西暦198X年、ある地方でナチスの極秘文書が見つかり、第2次世界大戦のときに練り上げたとされるアルバトロス計画なるものが、ごく1部の人間に知られることとなる。
アルバトロス計画とは、巨大レーザー砲搭載兵器を製造し、それを使って世界を支配することであった。
これに目をつけた、帝国軍総統ワイズマンは極秘文書を奪い、ナチスが成しえなかった計画を実現しようとする。
 ワイズマンは、世界征服のために計画が必要であり、同時にヒットラーをも復活させようともくろむ。
世界征服のためには、アルバトロス計画が必要なのだが、計画を実行させるにはヒットラーの存在が不可欠であったのだ。
そこでワイズマンは、ヒットラーの死体を蘇生装置に入れ、己の世界征服を実現しようとする。
 これを知った連邦軍は、軍の英雄であるスーパージョーをワイズマンの支配する地域へ差し向けるが、そのスーパージョーはワイズマンの支配する領域に到達した直後に消息を絶ってしまう。
スーパージョーが、帝国軍に捕らわれたことを知った連邦軍は、一人の男をスーパージョーの救出と奪われた極秘文書の奪回、そしてワイズマンの野望を阻止するため、彼を帝国に差し向けることにする。
その男はラッドといい、階級は大尉、スーパージョーに並ぶ連邦軍の希望の華だった。
 ラッドは、連邦軍の期待にたがわぬ活躍を見せ、次々とワイズマンの所有するアジトを攻略していく。
そして、ついにワイズマンや蘇生途中のヒトラーを発見するものの、もはやヒットラーがいなくても計画が実現できるところまで進んでしまう。
蘇生装置を止め、勝ち誇るワイズマンだったが、既にヒットラーは復活していた…。

ヒットラーの復活

ザ・ワイヤーアクション

発売日:1988年7月20日   発売元:カプコン   ジャンル:ACT
値段:5800円   おすすめ度:3.5(AC版よりもハード)

 カプコンにおいて、隠れた名作との声が高いゲームの1つ。
元々、このゲームはACへの移植であり、AC版誕生は1987年でFC版への移植はその翌年となっている。
AC版のタイトルは『トップシークレット』であり、FC版でもサブタイトルにトップシークレットと書かれているのが見える。
 AC版は、敵の基地を攻略し次々に現れる敵の兵士やロボットなどを倒していくという、いわばミリタリー性のあるものだが、キャラが3頭身で大き目のキャラクターのほかに、カラフルな背景と陽気なBGMは、むしろコミカルなアクションゲームというものであった。
一方のFC版は、ミリタリー性を大幅に拡大させており、ストーリーやゲーム内容もAC版よりハードでシリアスなものになっている。
もちろんBGMも、FC版の内容にあわせて暗く渋めのものになっている。
 この時期のカプコンのアクションゲームは、AC・FC問わず非常に癖があり難易度も非常に高いものばかりだった。
ジャンプの慣性や特殊な操作は、一般のゲームメーカーのゲームと比べて玄人向けのものであり、とても初心者が軽々と扱えるものではなかった。
しかし、それはあくまで慣れないプレイヤーから見たことであり、慣れていけばそれほど難しくはなくむしろ簡単な部類に入ることも可能である。
このため、このゲームに慣れたプレイヤーにとって、万人向けのゲームは次第に受け入れにくい体質になっていった事実がある(難易度が低いため)。
もちろん、それまでにはそれ応々の時間がかかるわけなのだが。
 トップシークレットにおける、カプコン的な要素といえば、たいていのプレイヤーはワイヤーアクションを思い浮かべることだろう。
ワイヤーアクションといっても、東映特撮のようにヒーローと悪役がワイヤーに吊られながら空中でバトルするものではなく、プレイヤーが持っているワイヤーを使いながら、移動やアクションを起こすものであり、正式な名称は『ラバーリング・アクションゲーム』と呼ばれている。
 このゲームにおける主人公は、このシステムを搭載しているため、ジャンプが一切出来ないようになっている。
これにおけるプレイヤーの移動は、レバー(十字キー)でまっすぐもしくは斜め上に伸びるワイヤーを壁や天井、足場に引っ掛けながらレバーの左右を押すことにより、プレイヤーがスイング状態となり、その状態でタイミングよくボタンを離してさらに天井や壁にワイヤーをかけることにより遠くへ移動することができ、ワイヤーを上に伸ばして足場に引っ掛けた状態でワイヤーボタンを押すと、上の足場によじ登ることも出来る。
さらに、遠くのアイテムをこちらに引き寄せたり、敵をワイヤーでぶつけてひるませることも可能となっている。
このアイデアはジャンプが不可能だからこそ光るものであり、もしこのアイデアを搭載しつつジャンプが可能となっていれば、つまらなくなることも大いにありえるわけである(後にそのようなゲームも登場したが、これもなかなかに面白みのあるものであった)。

 さてFC版は、AC版の移植とはいえ、ストーリーや設定などに大幅な脚色が加えられたことにより、移植というよりアレンジという形となっている(むしろ外伝的な存在か)。
プレイヤーのワイヤー操作は、AC版とさして変わってはいないのだが、特殊アイテムや武器が大幅に増加した。
武器については、3WEYやロケット砲など多少攻撃の幅が広がった程度だが、特殊アイテムになるとその数はかなりの数に上る。
体力を全回復する薬や、暗いところを見やすくする照明弾のほかに、許可証や通信機といったクリアに必須なアイテムも登場している。
 ワイヤー操作は変わっていないとはいえ、難しいということには変わりなく、新たにジャンプが出来るようになったものの、スプリングに乗る形でジャンプすることが出来ず、ジャンプできないというシステムをそのまま継承しているため、ジャンプでの慣性が利かず振り向いた方向にしか飛べないため、むしろAC版よりも難しいという声がある。
 ステージ構成にしても、AC版のようなステージクリア制ではなくマップ式になっており、全てのステージをクリアせずともエンディングを見ることが可能となっている。
故に、ステージ数は18とかなり多いものの、敵と戦うステージは12ステージでそれ以外の6ステージは中立地域ということになっている。
この中立地域は、敵が全くでないものの(例外あり)うかつに攻撃すれば、その地域の軍が大挙やってくるというもので、必ずしも攻撃だけがアクションの醍醐味ではないことをプレイヤーに印象付けることになった。
 ちなみに、自分のいる地域から隣接したところでしか行くことができず、行軍途中にトラックの形をした敵の遊撃隊に接触すると、見下ろし型のステージに突入する。
このステージでは、武器を選択するだけなのだが、ボスはおらずただ単にゴールする(最北のところ)だけでクリアできる。
 このほかの特徴として、小部屋における内容にある。
ステージ途中にある小部屋に入るには、十字キーの上を押すだけなのだが、その内部はアイテムがおいてあったりボスがいたり、果ては通信室になっている場合もある。
この通信室が問題であり、味方と交信したり敵の内容を盗聴することも出来るのだが、盗聴の場合確率的に敵に発見されることもある。
これをしなければ、(エリアとエリアを結ぶ)隠し通路や隠しアイテムが発見できないばかりか、ゲームクリアすら不可能となっている。
うかつに、関係ない通信室でどうでもいい敵の話を盗聴した挙句、敵に見つかって袋叩きにあうプレイヤーもいたという。
 しかしながら、これらを見極めたうえで、様々なプチイベントを飛ばしたプレイヤーもいた。
さらに、それに加えてワイヤー操作をマスターした猛者も次第に現れるようになって来た。
こういったプレイヤーの思いは、現在になってタイムアタックという形で結実された。
今のところ、このゲームの最速クリアタイムは14分台となっており、ワイヤー操作や的確なルート進行は、まさにこのゲームを極めたものとなっている。
 なお、当時では珍しく大きめの平仮名のフォントが使われている。
しかも、漢字も使われているばかりか、RPGはおろかACTでもそういった試みはFCではなかったので、この試みは当時非常に珍しがられた。

 当時におけるこのゲームの評価は、決して高いものだったとはいえず、ワイヤー操作やジャンプ不可能といったアクの強さが目立つ結果となってしまった。
体力システムにしても、スタート直後は体力が全くないのである。
最大の体力は8であり、敵を倒すごとに落としていく小瓶型の薬を取ることにより体力を上げていくのだが、体力を上げていくこと自体が難しいため、いきなり最初のところで(特に中立地帯でうかつに弾を発射したために)やられる事態が続発した。
だが、次第にこのゲームの面白さが伝わり、ストーリーの大掛かりさも合わさって心に残るゲームの1つになっていった。
事実、このゲームのGB版やラバーリング・アクションゲームの流れを引き継いだ『海腹川背』が1995年に発売される。
 当然、難易度が高くパターン性が強いこのゲームは、海外にも輸出され『バイオニックコマンドー』というタイトルとして発売されることになった。
もっとも、海外ではナチスの規制は厳しかったため、ヒットラーを『マスターD』という名前に差し替えられているものの、なぜか顔グラフィックはヒットラーのままだった。
海外版の担当は、カプコンUSAが手がけたものである。
カプコンUSAは、『ファイナルファイト』のアメリカ版発売の際、ソドムの名前の設定や石造の胸部を隠したりなど、やたら規制を厳しくした上に意味不明な差し替えも結構やってきたのだが、こういっためちゃくちゃさはヒットラーの復活から既に行われていることを表しているといえよう。
なお、バイオニックコマンドーというタイトルは、GB版も同じタイトルとなっている。
 最後に、このゲームに登場するスーパージョーについてだが、彼は1985年に登場した『戦場の狼』の主人公であり、『戦場の狼』と『ヒットラーの復活』をつなげる役割を果たしたといえる。
ただ、ヒットラーの復活の冒頭であっさりと捕まってしまうあたり、あまり元主人公らしからぬ情けなさを演じてしまうあたり、どんな英雄もたまにミスをしてしまうことの表れなのだろうか。
 ところで、エンディングの最後にある『2010.8.2』の記述は、物語の舞台が198X年(正確には1989年4月7日)なのに何故20年以上経って、いきなり語り継がれるのかわからない人もいたのだが、個人的に思うにはこれは恐らく2年後に発売される『2010ストリートファイター』における伏線ではないだろうか。
もちろん、共通点が2010年だけということもあるのだが、『ストリートファイター』シリーズのケンが2010ストリートファイターでも登場しており(海外版の設定のみ)、2つの作品につながりはあるのだから、ヒットラーの復活も多少の繋がりはあるのではないかと考えているのだが…。

 このゲームの肝であるラバーリング・アクションゲームは、既に『海腹川背』で昔結構プレイしていたので、多少は慣れていた。
ヒットラーの復活についても、かなり昔からある程度のことを知っていたので、現在初めてプレイしたとはいえそれほどおどおどせずにプレイしていた、序盤までは…。
 しかしゲームを進めていると、異常な数の敵軍や行動パターンに翻弄され、かなり苦戦させられた。
特にワイヤー操作については、感覚は慣れていたはずなのに、いざプレイしてみると思った以上に感覚が忘れてしまっていることに気づいた。
このため、再びワイヤー操作の勘を取り戻すまでには時間がかかり、その間に敵の攻撃を食らったりうっかりワイヤーをはずしてしまってダメージ床に転落することが多かった。
 それでも、だんだんとプレイしていくうちに、ようやくワイヤー操作の勘が取り戻せたらしく、ワイヤーをぶつけて敵がひるんでいるうちにショットで倒すパターンが、私の中で一般化していた。
それと、ダメージを食らって跳ねている間に、ワイヤーを使いながら上の足場によじ登って敵をやり過ごすテクニックも自然と身についた。
 そしてようやくクリアできたわけなのだが、ラスボスであるヒットラーとの決戦では、ワイヤー操作を駆使してもかなり難しかった。
もっとも、ヘリで逃げるヒットラーを飛び降りる途中でバズーカで狙撃するシーンは、ネットで話題になっているほどの難しさではなかったのだが。
その時の、ヒットラーの顔が崩れていく様は、かなりディティールに凝って入るのだが、FCのレベルとはいえ非常にグロテクスで怖かった。
 ところで、私はプレイする前にこのゲームのクリア動画で何度も見ていたのだが、やはりプロだけあってワイヤー操作や的確な攻略は、思わず私ならずともかなり感心してしまうものであった。
そこで気づいたのだが、ロケット砲を手に入れてから最後までその武器を使っていたことをみると、他の武器よりもやはり結構使い勝手のあるものなんだなと思った。
その動画を見て以降、武器は必ずロケットランチャーにしているが、たまに他の武器でやってみようという気持ちにもなってはいる。
ただ、やっぱりロケット砲のほうが使い勝手が一番いいということに気づいたのは、それから間もなくのことだったが…。

本日のまとめ

ペンダント
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