BLACK (PS2)
































今や世界は対テロリスト戦争真っ只中。今回紹介するのはそんな対テロ戦を舞台としたBLACK(Black)です。然しこのゲーム、単純な勧善懲悪話じゃありません。対テロ用に各国の武装組織を非合法に援助する米国は、その中心実行人物でありながら今や米国を裏切ったレノックスを殺し同時に米国に不利な証拠を隠滅する作戦を遂行。闇の部隊の闇の作戦、それが「BLACK」なのです!そして骨太なのはストーリーだけじゃありません

破壊の申し子

Blackは制作途中から大きな注目を集めていた作品。それもそのはず制作はバーンアウトシリーズでお馴染みの
Criterion!今やぶち壊すゲームを作らせたら右に出る者は無いと言え、その力を見せ付けるかの如く公開されたムービーでは従来のFPSでは破壊不可能であった建物など街そのものを破壊しまくる映像が流れていました。それまでCriterionゲームはレース中心で代表作にFPSが無かっただけに「これは爽快さを味わうゲームに違いない」と筆者は推測。パッケージ裏にも「小細工不要、戦火に飛び込み撃ちまくる。それがBLACKスタイルだ!」とあったので気分はもうブラドック大佐!(by地獄のヒーロー)。そして1stステージの市街戦は予想通りのド派手な戦闘。敵が身を隠すテーブルや車をそれごと破壊。建物のベランダは崩れ、下部を破壊された塔はガラガラと崩れ落ちる豪快さ。破壊以外にも飛び交う無数の銃弾、視界を遮るほど漂う弾煙、金属に命中した際の激しい閃光におもわず「おおっ、凄ぇえ!」大喜びする筆者・・・と、ここまでは第一印象通りのゲーム性でした。然し以降Blackはガラリと変わって牙をむき出して来るのです

リアリズムの追求

2edステージ以降は隠密行動が多くなり脳内ヒーローもブラドック改め(第一作の)ランボーに早変わり。慎重に遠距離から撃ち合いをする筆者、ところが気がつけば弾薬残り僅か!「そんなに撃ったっけ?」不思議に思う筆者でしたが
リロードを見て納得。Blackではカートリッジごと交換するので内部の残弾も一緒に廃棄。一般的なゲームの様に不足分だけ補充するのではないので「余裕があったらリロード」と言うセオリーを守ってたら無くなって当たり前なのです。こうなるとリロードは戦闘中に行なうのが常。またリロード中は交換に集中する為か銃以外がぼやけた映像になるので安全にリロードするには場所を確認する必要が。勿論これはBlack方式の方がより現実的。そしてそのリアル描写への拘りは2ndステージ以降の大型破壊オブジェの減少や跳弾等にも貫かれており、その中で端的な例が撃たれた敵兵のリアクション。上層で撃たれた敵兵が悶えながら硝子ルーフを突き破って地面に落下するなんてザラ。死ぬ間際まで銃を握り締め射撃しながら崩れ落ちる敵兵、その動きがリアルなだけでなく発射された弾にはキチンと当たり判定があり、周囲の同僚兵を巻き込む事もあるのです

苦味ある(BLACK)難易度

美しいグラフィックと相まってBlackの戦闘シーンのリアルさは他のゲームの追随を許しません!。敵とはヘッドショットを決めない限り銃撃戦になりますがその激しさは上記の通り。故に
弾煙その他流れ弾による土煙や激しい閃光で視界は遮られ敵の正確な位置が把握不能。その場合でも敵は正確にこちらを撃ってきますが、これに対する反撃法は敵に先に撃たせてその発射炎を目標に撃ち返す事のみ!これまた実際の銃撃戦でのセオリーでありプレイヤーを苦しめるリアル要素です。然しそんな難しさもこのゲームの魅力の一つ。それはBlackが生温いFPS等では味わえない「生きる事を実感させるゲーム」だからです。普通に生きていてはまず経験不可能な周囲を敵に囲まれた絶体絶命な状況。Blackではそれをグラフィック&難易度とも完璧に再現。戦いつつ「ここで死ぬかも」と何度も思わせ、そしてそれを突破した時生きている喜びを味わう事が出来るのです!これは残酷な言い方ですが人の死によって自分の生を知る訳で、リアルな戦場を再現したBlackでなければ味わえない感覚と言えましょう

喰らえ33000発!

勿論Blackはゲーム性も個性的。例えば主人公のケラー軍曹は「そこに留まれ」と言う命令を散々無視する軍人とは思えない
猪野郎熱血漢。プレイしながら「味方の到着待った方が良くない?」と思うシーンも多数でした無常にも軍曹はドンドン進んでいくのです(涙)。こうした無謀さを支えるのが数発撃たれても死なず適度なポイントで現れる医療パックで復活するゴリラ並みの体力。弾薬も現在持ってない銃の弾でさえ持ち運ぶ事が可能なので弾切れの心配は皆無。また破壊オブジェも宣伝ほどでないとは言え非常に豊富。更に自分だけでなく敵の射撃でも破壊されるので隠れてる柱や墓が削られる事もたびたび。それは絶体絶命なシーンのはずですが、細かく壊れるオブジェの姿が美しくてつい見惚れてしまう事もたびたびです(笑)。勿論破壊は誘爆を起こし敵を巻き込むので作戦上重要と爽快なだけでなくゲームにメリハリ付けています。そして銃器も40以上に及び2種のみ携帯可能、アサルトライフル万能なゲーム性ではないので時にはショットガンで切り込む必要もあるし普通はあまり使わないピストルもBlackでは撃つ瞬間のブレが少ないので中距離での使い勝手が良いなど銃器のバランスが好く考えられてます。全8ステージも少ないようですが1マップが大きく各々個性的。超美麗なグラフィックで描かれた戦場は市街に工場、港に橋、森に施設内などで同じ印象を受けるステージが無いのもGoodと遊び応え抜群です!

満点って無い物

素晴らしいゲームであるBlackにも欠点があり
対戦プレイ不可セーブがステージ終了時にしか出来ない事は痛いところ。特にセーブはプレイ時間が1stステージを除いて1時間以上かかるのが普通のBlackでは大変な問題でこれはアクションゲームの集中力を考えれば長過ぎと言え、更に言えばチェックポイントも少なすぎ。チェックポイントがセーブポイントでも良いくらいで「あのステージのあのポイントで遊びたい」と思ってもポイントが後半だったりすると再び遊ぶ気無くすというものです。然しそんな事は些細な問題、そう言えるくらい傑作であるBlack。FPS史に名を刻むであろう名作です!