父親の死後、自分の夢を犠牲にして他人のために尽くす小さな町の銀行家ジョージ。
彼は町の人々から愛されているにもかかわらず、それを信じることが出来ないでいた。
ある日、大金を無くして人生に絶望したジョージを見かねた神様は、彼のもとに二級天使のクラレンスを派遣。
クラレンスはジョージが存在しない世界を彼に見せることによって、人生の偉大さを教える。
一般市民の立場からアメリカ社会の理想を描きつづけたフランク・キャプラ監督と、
アメリカの良心を体現してきたジェームズ・スチュワートの集大成ともいえるファンタジックな人情劇。
フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターンがクリスマス・カードと共に友人に送った短編『The Greatest Gift(偉大なる贈り物)』。
この短編が出版されるとRKO社が映画化権を獲得し、ケーリー・グラントの出演作として企画。
ダルトン・トランボやクリフォード・オデッツといった売れっ子脚本家たちが脚色を試みるが、スタジオを満足させるだけの物語を書き上げることは出来なかった。
そんな中、ウィリアム・ワイラー監督やジョージ・スティーブンス監督らと共に独立映画製作会社「リバティ・フィルムズ」を設立した
監督のフランク・キャプラがこの短編の映画化に興味を示し、独立プロの製作第一作として企画。
主人公ジョージ役をキャプラ監督の『我が家の楽園』(38)と『スミス都へ行く』(39)に出演したジェームズ・スチュワートにオファーする。
第二次世界大戦中、空軍大佐として活躍し、数々の輝かしい功績を残したスチュワートのもとには、彼の戦功を宣伝に利用しようとする映画の企画ばかり舞い込んでいたため、
彼はスクリーン復帰第一作としてこのユニークな内容の映画への出演に同意したものの、出演契約書の中に彼の戦時中の功績を宣伝に使わないという項目を含ませた。
ヒロインのメアリー役は『オペラハット』(36)、『我が家の楽園』、『スミス都へ行く』
に出演したキャプラお気に入りの女優ジーン・アーサーが候補に上がるが、アーサーは興味を示さず出演を辞退。彼女に代わってドナ・リードが起用された。
クリスマスという絶好の機会に公開されたものの、批評家からは「センチメンタルすぎる」との評価を受け、興業的にも52万5千ドルもの赤字を出して散々な結果に終わり、
リバティ・フィルムズはこの作品と『愛の立候補宣言』(48)の2本のみを製作して解散。
第19回アカデミー賞では作品、主演男優、監督、編集、録音賞の5部門にノミネートされたが無冠に終わった。
現在ではこの作品の持つ素晴らしさ、親しみやすさが再認識され、アメリカ映画の傑作の一本に数えられるようになったものの、
この映画の著作権がパブリック・ドメインとなった70年代頃からアメリカではクリスマス映画の定番となり、
テレビ局は誰にも放映料を払うことなくこの映画を毎年クリスマスのゴールデン・タイムに放映している。
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