「HK−3型」用専用火口


この製品については、まず、紹介すべきかどうかえらく困りました。というのは、公式には製造元が公表されているわけではない上に、単に、プラチナ触媒を使っただけのハクキンカイロとは使用目的も使用方法も違う別の製品だからです。
とはいっても悩んでてもしょうがないので勝手に紹介することにします。

ビルに住んでいる、あるいは、仕事場がビルの中にあるような方は、当然ながら、そのビルの天井に火災報知器がついているのはご存じかと思います。そして、定期的に消防設備会社がやってきて、火災報知器や非常ベルなどの点検をしているところを見たことがあるでしょう。あるいはたまたま出かけた先のビルで、そういう点検作業に出くわした方もいらっしゃるでしょう。
ところで、火災報知器が正常に動作しているのかどうか、どうやって検査すればいいのでしょう? 一番安直な方法は、火災報知器を火であぶることです。もしそれで非常ベルが鳴れば、正常に動作しているのが分かります。が、火であぶったおかげで報知器そのものが焼けこげて壊れたら何の意味もありません。それに、火災報知器の検査に来た人たちは、いちいちライターやマッチで火災報知器をあぶるなどという原始的なことはしてないようです。棒の先に半球状のものがついた器具を使って、その半球を火災報知器にかぶせていましたよね。
当サイトが何のサイトなのかということを考慮に入れて、「まさか、あの半球の中にはハクキンカイロが入ってるわけじゃないだろうな」と思った方、実は、それが正解です(おいおい....)。中にベンジンと白金触媒が入っていて、点火してそれを火災報知器にかぶせ、本当に警報が鳴るかどうかを調べているのです。
とはいっても、あの器具をハクキンカイロ株式会社が作ってるわけじゃないだろう、というと、実は、その心臓部の白金触媒部はハクキンカイロ株式会社製だったりします。種明かしをしましょう。「HK-3」というのは、あの、消防設備会社が点検に来るときに持ってきた、棒の先に半球状のものがついた検査器具の名前だったのです。これはそして、その先についている、HK-3の心臓部、それこそが、今回ご紹介する「HK-3型」用専用火口、なのです。
※火災報知器には、今回の説明で出てきたような熱に反応するタイプのほか、煙に反応するものがあります。当然ながら、そちらの報知器では異なる検査器具が使われます。
※この製品は、いくつかある「検定を合格した」検査器具のうちの1つです。消防器具は必ずこの器具で検査をしなければならない、というわけではありません。地方や消防業者によっては、他の検定器具を使って検査をしている場合があります。

っていうか露骨に箱に「ハクキンカイロ株式会社」って書いてあるんですけど.....
左端のハクキンカイロ用PEACOCK換火口は、大きさの比較のために一緒に撮影したものです。
念のため、裏です。

使用説明書によると、指定燃料はハクキンベンジンです....

それでもって、このHK-3用火口を分解してみました。ハクキンカイロ用火口と同じように、パーツは留め金式になっているだけなので力さえ入れれば簡単に分解することができます。まるで、ハクキンカイロ株式会社の製品みたいです(だからハクキンカイロ製品だってば)

別に、ハクキンカイロPEACOK換火口までも分解しなくてもいいじゃない、という方もいるかもしれませんが、実はこれはわざわざ分解したのです。PEACOCK換火口とHK-3用火口、よくよく見ると、何だか大きさに関係性があるように見えませんか? そうです。縦の幅が同じで、横幅はちょうどPEACOCK火口の4倍なのです。ということは、ひょっとして、HK-3用火口をハサミで縦に4分割なんかしてみて、だめになったPEACOCK換火口につけてみたらいいんじゃないか、とか、思うだけの人はいるかもしれませんが実際にやってみました(おいおい)。
サイト作者の感覚だと、HK-3用火口のほうが少し厚みがあるような気がするのですが気のせいかもしれません。とにかくだめになったハクキンカイロ用火口に4分割した触媒を詰め込んで、いざ、使ってみたからといって、世の中そんなにうまくいくわけがありません。と言いたいところなのですが、実は普通に使えてしまいました.....
とはいっても、HK-3用火口のプラチナ触媒部分と、ハクキンカイロ用火口の触媒部分が同一のものとして設計されているという保証はありませんので、これはまあやってみたらうまくはいっちゃった、というくらいにとどめておいてください。
あと、この、HK-3用火口、実は値段がそんなに安くありません。確か定価だと2000円以上したと思います。安いところはありますが、その前に、HK-3用火口を売っている店を探すのがひと苦労です。通販で買っても送料がかかりますし、手間とかを考えたらあんまり安くはつきそうにないです。ネット最安値の店で買っても1個1600円、これを4分割したとして、1個あたり400円。一方、ハクキン純正火口は本社通販で648円。しかも火口ならメール便で送ってくれます。カイロ数十個分の火口をまとめてこの方法で取り換えようとかいう人にとっては多少安くはあがるかもしれませんが、正直、一般の利用者がそこまでしてHK-3用火口を買う必要性はなさそうです。(価格は2010年現在)

なお、この製品は、ハクキンカイロ株式会社は製造をしているだけで販売はしていません。この製品に関する問い合わせをハクキンカイロ株式会社にはしないでください。販売元は東京消防設備保守協会です。販売元の公式商品紹介ページはこちら。ここを読むと、HK-3が出来るまでの間、某プロジェクトX並の涙ぐましい開発の歴史があったのが分かります。でも、大昔はほんとに火災報知器にアルコールランプをあてて検査してたんですね.... もう1つ、HK-3ができてから、HK-3用火口ができるまで10年もかかってるんですが、その間はHK-3は火口がだめになると使い捨てだったんですかね。

(追記)公式サイトによれば、専用火口は定価1600円(税別)だそうです(2011年1月現在)。HK-3用専用火口についての記述もちょっと増えてました。はっきりは書いてないですが、HK-3初期型はハクキンカイロ用火口をそのまま使用するモデルで、その後専用火口使用の後期モデルが開発されたようです。

おまけ。
このHK-3用火口にも、しっかり「ハクキン」ロゴがありました。

このように、ハクキンカイロ株式会社とその製品は、一般の人々の見えないところでも大活躍しているのでした。


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