
こうレビューを読んでいくと、このゲームって結構面白いなと誰もが思う。
しかも、スクウェアの大作RPG、そして小学館が放つ7人の漫画家による多彩なイラスト…。
これだけでも知名度はもちろん、売り上げも上がると予想した人は多いと思う。
だが、現実はこうもいかなかった。
今でこそ、インターネットで再評価はされてきているものの、発売から数年間はマイナーやクソゲーといった、否定的な扱いを受けた。
理由は、下記に記すとこういうことになる。
・お金の概念がない。
・チェッカーバトルがわからない。
・発売時期がまずかった。
1つ目の理由は、お金もRPGの基本の1つと考えていたプレイヤーにとって、かなり衝撃的であっただろう。
お金の概念がないということは、不要になった持ち物が売ることができないし、武器や防具、道具を買うことが出来ない。
武器や防具はともかくとして、戦闘で使用頻度が高い道具を買うことが出来ないということは、ある意味死活問題であった。
戦闘中にうっかり使おうとするなら、もう二度と手元には残らない。
特に、どうでもいいところで回復アイテムを結構使ったりすると、各シナリオのラスボス戦において、絶望的な戦いを強いられる。
2つ目は、このゲームがクソゲーである意見が最も多い。
新機軸の戦闘システムを導入したのはいいが、どうしたらいいのかわからずにやられたプレイヤーが後を絶たなかった。
「一応説明書に書いてあるから、それを読めばいいだろ」というツッコミがファンから聞かれるだろうが、中古ゲームショップがあふれている現在、一般的な中古ゲームが売っているのは当たり前なのだが、箱と説明書がなくカセットだけのゲームも売っているのも当たり前なのだ。
「だったら、攻略本なりネットの攻略サイトなり調べればいいだろ」という声もある。
しかし攻略本の入手は、よほど人気のあるゲームでなければ入手し難いし、このゲーム発売から数年間はあまりインターネットが発達していなかった。
当然攻略サイトはなかっただろうし、もしあったとしても深く攻略情報は載ってなかったと思われる。
結局のところ、中途半端に情報網などが発達してしまったがために、ゲーム情報の伝達があやふやになってしまった。
そして3つ目は、このゲームの運命を象徴するものである。
ライブ・ア・ライブの発売の数ヶ月前は、『ファイナルファンタジーY』が発売されて大人気を誇った。
そして翌年には、『クロノトリガー』、『ロマンシング サ・ガ3』、『聖剣伝説3』といったシリーズものが次々と発売されたために、完全に日陰に追いやられてしまった。
もしこのゲームが今の時期に発売されていたら、間違いなく大ヒットになることが出来ただろうが、93年から96年までの間、次々と良作RPGを量産してきたことがある意味不幸であった。
あの世で オレに詫び続けろ
オルステッドーーーーッ!!!!
本日のまとめ
さてシナリオの話に戻るが、9つのシナリオが個性的であるということは前にも書いたのだが、特に中世編はファンの間でも語り草となっている。
それは、主人公であるオルステッドが、親友であるストレイボウの姦計にかかり、オルステッドは最後にストレイボウを倒すものの、信頼していたはずのアリシアにも裏切られ、アリシアはストレイボウの後を追うように自殺。
ずべてに絶望したオルステッドは、魔王オディオと名も姿も変えることになる。
ゆえにオルステッドが仲間にならず、このゲームのラスボスとして、各シナリオの主人公達と相まみえることになる。
最終章では、各シナリオの主人公達がオディオを倒すシナリオがあるほかにもう1つ、オディオが主人公となるシナリオがある。
悪が主役であるRPGは、かなり画期的であるといっていい。
いやゲーム自体画期的であった。
オディオが主役のシナリオでは、かつて各シナリオの主人公達に敗れたボス達が、オディオの名の下に集結し、主人公達を倒すというもの。
このシナリオの主旨は、無残にも主人公達に敗れたボス達の無念な思いをここで晴らすというものだが、ボス達(またはボスが所属していた組織)がやってきた所業をみるとあまり説得力がなく、むしろボス達に虐げられた主人公達に、その言い分があると思うが(実際『オディオ』はイタリア語で『憎しみ』という意味なのだが…。ちなみに『オーディオ』ではない)。
この物語で特筆すべきものは、勇者が魔王となるというものである。
正義の味方が悪の手先になるというパターンは、アニメや特撮、それにゲームでも散々やりつくされたパターンなのだが、世間に敬われている勇者が魔王になるというパターンは、当時も今も前代未聞であった。
魔王といえば、主にRPGにおける絶対悪という考えが強い。
DQでいえば、竜王、バラモス、ムドーなどがそれに該当する。
しかし魔王オディオについては、自らの欲望により魔王となったわけではなく、人間に絶望し魔王にならざるを得なかったといったほうがいい。
そういった意味では、DQWのデスピサロと少し似ている(デスピサロは、リメイクであるPS版で仲間になり、勇者達と共に黒幕であるエビルプリーストを倒した)。
オルステッドが魔王オディオになったきっかけの1人であるアリシアは、スクウェア三大悪女として名高い。
その理由は、オルステッドを愛しておきながらストレイボウに寝返り、挙句の果てにはストレイボウの後を追い自殺をする様は、悪女にふさわしい行為とも言える。
ちなみにスクウェア三大悪女は、アリシアのほかに『バハムートラグーン』のヨヨと『ファイナルファンタジー[』のリノアが挙げられる。
ヨヨとリノアがなぜ悪女扱いなのかということについては、近い将来彼女らが出演していたゲームをレビューする際、詳しく説明したい。
もう1つ中世編にはおよばないものの、これも何かと話題になるネタがある。
それは各シナリオにおける共通点であり、それは2つある。
1つは各シナリオのボスの名前、もう1つはワタナベ親子である。
前者については、『オディオ』という名前を基礎としている。
『オディワン=リー』とか『O=ディオ』という名前がそれにあたる。
もちろん一部のボスの名前には、オディオと関係する名前はないが、物語をじっくり見ていけばちゃんとオディオに関係しているのである。
後者については、全シナリオ通して出演しているということ。
典型的なパターンとしては、父親が何らかの拍子で死んでしまい、その息子は泣きながら退場していくというもの。
当然、ごく一部のシナリオでは父親は死ぬことはないが、基本的に父親はやられ役ということには変わりない(あるシナリオにおいては行動しだいによって、やられ役にならない)。
またイベントの大半は、ある行動しないと見ることができないので注意を要する。
ゲームジャンルはRPGではあるが、最初から7つのシナリオを選べることから、オムニバス系RPGとなっている。
もちろん『ライブ・ア・ライブ』以前にも、オムニバス系RPGはあったのだが、1本のシナリオで自由に行動できるゲームと、複数シナリオだが選べないゲームがあったので、正式なオムニバス系RPGはこのゲームが初である。
7つのシナリオをクリアした後、隠しシナリオとして出てくる『中世編』と『最終編』を加えると、実に9つのシナリオというあまりにも壮大なスケールのRPGになる。
ただし、1つ1つのシナリオプレイ時間はそんなに長くないので、気軽にプレイできる。
しかも、シナリオの内容もかなり個性的で、ほとんど戦闘がないものもあれば、すべて戦闘があるものまである。
当然ながら普通のRPGのような、戦闘とストーリーのバランスが取れているシナリオもある。
個性的なのはシナリオだけではなく、戦闘もまた個性的である。
戦闘は普通のRPGのようなサイドビュー方式(主にFF)やフロントビュー方式(主にDQ)ではなく、チェッカーバトル方式となっている。
チェッカーバトルとは、戦闘フィールドを7×7のマス目に設定し、ばらばらに敵味方を配置して、さながら見た目的にチェスを髣髴させる。
ただしこのゲームの戦闘とチェスはまったく関係がない。
ターン制は、すばやさが高いものが先に攻撃を行うという、FFシリーズ(W以降)ではおなじみとなったアクティブバトル制である。
ライブ・ア・アライブの場合、自キャラを移動するとき、もちろん敵も移動する。
後はアクティブバトルと同じで、自分の攻撃範囲外で敵の攻撃を食らうこともある。
そして自分の攻撃範囲に来たら、範囲に収まっている自分の持ってる技を選んで攻撃する。
さらに、背を向けている敵を攻撃すると、与えるダメージの量がアップすることから、こういった方式は戦略SLGに通じるものがあり、特にバンプレストの『バトルロボット列伝』にこういったシステムがそのまま入っている。
こうしてみると、意外とチェッカーバトルのシステムが難しくとっつきにくい感があるが、慣れればそれほど難しくはなく、戦法しだいではあまりダメージを受けずにすむことがある。
また技の種類によっては、ステータス異常を起こすこともあるので、それと組み合わせることによって、一方的に攻撃することも出来る。
これの応用で、敵のパーティーの親玉的な敵キャラを倒し、戦闘を早く終わらせることも可能。
このゲームの戦闘で、たまに敵パーティーの中に、親分とそれに率いられる子分的な敵がいて、親分を先に倒すと、子分も一緒に消えるのである。
この場合、戦闘を早く終わらすことも出来る反面、敵が持ってるレアなアイテムが手に入らないこともある。
なお戦闘自体については、戦闘終了後に全員のHPとステータスが全回復するので、やや難しくしてあるが、戦闘終了における全回復は後ほど説明するとして…。
ちなみに、戦闘における逃走は、ボスやイベントキャラといった一部の敵を除いて、確実に逃走できる(その代わり100回逃げると強い敵が来る)。
それとアイテムを使ってるときは、敵は何も行動しないので、敵に邪魔されず回復なども出来る。
発売日:1994年9月2日 発売元:スクウェア ジャンル:RPG
値段:9900円 おすすめ度:4.5(正義とは何か、悪とは何か!?)
魔王を救えるか!?
ライブ・ア・ライブ