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西国街道は

山と大河にはさまれた狭い平野をとおって

大坂と京の都を結んでいた

 

正面に見えるのが天王山である

この山を下った向こう側の谷間に 明智光秀の陣はあった

 

 

 

秀吉が峠越えした 太閤道が 登山道として残っている

深夜の行軍であの険しい山道を下り 背後から攻めるのが狙いだ

急な下りの岩場では 馬ごと足を踏み外し 何人かが命を落としたという

天下をとれるかどうかの瀬戸際

秀吉は暗闇に血走った目を大きく見開いて 先を急いだに違いない

 

 

秀吉の行く先は はっきりしていた

 

 

 

 

光秀も先を急いでいた

だが

いったい彼は  何を想い 何を怖れ

どこに向かって

その道をひた進んでいったのだろうか

 

 

 

 

このあたりには竹やぶが広がっている

湿った風に さらさら さらさら と悲しい音をたてて揺れている

この中を光秀は 少ない護衛を従えて逃げまどった

最期の無念は いくばかりであったろう

 

 

 

 

 

 

現在 この交通の要所に

国道171号線と東海道新幹線、JR東海道線、阪急京都線

そして 名神高速が

 

 

せめぎあうように走っている

 

 

 

 

嵐が過ぎ去った よく晴れた午後

アスファルトの向こうに陽炎(かげろう)が立ち昇る

 

 

世の中が便利になれば なおのこと

道の彼方は 遠くかすみ 

ゆらゆら ゆらゆら 揺れている

 

No34

2002.07.12

 

 

 

 

 

 

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