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伊達市(火山が噴火した洞爺湖温泉の東側の町です。)の有珠モシリ遺跡(有珠10遺跡)から1985年に出土した合葬された人骨2体は、ごく近縁な血縁関係であることが証明されたそうです。
北海道新聞1月16日付朝刊に載った記事によれば、縄文時代晩期〜続縄文時代の遺跡とされる有珠モシリ遺跡の墓地から同時に発掘された2体の人骨は、歯の細胞内に残っていたミトコンドリアを取り出し、DNAを比較した結果、全く同じ塩基配列を持っていたことから、この2体の人骨は同じ母系の近親者と推定されました。(兄弟または叔父甥または従兄弟。)人骨は約11歳と7歳の男子と思われます。
調査鑑定したのは東北大学大学院医学系研究科の百々(どど)教授、安達助手、伊達市教育委員会の大島文化財課長。
私が興味を持ったのは、発掘された人体の歯からかなりの確率でミトコンドリアDNAが取り出せるものなら、日本各地はおろか全世界の古代人類の移動の跡を追跡できる可能性を持っているのではないかと思えたことです。
今までは頭骨や足骨の形状などで分類していた鑑別法に、別の視点からのアプローチが出来ます。もちろん石灰化していたら駄目でしょうが、縄文時代くらいまではかなりの数を調査して遡れるでしょう。
これは14年ほど前に話題になったミトコンドリア・イブの縄文人版です。ミトコンドリア・イブは現代人のミトコンドリアのDNAを使って現代人の遺伝的系統樹を作ったものです。その後ヨーロッパアルプスの氷の中から発見された5000年前のミイラ・アイスマンやアメリカインディアンのミイラ、日本の縄文人の骨などからミトコンドリアDNAが取り出され調査されたと報道されています。
人骨の中でも歯は比較的損傷を受けずに残るものです。もし各地から発掘された歯の細胞からミトコンドリアDNAが取り出され比較検討されれば縄文人の系統樹が描けるはずです。
今度の研究結果が確認され広く応用されれば縄文人・弥生人・渡来人・北方系・南方系などというあいまいな区分表現は2・3年のうちになくなるかもしれません。
ミトコンドリア・イブについては、人類の誕生と進化の物語のほうで主役として登場します。
是非目を通してください。
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