太平の江戸の世の影で、商人や武士、大名といった人々を苦しめて暴利を貪る悪党達。
これらの者達に対して、敢然と立ち向かう一人の男がいた。名はゴエモン。
弱き者を助け強きものをくじく、天下の大泥棒と自称する彼は、悪徳大名を始めとして、様々な悪人達の屋敷から大量の小判が入った千両箱を盗み、それを貧しい者達に分け与える。
そんなゴエモンにとって、人々は彼を泥棒ながらも義に生きる義賊としてもてはやされ、ゴエモンもまた様々な手で血眼になる悪人達を煙に巻きながら、人々のためにいつも屋敷に忍び込んできた。
 だがある日、いつものようにある悪徳大名の屋敷から大量の小判を盗んで煙に巻いたつもりが、とんだ失敗をしてしまった挙句追っ手の役人に捕らえられてしまい、九州の肥後国のとある藩の牢屋に叩き込まれる羽目になった。
自分のしくじりに悔やむゴエモンだったが、それでもおんぼろな牢屋を見て脱獄は可能と判断、長い間の泥棒家業を休むために、しばらく牢屋でのんびり羽を伸ばすことにした。
 しかし、まどろみの中に落ちて行ったゴエモンを、大胆にもたたき起こす男が現れた。
彼の名はエビス丸。関西出身のねずみ男で、ゴエモン同様正義を守る忍者である。
エビス丸が言うには、からくり城の殿様が所有する宝を盗もうとして、逆に城の者達に捕まってしまい、ゴエモン同様牢屋の別の部屋に叩き込まれてしまったという。
からくり城の宝を聞いたゴエモンは、寝ぼけ眼を即座に輝かせ、エビス丸と共に急いで脱獄の準備を始めた。
あっさりと脱獄したゴエモンとエビス丸は、日本全国を南から北へ最終的に蝦夷までからくり城を目指すことになる。
同時に、各地で人々を苦しめている悪党達を懲らしめて、再び天下の大泥棒の地位を手に入れるために大活躍をする。
  

がんばれゴエモン2

発売日:1989年1月4日   発売元:コナミ   ジャンル:ACT
値段:5500円   おすすめ度:3.5(ようやくスコア制が廃止)

エビス丸初登場の巻

 『がんばれゴエモン!からくり道中』の続編で、前作発売から約2年半の歳月が流れている。
この間のゴエモンは何をしていたのかと言うと、88年に『コナミワイワイワールド』とMSXの『パロディウス』にレギュラー出演を果たしている。
まだ、ブランドとしてのシリーズが確立していない時期とはいえ、コナミのクロスオーバー作品2作をレギュラーキャラに仕立て上げたことは、既にゴエモンシリーズをコナミを代表とするシリーズにしようと考えている証といえる。
 続編も、前作同様2Mの容量を持っているが、続編が発売された当時は、前年に『スーパーマリオブラザーズ3』が3Mで登場したのを始めとして、2Mのゲームが続々と登場していた。
しかも、からくり道中のようなゲームが長ったらしいだけで、中身があまりともなっていないものはあまりなく、早くもFC制作の進歩を裏付けている。
当然ゴエモンの続編は、前作の104あったステージを10と大幅に削減、その代わり内容や新しい要素などを次々と追加させていった。
 最大の要素は、なんといっても2人同時プレイができたということだろう。
たとえ1人が残り人数0になっても、残っているもう片方の残機を1つ頂くことで再開できる(残機1ではできない)。
また、2人とも0になると地獄で大釜の上に吊るされ、B連打で脱出することになる。
見事脱出すれば、残機1とはいえアイテムや金を失わずにすむ。
ただし、釜に落ちたり地獄から脱出できてもやられた場合は、金が半分に減りアイテムを全て失ってしまう(コンテニューの意)。
 なお同時プレイといっても、1Pがゴエモンで2Pがエビス丸なので、エビス丸をプレイするには2人同時プレイを選ばなければならなかった。
同時に、ゴエモンの武器も新たに追尾能力があるねずみ花火が加わり、エビス丸も形は違えど内容は同じとなっている。
もちろん、招き猫を取ることにより、状況に応じて武器の変更もできた。
 店の内容も、万屋や飯屋、?屋こと迷路屋や賭博場と宿屋に加えて、風呂屋や見世物小屋、おみくじ屋が新たに加わった。
風呂屋は、定額で全回復できるが、男湯と女湯の2つがありどちらか間違ってはいると、逆にダメージを食らう。
女湯は、エビス丸しか入れないので、これは2人同時プレイしか見ることができない特典だろう。
 見世物小屋は、金を払っておたみちゃんショーを見るだけなのだが、ショーの内容がステージごとに違っている場合があるので、わざわざ無駄金を払ってみた人もいるのではないだろうか。
おみくじ屋は、3つのくじ中から選び、それぞれ大吉、吉、凶の3つをランダムで引き当てるのだが、得するのは大吉だけなので、散々おみくじを引いた人は、おみくじ屋の前を通っても素通りしていたことが多かったようだ。
この作品から登場した店全て、次回作以降にも登場している。
 前作から登場している店も、内容が大幅に変わったりした。
宿屋は、松竹梅の3つに別れそれにより回復量が変化し、賭博場は普通に金の賭けることに加えて、賭けに勝つことによりアイテムがもらえる賭博場が登場した。
万屋も、やじるしくんとこれぞうくん新たな売り物が登場した。
これら2つは、3D迷路で重要な役割を果たし、やじるしくんはどこに出口があるかを知らせ、これぞうくんはセレクトを押して出口まで連れて行ってくれる。
 ところで迷路は、各ステージに必ず手形が1枚おいてあるため、前作における迷路で痛い目に遭ったプレイヤーは、必ず踏破しなければならないことにより、さぞストレスが溜まったことだろう。
なお、迷路屋に似たもので洞窟があるが、これは無料で挑戦できる。
また、やじるしくんとこれぞうくんも、次回作以降に登場している。
 ステージ構成は、前作とさほど変わっていないが、スタートからゴールまでほぼ一本道に近いものとなっており、必ず距離が遠くなっているように設定されている。
それに加えて、『Mr.五右衛門』にあった奥行きがないエリアも登場した。
奥行きのあるエリアにしても、縦スクロールが加わり、ステージ構成のバリエーションが増えた。
 1ステージを、地方ごとに1エリアを国ごとに分けているので、ステージ構成以上に国ごとのバリエーションの豊富が目立った。
また、時々出る地蔵をキセルで殴ると、即座に地獄に叩き落され、そこのエリアを進むという特別(?)ステージも用意された。
ゴールするときも手形3枚で可能となっている一方で、ステージによってはボスも登場している。
このボスも、続編から登場した要素であるが、武器によっては意外とあっさり倒すことができる。

 敵キャラは、ステージにあわせて登場箇所が変更されていることと、スコア制が廃止になったために倒しても得点がないこと以外は、前作と同じ。
新たに、触れることで金をくれる女性キャラは、攻撃すると金が減ってしまうので、敵が多いところでは損害が多くなったものの、前作よりは効率に金を稼ぐことができた。
ステージクリアするときに、残りタイム次第で支給される金が増えることも、効率金を稼げる1つといえるだろう。
 前作で、あまり評価がなかった隠しキャラは、出すことで1upに加えて金が増えることになっており(主に100両)、隠しキャラを出す有意義が出た。
その隠しキャラの中に、ウパ(『バイオミラクル ぼくってウパ』)といった様々なコナミキャラがいるのだが、近畿ステージの摂津エリアにあるコナミ屋では、コナミのカセット(『コナミワイワイワールド』、『月風魔伝』、『悪魔城ドラキュラ』の3本)を買うことでエリア内に出るキャラ全て、一時的にそのカセットにある敵やその他のキャラに変えることができる。
見世物小屋やおみくじ屋とは、一味違ったお遊びといえるだろうが、その料金が中途半端に高いので、さすがに多様はできないが。
 ところで、コナミ屋の他に1ステージのボスやからくり城の数体のボスの何体かは、江戸時代とは少々かけ離れた純然たるロボットで、後のシリーズ(SFC版以降)にある現代やSFの要素が詰まったものの原型といえる。
とはいえ、それ以外は前作のように江戸時代の雰囲気を強く醸し出している。
 このゲームは、89年に発売されたゲームの中で一番早く登場し、前作と比べて難易度が急激に下がっている。
それは先に挙げたように、ステージ数の大幅な削減や金の稼ぎ方の効率化が進んだこと、ステージ構成をわかりやすくしたこと、店やエリアのバリエーションが増えたこと、2人同時プレイができたこと、救済システムやコンテニューのやさしさなど、まさに万人プレイヤー向けといえる。
クリア時間も、前作の半日から最大1時間半程度に短縮され、前作でエンディングを見ることができなかった子供達(主に学生)にとって、それは大変喜ばしきものだった。
 その一方で、エリア各所に見られる落とし穴や海といった、落ちたら1ミスとなる箇所も随所に仕掛けられており、着地した先に待ち構えている敵もいやらしく配置されており、このゲームすべてが簡単というわけではない。
さらに、前作では裏技を使うことであまり難しくなかった迷路が、裏技が使えなくなったことや迷路の壁が通路と見間違えることにより、攻略本がなければ攻略が難しくなった。
このほかにも、ゴエモンのねずみ花火の使い勝手が悪かったり、ボスの大部分は遠く離れた所で小判(手裏剣)連射で簡単に倒せることで、歯ごたえが感じられないなど、前作で見られなかった欠点もいくつかあった。
 それでも、当時のアクションゲームの水準から見れば高いほうで、この作品から2003年まで毎年ゴエモンシリーズが作られていくことになる。
ただし、アクションでのゴエモンは、2年後の『ゆき姫救出絵巻』とまで待たなければならない。
翌年に登場したゴエモンシリーズの続編は、RPGの『消えた黄金キセル』であったからだ。
余談だが、このゲームの最初のステージのBGMは、SFC版『極上パロディウス』でアレンジされて使われており、前作のBGMの1部もこのゲームでアレンジされて使用されておる。

 最後に、このシリーズから登場したエビス丸について説明しておきたい。
今でこそ、ゴエモン軍団のレビューラーの1人になっているが、人となりは全く別だった。
もちろん、ねずみ小僧にデブ、関西人という特異的なキャラは一緒なのだが、問題はその中身。
そう、このシリーズのみ正体が、かわいい女の子なのである。
 彼女曰く、「からくり城の殿様に、『へんしんからくりの術』によって変身させられた。」とあり、次のシリーズの消えた黄金キセル以降のエビス丸とは別人であることだ。
2と消えた黄金キセル以降のエビス丸の違い(というより矛盾)に、多くのファンが指摘することになり、1つの黒歴史と化したことは有名である。
ただこれは、消えた黄金キセルでもへんしんからくりの術が登場しており、そこでゴエモンとエビス丸が初顔合わせの描写があることから、エビス丸はエビス丸でも別のエビス丸であることを、ゴエモンは何らかの形で見破ったものと思われる。
 とはいえ、エビス丸の人気は大きかったため、コナミ側がやむなく2での出来事をなかったかのように変更し、ゴエモンシリーズのレギュラーの1人に仕立て上げたのが妥当なのだろうが。
なお、このシリーズでのエビス丸は、ゴエモンが貧しい人に投げ与えた小判を拾ったり、貧しい人に成りすましたりなど、早くもギャグキャラの存在を示している。

そうか・・・ それがいい

本日のまとめ

 前作同様、このゲームもいとこの家でプレイしたことがあり、時々いとこと2人同時プレイしたことがある。
このときは、いつもエビス丸を使用していたので、ゴエモンをプレイできたのは1人プレイのみだった。
このときは、四国まで進めた記憶があるのだが、何分18年前の出来事なので、詳しいことは忘れてしまった。
これも、前作同様長ったらしいゲームではないかと思い込んでいたので、当時は借りなかった。
 それから大学生活中、多くのレトロゲームをプレイしていた一方、FC版ゴエモンシリーズだけは1本もプレイしていなかった。
その一方で、ネットでレトロゲーム関連の情報を見ていた際に、ゴエモン2のエンディングの詳細を偶然見つけてしまい、その画像と解説に思わず感心していたが、それでもプレイする気はなく(エンディングを見たからというわけではない)さらに時が過ぎていった。
 結局、久々にゴエモン2をプレイしたのは、何と18年後の現在で、そのときは近くの中古ゲームショップで箱説明書なしで購入した。
就職しているためか、ここ最近におけるゲーム購入の基準は、昔のようにこれだと決めたゲームを買うのではなく、適当にそれらしきレトロゲームを片っ端から購入しており、ゴエモン2もそういった形で購入した。
とりあえず攻略サイトも見てプレイしていたが、前作をプレイした悪夢のためか、このゲームも結構長いのではないかと勘くぐった。
しかし、前作同様様々なエリアを張り合わせた複雑なステージなのに、すんなりとゴールまでたどり着けることができた。
 速度アップのために、おたふくを取り続けてうっかりマイナスアイテムのウンチを拾って小判がキセルにパワーダウンしたり、ニューファミコンでのマイク操作で民家で寝ている人をたたき起こしたり、前述した様々な要素を楽しんだりと、前作よりも本当にボリュームがアップしていた。
ただ、迷路に関しては、ますます複雑さが増した上に、壁の描き込みが中途半端だったようで、通路か壁かわからないことが多かった。
もはや、前作の迷路の難しさの比でなく、最初の迷路でも難しく感じたため、正直投げ出そうかと考えた。
それでも、根性や迷路踏破はゲーム攻略に必須とという使命感によって、無事クリアすることができた。
 クリアして考えたことは、やっぱり迷路は余分に難しすぎたのではないかと言うことで、SFC版における隠し迷路は初代ゴエモン風の迷路に近くなっている(特に壁が)。
裏技で、簡易地図を出してくれれば、このゲームの評価が上がったはずなのに、これは残念なことだ。
 それと、このシリーズから登場したエビス丸だが、やはりアホ面と同時に笑える行動をいくつもやっていて、石川五右衛門とねずみ小僧と言う2大大泥棒がコンビを組むという出来事に、さほど違和感を感じなかったのは、ゲームの世界観や雰囲気がマッチしているためなのだろうか。
また、エンディングでエビス丸の正体が判明したとき、少々アホ面だったゴエモンの顔が、一瞬にしてシリアスになったときは大笑いした。
とはいえ、現在のゴエモンの彼女がおみつちゃんであることを考えると、2でのエビス丸のことがなかったことになったのは致し方ないだろうと思う。