1987年に発売された、ガチャポン戦士シリーズの第1弾『スクランブルウォーズ』。
戦闘こそアクションだが、ユニット生産、都市占領、物量作戦、敵軍壊滅といった戦略SLGの基礎を、FCで初めて導入した。
同時に、一般のユーザーにはわかりにくかった戦略SLGを、ガンダムの世界とFCのスペックに合わせたおかげで、SLGに拒否反応を持ちそうな人やガンダムシリーズのファンなどを取り込み、FCにおけるSLGの足がかりを作った。
 その一方、思考時間の長さやユニットを3つまでしか動かせないといった、大きな欠点をさらけ出してしまった。
数ヵ月後に書き換え版が、さらにその翌年にはマップコレクションが書き換え専用として登場し、シリーズが進むごとにシナリオマップの増加や思考時間の短縮といった改善が進むようになった。
ただ、動かせるユニットの数が少なく、搭載できるユニットがないといった他の欠点は解消されず、元々最大容量がカートリッジより制限されているディスクカードの限界を、早くも露呈する結果となった。
この年は、『レリクス 暗黒要塞』が頻繁に起こるディスクのアクセス(A面からB面、B面からA面へと入れ替え)により、クソゲーのレッテルを貼られたことでディスクシステムの雲行きが一時的に怪しくなったが、スクランブルウォーズで読み込み時間の長さがクローズアップされたこと、カートリッジの急激な進歩などにより、早くもディスクシステムの未来に暗雲が立ち込める結果となった。
 続編となる『カプセル戦記』が、ディスクカードではなくカートリッジになったのは、ディスクカードのままだと前作プレイヤーの不満を解消できないことに加えて、前作よりも様々なMSやMAなどが登場することにより、ディスクカードの容量ではもう入りきれなかったと思われる。
FCで初めて、現代ミリタリーの要素を導入した『ファミコンウォーズ』は容量が2Mで、カートリッジで2M以上の容量を持つFCのSLGは数多くあり、逆にそれ未満の容量のSLGはわずかだった。
様々な情報や要素が詰め込まれたSLGは、一般のゲームより多い容量でなければ、思考時間が長くなったりといったシステム上の不都合が目立ってくるため、PCならともかくFCで快適にSLGを楽しめる容量の最低基準は2Mだったのだろう。

SDガンダム ガチャポン戦士2カプセル戦記

アクション版ガチャポン戦士シリーズの基礎

発売日:1989年6月25日   発売元:バンダイ
ジャンル:SLG   値段:6800円
おすすめ度:4.5(ロード時間の短縮と快適な行軍)

 カプセル戦記の容量が、前作の2倍(2M)になったということは、それだけ前作に登場しなかったユニットが増え、欠点もまた改良されたことを意味している。
登場ユニットは、新たに前年公開された『逆襲のシャア』までのMSとMA、戦艦に加えて、前作に登場したユニット、さらにガンダムシリーズの中でまだ出ていなかったMSなど。
 この作品から、全てのユニットの性質も変わり、特に戦艦がユニットを輸送できるようになったため(種類によって輸送できる数が違う)、前作での移動の効率の悪さを解消した。
武装については、ミサイルやバルカン砲といった一部の飛び道具は、弾数制限付きとなった。
このため、前作のように闇雲に撃つだけではなく、戦場や相手の出方などによって、的確に撃つことが求められた(戦闘が終わって生き残っている場合、消費した弾数は元通りとなる)。
 攻撃手段は、新たにAB同時押しが加わった。
これは、バルカン砲やグレネードといったサブ攻撃や可変MSの変形に使われる。
特に変形は、前作ではBで出していたので、ほとんどのユニットにあった近距離攻撃がなくなったために(近距離攻撃はBを押す)、近距離での苦戦は免れなかった。
それが、ようやく近距離攻撃ができたことで、原作のようにMAで相手をかく乱してから、近距離攻撃で仕留めるといったやり方ができた。
なお、戦場自体は前作と全く変わっておらず、勝敗を分けるのは結局プレイヤーの腕であったが。
 だが今作は、戦闘でのオートシステムが導入され、プレイヤーに変わってCPUがしてくれる。
CPUの腕は、なかなかに強いようで、MSの戦闘が苦手なプレイヤーにとって大助かりなものであった一方、自分で弱小MSで強力なMSを倒せるという爽快感が失ってしまったのも事実だが。
現に、相手側のCPUが操作しても強く、弱小は弱小で強力は強力で、それぞれぶつけ合うことが前作よりも多くなった。
 MSの内容以上に変化されたのが、ゲームのシステムであり、それも前作より大幅に進化した。
まずハンデは、新たに資金の設定が加わり、設定次第で1ターン目で強力なユニットを生産するできるようになった。
ただし、全てのユニットを生産できるわけではなく、マップによっては生産できないユニットもある。
特に最初のマップは、生産可能なユニットが大幅に少ないが、これはゲームに慣れてもらうためにあえて強力なユニットをあまり登場させず、マップ番号が進むごとに強力なユニットが徐々に増えていくという、『ファミコンウォーズ』と同じ方針を採っている。

 ユニットの生産も、前作の本拠地のみに加えて、新たにガチャベース(工場)が加わった。
しかも、本拠地とガチャベースとの生産を統合しているので、画面を切り替えずに本拠地とガチャベースでの同時生産を可能にしている。
ユニットを生産する際、詳細なデータ(HPや攻撃方法など)が出るので、どれを生産すればいいのかプレイヤーの参考になった。
また、ユニットのコメント(紹介)も、ひらがなのみは使ってないが個性的かつ内容も的を射ている。
 そして、このゲームにおいて大幅な改善がされたのは、ユニットの行動数とCPUの思考時間の2つである。
前者は、前作の3体から12体と大幅に増え、マップ番号が上に行くほど、ユニットを動かす回数も増える(所期配置ユニットも増え、マップも広くなるため)。
もっとも、行動数はガチャベースと本拠地でのユニット生産や、生産されたユニットも入るので、全てのユニットが動かせるわけではないが、それでも前作より多くのユニットが動かせた。
場合によっては、全てのユニットを動かしたのにまだ行動可能数が余っていたりするが(ユニットの数が少ない場合)、それはAB同時押しで行動を終えることができる。
 後者は、前作での最大の欠点を解消したものであり、数十分かかるようなことはなくなった。
たとえ、長時間の思考であっても、せいぜい1,2分程度であり、CPUが考えている間に別の何かで暇を潰すことがなくなった。
むしろ、プレイヤーの思考時間のほうが長いぐらいである。
 前者と後者を合わせることで、戦略におけるスピーディさが増した上に、その幅も大幅に増えた(主に弱小MSで相手を押しつぶす、いわゆる人海戦術が可能)。
プレイするマップと掛け合わせれば、さらにそれの有効性が増えるが、プレイできるマップは30ほどで、中には原作を意識したタイトルとデザインが施され、ファンをにやりとさせた。
といっても、前作同様グフが宇宙に飛び出したり、エルメスが地上を飛び回ったりと、相変わらず無茶があり、WS版のガチャポン戦士(『SDガンダム ガチャポン戦記』)では、原作同様地上戦用と宇宙戦用、各組織ごとに分け、地上マップでは宇宙用のユニットが連邦ではジオンのMSを生産できないといった改良がなされている。
 ガチャポン戦士シリーズファンにとって、2のカプセル戦記が最高傑作と呼ぶ声が多い。
既に、前作でシリーズの原型ができていたが、思考時間の短縮や行動数の増加を成し遂げたカプセル戦記で、完成版と呼ぶべきものとなった。
SFCのSDガンダムXシリーズをはじめとして、WSのガチャポン戦士にもカプセル戦記のシステムが採用された。
欠点といえば、アクションにおけるCPUの強さで、特に本拠地にいる武者Zガンダムは、前作の武者ガンダムをはるかに超えるほどの強さであった。
ユニットの操作も、工場を含めて全て動かせない場合もあったが、欠点と呼べるものはこれだけであり、それだけ完成度が高いゲームといっていい。
 しかし、翌年に発売された第3弾『英雄戦記』以降は、戦闘部分が一般の戦略SLGのように、アクションではなくアニメーション画面とそれにおける乱数表示の結果のみとなった。
これはおそらく、CPUの強さが中途半端に強かったためと思われるが、旧来のガチャポン戦士ファンの評価は高くなく、カプセル戦記までのアクション主体の戦闘のSLGが再び世に出るまでには、3年後のSDガンダムXまで待たなければならない。

コノカレイナ スガタデ
チョウノヨウニ マイ、
ハチノヨウニ サス!

 私にとって、発売当時、それに大学時代にかなりプレイしたことがあるため、思い出のゲームの1つとなっている。
元々は、前作の『スクランブルウォーズ』をプレイできないための代用品と考えていたため、前作をプレイしている感覚で思いっきりプレイした。
ある程度は、アクションに慣れていたはずの私だったが、戦場における性質(砂漠は動きが鈍いなど)に戸惑ってしまったためか、どうもプレイ感覚に狂いが生じてしまったらしい。
おまけに、CPUの強さが中途半端に強く、強力なMSでも負けてしまうことがたまにあったので、相手の操作をマニュアルにして徹底的にいたぶることにしていた。
それは、本拠地にいるボスも例外ではなく、最初弱小MSで倒したときは一定感の爽快感が出たのだが、何度もやってるうちに爽快感から虚しさに変わっていった。
『桃太郎電鉄(FCのほう)』でも、桃太郎ランドを購入する際、必ず相手をマニュアルにして買わせないというやり方をやって、これも何度かやってるうちに虚しさに変わってしまったこともあり、結局は自分の力で乗り越えなければダメなのかと感じた。
 それから現在、前作をプレイ&レビューした私は、引き続いて続編をプレイしたのだが、昔プレイして気づかなかった前作からの改良点を見て、感心したと同時に納得した。
前作より4倍多いユニットの操作、思考時間の大幅な短縮、これがこの作品をシリーズ最高傑作と位置づけていることに納得した。
また、ユニットを生産するときに出るコメントもなかなかに面白く、キャラのかわいさと相まって、外見はコミカルを重視しているなと思った。
 ただ、アクションにおいては相変わらず下手だったので、強いMSをぶつけるか相手の行動をマニュアルするしかなかった。
しかし考えてみれば、WSのガチャポン戦記は、弱小ユニットは弱小ユニットをぶつけたり占領に専念したり、そもそもそれらを生産する必要がなかったりと、それはあくまで対人戦のみに価値があるとしているため、CPUが強いのもそれをプレイヤーに示しているのかもしれない。
でも、宇宙戦用やアクシズ用というように区別するのではなく、1つの軍に無国籍風に混ぜたほうが、水中でザクレロ対ラーカイラムといったドリームマッチ(?)が楽しめるので、第3弾以降でユニットの区別がされたことを考えれば、ファンの大部分がカプセル戦記のほうがプレイのしがいがあると思うのは当然といえるのだろう。
ちなみに私は、元来のこの手のアクションSLGはちょっと苦手なので、シリーズの中でどれが一番いいのかというのは特に言及しなかったが。

本日のまとめ