第13回海と魚の探求セミナー

ここでは東海大学海洋科学博物館主催のセミナーのプログラムで行なわれた深海ザメ・ラブカの解剖を、画像で説明した物です。
あまり公開されない貴重な画像だと思います。画像をクリックすると拡大するものもあります。が目印

ラブカの全体

ラブカは一般的なサメのイメージとはかけ離れたウナギのような形をしており、色はチョコレートブラウンで地味です。     
この個体は約1.3mのオスで、腹ビレの下に1対の交尾器が見えます。
ラブカのエラ1

一般的なサメは皮膚に切込みを入れたようなエラ穴(専門的には鰓孔(さいこう)と呼ばれるものですが)が5対あります。しかしラブカにはこれが6対あります。     
英語でフリル・シャークという名の通りエラぶたがビラビラしていて、フリルの様です。     
写真は頭を左にして側面から撮った物です。
ラブカのエラ2

これはラブカをエラの開いたほうから撮ったものです。     
水の通り道となる部位が大きく開いていて口の中まで見ることが出来ます。     
ちなみに一般的なサメにもこの6つ目のエラ穴が、噴水孔という形で残っている種類もいます。←修正:噴水口と鰓孔には、関係性が見られないような話も・・・。確認中。
ラブカの心臓

エラ穴の後ろ、胸ビレの上から摘出されたラブカの心臓です。1.3mの体長からして、大きさは5cmほど。非常に小さく、一心房一心室という魚の特徴のままです。     
この小さな心臓が、全身に血液を送っているのですね。→摘出前画像
ラブカの背骨

ラブカの脊椎骨です。上の部分の白いものは神経で、脳から尻尾まで走っています。     
骨格が軟骨で出来ているため、触るとぶよぶよしています。水分が抜けるとカラカラになって硬くなります。背骨から伸びて腹側の内臓を保護する肋骨のような物はありません。
ラブカの腸

腸は人間のように長い物が折りたたまれていなく、中のヒダがらせん状になっていて短いです。     
胃袋も見ましたが中には黒い砂粒しかなく、腸にもペースト状のものが詰まっているだけでした。食性はイカやサクラエビなどですが、胃袋は深海性のため獲物に出会う機会がないせいか空っぽであることが多いそうです。
ラブカの背中

ラブカの背中から撮りました。白い筋が見えますが、これは側線、水流を感じる器官です。
ラブカの肝臓
    
ラブカの肝臓が1対2つ、腹から出ています。サメには浮き袋がないため、油分を含む肝臓が浮力を与えます。体長の半分はあり、内臓器官でもっとも大きい物です。     
ちなみにこの個体は今までと違い、メスの個体です。
ラブカの脳
    
ラブカの脳は前脳、中脳、小脳、延脳に分かれており、嗅覚を司る前脳が発達されているとされますが、詳しいことは分かっていません。     
指の大きさからも分かるとおり、人差し指よりもやや小さいです。脳を保護する頭蓋骨は、切開する際に他の骨よりも分厚く頑丈な印象を受けました。
ラブカの目玉
    
ラブカの目は大きく、深海ザメの特徴をよく現しています。     
色はエメラルドグリーンで、きれいな色をしています。
ラブカの目の構造
    
ラブカの目を分けたものです。左から外皮とレンズ体、網膜と銀色のタペータム、水晶体です。     
タペータムとは、光の少ない深海でも視界を得るための網膜の裏の反射板です。これは一度得た光を反射させてさらに網膜を刺激し、少ない光でも見えるように出来ています。     
一般的なサメにはこれが普段は色素で覆われていて、暗くなると反射板が現われるものもいます。おそらくラブカの場合、常にむき出しの状態でしょう。

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これらの画像はHaieの撮影した物とセミナーに参加された方から譲り受けた物です。