発売日:1994年10月21日   発売元:デンズ   ジャンル:ACT
値段:5980円   おすすめ度:1.5(懸賞品の商品化だけの出来)
 アメリカのシカゴ出身の怪人ケトラーは、日本中のやかん(後にUFOまでも)を独り占めしようともくろみ来日した。
この悪事を阻止せんとするは、地球の食生活の平和を守るために日本にやってきたヒーロー、その名はヤキソバン!!
彼は、地球からはるか100億キロ離れた太陽系のかなたにあるといわれる惑星、麺惑星ヤキソバーンの王子なのだ。
 そんなヤキソバンは、メンアタック、ソースビーム、青のりフラッシュ、あげ玉ボンバーといった、おいしくも強力な必殺技を使っていく。
そして、地球の食生活を脅かす強敵達と戦いながら、地球の真の平和も守っているのである。
中でも、ヤキソバン最大のライバルとよばれたケトラーはヤキソバンを倒すために、あの手この手の策を講じていったが、どうやってもヤキソバンの連戦連勝で、毎度のことながらケトラー一味はヤキソバンに叩きのめされていった。
結局、ケトラーは自らの野望を断念せざるを得なくなり、ひとまず戦いはヤキソバンの勝利に終わった。
 平和になった地球を後にして、戦士としての使命を終えたヤキソバンは故郷の麺惑星に戻り、同じ星のマユミ姫と結婚式を執り行った。
「ヤキソバン王子、汝はマユミ姫を愛することを誓うか?」と神父の問いに対し、「はい、誓います!」と答えるヤキソバン。
ここで、マユミ姫もヤキソバンを愛することを誓い、このまま晴れて2人は夫婦として第2の人生を迎えるはずだった。
 ところが、結婚式の会場にはマユミ姫は現れなかった。「では、マユミ姫……?マユミ姫がいない…?」
彼女は、何者かによって結婚式の前に連れ去られてしまったのだ、その犯人はヤキソバンによって野望を潰されたケトラー。
実はケトラーは、野望を完全にあきらめてはおらず今度こそヤキソバンを完全に倒し野望を達成するために、わざわざ気づかれずにヤキソバンを追って麺惑星に入り、そのための必勝の策として結婚相手のマユミ姫を連れ去ったのである。
加えて、彼にはニセヤキソバンという新たな相棒を従え、より強力になったケトラー一味の親玉として挑戦状をたたきつけた。
 「へっへへ〜ん!ヤキソバン、マユミ姫はいただいたっ!悔しかったら、地球へきてみろっ!」と挑発するケトラー。
「許さん!ケトラー!!」とばかりに、地球に戻るケトラーと連れ去られたマユミ姫を追って、愛用の乗り物であるマッハUFOで地球へと向かったヤキソバンは、地球の食生活の平和と同時にフィアンセの救出というもうひとつの使命を帯びた。
果たしてヤキソバンは、ケトラーの黒い陰謀を完膚なきまでに叩き潰し、無事マユミ姫を救い出すことができるのだろうか。
UFO仮面ヤキソバン ケトラーの黒い陰謀
メンアタック!!

CMヒーローのゲーム化

 1993年半ば頃、日本のCM界において新たなヒーローが誕生した、名前はヤキソバン。
1976年に登場し、今直安定した人気を得ているカップ焼きそば『日清焼きそばU.F.O.』は、世界的に愛されているカップヌードルにおけるカップ麺の二番手として登場した。
商品誕生からヤキソバン登場までの17年間、派生版が色々登場しているものの特に○○周年という節目に当たるわけではないのに、なぜそういったキャラが登場したのかという背景は不明。
 そのCMの主役ヤキソバンに扮するは、当時二枚目のルックスと濃いキャラクター性で定評のあったタレントのマイケル富岡さん。
ヤキソバンの人気によって彼自身の人気も高まり、俳優としての能力も開花させていった。
ライバルのケトラーには、ワイドショーのコメンテーターであるデーブ=スペクターさんを起用。
出演から数年前は、あまり日本語をしゃべることができなかったが(吹き替えは故富山敬氏)、出演当時になるとすっかり上達していたようだ。
 ヤキソバンの偽者(?)ニセヤキソバンには、オスマン=サンコンさんというデーブさんに劣らず濃いキャラクターの配役をしている。
ヒロインには、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のメイ役で大ブレイクした千葉麗子さんを起用した。
翌年にはビデオ版も登場、レギュラーの3人に加えてアジャ=コングさんや高田万由子さんといったタレントも出演し、1本のビデオにこれだけ内容の濃いものが出されるのは珍しかった。
 いずれにせよ、ヤキソバンのヒーローや出演者達の濃いセンスは、当時の視聴者に衝撃をもたらしたことは想像でき、キャラクター的に大成功を収めたといっていい。
だが、登場から2年後の1995年には賞味期限切れという理由でヤキソバンが母星へ帰ってしまい、急遽ヤキソバンの妹のヤキソバニーがヤキソバンに代わってケトラー一味と戦った。
ヤキソバニーに扮するは、『白鳥玲子でございます』で有名になった松雪泰子さん。
 これ以降、登場しなくなったヤキソバンは自然消滅してしまい、ヤキソバニーやケトラー一味もいつの間にか自然消滅してしまった。
ヤキソバン降板の理由はわからないが、降板年の具材変更が大きいと思われる。
しかし、2008年現在数多くのU.F.O.の商品が世に出回ったことを考えれば、ヤキソバンの果たした功績はかなり大きいといえるだろう。
 前述したように、ヤキソバンの人気はビデオ版登場はもちろんフィギュアやぬいぐるみといった商品も登場し、さらには児童雑誌である『てれびくん』にも特集されるなど他のヒーローとほぼ扱いが同じになり、結果的に子供達にも愛されるヒーローにまで昇格していった。
そんな人気のヒーローだからなのか、なんとゲームにまで進出することになった。
といっても、当時のU.F.O.の懸賞品(他にヤキソバン一輪車やヤキソバン風テントなども懸賞対象品となった)のひとつに過ぎなかったが、懸賞品にもかかわらず内容は他のゲームのキャラ替えではなく、一から作ったゲームであった。
 これについては後ほど説明するとして、このゲームを開発したのはデンズというかなりマイナーな会社であった(販売こそ日清食品)。
どんな会社かというと、なんとマクドナルドの子会社で正式には会社名ではなくブランド名であって、その由来も当時の社長の名前からきているという会社である。
会社の正式な名前は『アイ・ティー・シー』であり、他のメーカーにソフトを供給している会社でもあったようだ(知る限りでは数本程度しか供給していない)。
日清とマクドナルドの間に何か関係があったのかは不明で、デンズ自体既になくなってしまっているらしく、詳細についてはあまりわからない。

 さてゲーム版についてだが、プレイヤーはヤキソバンを操作してケトラーが送る悪党を叩きのめし、最終的にケトラーを懲らしめてヒロインを救出するというもので、『ファイナルファイト』におけるベルトアクションとほぼ同じだといえる。
ベルトアクションということで、パンチからの連続技やステータスを代償して出す必殺技、置物を壊して出る有効なアイテムなどそういった基本は抑えている。
そのアイテムは、ヤキソバン一輪車やテントといった懸賞品やゲーセンの景品を主にしていて、その効果も無敵や体力回復といったその手のアクションの雰囲気に合わせている。
 CMやビデオ版で見せた、ヤキソバンの華麗な必殺技も忘れてはいけない。
ソースビームは、画面下のゲージを溜めて発射するが溜めたゲージによって威力が違い、あげ玉ボンバーは画面全体に攻撃範囲が、青のりフラッシュは敵全体の動きを止める効果がある。
ソースビーム以外の必殺技は弾数制限で、数が少ない上に性能も決して高いとはいえず、ソースビームも溜めが必要なためにそれにおける隙が大きく、全てがグラフィック的にも地味なので大掛かりな必殺技なのに使う機会が少ないというのは悲しい。
実のところ、パンチでの連続攻撃が相手に大ダメージを与えられる上に、必殺技は隙はもちろん時間も多く割かれるため、制限時間が少ない場面での必殺技の使用は危険。
 このゲームは5ステージ制で、1ステージごとに数パートほど用意されているが、各パートとも制限時間はU.F.O.が出来上がる3分間しかなく、敵がぞろぞろと出てくるのに対して必殺技の隙が大きく連続技を主に使うヤキソバンでは、後半に進むにつれて時間切れになる危険が高い。
ステージ途中でやられると残り時間が3分に戻るが、それでもいつも以上に敵がぞろぞろ出てくる最終ステージは必殺技を使う余裕が無いほどつらい。
いうなれば、複数の敵をまとめてダメージを与える手段が少なく、何よりも投げ技がないのはとてもつらいので(投げた敵を複数にぶつけられない)、ベルトアクションゲームが多く作られている当時なのだから、せめてそれくらいは付け足すべきではなかったか。
 そもそも、攻撃そのものにも問題がありすぎるのだが攻撃範囲がかなり限られているらしく、特に上下の範囲がほぼ無いに等しいためにまとめての攻撃もやりづらい。
それは敵も同じなのだが、こちらは一人で戦うために多人数が当たり前の敵には通じない。
せめて、通常攻撃だけでも攻撃範囲をもう少し広げるべきではなかったか。

 この他にも、ボスが倒れると一定時間無敵になるところにも問題があり、ヤキソバンならともかくザコより強いボスがその設定を使えば、ただでさえ時間が少ないのにますます無駄時間を費やす結果になってしまうのがなんとも痛いところだ。
もっとも、余裕のある人はそれを利用して敵から逃げ回りつつ、ソースビームを溜める時間を稼いで満タン+敵の無敵時間が解けた後、それを一気に発射する手もある。
幸い、ほぼ全ての敵の攻撃パターンはわかりやすいので、慣れていけばなんとかなるはずだ。
 ベルトアクションながらも、攻撃範囲や投げができないといったその手の面白さが失っているため、ゲームそのものの面白さは決していいとは言いがたい。
反面、ステージの雰囲気やステージ間のデモにおける盛り上がりは十分で、ヤキソバンがケトラー一味と必死になって戦っているのに、逃げ回っている一般人は少数で多くは見物というのは、明らかに突っ込みどころといえる(さすがに最終ステージの後半は逃げ回っている人が多かったが)。
また、ヒーロー番組にありがちなパワーアップエピソードも登場し、そこからパワーアップしたヤキソバン(ヤキソバングレート)として残りのステージを進んでいく。
確かに攻撃力は上昇しているが、その分登場する敵の数や質も一層増えているので、そういった恩恵を受ける気分になれないのが残念だ。
 敵についても、強さよりも雰囲気を合わせているものばかりが多く、このゲームの設定さえまともになっていればゲームと雰囲気の両方楽しめたはずだ。
そもそもこのゲーム、前述したとおり懸賞用として登場したものだが、後に細かい部分の多くを変更して一般用にも販売されている。
なぜ懸賞用を、わざわざ一般用として販売したのかわからないが、懸賞版の人気がそこそこだったことで販売もその時に考えていたのではないだろうか。
 だが、投げが無かったり攻撃範囲の狭さといった欠点が解消されずに販売したために、ゲームとしての評価は芳しくなかったことだけは事実。
6000円未満という、当時としてはかなり安くなっているものの懸賞用から販売用に変化したのだから、このくらいの安さと面白さをつり合わせれば十分だろう。
何度も言うように、ゲームとしての面白さこそ欠けているもののビジュアル面での面白さは十分なので、かつてのヤキソバンファンやバカゲーファンならプレイしてみるのも一興かもしれない(中古で500円とかなり安い店が結構ある)。

 U.F.O.のCMにヤキソバンが登場している頃の私は中学2年で、ヤキソバンとケトラー一味のシュールな戦いに見入っていた。
その頃、私の趣味は特撮からゲームに移っていったが、ヤキソバンに興味を持ったあたりは心の奥底に特撮が好きだということが、わずかながらに残っていたのかもしれない(その2年後に、再び特撮に興味を持つ)。
当時入っていたベネッセのチャレンジの付録チャレンジランドにCMの特集があり、そこにヤキソバンのことが少し載っていたが、面白くもどこかかっこいいヤキソバンに改めにすごいと感じた。
 ただ、これがゲームになったということは数年前に知ったばかりで、当時ファミマガを読んでいたにもかかわらず知らなかったのは、他のゲームに夢中になっていて目に付かなかったと思いたい。
しかも、かつては懸賞用だったのが突然商品として発売されることも知らなかったので、人気があったのかと思ってしまった。
見たレビューはビデオ版とゲーム版で、ゲーム版のレビューを見た時に近くのゲームショップで購入したのだが、それはなんと懸賞版だった。
箱とラベルに、実写のヤキソバンとケトラーが載っているのが証拠で、レビューする時はそれがイラストになっている商品版を購入した。
 その時は、懸賞版購入について疑問に思っていなかったが、懸賞版と商品版の違いをネットで知って驚いた。
同時に、懸賞版が何で中古で売られているのかということにも疑問を感じたが、意外と多く出回っていたこととほとんどの部分であまり大差が無いことに、店員も特に違いに気づかなかったと思いたい。
レビューを決断した時点で、懸賞版を安値で購入できたことを喜んでいたが、私と同じ人が少しいたのでその時は複雑な心境だった。
 ゲームそのものは、レビュー時に購入した頃からプレイしているが、はっきりいって面白いとはいえなかった。
『ファイナルファイト』といった多くのベルトアクションをプレイしていたし、何より投げが無かったり攻撃範囲の狭さといったマイナス要素が、このゲームの評価を下げていることはわかっていた。
だからこそ、このゲームの雰囲気がとても面白かったために、残念で仕方がない(マイナーなゲーム会社が開発を担当している時点で、あまり期待できないことはうすうすわかっていたが)。
もっとも、2本とも箱と説明書付きで購入して合計金額が2000円程度だったので、その程度の出費ならしょうがないとも開き直ったが。
 ところでレビュー中の数日前、ネットオークションでこのゲームの値段がどうなっているか興味で見てみた。
私の予想では、商品版の値段はともかくとして懸賞版はかなり上がっている、せいぜい5000円ぐらいではないかと思っていた。
確かに、懸賞版は箱と説明書がついて10000ジャストだったが、カセットのみではなんと300円と13分の1と大幅に値が下がっていた。
 もちろん、出品者や商品の状態という関係もあろうが、いくらなんでも13倍の差というのはありえないだろうと感じた。
10000円で売り出した人は、おそらく懸賞版がいまだ市場に出回っていないと思っているだろうが、それを知った時点でどんな心境をするのだろうか(かなり値を下げてくるだろうと思うが)。
ちなみに商品版は、500円から2000円までという半ば予想した手ごろな価格で出品されていた。

本日のまとめ