サッカーブロール(NEO-GEO)                          


もしかしてスポーツは最良のTVゲームコンテンツなのかもしれません。その証拠にゲーム業界は日本でサッカー熱が盛り上がる以前、いや見向きもされなかった頃から多数のサッカーゲームを世に出してきました。MVS&NEO-GEOから販売されたサッカーブロールもそんなサッカー氷河期時代のサッカーゲームの一つ。但し中身はと言えばそんじょそこ等のサッカーとは少々違うオリジナルルールのサッカーです!

では実際のサッカーと何が違うかと言えば第1が人数。
実際が11人制なのに対し、このゲームは7人制そして第2がフィールド外に飛んだボールをフィールド内に弾き返すよう設置されたバウンドウォール。これ等2つのシステムは「人数が少ないのでドリブルで突破しやすい」「スローインが無くなり展開が切れない」と言った効果を生み出し、ゲームをスピーディーにしています。

然しこの程度じゃ終わらない。第3の変更点は
ラフプレーOKな攻撃。ラフと言ってもスライディングは当たり前、ショルダータックルに、果ては敵を吹き飛ばすアームパンチで相手選手を一時的にKOする事まで可能!この為敵にボールを取られても悔しくないどころか、むしろ相手を潰すチャンスになるのが格ゲー専用ハードとすら言われたNEO-GEOのゲームらしい最大の特徴です。更にはシュートもパワーを貯めればパワーシュートとなって相手選手やゴールキーパーを吹き飛ばす事が可能。チームに1人いるヘッドマスターが繰り出す特別なパワーシュートにいたってはシュート線上にいる総ての選手を薙ぎ倒しながらゴールめがけて飛んで行くので纏めてKOも可能!。こうした攻撃システムによりサッカーブロールはサッカーでありながら敵を倒す格闘的な要素をも同時に持ち合わせていたのです。

でもこういったシステムはラフプレイばかりに使う訳じゃなし。パワーシュートでキーパーを吹き飛ばした場合はボールがゴール前にリバウンドしてくるので最大のチャンスに!そしてここでタイミング合わせてボタンを押せば
ダイビングヘディングシュートオーバーヘッドキック豪快なシュートが簡単に決められるのです。その華麗さと言ったらスーパープレイ特集でもあまりお目にかかれないカッコ良さ。バカで明るくて派手で攻撃的なサッカーブロールと言うゲームに相応しいゴールシーンです。

ただこう書くと大味なサッカーゲームの様にも思われるでしょう。然しこのゲームは「パスを回してサイドから攻め込み、最後はセンターリングからシュート」って普通のサッカーの様にも戦えるので戦略的な遊び方も可能。バカと真面目の2点が非常にバランス取れたゲームに仕上がっているのです。地味だったサッカーゲームに比べ派手で楽しくて戦術的にもOKなサッカーブロール、名作として高く評価されるかと思いきや・・・。

これより暫くして本格的なサッカーブームの到来、いわゆる
Jリーグが誕生するのですが、その途端にサッカーブロールの様な架空のサッカーゲームは株が大暴落、評価すらされなくなってしまうのです。然しスポーツは長い歴史の中でルールやシステムを大なり小なり変更して、それにより人々に支持され愛されてきたと言えなくもなし。サッカーブロールも現実のサッカーに有りがちな「守り固めた方が優位」って不満を上手く削いだ優秀なサッカーゲームとも評価出来るのです。こうした手法は架空のゲームの方が採りやすい、それを考えればサッカーブロールの独自のルールやシステムがもっと高く評価されても良いんじゃないか、架空設定ゲームの楽しむ事にシンプルであると言う姿勢に日を当てても良いんじゃないかと思うのです。