
大韓民国の大手自動車メーカー・現代自動車(ヒョンデーチャドンチャ)が、1986年7月に
それまでのフォード・グラナダ/コルティナ(ライセンス生産車)の後継として
発表・発売した同社のフラッグシップ車が「グレンジャー」です。
ソウル・オリンピック開催の為、(現代自動車はソウルオリンピックの公式スポンサー)
VIP送迎用の高級セダンが必要になり、当時の現代グループ会長・鄭 周永氏が、
「88年ソウル五輪までに、VIPが乗っても恥ずかしくない高級車を製造したい」
との依頼を三菱自動車・久保富夫会長(当時)に行い、開発・生産が決定した経緯を持つ
特殊な高級車です。
発売当初は三菱の「デボネアV」と違い、2.0リッター直4/マニュアルミッションのみの設定
だったのですが、その後ラインナップを拡大。トップセラー高級車となって行きました.
上写真は初代(1986年7月〜1992年8月)・2.4リッター仕様。
こちらが三菱・デボネアV(3.0)
外装の違い
・モール色が黒または灰色(パープル/黒系色のみ)
・パープル色の設定があった
・白/銀又は黒/灰ツートン色の設定があった(後期型3リッターのみ)
・アルミホイール全車標準設定(2.0/2.4は14インチ・3.0のみ15インチ)
・ヘッドライトウォッシャー標準装備
・グリルの設定が若干違う(デボネアVと逆で、縦縞グリルが2.0仕様)
・テールガーニシュに車名ロゴ無し
・給油口は鍵穴付き(デボネアVの寒冷地仕様と同じ)
機構の違い
・2.0/2.4は直4SOHCエンジン(三菱G63B/G64B型)
・3.0はV6・SOHCエンジン(三菱6G72/現代G6AT型)
・5速マニュアルの設定(全車)があった
・サイドブレーキは手動式(手引き)
・全車リヤブレーキは初期型はドラム式(リーディングトレーリング)
’88年のマイナーチェンジで4輪Vディスクに変更
・社外ABSの設定あり(ドイツ・BOSCH社製)
内装の違い
・ベンチシートの設定無し
・2.4/3.0にのみルーズクッションシート装着
・前期・後期共に一本スポークステアリング(オーディオスイッチ付き)
86年7月(初期モデル):1690万ウォン(2.0リッター・5速MT)
87年7月(88モデル・2.4追加):1790万ウォン(2.0MT)
2550万ウォン(2.4i・オートマティック)
88年4月(価格改定):1716万ウォン(2.0MT)
2288万ウォン(2.4AT)
89年9月(初のマイナーチェンジ・3.0追加):
2890万ウォン(3.0V6)
91年3月(92モデル・3.0V6ソシアル追加)
2590万ウォン(3.0V6ソシアル)
100ウォン:14円〜13円程度(当時のレート)で考えれば、実感がつかめると思います.
当時の平均的な大卒初任給が35万〜40万ウォン程度だったので、グレンジャーは正に
「高嶺の花」の存在でした。
その為、当時は個人ユーザーが少なく、専ら企業の役員車としての需要が主でした。



2世代目グレンジャーからは三菱との共同開発となり、バリエーションも拡大。
(何と2.0直4(ランエボにも搭載している4G63!!)〜3.5V6までのワイドレンジ)
兄弟車ダイナスティー(写真左上)を独力で開発し、高級車市場のトップの座を
不動の物にしました.
3代目では上級シリーズがグレンジャーから独立し、エクウス(写真右上)を発売。
グレンジャーはミディアムクラスセダンの「グレンジャーXG」として、新たなヒット作となりました。

そして2001年、遂にグレンジャーの伝統を受け継いだミニヴァン、トラジェXGが
「ヒュンダイ・トラジェ」のブランド名で日本に正規導入されました。
さらにはヒュンダイXGも日本導入が開始され、日本市場へ足を踏み入れた
韓国トップブランドカー。今後の展開がますます楽しみです。