霧の中の乙女

薄く霧が漂う中、
露を宿した二人の乙女が風に揺れています。
凛として気品のあるその姿、
華奢な身体(茎)に不釣合いなほどです。


20130630

今週末の天気も大崩れはなさそう。梅雨時というのに気持ち悪いくらい週末は好転します。こんな所で運を使い果たしたくは無いのですがこればかりは如何ともできません。
土曜日の夜、メールチェックをしているとT尾さん情報が配信されてきました。なになに、本谷は姫君の宝庫とな?
そうと聞いたら出かけない訳には参りません。たまたま帰ってきていたT哉夫妻のお相手もそこそこに早めに床に就きます。だって最近寝不足なんだもん。
明けがた、無情にも目覚ましのけたたましい音。もうサボっちゃおうかなあと耳元で悪魔の囁き。いや天使の囁きかな? しかし可愛い姫君とのデートという下心の方が眠気に打ち勝ちベッドから跳ね起きます。還暦+3歳のオヤジの下心とはこんなにも根強いものなのです。恐るべし、助兵衛親爺の煩悩の強さ。

5:10 a.m. 自宅を出発。空は全体に曇っていますが割りと明るく雲も薄いようです。「よしよし、暑くなくて良いぞ。」暑さに弱いtanuoさんはいつも考える事が同じですなあ。

6:40 a.m. 中道入り口大駐車場着。
ムムッ、この車の多さは何事か! こんな時刻なのにもう8割方埋まっています。いくら日曜とは言えこんな天気なのに! 今日は日曜で道路が空いていたのとコンビニに寄らなかったので早く着きましたがそうでなかったら停められなかったかもしれません。
仕度をしているところにIさん達がやってきました。空きスペースが最後の一台ってところでギリギリセーフ。
昨日T尾さんと百合子ちゃん達を堪能した筈なのにもう一度行きたいと仰っています。渡りに船でご一緒する事に。天気もイマイチなのでお互い今日は早仕舞い。

6:55 a.m. でっぱつ。
ことのついで、山の家の沙羅の花を見て行きます。昨日もまだ咲いていなかったそうです。相変わらずまだ蕾が固いだろうと話しながら行くと、おびただしい蕾に混じってチラホラと咲き始めています。

もう何週前からでしょうか、待ちわびていたのがやっと咲き始めました。盛者必衰の理をあらわす、と言うが如く朝咲いたものが午後には落花してしまう短命の花ですが、こんなに沢山の蕾があるのですから暫くは咲き続けるでしょう。
入渓前の樹林帯を行きます。曇っている所為かまるで夕方のような薄暗さです。今日は早仕舞いが正解かもしれません。降り出す前にササッっと片付けちゃいましょ。

谷に降りたところで早速イワギボシがお出迎え。コントラストが悪くなかなか焦点が合いません。四苦八苦している内Iさん達はどんどん先へ。
結局ピンボケかブレブレでギブアップ。Iさん達を急いで追いかけると至る所に咲いています。そうか昨日飽きるほど見たので興味も湧かないのか。

心待ちにしていた筈なのに、一度飽きるほど見てしまうと後はもう全くの無視。冷たい人達ですなあ。あっ、tanuoさんもその典型でした。
かなり沢の水量も多いです。昨日も多かったそうで週日に降った雨が保水されたものでしょう。急に土砂降りにさえならなけりゃ鉄砲水に襲われる事もなし。山が浅い鈴鹿のことです。

トップを行くお父さんが不動滝手前の右岸巻き道に早々と入ってしまいました。降り出す前に早く百合子ちゃんとのデートを済ませてしまいたいのでしょう。暑くも無いし休憩したいって事もないのでそのまま巻き道へ。
巻き道途中でお父さんがツルアリドウシの群生発見。中には奇形なのか花弁が8枚のものあり。ペアに分かれず根元がくっ付いてしまい花弁が8枚のようになってしまったようです。
暗くてなかなか焦点が合いません。


7:40 a.m. 大岩着。

ここでも息を整える程度の小休止。冷ンヤリした霧と風のおかげで体調は良好です。
小滝の連続帯、右岸が崩れたようで様子が変わっています。安定しているようでもこうやって頻繁に崩れているんですねえ。
登っていると霧が霧雨に変わってきました。お父さんは待ちかねていたかのようにカッパを着ます。カッパで発汗を促しダイエットを目論んでいます。お母さんは蒸れるのを嫌いながら渋々着用。tanuoさんは薄手のジャケットのみで雨を凌ぎます。

大黒滝の谷に入り右岸のバンドへ攀じます。岩の僅かな隙間にノギラン。健気ですねえ。そして至る所にコアジサイのライトブルーが鮮やかです。

ガスで視界が悪く大黒滝も薄っすらぼんやり。

いよいよT尾さん情報の大黒滝巻き道の上。
あることはありましたが、時既に遅し。双子の片割れは既に落花。もう一方もすっかりグショグショ。
でも大丈夫。まだこの先いくらでもカワユイ子ちゃんが待っています。
樋状滝を巻き再度谷に戻ります。潜り岩の右側クラックを行きます。砂や埃が雨で洗われ思ったより滑り難くなった岩肌にスニーカーのフリクションを効かせながらグイグイ登ります。そして登りきった所はキンコウカのお花畑。まだ咲き始めたばかりで花穂の下の部分だけ。これからどんどん上へ上へと咲き上がって行くのです。

ガスも薄くなり空も明るくなってきました。下から吹き上げる風が清々しいです。色鮮やかなコアジサイが一際目を引きます。

そうこうしている内、ガイド役のお父さんが大声で双子ちゃんの所に到着した事を教えてくれます。丁度下からの登りではブッシュの陰になり見落とし易い位置にあります。
薄く霧が漂う中、露を宿した二人の乙女が風に揺れています。凛として気品のあるその姿、華奢な身体(茎)に不釣合いなほどです。
【霧の中の二人】なんて大昔の曲が頭の中で流れています。マシュマカーンだったっけ? 【霧の中の少女】って歌謡曲もありましたなあ。

百合子ちゃんだけでなく辺りの木の葉も大きな露を宿しています。それが光り輝きまるで宝石のようです。う〜ん、めちゃくちゃモイスチャー。そしてキンコウカの花もまためちゃくちゃモイスチャー。

シモツケも花芽が膨らみ始めています。その季節になれば誰に教えられた訳でもないのに必ず咲くんですねえ。

キンコウカだけでなくモウセンゴケもモイスチャー。水滴がめちゃくちゃ綺麗です。


ドンツキから今日は朝陽台の方へ向かいます。進み始めてすぐ可憐な乙女を発見。ササユリには霧雨の雫がよく似合います。反り返った花弁がまるで巻き毛のようにチャーミングです。

この辺りまるで群生しているかのようにまとまって咲いています。今にもはちきれんばかりの大きなそして色の濃い蕾もあります。どれもこれも栄養分の少ない土壌で精一杯咲いています。華奢な身体(茎)が一層その可憐さを強調しています。
豊田の群生地の物は栄養が行き届いているのか茎がぶっとく直径1cmくらいあります。花もでかくカサブランカ並み。(そんな大袈裟な)ひきかえここ御在所の百合子ちゃんはみな華奢な身体で精一杯咲いている所が凄く心を打ちます。これって中年親爺の思い込み?

もう少し上でお母さんが「ここにもあった筈なのに無くなっている。きっと盗掘されたんだわ。」 少々被害妄想気味です。やはり鹿被害と見た方が良いようです。その先ロープウェイ駅舎近くではお父さんが、「2つあったやつが根元からぷっつり無くなっている。」
これも鹿被害のようです。
そのすぐ上の一輪は辛うじて被害を免れたようです。年増と言うほどではありませんがチョット年長の22-3才くらいかな?(おいおいグレード付けはこれくらいにしておけよ。努々人間様それも女性のグレード付けだけは止めときなさいよ。)


9:15 a.m. 朝陽台着。
一面霧の中です。

辺りは閑散としています。話し声が聞こえるのは先程追い越していったIさんの知り合いの人のみ。それも中道からと言い残し降りて行きました。駐車場にあんなに沢山停まっていた車の人達、どこに消えちゃったんでしょ。てっきり中道は大渋滞しているものと思っていましたが。
休憩がてら朝食にパンを齧ります。そして早仕舞いするにしてもどこから降りるか思案中。峠道に一輪もない事は既に実証済み。「違う所へ行かないと新たな出会いは無い。」とお父さん。じゃあ表道か一の谷新道? まだまだこんな時刻ですから温泉までの時間はたっぷりあります。
で結局中道とお父さん。新たな出会いを求めてたんじゃないの?
まあ登りと降りでは視点が違うので新たな出会い(ササユリとの)もあるかもしれません。それにこんなに閑散としているのですから皆さん天候が悪く諦めて帰ってしまったのかもしれません。それなら渋滞なんて無いでしょうから中道下りも良いかもしれません。
目を皿のようにして百合子ちゃんを探しながら降って行きます。ありませんねえ。ギンリョウソウでも撮っときますか。

降り始めると登って来る人達と遭遇しますが渋滞という程ではありません。待っていても気になるほどの待ちはありません。「これくらいなら丁度良いかな?」
しかし降るにつれ登って来る人の数が増えて行きます。若いファッショナブルな山ガも増えてきます。お父さんの新しい出会いってササユリじゃなくて山ガとの出会いだったのかな? そして相変わらず本命の百合子ちゃんとの新しい出会いは一向にありません。やっぱりな。
そうそう岩稜帯のキンレイカの蕾でも撮っておきましょ。でもこれって先週も見たし新しい出会いとは言えませんね。

降るにつれ山ガお姉さん達との新しい出会いが増えて行きます。当然待ち時間も増えて行きます。皆さん天候を見計らって登るのを待っていたようです。
しかし若いお姉さんって拝見するだけで心がウキウキしちゃいますね。二言三言言葉を交わすだけで心が弾みます。(困ったおっさんですな。)
そんな中華奢な身体にチャーミングな顔立ちのお姉さん。まるで御在所のササユリのよう。あの二の腕の細くて白いこと。つい触りたくなっちゃいますがそんなことしたらセクハラです。うちのかみさんも若い頃はこんな二の腕でしたが子供を抱っこするようになると一気に太いお母さんの二の腕に変身します。
その後はすれ違う度に、カサブランカ、御在所のササユリ、とランク分けしながら降って行きます。(おいおい女性のグレード付けしとるやんけ。ホント困ったおっさんやなあ。)
まあ聞いた方もカサブランカなら悪い気はしないでしょう。
すれ違いが無くなると本来のササユリとの新たな出会いを探しながら行きます。しかしおらんなあ。ガンピの葉に付いた雫が綺麗です。新たな出会いにガンピの花でも加えておきましょ。しかしササユリとは似ても似つかんなあ。


10:45 a.m. 駐車場着。

結局新たな出会いは全くなし。代わりに山ガのお姉さんとの出会いがいっぱいあり目の保養が出来ました。
適度な渋滞のおかげで片付け物をして降ればちょうど温泉の営業開始時刻です。お父さん、先見の明あり。



2013年06月30日20時20分00秒 記



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