人は、点と点のつきあいでよいのだ。

全貌くまなく捉える線のつきあいでなくともよいのだ。

自分にとっての、「その人」というだけでよいのではないか。

私は、私の人生で、私によくしてくれた人たちを何人か持ったが

その人々のイメージが、ほかの人によっては全くちがうのに

面食らったことが何度か、ある。

それも「真」なのかもしれないが、

しかし私には、私の「真」というものもある。

小さい一点だけの「真」でよい、

それを通しての人として捉えるのがよい。



(一葉の恋収録ー過ぎた小さなことどもーより)