若草物語 (1949) Little Women
公開:
1949年
若草物語(49)
製作:
監督:
原作:
ルイザ・メイ・オルコット
脚本:
セイラ・Y・メイソン

ヴィクター・ヒアマン

アンドリュー・ソルト
撮影:
ロバート・プランク

チャールズ・ショーンボーム
音楽:
アドルフ・ドイッチ
出演:

父親を南北戦争に取られ、母親と共に女だけでニューイングランドの田舎町でつつましく暮らすマーチ家のメグ、ジョー、エイミー、ベスの4姉妹。作家を夢見る次女のジョーは、隣人の富豪の息子ローリーの求婚を断り、ニューヨークに移って本格的な執筆活動を始める。ジョーは下宿先で知り合ったドイツ人教授ベアと恋に落ち、彼はジョーに空想の物語でなく自分の体験をもとにした小説の執筆を薦める。そんな時、四女ベスの危篤の知らせを受けたジョーは故郷に戻り、ベスの死を看取った彼女は楽しかった少女時代の思い出を一冊の小説にまとめ上げる。 94年にウィノナ・ライダー主演で6度目の映画化が行われたアメリカ文学の古典小説を、オールスター・キャストで映画化した家族ドラマの名作。

原作は1868年に発表されたアメリカの女流作家ルイザ・メイ・オルコットが少女時代の体験を基にして執筆した同名小説。17年と18年にサイレント映画として映画化され、33年にジョー役をキャサリン・ヘプバーンが演じ、ジョージ・キューカーが監督を務めた3度目の映画化となる『若草物語』は、批評家から高く評価されて興行的にも大きな成功を収めた。 ハリウッド・メジャースタジオの一つM-G-M社は、スタジオ創立25周年を記念して『若草物語』のテクニカラーでの再映画化を企画。 4度目となる映画化の製作と監督を担当したマーヴィン・ルロイは、映画化に際して経費を惜しむことなく贅沢に使い、マーチ家の四姉妹にはスタジオ専属の人気女優たちを豪華に起用。 主人公で次女のジョー役にはジューン・アリソン、長女のメグ役にはジャネット・リー、三女のエイミー役にはエリザベス・テイラー、四女のベス役にはマーガレット・オブライエンを起用する。 原作の設定では若くして病気で亡くなるベスは三女、ヨーロッパに渡ってローリーと結ばれるエイミーは四女だが、名子役オブライエンの年齢と演技を活かすために、エイミーが三女に、ベスが四女に変更された。 四姉妹を演じる四人の女優たちはいつもクスクス笑ったり、ボーイフレンドの話ばかりしていたので、撮影現場は常に明るい雰囲気に包まれていた。 しかし、母親を演じたベテラン女優のメアリー・アスターは、演技への集中力を笑いで妨げられたために、この和やかな環境に満足していなかった。 32歳で十代の少女を演じたアリソンは、当時ディック・パウエルとの子を妊娠中で、そのせいか撮影中はいつもいらだたしげにガムばかりかんでいた。 髪をブロンドに染めてエイミー役を演じたテイラーは、兵役のため韓国にいた恋人に頻繁に電話して撮影を遅れることも少なくなかった。 また、吹雪のシーンでは、雪に似た効果を出すために使われるコーンフレークが眼に当ってもまばたきしないように、俳優たちは眼の神経を麻痺させる目薬をさしていたが、テイラーはこの目薬をさすのを嫌っていつも文句を言っていた。 ローリー役には当時女性に絶大な人気を誇っていたイギリス人俳優ピーター・ローフォードが抜擢されるが、髪を切ったジョーの姿を見たローリーが「ヤマアラシみたいじゃないか!」と言うシーンでは、ローフォードはヤマアラシ(ポーキュパイン)がうまく言えずにいつもポーキーパインと発音してしまい、彼が正確に発音できるまで撮影は午後いっぱいかかった。 出来上がった作品は批評家からの好意的な評価もあったものの、33年度版よりも劣ると評した批評家も少なくなかった。しかし、観客からは絶大な支持を集め、49年の話題作の一本として興行的に大きな成功を収めた。アカデミー賞では2部門にノミネートされ、カラー美術監督賞を獲得する。


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