2001年5月8日 神戸新聞・夕刊

外登証、首相あて返上

阪神間の在日コリアンら 登録法に抗議


外国人登録証の常時携帯を義務付けている外国人登録法に抗議して、阪
神問の在日韓国・朝鮮人の若者らがこのほど、小泉首相あてに外登証を郵
送で返上した。同法は昨年四月に改正され、ともに「差別的制度」として
国際的な批判を受けていた指紋押なつについては全廃されたが、外登証携
帯義務は残ったまま。若者らは「外国人を管理対象としか見ない制度は不
必要」と批判している。(金毎隆至)

 在日朝鮮人三世で、京都大学大学院法学研究科の金東希(キム・トンヒ)
さん(二二)=尼崎市東園田町=と川西市、大阪府の二十〜四十代の男性、主
婦ら計五人。一九九〇年には、東希さんの父親、成日(ソンイル)さん(49)
が外登証を当時の海部首相に郵送で返上している。
 
 同法改正で、十六歳以上の外国籍住民に義務付けられていた指紋押なつ
は全廃された。しかし外登証の常時携帯義務は、過去に国連人権委員会か
ら二度の廃止勧告を受けたにもかかわらず存続が決定。在日韓国・朝鮮人
ら特別永住者に対する違反の罰則を、刑事罰から行政罰へと変更するにと
どまった。
 法務省入国管理局登録課によると、九〇年以降、大阪や兵庫に住む韓国・
朝鮮籍などの十四人が外登証を返上。いずれも国から返送を受けた自治体
が保管してきたが、現在はすべて再び国に送リ返されておリ、外登法違反
に問われた人は一人もいない。
 外登証返上を呼び掛けるホームページを設けた成日さんは「手元に『証
拠』があリながら、違反者を取リ締まらないこと自体がおかしい。国は治
安上の問題だけを考え、制度を温存しているのだろう。携帯義務が廃止さ
れない限リ、外登法の本質は変わらない」と話している。

写真・外登証を返上した金東希さん(左)と父親の成日さん 尼崎市東園田町5

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