ヒロイン瑠璃は60才を少しすぎている。恋人塚田は68才である。

もうそれだけで嬉しくなってしまう。

恋愛は若い人だけのものではない。

恋する気持ちは、年齢とは関係ない。

瑠璃は自立して生きている女である。

したたかな精神力と健康と知性(本当の賢さ、つまり、引き際を知っている)

に恵まれていれば、恋はいくつになっても、その肩に舞い降りる。

そして、人生に恋ほど必要不可欠なものはない。

恋は人生のサンタクロースのようなものだ、と私はこの作品を読んで思った。

篝火草(シクラメン)がクリスマス頃に沢山売られているからでもあるが、

恋というファンタジーはサンタクロースというファンタジーによく似ている。

早くから、もう存在しないものとして生きていく人もあり、

存在しないはずがない、とそのファンタジーを支え続ける人もある。

私は、人生というクリスマスにケーキとローストチキンだけでは嫌だ。

私のサンタクロースは遠い国からトナカイの橇に乗ってやってくる。

そして、サンタは私に言うのだ。

「ようやったねえ」と。

ー2004.5.3  byUTAー