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新人公演 WHITE 2006年版 前編

☆★2006年1月14日 ソワレ ヤキソバぱん
★☆2006年1月15日 マチネ コロッケぱん

後編 コロッケぱんチームを中心に語る。 >> 

★2000年、2003年版につづく3度目の観劇。
やっぱり色々な意味で懐かしくて切なくなる作品。
最初に、用務員さんの「コン!」で、美チャンスが流れて奥へ奥へと図書館セットチェンジが始まった瞬間に毎回泣きそうになる。

今回は基本的に2003年度版と演出が一緒。
違っていて気づいたのは・・・
・最初にキツネ出てくる場面でかなり長い間用務員さんがいる。
・教室のドアがすごい小さい!!!林さんが頭をゴーンとぶつけて笑いを取っていたくらい。茶室ではないかと疑いたくなる扉。
・前回の図書館セットは出入りがすっごい細い隙間からだったので、今回は各本棚ごとに隙間を大きめに空けていてそこから出入りしやすくなってた。
・銀河鉄道〜星の王子さまは天井高く使ってる??一緒??
・最後の三角君は、2003版だと途中で一人すくっと立っている時間があるのだけれども、今回はすぐにショールを取りに行く。
・・・くらい?

倉本演出で恵比寿エコー劇場だった2000年度版が異端なのかもしれないが、最初に自分が見たのが2000年度版なので、どうしてもこれと比べて見てしまうところもある。
一度も暗転せずにキツネがセットチェンジする所と、常に三角くんダブルがキツネの役でもう一人の三角くんに寄り添っているのが好きだったので、この演出バージョンもまたいつか見てみたいなと思う。
あと、最初に幕が落ちた瞬間に三角君が星の王子さまを読みながら登場する鮮烈な場面も。


★WHITEは、ものすごく盛り上がっていた2000年度版で燃え尽きているところがあって、当時のようなものすごい集中力で見ていない自分がちょっと寂しかったりもする。

あと、当時は三角君に対して本気で「アンタは甘い!!」と怒っていたりとか(笑)、この話の構造について延々考えたりとかしていたが、今回はそこまでの熱さはもう無い。
自分の、5年間の歳月をとても感じた。

★昨年「星の王子さま」の独占権が切れて新訳本読み比べをしていたため、14日も15日も、「こんにちは。と王子さまは別にあてもなく言いました」とウィンディ(多分)が言い出した瞬間に涙。
星の王子さまは、その言葉自体に反応して条件反射のように泣いてしまう。

このあと、正ちゃん、岩波くん、坊、そして姫がキツネとのやりとりを言う場面もすごく好き。
今回はマドンナの存在感が今までで一番強くて、三上さんが素晴らしかった。


★☆★☆★個人感想

☆★ ヤキソバぱんチーム

すごく「三角君ワールド」だった。
三角くんの世界の中で、彼の思う「正ちゃん、岩波くん、坊」、そして魔界の人たちが闊歩する。
荒木さん以外が割と毒の少ないほんわかキャストだった事もあって、三角くんの激しく強い思いによって具現化してしまった世界、という基本設定がすごく分かりやすかったと思う。


★荒木健太郎さんの三角くん

今まで見た中で一番「三角くんワールド」に納得いった三角くんだった。
途中でハクションが「誰かの怨念」と何度も言うのだが、今までは三角くんと「怨念」という強い言葉がどうしてもつながりにくく違和感があった。
が、今回の荒木三角くんを見て、初めて「怨念」納得。

荒木さんの三角くんは、「思春期」の子というのがすごく分かる存在で、自分の殻をがちっと固めてその中で何とか自分を守っている子なんだけれども、その中ではものすごい感情のうねりがあって、例えて言えば活動一歩手前の火山のような感じがする。

ぱっと見大人しくて自分からは何もしないけれども、心の中は混沌とした嵐というか、うまく自分の中でも消化できない、言語化できない感情がプラスにもマイナスにもドロドロと激しく渦巻いていて、でもその事に自分でも気づいていない感じ。

物語の進行と共に存在感が増していくのだけれども、それは段々と自分の感情が整理されていって、自分が何を考えているのか、何を欲しているのか、それを発見していくからに見えた。
三角君がこの2時間ではっきり成長するのがすごく分かる存在だった。

ラストの銀河鉄道〜星の王子さまはとくに、三角くんの世界が今どう動いているのかがよくわかったと思う。
自分が何を恐れて、何を感じていたのかが自分の大好きな物語を借りてクリアになり、そして混沌としていた感情が形作られて一端壊される(ここまでが銀河鉄道)。
そしてゼロになった瞬間に星の王子さまの「こんにちは」が来て孤独をかみ締めていると、3人組の「こんにちは」でふたたび他者と出会う。
自分にとって大切な事は何かに気づき、そして自分の「マイナスの感情」の象徴であるバオバブとの自問自答を経て、「さよなら」と決別する。

今までもそう思ってみていたけれども・・・「WHITEは三角君の創り上げた世界」である事をものすごくクリアに感じる三角くんだった。

この作品は倉田さんの初期作品である事とか時代性とかもあると思うのだが、正直色々詰めが甘かったりつじつまが合わなかったり突如子どもっぽいことを言い出したりするんだけど、それらもすべて「混沌とした三角くんの感情の中で生まれてきた世界だから。」に見えてすごく納得。

登場人物の言う言葉はすべて「三角君の内なる言葉」。
だから本当は姫が言う事もバオバブが言う事も三角君の中にもともとある事なのだが、うまく言語化できていなかったこと。
それが「三角くんワールド」の中で段々と形作られていって、そしてラストに繋がっていくように見えた。

正ちゃんや岩波くんたち、魔界の人々も基本的に「三角くんビジョン」というか、あまり強烈な個性派がいないこともあって、「三角くんの目に見えている世界」の人として登場しているように見える。

何か初めてWHITEの全体の構造がこのチームを見て素直に分かった気がする。
だからラストの「再び、図書館にて」が台風の次の日の朝みたいな清涼感があって、そこに登場する積極的で明るい三角君を見て何だかすごくうれしい気持ちとほっとした気持ちになった。

ラストのショール掛けにてとても清々しい表情で前を向く三角君を見るとやっぱり泣きそうになる。
荒木さん、すごくよかったと思う。


★関戸博一さんの正ちゃん

関戸正ちゃんは20年くらい前にはこういう高校生が普通にいたと思われるような子。
明るくて元気でお調子モノでお節介でずけずけと人の領域に踏み込みでも結構友だち思い。
やっぱり愛嬌って大切だと思った。
関戸さんの適度に適当そうな雰囲気と愛らしさが功を奏し、憎めない、非常にいいヤツだった。

基本的に関戸さんは何でもない時にいつも「ごきげん」「楽しそう」に見える方なのだが、正ちゃんではキューティーハニー歌っている時とか、無錫旅情歌いながら岩波君とか坊とかに握手をしてまわっている時とか、その他しゃぼん玉etcの時にその朗らかさが遺憾なく発揮されていて一緒にいると回りも楽しくなりそうですごくいいなーと思った。ハッピーでキュートな正ちゃん。

ゲスト不良少女を前に笑いをぐっと堪えて「早く行けよ!」とか言っている姿も可愛かった。
私が見た日は病弱芳樹さんがいきなり目の前で倒れていったため起こしてあげている姿も素敵だった。

好きな場面はたくさんあるけど、なぞなぞ場面でなんか妙に大張り切りな姿がすごく好き。
「さーてなんででしょう??」とすっごい楽しそうに振り付きで動いてるのが可愛い。

あと、冒頭の一人語りが浮かなかったのも偉い。あれは歴代正ちゃん確率半分で本当に「独り言」になってしまうので。


★冨士亮太さんの岩波くん

佐野さん系の皆を気遣い見守る調整役な岩波くん。
かなり小心者で可愛い。見ていても好感度高かったのだが、終わってから何故かすごく冨士さんの岩波君を思い出すのできっと自分で思っている以上に好きなんだと思う。

岩波君は役者さんによって全然違う子になる印象があるのだけれども、冨士さんの岩波くんは、皆に対してすごく優しい子で、常に周りをよく見ていて何かあったらフォローに入っている感じの子だった。
三角君に対しても最初から割りと受け入れ態勢だし。
歴代岩波君は正ちゃんが三角君を構うのを「無理に構うのやめなよ」って感じで結構無関心なんだけど、冨士さんはちょっと意地悪な態度を取った正ちゃんをたしなめてるだけで、三角君を何とかしたいと思っているのは一緒という感じがした。

コロッケぱんチームの3人組は結構情け容赦ないバッサリ感を持っているのだけれども、こちらの3人組は真ん中にこの岩波君がいることもあってなのかすごくマイルドで穏やかな3人組だった。
何ていうか毒が無くてふんわりとしていて優しい。春のそよ風のよう。
そこがよくも悪くもなんだろうけれども、私は好き。

ヤキソバぱんチームは、この3人がすごく可愛らしい最初の図書館場面がよい。
本を読もうか。と、坊に「ひさの星ね」とか言って一端本を開いて目を落とした後、ほぼ同じタイミングですぐ顔を上げて目を合わせて正ちゃんの様子をじぃーっと見守っている所が何かすごい可愛くて好き。

あとこれは寺岡佐野小林トリオと一緒なんだけど、この時、岩波くんは正ちゃんが何を言うのかすごい心配そうにハラハラしながら見つめていて、坊は途中から正ちゃんの話自体が気になり始めていて、そして正ちゃんすっごいテンパリ中なのが何か妙に好き。

岩波くん見せ場?12月の精の場面も印象的。姫に「お気をつけて〜」とついつい言ってしまう絶妙な弱々しさ?がよかった。
あと、銀河鉄道の夜の場面で、三角君に拒否された瞬間ものすごく傷ついた顔するのが印象的だった。


★大成功児さんの坊

毎回毎回何故「そのまま坊」みたいな人が次々現れるのかライフ・・・。
大成さんは大柄だけれどもすごく「天真爛漫」で割とぼけらーっとした、周りの事は全然気にしない自らのペースで生きていくおっとりさんな坊だった。一日10時間寝ないと死んじゃう。みたいな感じの子。
何となく若そうな印象がある。

果たして彼はそのまま坊なのか、実はスーパー創り込みで青山さんみたいな人なのか、次回作にめちゃくちゃ注目している。
・・・と思っていたら先日会報が届き、それによると「元自衛官」であることが判明。
衝撃。何か最初からイメージが全然違うのですが!!! こんなおっとり自衛官がいるのか??あのおっとりっぷりはやはりスーパー創り込み??そして元自衛官という以上は「若い」と思ったのも違う??・・・謎は深まった。

坊は「宙に浮いてたからなぞなぞの本だと思った」とか「童心に戻って鬼ごっこじゃないの??」とかすごい台詞がいっぱいなのだが、大成さんは何の違和感も無く普通にクリア。
一瞬で見習いさんに懐いている様子もまた可愛い。

でも最後の銀河鉄道の夜〜星の王子さまでは意外と大人(というかこれが本来の大成さんだろうけど)な表情も見せていたので、今後がとても楽しみ。


★川崎佑介さんの向井=ウィンディ

どうでもいいがライフの役者陣は名前が被る人が何故にこんなに多いのか。
大成さんは4人目の「こうじ」さんだし、川崎さんは林さんに続く「ゆうすけ」さんだし。

ウィンディは今まで見ていてもなかなか決定版が自分の中でいなくて、川崎さんもすごく良かったんだけどやっぱり微妙・・・。彼だけ3人組じゃないのは何故なんだろう。
でも正ちゃんキャラって感じでもないし・・・うーん。あえて選ぶなら岩波君が似合いそうな気が。

ウィンディは大きくて強面系がやった方がいいのかなと思う。
川崎さんは細いしそんなに大きい訳じゃなし何となくイメージ的にTOKIOの城島くんみたいな感じだし。
何があっても飄々と進んでいくような役が似合いそうな気がする。

向井さんのウィンディは若い気もするし老成している感じもするし強気な一方すごい小心者だし、いまいち計り知れない所が面白いと思う。
あと向井の衣装が何かものすごい似合っていた。

でも川崎さんは多分普通に大人が一番似合いそうな予感がするので、次回作でどんな変身を遂げるのか楽しみに見たいと思う。


★吉田隆太さんの教頭=ティンク

衣装初の?新調。意外な事に今までティンクはシングルだった事に気づいた。
これは宗村さんもだけど、登場時に本がバラバラになっているのを見て「はっ本が粗雑に扱われている!!!なんて事なの!!!」と本をてきぱきチャカチャカと積み上げて片付け、「ふぅ。ひとまず片付いた♪」と言う感じに満足そうに微笑むのがものすごい可愛い。

今回はお祭り場面になってしまって聞こえ方が微妙だったのだけれども、素晴らしき滑舌のよさを発揮した「グレープフルーツジュース」を吉田さんで聞けてすごくうれしかった。

吉田さんの基礎点の高さはティンクでも発揮されていて台詞がきちんと聞こえるし、人ではない魔界っぽい不可思議な存在感だったし、本の事になると突然激昂するのもよかったし、安定感があってよかった。

あととにかく可愛い。あの微妙な着ぐるみを普通に着こなし普通に可愛い。
「精霊」的じいさんぽさとティンカーベルみたいな妖精の、どっちとも取れる老成感とラブリー感が両方合ったところがすごくよかったと思う。
あと春のそよ風的ヤキソバぱんチームの印象は、吉田さんの物腰柔らかなティンクによってもさらに強化された。

そして教頭は吉田さんの初めての?普通の男性役(ちゃんと台詞アリ)だったような気がするのだが、教頭は全然普通の人では無いので青木さんとのコンビは正直この学校は大丈夫なのか大変心配になった・・・。


★佐野考治さんの用務員=ハクション(見習いさん)

佐野さんはどうして新人公演のたびに咽喉をつぶしそうになっちゃうのさ(泣)。
もうバオバブをのぞくと一番先輩なんだからしっかりしてください!!!

うーん佐野さんはやっぱり今回の見習いさんでも2000正ちゃんでもなく、1998(これは見てないが)&2003助っ人岩波君が一番好きかも・・・。

佐野さんの舞台はいつもどうしても端整にまとまる印象が。
あんまり変なことしないし不可解な行動も取らないし。

見習いさんはもう少し大らかで子どもっぽくていいのではと思った。
基本的には過不足ないしいいんだけど。いくつになっても可愛いオーラだし。やっぱり。
ご主人様とすぐさまなじんでいる様子もよかったし。

佐野さんで一番好きというか印象に残っているのは、三角くんと二人になってから。
常にお母さんのように三角君をぎゅーっと抱きしめて守っている。
最初の12月の精たちのダンスを見ている時は何かから守るように、三角君に「大丈夫」って言い聞かせるように三角君に触れていて、1月2月の時は寒がる三角君を雪山で遭難みたいにぎゅーってしてる。
「お兄さん」とか「お父さん」じゃなくて「お母さん」みたいと思わせる所がすごく佐野さんだなーと思う。

「あとは一人だからね」と三角君に言う時も、子どもを巣立ちさせるお母さんのようだった・・・。
荒木さんがすがりつくような視線で見習いさんを見てたのもあるけど。
三角くんと視線を合わせて、じぃーっと目を見つめて、励ますように言ってた。

何かこういうの見ちゃうと、やっぱり本公演でバリバリ女優な佐野さんを堪能したい病にかかっちゃうのだが。
訪問者そろそろ再演してみませんか・・・??
あとは佐野さんの芸域を広げるって事で、メッシュVS母編で母やるとか。(普通にいくと林さんだと思うけど)


★青木隆敏さんの校長=森の長老

久々にエキセントリックな青木さんのよさ?がストレートに感じられた校長。
吉田教頭との宇宙交信コンビネーションも素晴らしかった。

しかし2003船戸校長の時とはまた別の意味で、高校にはいないかもしれないが大学研究者にはこういう系の人、いそう。という校長であった。

森の長老は不可思議な動きをずっとしている人なんだが、最近の大人な青木さんに相応しく皆をまとめている雰囲気も出てなかなかよかったと思う。


★☆★お楽しみゲスト

★不良少女=山本芳樹さん
最初誰だか全く分からなかった・・・。死にそうな声で分かった(笑)。
超病弱な上に怪我??
頭にネットを被り胸ポケットにはガーゼ(マスク?)。よろよろと出てきて本棚に激突。震えながら本を取り出しお得意の明後日の方向に視線を飛ばししばしトリップ。

・・・大丈夫か???

関戸正ちゃんに「早く行けよ」と声をかけられその場に倒れこみ、そして起き上がってまたも倒れる・・・。
最後までフラフラしながら「先輩に手紙かかないと」みたいな事をつぶやきよろめきながら去って行った・・・。

面白かった・・・。

あと、この場面が実は好きな私としては、芳樹さん、グレープフルーツジュースを吉田さんが朗読している間はあまり余計なことをしないで普通に立っていてくれたことがすごくよかった。変に笑いが起きず、この部分はきちんと聞き取れて一瞬詩の世界に浸れた。


★プレイボーイ=寺岡哲さん
2003に続いての登場。サングラスをかけ妙にアンニュイな雰囲気を漂わせ登場。
台詞は基本的に2003と一緒で「お台場とか?六本木ヒルズとか?案内してあげるよ?」(何故か全て微妙に疑問系)。
全てに妙なポージング(後ろ体重)&タメが入り、アンニュイ度さらにアップ。

そして姫に「六本木ヒルズには興味あるけど、あなたには興味ないの」と言われて「・・・ゲスト(なのにどうよ?って意味)?・・・」とつぶやき、そして微妙な感じのまま去って行った(笑)。

2003の時も面白かったけど、今回は普通にかっこよくなっている寺岡さんが普通に素敵だった。

後編 コロッケぱんチームを中心に語る。 >> 

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