発売日:1993年4月2日   発売元:光栄   ジャンル:SLG
値段:12800円   おすすめ度:4.5(堅実と大胆を大幅に)
 エアマネジメントシリーズの第2弾で、初代以上に根強いファンが多くいることでも知られている。
前作は、『トップマネジメント』に続く経営SLGの1つとして制作されたが、同時に光栄が家庭用ハード初のその手のユーザー向けに制作されたゲームでもあり、多くの要素をSFCのスペックに合うように簡略された。
早い話、経営SLGにありがちな細かい要素や運営のノウハウなどを出来るだけ排除し、頭が混乱する経営の世界をわかりやすく表現していることで、SFCのユーザーを受け入れやすい体制を整えている。
何より、初めての航空会社を運営をテーマにした経営SLGだったので、そのときの不安と発売後における解消は、光栄のSLGにも新たな方向性とそれの自信を深めるきっかけにもなった。
 もちろん、トップマネジメントで慣れたPCユーザーにも楽しめるように、航路の設定やそれにおける航空機の種類と運賃の値段など、好みによってこと細かく設定することができた。
これらは、自分でどうすべきか設定しなければならないので、これは初心者にとってかなり難しそうに思えるが、会議コマンドのおかげで自分の会社が次にどうすべきか色々アドバイスしてくれる上に、適当に航路の設定をしてもある程度収入が得られるため、無茶をしなければ会社は潰れないゆるい難易度もSLGの初心者に好評だった。
仮に倒産しても、10億ドルの資金援助と複数の航路接続という救済措置のおかげで、ゲームオーバーの概念はほとんどなくなり終盤で力尽きてやめてしまうこともほぼなくなったことにより、後半に進むにつれて難易度の高さによる引き締めではなく再チャレンジによる意欲によって、最後までやり遂げられるプレイヤーもいただろう。
 SFCから登場したこのゲームは、後にPC−98やMDにも移植されPSやSSなどにもリメイク版が登場し、どちらも今までのPC発の光栄SLGと比べて遜色のない出来だったことは疑いようもない事実となった。
もっとも、航空会社経営SLGは初めての試みだったため、都市が少なかったり重大な歴史イベントの発生が違っていたりまれに発生しなかったりなど欠点はいくつかあったが(ペレストロイカが発生しないとモスクワにとって非常につらい)、全体的に見れば良好な出来だった。
そして、ファンの期待を背負いながら翌年の同じ月の2日、待望の続編が発売された。
容量こそ前作と同じだが、システムなどは新しい要素が多く取り入れられ、同じ容量でも続編のほうが容量を色々やりくりしたことが伺える。
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エアーマネジメントシリーズ第2弾

 もちろん、前作をプレイした人にとっても違和感なくプレイに溶け込めやすくなっている。
しかし、新しいシステムが多く盛り込まれた分、勝利条件が変わっている。
その勝利条件は、全エリアに本社または支社があり、本社があるエリアと3つのエリアの年間旅客数が1位になること。
 新しい要素の1つにエリアの存在があり、東南アジア、オセアニア、中東、アフリカ、ヨーロッパ、北米、南米の7つのエリアが登場し、前作のような世界を1つにして4社の乱戦がおきることが少なく、本社のあるエリアでしばらく勢力固めにいそしんだり、早々に別のエリアの都市に航路を引いて乱入したりと、前作以上に航空会社の争いのバラエティが豊かになった。
もちろん、開始直後にライバル会社が自分と同じエリアを選び、その場合自分のエリアの勢力固めが出来ないため、上級者にとっては序盤からスリルある展開が楽しめるが、初心者には逆にライバル会社に飲み込まれることが多いため、この点は必ず最初から2社以上は同じエリアを選べない処置を出したほうがよかっただろう。
なお本社と支社は、緑で塗られた都市『拠点都市』でしか設立できないが、その多くが世界の首都(アメリカでは州都)なので、これは致し方ないだろう。
 別エリアへ結ぶ航路も、拠点都市しか結べないのはこのためで、拠点都市のほうが各エリア内でトップクラスの都市データを所持しているので、エリア内で地固めをするにしてもさほどデータが変わらないのは初心者にはうれしいことだ。
だが、アフリカや南米や中東の都市の多くは、北米と欧州と東南アジアに水をあけられ、エリアの一部にも前作同様にデータや初期資金の有利不利があるので、初心者はやはり欧州か東南アジアか北米か、オセアニアの、それも東京やニューヨークなどを選ぶといいだろう。
面白いことに、プレイヤーに有利になりやすい拠点都市は北半球に多く、当時世界の大問題の1つとなった(今も解決していない)南北問題を見事にあらわしている。
 事業の内容も、前作のホテル1つからグランドホテルやケータリングサービスなど大幅に増え、それらにおける乗客の伸び率もよくなっている。
ただ、プレイヤーの多くはシャトルバスやビジネスホテル程度しか知らないだろうが、値段が割安なことと会議の議題の事業にほぼ必ずそれらを買うよう、薦めていることがその理由だろう(事業や航路が敷かれている都市が少ないと社員に薦められることが多い)。
それに、多くの資金が航空機や航路の設定で湯水のごとく流れていくため、高額な事業が手に入るにはゲーム終盤にならなければならないのはなんともつらい。
 さらに全ての事業は、ライバル会社も購入できるために相手に買い取られた事業は、売却されない限り入手することが出来ず、事業を優先するかそれ以外を優先するか迫られ、一層経営のバリエーションが航空会社の争いと同じく増している。
事業の中にも、都市データによって収入や利用客の増加が見込めるか否かはっきりしているため、事業の購入の是非も会議での議題になるので、前作に引き続き初心者に役立つアドバイスを提言する会議は相変わらず便利である。
その会議は、副社長で進めるか否かを選べ否だと前作のように自分で議題を選択できるが、選択肢を出した理由は前作で議題を細かく分けた分、肝心なアドバイスを逃してしまって経営危機に陥ったプレイヤーのために、あえてそのような処置をしたものと思われる。
前作の議題にあった、投資とマーケティングは削除されたが、前者はいずれ最大にするプレイヤーが多かったし、後者はアドバイスがあまりわかりにくくいつしか議題に選ばれることがなかったため、どちらも効率という形で削除されたようだ。

 もう1つ、新たに加わったものとして都市データの1つにある国の友好度で、4段階示され赤になるほど関係が悪化していて、青になるほど関係が良好している。
スロットの取得と交渉期間も、友好度に密接に関わっているため、友好度が低い都市の交渉は苦戦が予想され、友好度が低く都市データが高い都市を選ぶか、それとも友好度が高く都市データが低い都市を選ぶか、プレイヤーの自由とはいえ航空会社の争いの一環として、戦略のバリエーションに大きく貢献したことは事実。
だが、たまにその都市を所有している国からの援助要請があり、それに応じると友好度が上がるので、長い目で見れば所持金が少なくてもぜひ応じるべきだろう(発生自体はかなり少ないし、全会社共に同じ国の援助要請がある)。
主に、東西陣営の対立が深く、古い年代にシナリオほどそれが随所に現れている。
 そのシナリオ、前作より2倍の4つとなり全て20年間のうちに目標を達成しなければならず、前作より10年短くなったのはつらいように見えるが、先に書いたエリアのおかげで地道にエリアの勢力が築きやすいために、あえてプレイ年間を減らしたこととシナリオが4つあるために、どうしても10年間削らなければならなかったのだろう。
前作より古い年代と多いシナリオにより、世界情勢が前作以上にきめ細かくなっている。
都市が大幅に増えた分、前作にあった宗主国からの独立イベントが比例的に増加し、オリンピックもアトランタまで史実通りに必ず発生する。
オリンピックの恩恵に似たリゾート都市イベントや前作の博覧会イベントも登場、ランダムだが偶然自分のエリア内で既にストックを取得している時での発生はうれしいもので、一定の期間中だけ都市の商業と観光のレベルが100になることもうれしい。
 ちなみに、シナリオによってシミュレート不能な未来設定が存在する。
前作でも、シナリオ2で2015年までプレイできたのだが、その時はプレイヤーをあっと驚かせるイベントはあまり存在しなかった。
今作では、ロシアやスイスなどがECに加盟したり(シナリオ4のみ)、2000以降のオリンピック開催地がランダムになっていたりなどかなり意欲的だ。
ECにおいては、発売時が1992年2月にマーストリヒト条約が、ECの間で正式に調印され現在のEUがそこに盛り込まれていたが、続編の開発時期と比べて話題が最新すぎたことと、条約の内容が欧州以外に(当時としては)重要なものではなかったと意識されたらしい。
 そして、当時には存在していない航空機も登場し、中にはB2000HCといった1000人の乗客を乗せられる超大型ジャンボジェット機も登場している。
多くは、設計もしくは開発段階、ぎりぎり試作機が現実に登場し、販売の年が公式利用予定にあわせているが、先のB2000HCのように架空の航空機も存在している。
現実の航空機でプレイしてみるのもいいが、架空の航空機を存分に利用してライバル会社に差を見せ付けるのもまた一興。
 架空や運行予定の航空機は、シナリオ2の終盤から姿を現しシナリオの3では後半から、シナリオ4に至っては架空と運行予定の航空機が大部分を占めている。
航空機は、利用の年代と技術革新により運行を終了し、現実の航空機と架空の航空機が入り混じりやすいシナリオ3は、航空機の世代交代のむなしさを私達プレイヤーに与えている。
シナリオ1でも、当時主流だったレシプロ機(両翼にプロペラがついた旅客機)からジェット機が登場し、レシプロ機自体シナリオ1しか登場しないことも、シナリオ3での航空機の世代交代のむなしさでは負けていない。

 なお、前作の航空機会社は架空ながらも現実の会社のイメージを併せていたが、今作では現実の会社そのままに登場している。
これは、架空の会社ながらもOPやゲーム本編で現実の名前の航空機が登場したために、架空の意味を体さないという指摘があったものと考えられる。
今までの光栄の経営SLGでは、元ネタ会社に配慮するためイメージまたは現実の会社の名前の一部を変えた架空の会社しか登場していなかったが、エアーマネジメントUでは現実の航空機を多分に利用する以上、架空の会社で会慮するのは無理があったのだろう。
 ともあれ、今作は前作以上の人気を獲得し、MDやPC版に移植されこちらも人気を得た。
PC版においては2004年2月に、コーエー25周年記念パックの第7弾として、『信長の野望・武将風雲録』と『大航海時代U』のカップリングでWindowsに移植され、『コーエー定番シリーズ』でも単独で発売されるなど、発売から15年ほど経ってなお愛され続けている。
ただ、初代と違ってリメイクはされなかったが、これはリメイクできるような改良点が見当たらず、先に挙げたものに加えて前作で3人だった交渉役の社員(副社長除く)が1人増えて経営がより便利になったことなど、初代の改良点が多く作り上げたことで逆に完成度が高くなりすぎてリメイクされにくくなってしまったためと思われ、PCへの移植版はシナリオの追加や全ての都市に本社や支社を置いたりなどの要素が若干ながらも加わっている。
PC版は、SFC版やMD版の決定版と呼ぶべきものだが、PC版の要素を新たに家庭用ハードに移植しなかったのは、移植するほどの画期的な要素ではなかったのだろうが、ファンにとってはなかなか魅力のあるものばかりで、グラフィックとサウンドを強化しただけでもいいからPSPやDSの携帯ゲーム機に移植してもらいたいものだ。
 最後に、ゲーム本編のシステムコマンド画面でセレクトを押すとプレイできる裏技、ミニゲーム『国旗当てクイズ』を紹介したい。
このゲームに出てくる国旗を、10問中いくつか当てて得点を競うもので1問正解につき10点加算され、4つの選択肢からなる。
ただそれだけで、経営の息抜きにはちょうどいいかもしれないが、特に全問正解したからといって資金や航空機を提供してくれるわけではないので、少々蛇足という感じがしないわけではない。
裏技の出し方が簡単ゆえに、特別ボーナスがないのは仕方ないのかもしれない。

 私は、シリーズの中で続編が一番好きで、光栄作品の中でも数少ない私が名作と呼ぶ中の1つとしてみている。
ゲームの存在は、数年後に中古で安値で売られていたのを購入したことだったが、その時はカセットだけで購入した。
武将風雲録で、光栄のゲームの面白さが中学生になってわかってきた私だったので、エアーマネジメントUを安値(多分1780円か)で購入できたことは、後に気づくことになった光栄作品の値段が馬鹿高いゲームを、安く買えたことに幸運だったといえる。
 ともあれ、わくわくしながら早速プレイしてみたのだが、初めての経営SLGで購入した時期が発売から数年後の高校時代だったため、武将風雲録とは違ったSLGに戸惑いが生じ、いきなり経営悪化に陥った上にヒントとなる会議も私にはよくわからず、自分の心の中にある慎重さも仇となったらしく、倒産危機に陥ったことが何度もあった。
当然、20年以内での4つのエリアの獲得乗客数1位になることなど夢のまた夢で、2つまでなら1位になることは出来たがさすがに4つとなると、ライバル会社の熾烈な追い上げや彼らの縄張りに飛び込むことにより、思うように乗客の伸びがよくなかったことは覚えている。
それでも、プレイしていくうちに航空機や事業の選び方や、儲かりやすい路線の引き方などを覚えていたことで、ライバル会社に負けぬ経営力を身につけた結果、ようやく感動のエンディングを見ることが出来た。
その時プレイしたシナリオは3で、それ以外は私の時代に合うようなものではなかったので、3しかプレイしていなかったが。
 それから約10年ご、前作をプレイとレビューして久々に続編もプレイしたくなり、前作での腕を生かしてプレイすることにした。
もちろん、最初は腕慣らしでシナリオ3をプレイして、それから4,2,1と未来から過去の年代のシナリオを初めてプレイした。
3でエンディングを見たときは、かつてプレイした勘は取り戻せていたものの、4はともかく1と2は古い旅客機なので散々苦労した。
特に1は、ジェット機よりレシプロ機が多く、全てが航続距離が短く輸送客数も低かったので、大量生産と週に7回近くの運行で凌ぐしかなく、ライバル会社も条件が同じとはいえ、CPUのほうがビギナーのレベルにしているのに数段上なのは納得がいかなかったが。
 なお、シナリオ2ではこのシナリオにしか登場しないコンコルドに食指が動かされそうになったが、買ったのは1機のみでそれも単なる趣味程度という動機だけだった。
『大鉄人17』や『ルパン三世』でも、コンコルドが登場して話題になったが、性能的に航続距離はよかったがその他がいまいちで、話題をさらっていったのに現実において活躍期間が短かったのもうなづけた。
それでも、2003年にコンコルドが就役を退いたニュースを知ったときは、一度でもいいから乗ってみたかったという無念さがあった。

本日のまとめ