レ−ザ−光の道筋を観察する(線香の煙を入れた透明水槽にレ−ザ−光をいれ、直進性を確認する) 
・普段の生活の中で、光の存在を意識するのはどんな時か発表させる。 
・発光体には、自ら光を放つものと反射によるものがあることを押さえておく。
・光のすじをはっきりさせるために、透明の角形水槽中に線香の煙を入れ、 レ−ザ−光線が直進することを観察させる              
                 
「光は反射する時どんなきまりがあるのだろう。」 ・直進する光が方向を変化させることはないか生活経験から想起する。 
・鏡でいたずらした経験等から、鏡をどう操作したか(どうするか)を考え学習カ−ドに記入する。   
○鏡等に対して、光が反射する時の規則性をみつける実験を行ないまとめる。             
・反射については鏡を利用させるが垂直になるよう注意を払いながら、 光の反射した道筋を記録し、入射角と反射角が同じことを確認させる。
「光が反射する時の光の進む道筋はどうなっているのだろう。」        ○反射の法則を使って、物体が鏡を通して見えるかどうかを光の道筋を作図して予想する。その後演示実験にて検証する。
○鏡と像、乱反射について説明を聞く。             
・学習カ−ドに説明のための作図をし、互いに説明させた後、検証実験 を黒板上にて演示する。      
・鏡と像、乱反射について説明する 
                 
「光が屈折する時の光の進む道筋はどうなっているのだろう。」 ○光は空気中からガラスや水などの透明な物体に入るとどんな進み方を
・レ−ザ−光線(スリット)と半透
明半円レンズを用意する。学習カ− ドの準備。            
・光の屈折の法則についてまとめる。
また全反射という言葉の説明する。 
「凸レンズでどんなことができるのだろう。」   ○凸レンズでできることを発表し実際にやってみる。 ・太陽の光を集め紙を焦がす。           ・遠くの景色が逆さまになって見える。      ・小さい物を大きくして見る。  
○ スリットを通した平行光線である太陽光線が、凸レンズによって一つ点に集まることを確認する。また、その点を焦点ということの説明を聞く。  
・凸レンズを用意し全員が確認できるようにする。
・太陽光線が平行光線であること説明すると共に、スリットを通した光が一つに集まることを実験を通して検証させる
「凸レンズでどんな実像ができるのだろう。」   ○凸レンズを使った手作りカメラで実像のでき方を観察し、景色とレンズと実像との位置関係や実像の大きさの関係等気づいたことや感じたことを発表する    
・像ができるんだ        
・逆さまになっている      
・景色がレンズに近いとスクリ−ンは遠くて大きいぞ。等    
・どのように光は進んで像を作るのだろう     
・景色(物体)の一点から出た光は四方八方に広がり、凸レンズを通して一点で交わりスクリ−ン上に実像を作ることを説明する。
・焦点距離の違うレンズでの実像も演示実験で観察させる。
『凸レンズで像ができる時、光の道筋はどうなっているのだろう。』          ○実像ができる時の実像とレンズとスクリーンとの関係を正確に測定する。
○光の道筋を、今までの学習をもとに予想しカードに記録すると共に決めてとなる(特徴ある)光線を選び出す。
*実像ができる時の実像とレンズとスクリーンとの関係を正確に測定するための教具の準備。
8本時 『物体がレンズに近い時の実像はどこか』 ○実像ができる時、レンズを通った光はどのような道筋を通るかという予想の確認実験をする。
○出された問題を学習カードの上にどこに・どのくらいの大きさで実像ができるか、代表的な光線を使って作図で予想し、発表する。
○教師の演示実験でそれを確かめる。
・作図(代表的な光線を使い)によって、実像のできる時の光の道筋を記録をとりながら確認する。
・作図に当たっては、実物大で作図できるように学習カードを用意する。
・円柱レンズを使い、教師による演示実験で検証していく。
「凸レンズによって近くの物が大きく見えるのは(虚像ができるのは)どう説明したらいいのだろう。」 ○物体が凸レンズの焦点の中に入ってしまった時、像はどうなるか、代表的な光線で作図する。
○凸レンズを覗き、虚像を確認する。
・実物大での作図ができるように学習カードを用意する。
・実物の作図と対比させて、虚像について確認をする。
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「音の世界」については省略   
5、学習の流れ
発問生徒の考え 



学習問題


予想・検証実験  指導  
 「凸レンズでどんな事ができるのだろう」
・小さいものが大きく見える                  
・遠くの景色が逆さまに見える                 
・太陽に光を集めると紙が燃える(焦げる)           
『凸レンズで太陽の光を集めた時、光はどのように進むのだろう』
太陽光線(平行光線)が凸レンズを通った後焦点へどう進むか図に書いて予想       ○焦点までの距離を測定する等の実験                              ○太陽光線が凸レンズを通って集まり焦点を結ぶ実験を観察。(スリットを用いて、太陽光線が平行であること焦点を結ぶことを観察する)            
新たな事象




学習問題

作業と観察・疑問
・窓から入ってくる光を凸レンズで集めるとどうなるかを観察させ、実像という事を
指導するとともに、カメラはこの凸レンズの性質利用したものであることを説明し、
凸レンズを使った模型のカメラをつくり景色(実像)のでき方を観察する。    
『凸レンズでどんな実像ができるのだろう』
・どのくらいの長さに切ったらよいのだろう                
・困ったぞ、うまく行かないなあ、どうして←筒の長さに問題がある?    
・逆さまの像が写ったぞ。これが実像だな。                
・凸レンズ、景色、像との位置関係にきまりがありそう           
・どうして逆さまなのだろう                       
・光はどのように進んで逆さまの像(実像)を作るのだろう?        
学習問題


予想1




指導


情報収集   
*物体、凸レン
ズ実像の位置関
係等を調べる実
験      

予想2
仮説 
『凸レンズで実像ができる時光はどのように進んでいるのだろう。』
  (凸レンズを通して光はどのように進むのだろう)       
・凸レンズまでは直進し、凸レンズで逆転するのではないか。            
・レンズを通った光は屈折して方向を変えるはずだ。               
・ピントを合せるには、スクリ−ンを移動しなければいけなかった。わずかのことでピントが決まってきた。(景色が近いほどスクリ−ンはレンズから遠くなった)何かきまりががありそうだ。                          
・わずかな距離でピントが違ってくることから、正確に距離や像の大きさを測定することを伝える。また他の班とも比較する必要性から、距離を決めて追究することも指導する      ・光の直進性や反射、屈折、レンズの焦点等のことを再確認する。       
・学習カ−ドを用意して、測定結果を図の上に書きやすくする。       
・結果をもとに物体、凸レンズ、実像の正確な位置や実像の大きさなどを書く。 


 凸レンズで実像ができる時、物体の一点から四方八方に出た光は、凸レンズを通った後どのように進むか予想する。(図示する)また、その過程で、決めてとなる(特徴ある、便利な、分かりやすい)光線を選び出す。               
○物体から出た光軸に平行に光線は、凸レンズの焦点を通過する。平行で線が引きやすい。焦点が決まっている。               
○物体から出た光線が、凸レンズの中心を通るものはまっすぐ進む。まっすぐ一本の線でよいにで分かりやすい。                       
○物体から出た光線で、焦点を通ったものは光軸に平行になる。         
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検証実験



発展1課題

検証実験(演示指導まとめ  
・予想に使った学習カ−ドを使い、一点からでた光線が、どのように進んでいるか検
証実験を行う。                               
・決めてとなる光線を使って行なっていく。                  
「物体が凸レンズに近い時の実像はどこに、どのくらいの大きさでできるのだろう」
新たな条件(焦点距離、凸レンズと物体の位置、物体の大きさ)が決まった時、どこにどのような実像ができるか決めてとなる光線を使い作図して予想する。     
・円柱レンズを使い、演示実験にて予想を確認する。
決め手になる光線(2本、または3本)がある。                
発展2課題


学習全体のまとめ
「凸レンズによって近くの物が大きく見えるのはどう説明したらよいのだろう」
・物体が焦点の中に入ってしまった時の状態を作図に書いて、像がどうなるか考える。
・虚像にでき方等を説明しながら、実像とは違う事に気付かせていく。      
○光の進み方について、全体をまとめる。                   

6、本時案(略)

7、光に関する実態調査        アンケ−ト形式によって(対象人数 72人)  実施:平成8年7月
1、自分たちの生活の中で生徒達は、以下のような時・物に対して光という物を意識している。
 @太陽:61人A風景:0人B影:16人C蛍光灯:42人Dレンズ:9人E鏡:20人Fその他(ネオンサイン、花火)
生徒たちが光を意識するのは、太陽や蛍光灯など発光体(自ら光を放っているもの)が多く、反射ということ は知っていても、普段の生活の中で、身近な物全てが光を(反射光を含め)出していることに光の存在を感じる者はっ少なかった。影や鏡については、小学校の学習が生きているのか、普段の生活の中で光の裏返しの存在として の影の存在や遊びの中で太陽光を反射させて遊んだ経験からか、上げる者が多かった。
2、また、光によって起こる事にはどんな事や物があるかに対して、
 *周囲が明るくなり、見える(25人)*ル−ペで光を集めると、黒い紙を焦げる・火が着く。(17人)*影ができる(17人)*反射(15人)*植物が光合成を行う・植物などが成長できる。(13人)*熱くなる・気温が上がる。(3人)*花火(1人)*ネオン(1人)*蜃気楼(1人) *ソ−ラ−エネルギ−(2人)*紙の色があせる(1人)
1、が光を意識する場合で、発光体や影等に集中した。しかし、光のよっておこる事やという質問に対しては色々な答えがあった。明るくなって(反射して)物が見えるという基本的な事に目がいっている。また、太陽光に対しての光に対する意識が高いためか虫メガネでの実験が上位に上がっている。影や反射も強く印象にあることが伺われる。
3、光はどのように進んでいくか。    *直進する(65人)*速く一直線(3人)*反射(4人)
ほとんどの者が直進性について上げられた

4、水の中に箸を入れたらどんな風に見えますか。
*曲がった様に見える(27人)*大きく見える(19人)*箸がずれて見える(8人)折れて見える(3人)*箸が小さく見える(1人) *ゆがんでふにゃふにゃに見える(1人)*曲がってみえる(上からみたら)大きく見える(横からみたら):1人
生活の中で目にする現象であるが、具体的には見る角度で違ってくるのだが、とにかくどう見えるかしっている者が多かった。

5、レンズについて
◎ル−ペ(レンズ)は、普段の生活の中ではどのように使われていますか
 ○小さなものを拡大して見る:39人、○虫メガネ:3人、○眼鏡:18人、○コンタクトレンズ1人 ○顕微鏡:5人、○望遠鏡:4人、○カメラ:5人、○熱を集める実験など  
◎ル−ぺ(レンズ)通して物を見たらどんな風に見えますか。
 ○大きく見える:67人・あまり近づけるとぼやけて見えるが、調度よい距離で見ると大きく細かく見える○近づきすぎるとその物と同じ大きさだが少し離れると、だんだん大きく見えてきて、次に雲ってきて最後に反対に見える。   2人
◎ル−ペ(レンズ)を使ってできる事にはどんなことがありますか。
 ○小さいものを大きく見ることができる  37人、○光を集めることができる、物を燃やす  26人
光によって起こることの中で、実証場面に関わる凸レンズによって起こること(できること)については、@大きくする、A太陽光は集められて紙などが焦がされる(燃える)が、予想通り上がってきた。そして、数人の生徒が景色について、上げてきた点についても予想通りであった。ただ、メガネ等については遠視近視のメガネの違い等は知識不十分である。
6、カ−ブミラ−を通して景色を見るとどうなりますか。
 ○自分の目で直接見えない所が見える・見にくいところまで見える・後ろの方まで見える:11人
 ○反対に見える:9人、○広がって見える・カ−ブする方向が見える・大きく見える・端が見える:3人
 ○少し曲がって見える・ゆがむ・丸く見える:13人、○明るく見える:1人
授業では凸面鏡は扱わないが、鏡の発展としてまた普段の生活の中で、どこにでもあるカ−ブミラ−に対してどの程度関心があるか調べたが、以外と見え方の知らない生徒が多かった。
7、小さい鏡に自分の顔が半分うつっています。顔全体を見るにはどうしたらよいか。
 ○鏡を遠くしていく:61人、○顔を移動させる:1人、○斜めにする:1人、○大きな鏡にかえる:1人
鏡については、普段の生活経験から遠くから見ると全身または顔全体が写ると考えている。他の人や物を見る時と自分が自分の顔を見る時では違うことに気づいていない。

8、すりガラスはどうして向こうが見えないのですか。向こうが見えるようにするにはどうしたらよいか。
 ○ざらざらしている、○乱反射している、○片方が平たくなってないから ・平らにする:1人、・油をつけると見える:13人、・水で濡らす:12人・濡れ雑巾でふきく:5人 ・セロハンテ−プをはる:7人、・拭く、削る、塗る:各1人
理由は分からないが、窓拭き等の経験から水をつける等知っている者が多かった。
9、湖や池の水面に、反対側の景色が見えます。どうして見えるのでしょうか。
 ・水が鏡と同じような働きになるから  12人 ・反射して見える(反射しているから) 34人
鏡と同様の働きのあることを感じている者が多かった。
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