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新人公演 WHITE 2006年版 後編

☆★2006年1月14日 ソワレ ヤキソバぱん
★☆2006年1月15日 マチネ コロッケぱん

前編 ヤキソバぱんチームを中心に語る。 >> 

☆★ コロッケぱんチーム

松本三角君を今もってどう見ていいのか変わらず今だ苦悩中・・・。
こちらのチームの方が全体にそれぞれ個性が強くて主張も強い。その分それぞれの関係性がふんわり優しいヤキソバぱんチームに比べてかなり情け容赦無くてバッサリやりあっている印象が。ヤキソバぱんが春のそよ風だとしたらコロッケぱんは夏の夕立ち。
激しく一気に駆け抜けるので「新人公演を見たーっ」という満足感に浸れる。見終わった後の爽快感はこちらの方が大きいかなと思う。

あと、単純にラストの松本・三上並びが非常に美しかった。この二人で少年少女ものを見てみたい!!と激しく思った。


★松本慎也さんの三角くん

・・・上記のようにどう見ていいのか未だ混乱中・・・。
松本さんは根本的に、今まで見てきた役全てに共通して「割と感情が整理されている」印象を与える役者さん。
マイナス方向の感情が殆ど見えないという特徴もある。あと子ども役が多いが割と直感的に本質を掴めるタイプで「分かってる」子である事が多い。

なので、松本三角くんは「三角くんワールド」をうっかり構築してしまう程の激しく強いドロドロした感情を持て余しているようには全然見えない・・・。
あと、繊細ではあるが「三角くん」にしてはしっかりしすぎてもっと強く見える。こんな世界を作る必要なく最初から自分でちゃんと歩いていけそう。

今まで私が見たことある三角君は、岩アさんが「自分が何を感じ、何を欲しているのか気づく」傍観者な三角君で、小林さんは「こうしたいけど方法が分からず途方にくれている」脇役だった三角君で、奥田さんは「やりたくないから方法を考えた事も無かった」冷めた三角君。(←あくまで私見)
荒木さんはあえて言うと「混沌とした感情が混乱の中で整理されていき自分自身の感情に気づく」三角君。

で、松本さん。
松本さんの三角君は最初からそれほど世界を閉じていない。
自分以外の世界と触れる事自体に異常な警戒心があって怯えを見せてはいるのだけれども、正ちゃんみたいにずかずか入ってくる人がいると割とすぐに心を開いている感じがする。
あと松本さんは声が通る方なので、図書館場面時点で、ちゃんと自己主張できる強さが感じられる。

あえて言うと岩アさんが近いと言えば近いけど、彼ほど世界を閉じまくっていないし、自分が何を感じているかもちゃんと分かってる。奥田さんみたいに実は自己主張できる子なんだけどやりたくないからやらない、という屈折感がある感じでもない。
「踏み出せない」のか「踏み出さない」のかがちょっと分かりにくい。

歴代三角くんたちと存在の仕方がちょっと違うというか、ゼロの段階から段々と分かっていって最後に爆発するのが今までの三角くんだとすると、松本さんの三角君は0と100(が物語のゴールだとして)の間を激しく行ったり来たりしている感じがする。
だから最初から分かってる気がして「三角くんワールド必要ないよね?」と思ってると突然また世界が閉じたり、また一見ゴールにたどり着いたように見えて再び戻ったりしていて、見ていて混乱しているのかも。


銀河鉄道〜星の王子さままで。
自分自身が物語世界に入り始めると、松本さんの見た目の印象もあって、どんどん存在が純化されて何かの象徴に見え始めて、三上さんの姫と印象が重なって透明な存在になる。

この場面のこのチームは、何ていうかそれぞれの存在が一端全てなくなって、ただ、物語の言葉だけが透明に浮かび上がるように見えた。
それは見ていてすごく面白い体験だったんだけど、WHITEの一場面として全体の中でどう消化していいのか全然分からなくて混乱中・・・。

特に銀河鉄道での姫〜三角くん並び。
姫が少年でも少女でもない素晴らしく透明な存在感だったのだが、松本三角君はここと激しく共鳴してそのまま三角くんも「少年でも少女でもない」抽象的な存在になってしまい、生身の人間から離れていくように見えた。
この場面を見ながら、普通に「星の王子さま」で王子さまを演じてほしいと思った。このただならぬピュアっぷりと浮世離れ感は王子さまを演じるしかあるまい。


三角くんが船から下りてきてやっと人間というか「三角草太郎」に戻った感じがする。
なのでここからの「僕は主役になりたかった」「でも脇役だった」「僕の心をわかってくれ」「僕の星の王子さま」がちょっと唐突に見えちゃったんだけど、それが上記した振り戻しで、一瞬ぐっと本質の世界に行って何かを掴んで、ここで現実の世界に戻ってもう一度自分の感情を体感している感じなのかなとか思う。

何か段々すさまじく深読み界に入ってきたけど・・・(笑)。


ラストのパラレルな現実の三角君は、最初とあまりにも別人な、人懐こくてちょっといたずら好きそうな笑顔で登場する。何か殺人的に可愛くてクラクラした(笑)。

そしてやっぱりカーテンコールでのショール掛けはすこーんと晴れやかで反射的にうるっと来る。
未だどう見ていいか分からない松本三角くんだが、何かもう可愛いからいいや。とか思って終了(笑)。


松本さんの次回作は「ヴァン・レジェ」のヴェルト君。
マイナスの感情が一切出てこない強烈純粋系岩アさん以上に「将軍の掌中の珠」なヴェルト君が見られそうですごく楽しみ。


★大沼亮吉さんの正ちゃん

初めてWHITEの話の内容を聞いた時に思った「ジャイアンみたい」な正ちゃんがそこにいた。
船戸さんもジャイアン系だがあくまで映画版のジャイアンだったと思う。
しかし大沼さんの正ちゃんは正しくマンガおよび通常アニメ版ジャイアン。
「お前のものはオレのもの。オレのものはオレのもの」であり、気分よく「ジャイアンリサイタル」も開きそうである。

基本的にライフ格闘派一直線の大沼さんだが、キューティハニーをすっごい楽しそうに熱唱している姿や、無錫旅情にて客席まで握手しに行く姿、なぞなぞを異常に生き生きと出している姿などは可愛らしかった・・・。
大沼さんはいつもどこかに可愛げがある所が正ちゃんで生きたと思う。

今回、コロッケぱんチームは基本的にみんな激しく自己主張するタイプだったため、ジャイアンでも非常に愛すべき存在として君臨していてすごくよかったと思う。(穏やかヤキソバチームだとちょっと意地悪に見えたかも・・・)

大沼正ちゃんは豪快で向こう見ずで気のいい子で、この人はやっぱり三角くんを見たら絶対放っておけずに絶対ちょっかい出すだろうなと思った。
やっぱり人に対して壁がなくて、三角君みたいな子にもすっと入っていける子である事が正ちゃんは重要なので、大沼さんが最初から普通に三角君の壁をばーんとぶち破って入っていく感じがすごくよかった。


★仲原裕之さんの岩波くん

正ちゃんと坊を足して二で割ったみたいな岩波君で、結構天真爛漫で興味ある事に次々頭を突っ込んですぐへこみ、でもすぐ復活してニコニコ笑っている感じの子。
意外とばっさり感もあって、結構変わり身早い保身的な所もしょうもなくも可愛い。
ちょっと甘えた口調のですます調もすごく似合ってた。

割と声が大きく強めに通るので、見た目と行動は天真爛漫なんだけど与える印象が意外と強かった。だからばっさり感をより感じたところもあるかなと思う。

ばっさり感(笑)で印象的だったのは、走れメロス場面で坊に言う「でも10秒くらいは稼いだね」。
歴代岩波君は坊に対して「しょうがないなあもう」「よしよし」て感じですごく優しいんだけど、仲原さんは「10秒しか稼げなかったよダメじゃんっ」というツッコミ。ちょっとびっくり。でも政宗坊に対してはこうなるのは納得。


★政宗さんの坊

激しく積極的にボケ倒す史上最強に攻撃的ボケキャラの坊。すごいびっくり。
初登場段階で、説明しにくいが何かがずっとおかしい。
廊下に立たされ寝ているだけでものすごくおかしい。楽しい夢を見ているらしく「ぐふふ」等と不気味に微笑んでいる・・・。
図書館でなぞなぞ出していてもおかしい。
見習いさんにすぐになじんで花咲いちゃってる場面で妙な振り付けで楽しげに歌い踊っている様子もおかしい。
見習いさんに「死んでください!!」と首を絞められ3回くらい意識が無くなりよろめいているのもおかしい。
走れメロスで奇怪なしぐさでお経を唱え出す姿もおかしい。
12月の精で三角くんたちの所に来ていきなり「カアっ」と叫ぶのもおかしい。

政宗さんは最初から最後までずーっと笑顔なんだけど、その笑顔の種類が堺雅人的というか、「微苦笑」というか常に笑ってるんだけど何かに困ってる感じで、それがすごく印象的だった。

あととにかくその佇まいが何をしていても「ツッコミ募集中」に見える所がすごいと思う。
ジャイアン大沼正ちゃんが坊に対してやたら暴力的(笑)なのもすごく納得・・・。
岩波君が予想外に坊にばっさりなのもすごく納得・・・。

でも、政宗坊は回りの事をちゃんと見てるし反応早いし実はかなり機転利きそうだったりもする。
ボーっとした天然君ではなくて、宇宙交信系の、常識では計り知れない行動様式を持った変テコ君という感じだった。

ラスト、図書館からそろりそろりと逃げていくときも、動き方が妙。最後まで何かがすごくおかしかった。
何かは分からないが何かがすごい新人が現れた!!!!と強烈な印象を残して終了。


うーん果たして「役者の政宗」さんはどんな人なのか。
上記の印象から実は結構普通の役が普通にできそうな予感もしているのだが、劇場内でパンフを売っていた様子を見るとそのまま坊疑惑も浮上・・・。うーん。


★宗村蔵人さんの教頭=ティンク

一年前の挙動不審な夫人がウソのように成長した感のある宗村さん。←偉そうな書き出し。
見た目の学者系の顔立ちと微妙な着ぐるみが素晴らしくはまり、「本の妖精」な感じがすごく出ていた。
「おっさん」で本の事は全部覚えていて「知恵袋」って感じもしつつ、一方で何故か妙に乙女な雰囲気を醸し出していたところがすごくよかった(笑)。

吉田さん同様、初登場時に「まあっ本が粗雑に扱われているわ!!」(何となくイメージ的に女言葉)と、いそいそと本を片付けている様子がやたら可愛い。
自己紹介時もそうだけど、基本的にティンクは「自分の事をかわいいと思ってる」行動様式を取る人で、見た目のしっかり落ち着き感とそのラブリー行動のギャップがすごい面白かった。

宗村さんのグレープフルーツジュースもすごくよかったんだけど、ここは基本的にずっと大爆笑場面だったのでちょっと残念・・・。

あと、宗村さんは教頭のときも好き。妙な愛嬌がある。私の高校の先生にはいなかったけど、大学の先生には絶対いるタイプの人。でも宗村さん、ティンクの衣装が暑いのと大熱演なのとで、エピローグは「風呂上り?」みたいなペタリ髪型になっている・・・。一体何が起きたのか教頭??とか、ちょっと思う・・・。


★青木隆敏さんの用務員=ハクション(見習いさん)

こんなに華奢な見習いさんを初めて見たので何かその事にまずびっくり。(池内さん→ミッチ→佐野さんと割とガタイいい人で今まで見てたので)

あと用務員さんは予想通り割ぽう着がすごく似合っていて可愛かった。ミッチとは違い、何となく割ぽう着すらおしゃれ服な気がしないでもない感じに着こなせる所が青木さんである。

しかし今回佐野さんもそうなんだけど、「コンっ」の時、ちょっと激しいアクションしすぎではなかろうか。
もうちょっと何気なくふっと三角くんワールドに入っていきたい感じがする。
青木用務員さん、この回転時になんかすごい助走時間があるというか、「さあまわるぞっ」って気合が感じられるので。

見習いさん、初登場時のハイテンションっぷりが相変わらずでうれしい。
ヒップホップの時に「アクビちゃん ナントカナントカ アクビちゃん」とか(アクビちゃんしか聞き取れなかった・涙)謎ラップをしている所も素敵。(←日によってラップの内容は違うらしい)

青木さんの見習いさんは、要所要所で「この世界」にちょっとずつ気づいているような表情をする。
とくにメロス場面の最後に、ふっと三角君を見て何か「あれ?もしかして?」って顔をするのがすごく印象的だった。

見習いさんの中で引っかかっていたいくつかの事が、12月の精の場面で「三角くんの世界なんだ」と気づく、その流れがスムーズだったと思う。

見習いさんとしてじゃなくて青木さんで、なんだけど、一番印象的だったのは、三角くんと二人になってから。
12月の精の最初のダンスを、青木さんは見習いさんというよりも普通に素で「みんながんばってる♪よしよし」みたいにすごくお兄さんな顔をしてうれしそうに見守っていた。息子の発表会を見に来た父兄みたい。
・・・青木さんすごいお兄さんになったなあと感慨深かった・・・。

ちなみにこの場面、最初に気が付いた時、お互いの無事を喜んで、見習いさんは三角君をすごい勢いでぎゅぎゅーっと抱きしめるんだけど、青木さんだと「あーお兄さんだなー」と思うのに、何で佐野さんは「お母さんみたい」って思ったんだろう・・・謎・・・。


★牧島進一さんの向井=ウィンディ

ウィンディの決定版が来たかも!!と思った。
向井の大雑把で短気で粗雑ででもどこかに可愛げのある存在と、ウィンディがちゃんとつながっているところがまずいいと思う。
ウィンディは大柄で見た目ごつい系で無駄にエネルギーを消費しまくって怒るが大したことなく、短絡的で小心者ですぐ拗ねる、愛嬌のある存在で、いつ見ても面白かったり、意外と可愛かったり、万華鏡のようにくるくる変化していくのが可愛くて面白かった。

牧島さんのウィンディは「キャラクター」としてカリカチュアナイズされた状態で登場している感じがする。
最初の動きが何かは虫類みたい・・・。不可思議な動きと恐ろしげな表情がおかしい。
あーぶくたったー煮え立ったーが突然可愛らしくて不気味なところがまたよい。
本落とし。すごい満足げに指し示す様子も可愛い。

メロス場面、真っ先にブチ切れて降りていき、その後一人で拗ねてるのも子どもみたいで可愛い。
12月の精の時の森の不良さんたちも妙に面白い。

藤原プレイボーイを「あんなヤツは破壊してやるーっ」と暴れる場面、「ああいうヤツが公演をダメにするんだっ」と叫び客席から拍手を浴びていたのが何か好き(笑)。


★佐野考治さんの校長=森の長老

やっぱりのどを大事にしてくれーーーとは思うものの、とくに森の長老では、好き勝手でまとまりなさげな森の精さんたちをまとめている雰囲気が出ていてよかったと思う。
でも意外と適当っぽい感じもあってそこが好き。


★☆★お楽しみゲスト

★姜暢雄さんの不良少女
コンセプトは良く分からないが、北島三郎メイク?にて登場。
「16番、歌います」と。のど自慢??
「私、上戸彩とか、(あード忘れ)とか言われるんですけど、私的には、ポッキー三姉妹の次女だと思います」。とつぶやき「歌います」と、おもむろにポケットから謎のヅラを取り出して被り、良く分からない演歌風?を歌いだす。
客席の微妙な反応に、小さく「・・・さぶちゃん」とつぶやく不良少女。

歌は終了?そのまま下手側にヅラを持ちつつ謎の花占い。「好き・・・嫌い・・・好き・・・(不気味な笑顔)」。
そして本棚にたどり着き、異常にうれしそうに本を読み始める。

・・・が、姜さん自分で時々笑っちゃっててそれがダメー。←お楽しみゲストだから範囲内だけど。

この場面姜さんはずっと変だったのでグレープフルーツジュース中も結構笑いでかき消されちゃったのが残念。
そして最後に姜さんは机の下にもぐっている人々に「M字開脚!」と叫びポージング。
その後何故か「エッチ!!」と3回くらい叫び(これは本来の台詞)、やっと退場。

この後最初に台詞を言う大沼正ちゃん「引っぱりすぎなんだよ」とツッコミ入れていた(笑)。確かに長かった。

しかしこの場面、机の下で隠れている人々が例外なく肩のラインが波打っているのがすごいおかしかった。
一端みんな顔を出すのだが、その前に何か息を整えている気配を感じてそれもまた面白かった。


★藤原啓児さんのプレイボーイ

うーんちょっと(というか大分)微妙・・・。
言ってる内容自体は私は好きなんだけど、何で突然マントなの??そのニセ中世みたいなマントは何??
オペラ座の怪人=マスカレードを意識した風な変なぬいぐるみ手にしてるし。

ちょっと異空間すぎです藤原さん。
言ってる事は渋い。「浅草とか案内するよ。仲見世とか」「花やしきに興味ないの?」「ガイドブックに載ってるような店、案内するよ」(・・・載ってるんじゃ意味ないじゃん・・・)。

でも最後に内輪ネタになっちゃうのはいらないよう。

そして最後に三上マドンナに向かって捨て台詞「いつまも若いと思うなよ」と決めて鷹揚に退場。
三上さんの「最低」がまたすごいいいタイミングで決まった(笑)。

藤原さんせっかく出るなら、三角くんびん底メガネかけて金八カバン下げて、ゲタとか履いて苦学生風とかにしてほしかったなー。面白かったと思うのだが。あくまでも「高校生」な扮装。
あと、貴族?な扮装を意識したのか妙にまったり棒読み調だったんだけど、今こそ暑苦しい程のハイテンションで寒い風を吹かせたとしても突っ走るプレイボーイが見たかった。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆

★唯一のシングル&私の観劇の仕方で結果的に片っぽしか見られなかった方

★三上俊さんのマドンナ(姫)

今回一番印象が強かったのはどちらのチームも三上さんの姫。
まず「姫」部分が普通にめちゃくちゃ可愛い。
大人しやかだけど結構きっぱりしっかりさんな事が分かるプレイボーイ場面も素晴らしい。

今回は毎回プレイボーイがゲストでお祭り場面だっため、次々やってくる刺客たちはひたすら周りを笑わせる事に命をかけて登場する。
が、三上姫は絶対笑わないし、堪えてもいない。普通にずっと「姫」のままでいるから、どんなに不自然な人が目の前にいてもすごく「社交辞令な微妙に笑顔(でも勘違い野郎には困ったものね。って感じ)」で真面目に対している。
相手の言う事もちゃんと聞いていて「○○には興味あるけど、あなたには興味ないの」ときちんと返している。

これは素晴らしいと思う。見てないけど奥田さんとかきっとすごいおかしかっただろうに・・・。
去っていった瞬間に無表情かつちょっとだけムッとして「最低」って言うのがすごい実感こもっていて(笑)すごく面白かった。


マドンナは「姫」なんだけど実は半分くらいは男役で、でも「姫」という抽象的な役。
三上さんはその「セリヌンティウスだけど姫」「十二月の娘(名前なんだっけ?)だけど姫」「カムパネルラだけど姫」がすべてはまり、同時に「三角ワールドの住人」でもある透明感に満ちた存在だった。

三角君ワールド内における姫は常に哀しみを湛えながら三角君を見つめている。何を三角君に訴えているのかは本当のところはよく分からないのだけれども、ずっと何かを呼びかけている感じがする。
セリヌンティウスの時に「メロスは来ます」と言い、ティンクが彼を逃がして走り去るときに一瞬何かを問いかけるように三角君をちらりと見つめるのがすごく印象に残っている。

あと十二月の最初でショールの話をするのだが、今回初めて重要な台詞だと思ってきちんと頭に落ちてきた感じがする。(前回まで何故流していた・・・って方が謎だけど)
「何かを裏切っても守らなくてはいけないものがある」とか、すごく印象的だった。
バオバブを前にして存在が負けていない所もよかった。

今回の三上さんは何か殆ど全てがすごく印象的だったのだが、一番は銀河鉄道のカムパネルラ。
この時の少年でもなく少女でもない静かな佇まいが本当に素晴らしかった。

自分で創り上げた世界の中で格闘する荒木三角くんとのここでのやり取りは、現実の人間VS抽象的な存在のかみ合わなさがあって、三角くんの焦りと孤独と混乱と、姫の静けさがすごく対照的。

松本三角君については松本さんの感想で書いた通りで、どう解釈していいか分からないけどすごい印象的な場面だった。

そして最後に星の王子さまのキツネの台詞を船の上から言うのだけれども、淡々と静かに、でもしみじみと心に届くような言葉ですごくよかったと思う。
全体的に常に静かで清涼な空気をまといつつ、でもすごく強い印象。言葉には説得力があるけれども、存在自体はすごく透明で生身の人間に見えなくて、三角君の内なる賢者というか、彼が「気づく」事へと導く象徴的存在だった。

今回の3人は、三角君が真ん中にいて、前へ進んでいく方の象徴として、導く存在であるマドンナが前に、マイナスの感情や諦める事の象徴であるバオバブが後ろに位置する直線、という感じがした。(この場合は天秤じゃなくて綱引きという感じ)


★林勇輔さんの桜子=バオバブ

今回は石飛さんと林さんの変則ダブル。桜子先生登場時まで、どちらが出てくるかはヒミツ。
2回とも林さんだったのはちょっと残念。石飛さんも見たかったな。

さてバオバブ。
何回見ても実のところバオバブの存在がどう位置しているのか未だよく分からない・・・。
今回は姫のところで書いたように、「三角くんのマイナスの方向の感情の象徴」に見えたのだが、前回は「三角君の前に立ちはだかる管理者・大人の象徴」に見えてた。
全体の構造と三角くんの在り方によって見え方が変わるのかもしれない。

バオバブは一見「立ちはだかる壁」で、ラストもバオバブと対決するんだけどその割りにやっている事とか言っていることが意外としょうもなかったり子どもっぽかったりする。
あと単純に見た目の問題(火の精の衣装とか)もあって、中途半端に現実と非現実を行ったり来たりする。

そしてずっと疑問なんだけど、何で三角くんにとってのバオバブが、桜子先生の姿で出てくるのか分からない。(繋がっていないのかもしれないが)


今回もこれらの疑問は解決される事なく終わったんだけど、でも、特に荒木三角くん版は「だって元々三角君の頭の中なんだからしょうがない」で何となく納得した感じもする・・・。
だからすごく激しく三角くんに迫る時もあるけど、言うことは「オマエはオレ様に支配されるのだ!!!」みたいな(こんな言い方はもちろんしないが)何か微妙な事だったりするのかもと。
一方ですごくじわじわと三角君を追い詰めていく冷静な場面とかもあったり。
バオバブの存在は意外と一定していなくて、三角くんにとって巨大な要塞みたいになっている時もあれば、三角君ツッコミ担当(後ろ向き自問自答)になっている時もあったりする。

基本的には、三角くんの内なる後ろ向きな声の象徴かなと思う。
「自分でやらなくていい」「誰かに任せた方が楽」みたいな言葉を結構ひんぱんに言う事に今回改めて気づいたんだけど(今までは別の言葉が気になってた)、そういう、自分が無くなっていく無気力な方へとずるずる引っぱる感じ。
今まではもっと目の前にばーんっと立ちはだかって「さあ超えて行くんだ!」みたいな存在なのかなと思っていたんだけど。
何ていうか「三角くんが恐れている外の世界の象徴」なのかと思ってたけど、今回は「三角くんの中にあるマイナス感情の象徴」に見えた。

今まで毎回引っかかっていた「僕は主役になりたかった」「傍観者だった」「でもなれなかった」「脇役だった」。「僕の星の王子さま」「そんなものはいやしない」。
これが初めて正しく?「自問自答」に聞こえた(特に荒木版)。
正直今でも引っかかってはいるのだけれども、このあたりは「三角くんの自問自答に意味がある」ので、ひとつひとつの言葉には拘らずに何となく気持ちは分かる感じがする、くらいのアバウトさで聞くべきなのかもと思う。

・・・そんなわけで林さんのバオバブをどう見ていいのか未だよく分からないが、とりあえず常に安定した役者さんである事を堪能させて戴きました。
基本的にはシリアスな役だけどあちこち面白かった。
青木長老の変な動きをすかさず自らも取り入れてるところとか。
あと「銀河鉄道の夜」の切符のあたりの冷たさが好き。

そして桜子先生は全てが面白くてチャーミング。大げさなんだけど浮かない。素晴らしい。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆

★その他、ダブルで印象的な人々。
☆幕開け不良少女。
本来はこの子と図書館は同じ子なのだが、今回は図書館はゲストのため、冒頭は松本さんと吉田さん。
前回、前々回のスカートは超ミニだったような気がするのだが今回は足引きずりそうな長さ。
二人とも異常に可愛かった(笑)。最後に桜子先生にガンつけて去っていくのだが、どちらも懐かしい感じに「不良」でステキ。

☆走れメロス場面の人々。
それぞれダブルのジュニ7.関戸・荒木・吉田チームと、大沼・松本・宗村チーム。
関戸チームの方が小芝居系で濃ゆい展開に見えた。ヤキソバぱんの方がさっぱりチームだったのに。やはりコロッケに入って何となくチームに染め上げられた??
大沼チームは結構さらりと冷たい3人組。
やっぱり坊に対して「わかったわかった」「忙しいからね」ってばっさり言う場面が好き。

前編 ヤキソバぱんチームを中心に語る。 >> 

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