LOVELY 宇宙 29

2002 年 5 月

【とほほ観戦記】5/18 GS神戸 オリックス-日本ハム デーゲーム。ハム戦になると必ず現れる [LOVELY宇宙29] という横断幕。いったい誰がつけるのか、いつも人けのない3塁側の2階席奥に、白地に赤く佇むそのメッセージ。応援団とも関係のないその場所に、いつの間にか現れるのだ。誰がつけるのか誰が外すのか、そのまわりには誰もいない。どこの誰が いつの間に?応援にあるまじきそのメッセージの、意図は?人類の仕業じゃ、ない?はらひりほれ・・ とうとう"きちゃった"な、南って、つぶやいたでしょ?今。この日、わしは恐ろしい超常現象を見ることになるんだよ。きちゃった んだ。


■芝草という、宇宙

日本ハムの背番号29は、中継ぎ投手の 芝草宇宙。
宇宙 と書いて「ひろし」と読ませる。
そんなんありか?

我家 と書いて「せまし」もありか?

んー、でも ちと待てよ。
その名字からして、異星人がメッセージを書く場所を示す。
芝草宇宙って、いったい。。

プロ入り14年目。日本ハム一筋のベテランである。
かつて初先発初完封という、普通じゃないこともやっている彼。
通算で37勝だが、昨年はセットアッパーとして6勝。
珍獣揃いのハム投手陣の精神的支柱となっている、そうだ。

宇宙。。。by カール・セーガン

33 歳でラブリー?なんていうなかれ。つぶらな瞳がキュート。
選手名鑑で、下柳 と並べて見比べれば、いい。
両者の生命体としての進化差は、少なくとも1万年。。

原始 対 宇宙。。

■そして、それは起こった

9回裏、2点差を追い上げるブルーウェーブ。
台湾で今月分のヒットを全部前払いしたはずの 三輪が、
2アウト からまさかのしぶといタイムリー。

ついに1点差となり、サヨナラのランナーまで出たのだ。

ハムのマウンドには抑えのエース、井場。
もう次の投手はないはずだし、今日の井場なら打てる。
スタンドのBWファンもわしも、サヨナラの予感に沸き上がる。

が、そのとき。

わしの目の端っこに一瞬飛び込んだのは、例の横断幕なのだ。
[LOVELY宇宙29] の文字が、そのとき確かに はためいた。
はっと ブルペンを見ると、
まさにその芝草が、グラウンドへのドアに歩み寄るところ!

なんと、抑えのエースから、ここで中継ぎの芝草にスイッチ。
ちょっと有り得ない交代 であるが、
もう大島監督は「説明のつかないもの」に支配されていたのだろう。

誰も気がつかなかったろうが、ここで興味深いことが起こる。
どうしたことか、ブルペンのドアが開かないのだ。
係りの青年が がちゃがちゃやるのに、なかなか開かない。

今からマウンドに向かおうと意気込む、リリーフピッチャーだ。
普通なら、ちょっといらついた様子も見せようが、芝草は違う。
じっとその様子を見ながら、穏やかに微笑んでいるのだ。

と、なぜかドアがすぅっと開く。。
係りの青年は不思議そうに、頭をかしげる。

「ええ、あのとき宇宙の旦那がじいっとドアを見たら、
 どうしても開かなかったドアが すぅぅぅと開いたんでさぁ
 おら、あんな不思議なこと、生まれて初めてですだ」

誰やねん。これ。。

落ち着いてマウンドに向かう芝草だが、
BWファンは口々に「芝草なら打てる!」と興奮している。
そりゃそうだ。抑えのエースを攻略したんだから。。

ボールを渡す「縄文人のような井場」の、うろたえた顔。
ボールを受け取る芝草の、慈悲深く穏やかな、らぶりーな表情。
その対比がなんか、未来から救世主が現れたと言うか。。
そして

・・

サヨナラの願いを乗せた大島のバットは、
完全に芝草の投球を真芯でとらえていた。

痛烈な打球音を残し、
鋭い打球がサード頭上を襲う!
BWファンは全員、おー と叫んで腰を浮かす!
そのとき!

打球が くくくっとお辞儀したように、見えた。

ジャンプしたサード田中幸のグラブに、ボールが急下降。
レフト線を転がるはずのボールは、
グラブに当たって田中の真下の地面に、ぽとりと落ちる。

不自然なほど、勢いがなくなって。。

田中は難なくこのボールをファーストに送り、
試合終了。

???

騒然とするスタンドを尻目に、
芝草は にっこりしながらベンチに下がる。

なんなんだ?今のわ。。
ボールが。。どうなっちゃたんだよー?

ひょっとしてひょっとして。。

■なんでもありか?あんた

ロッテ悪魔教の恐ろしいファンの話を以前に、した。
マリーンズ戦に必ず現れて、メガホンを両手に持ち、
不吉な動きと叫びで周囲を恐怖のどん底に陥れる、おっさんだ。

この日、3塁側のスタンドを何げなく眺めていたわしは、
ある帽子を見つけて、「うひょひょ」と笑った。

先日JOMA君と行った東京ドームの売店で売っていて、
「あんなボケなもん、どこのアホが かぶるんじゃー」
と二人で叫んだ、
頭に ピンクのアホウドリ が貼り付いたオマヌケ帽子。

あの、巣から落ちて死んだ雛のようなハムのマスコット。
それにしても、マスコットが、アホウドリ。。
ええチームやなぁ。

そんなアホウドリを頭に乗せて、立ち上がってメガホンで叫ぶ、
おっさ。。。ん?

おえおえおえ
あの、ロッテのおっさんやないかえ!

今日はハムのジャージに、ハムのメガホンか!
(ハムでできてたらおもろいな)
なんでもありか?あんた

ブルーウェーブの相手やったら、なんでもええのんかいな?
そんなにブルーウェーブ嫌いか。。
っていうか、新しいファンのあり方なの?

ビジター・フェチ?
んもうっ! なんなのよ。
おもろいからええけど。

■今年はハムの詰め合わせ?

それ、にしても。
バットが使い込んだ刀に見える、山賊4割、小笠原。
山賊トリオのあとふたり、下柳原人とルパン隼人。。

打たれても打たれても まいどー岩本、
新ギャオス佐々木はじめ、若くて優秀な投手陣。。
外人投手はミラーボールとシール返して!

大砲はその名もシャーマン(呪術師)!オバンドー
宇宙より珍名、スキンヘッドの森本稀哲(ひちょり)!
ひちょり やで、マジで。ひちょり ってあんた。。

今年はこの「ハムの詰め合わせ」から、目が離せそうにない。
現在堂々の3位。

オレンジの帽子、わしもほしいよ、この浮気者が。
それにしても、最近わしを魅了しつつある
日本ハム・ファイターズという、時空の歪み。

へなちょこ応援団と宇宙人、呪術師、山賊、ひちょり。。
まいどー。。

あぁ。。頭が、頭が。。頭にアホウドリがぁ。。

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