国宝 中空土偶 カックウ
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中空土偶 カックウ(茅空)
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この中空土偶は1975年に南茅部 地区、著保内野遺跡の畑となっていた地下から発見され、1979年に国指定重要文化財に指定され ました。さらに2007年6月8日、北海道で初の国宝として官報で告示されました。 南茅部の茅の字をとり、茅空(かっくう)という愛称 がつけられています。 カックウは約3500年前の制作になるものと推定され、高さ43センチ、幅20センチ。残念ながら両手は失われていますが、当時の衣装と思われる文様がくっきりと刻まれ、全面に漆が彩色されていたようです。 ところでこの土偶はどんな目的で制作されたのでしょうか。 その答えを読んでいた本の中に見つけました。 世界神話事典(角川書店・平成六年)、作物の起源に載っていた吉田敦彦先生の著作の概略を紹介いたします。 内容に不備があればすべて私の責任です。 |
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生贄を捧げて豊年を願う儀礼は古くからあり、動物の犠牲や人身御供などの血なまぐさい習慣も世界各地で行われていました。 この儀式の元になったのが、ハイヌヴェレ型神話なのです。 栽培農業を始めた縄文人が、自らが持つ伝承神話の中に作物起源の説話を作り上げたのは当然です。身を殺して作物を与えてくださった神への信仰が、生贄を殺すことで、生贄は神と同等の力を授かり、豊かな実りを約束してくださる、と考えられたのでしょう。 縄文人は神への捧げ物として人に似せて土偶を作りました。それを破壊して栽培地に撒いたり埋めたりすることにより、穀物の再生を祈願したのです。 そして破片の一部を住居に持ち帰り、祭っていたものが住居跡から発見されています。 「かっくう」をみても「ひとがた」としての出来栄えは素晴らしいものです。 ところで、「古事記」によるとオオケツヒメを殺すのはスサノヲになっています。 そのスサノヲが出雲に降りてから、ヤマタノオロチに生贄として捧げられるはずの、クシイナダヒメを助ける役目に回ります。クシイナダヒメがその名の通りイナダの守り神とすれば、豊穣を祈って我が身を犠牲にするオオケツヒメに代わる神でした。
殺す神から救う神へ、この支配者であるスサノヲの変身は、人身御供の風習の名残とその残酷な儀式が廃止された経緯をうつしている感じがします。 |