Photo Album

 

 

 

 

 

 

 

PHOTO ALBUM  チューリップ

花の役目を終えたチューリップが

こんな姿になるなんて はじめて知った

 

フラワーデザインの講師を務め

フラワーショップオーナーとしてプロフェショナルを自負していた自分

花を哲学のように語っていた自分が恥ずかしい

なにもわかっていなかった

 

この一年で 私は 言葉もでないほど 丸裸にされた

プライドをもぎ取られ 賞賛を受け求められる悦びを奪われていた

残っていたのは

 

 

敷地内の草を刈り 土を掘るごつごつしてきた手と

何の苦労もせず

最初から備わっていたのであろう 味覚

 

それだけあれば 充分のはずなのに

心の奥で どこにも 自身の価値を見出せず

迷い 苦しんでいた

 

 

春 花の苗を買ってきて 植え 黙々と種をまき

夏、秋と 水をやり 土を耕したり雑草も植え込んだりした  冬 肥料を施し

二度目の春 受粉して 夏に熟した果実を収穫してジャムやソースを作る

強い日差しが 麦藁帽子の間からすけて 土の上に影をおとす

おそらく 三年先 五年先も

草木の成長・変化を目の当たりに この場所で

草むしりをしながら年を重ねていくに違いない

四季を通して 鳥や風の声を聞いているうちに なんだか世界が変わってきた

 

黙々と ともに 生きていることが ただ嬉しいと思うようになった

分け隔てなくすべてを許し包み込んでくれる ここの暮らしが 私は好きだ

 

 

No.94 2007.07.01

 

花与草兵衛

 

 

 

 

 

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