婦人科疾患の説明です


産婦人科(特に婦人科)で扱う良性の病気について紹介させて頂きます。このような疾患に対しては、私は、殆どの例でお腹を開けない手術を行っています。

卵巣腫瘍/子宮外妊娠/子宮筋腫/子宮内膜症
質問、疑問があればぜひ、メールを下さい。

卵巣嚢腫とは何でしょう?

あなたやあなたの友達で卵巣腫瘍があると言われた方はありませんか?卵巣腫瘍と聞くと癌ではないだろうかと思われるかもしれませんが、卵巣が腫れていると卵巣腫瘍と病名がつきます。その中で、悪性卵巣腫瘍を卵巣癌といいますが、卵巣腫瘍の殆どは良性のいわゆる卵巣嚢腫です。卵巣嚢腫は、卵巣の中に種々の液体が溜まったもので何種類かありますが、最も頻度が高いものは皮様嚢腫と呼ばれるものです。皮様嚢腫は特に若い方に多い卵巣嚢腫で、皮様というのはその内側に毛が生えており皮膚の構造を持つためです。中には骨や歯が見られる人もいます。中には悪性化し癌となることもありますが、最も重要な問題は捻転といって卵巣嚢腫がねじれて激痛が襲う状態です。こうなれば、一刻を争って手術しないと正常卵巣部分を残すことが出来ないので大変です。もちろん、皮様嚢腫は腹腔鏡下手術の良い適応であり、通常は2−3カ所の小さな傷が残るだけで手術が完了します。更に、詳しくはこちらをご覧下さい。

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子宮外妊娠とは何でしょうか?

子宮外妊娠とは、正常な妊娠部位である子宮腔以外の場所に妊娠が成立したものを言います。最も、頻度が高いものは卵管内に着床するものです。かっては、子宮外妊娠とは、破裂による大出血のために死亡に到ることのある大変怖い病気でした。このような患者さんは今もみられますが、現在では、超音波検査、妊娠反応の感度の向上等により早期に発見される例が増えています。条件さえ良ければ、腹腔鏡下手術で対応できますし、状況により卵管摘出を避けることも出来るようになってきています。

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子宮筋腫とは何でしょうか?

子宮筋腫とは、お産の時に陣痛を起こす子宮の筋肉より発生する良性腫瘍で30代後半の女性の5人に1人が持っていると言われています。従って、筋腫を持っていることが、直ちに手術となるわけではありません。症状が現れ手術が必要となるのは、更に20人に1人ということになります。

筋腫の症状は、当然のことながら、その発生場所に異なります。この点が、患者さん(時に医者も)が誤解している点ではないかと思います。筋腫が大きくないから、そのままでよいですと言うようなものでは無いと思います。

図の1は粘膜下筋腫です。粘膜下筋腫といわれるものは、子宮の中に出来る筋腫で生理の量が増え、貧血となってきます。従って、その大きさが1cmであったとしても手術が必要となります。この場合は、患者さんの希望により子宮鏡下手術あるいは子宮全摘術となりますが、当科では、子宮鏡下筋腫核出術を第1選択としています。この種類のものは、時に、子宮内に押し出され、子宮口から脱出してくるため、筋腫分娩(図5、6)となることがあります。この際には、腹痛を伴い、時に大出血しますので、緊急手術が必要となります。

図の2は、漿膜下筋腫です。漿膜下筋腫といわれるものは子宮の外にあるために、自分でさわるようになるまで無症状のことが多いようです。 この場合には、手拳大の大きさが手術の対象となることが多いです。

図の3は、筋層内筋腫です。このタイプのものが一番頻度が高いかもしれません。大きさが、小さい内は、漿膜下筋腫と同様に無症状ですが、大きくなるにつれて子宮内腔の変形が起こりますので、過多月経による貧血がでてきたり、不妊症の原因となることもあります。

図の4は、頚部筋腫です。大きくなると、排尿困難となることがあります。

子宮筋腫は、子宮内膜症と違い、比較的、痛みの訴えの少ない疾患ですが、時に、急激な痛みがでてくることがあります。図の1は、有茎性漿膜筋腫の捻転です。図4は、筋腫変性の中でも、妊娠初期や分娩後に起こることの多い赤色変性です。急激な痛みや発熱が起こりますので、入院管理が必要です。図の2は石灰化、3は水腫変性です。慢性的に変性が起こることによります。

子宮筋腫の治療法は、子宮全摘術が多くの場合に行われていますが、子宮を残すことも場合により可能です。当科では、内視鏡手術による子宮温存手術として、粘膜下筋腫に対しては子宮鏡下筋腫核出術を、漿膜下筋腫に対しては腹腔鏡下筋腫核出術を行っています。また、子宮摘出となる場合も、当科では、腟式子宮全摘術あるいは腹腔鏡補助下腟式子宮全摘術にてなるべく、開腹手術を避けるようにしています。

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子宮内膜症とは何でしょうか?

子宮内膜は、月に一度、ホルモンの影響により月経の際に剥脱し出血を繰り返します。本来は、子宮の内側を覆っていますが、子宮内膜症の逆流説によれば、月経の際に剥脱した子宮内膜が卵管から、お腹の中に逆流し、ばらまかれると考えられています。そして、お腹の中のいろんな場所にくっついて、子宮内で出血が起こる際には、お腹の中にばらまかれた子宮内膜でも生理の出血が起こります。これが、ダグラス窩と呼ばれる子宮と直腸の間の腔に癒着を作ったり、古い血液がたまったチョコレート嚢腫と言われる卵巣嚢腫を作ったりします。子宮と両方の卵巣を摘出すれば直りますが、これから、子供さんを作りたい方の場合には、この方法がとれないために、リュープリンといわれる注射で生理を止めたり、腹腔鏡下手術で悪いところだけを摘出したりしますが、なかなかしつこくて完治することの難しい疾患です。

私も外来で沢山の患者さんを診察し、手術も行っていますが、本当はどうすると一番良いのか決めるのが難しい疾患だと思います。 更に詳しくはこちらをみて下さい。

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