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「おめえ、わしの1メートルくらい後ろに立ってみな」 そんで師匠はドライバーを構えて、そのまま剣道みたいに上に持ち上げますた。
ゆっくり持ち上がったクラブはやがて師匠の頭上を越えて後ろに立ってる俺の 頭に軽く触れたところで停止しますた。今度は師匠はそのままの状態で、 「じゃあ今度はわしの前に立ってみな」 クラブを振りかぶった師匠の正面に立つと、ゆっくり最初上がってきた軌道を なぞる様に縦に戻ってきて師匠の頭上を越えてソールが俺のつむじ付近に触れて 止まりますた。まあ、腕だけを剣道のお面みたいにした訳ね。で、その前後に立ってた 俺の頭に最初は1Wの上部が触り、最後はソールが触った訳です。 師「おめえはこういう風に動かしてないべな」 俺「はあ、そうなんですか・・」 師「そ、全くやれてない。じゃあ今度はわしが前後に立つから同じ事やってみ」
同じ事やりますた。簡単にできますた。
師「簡単にできるっぺ?これがスイングの基本だからな」 「ただ、これをボデーターンと組み合わせてボールを打つのは難しいぞ」 俺「そんなに難しいっすか?」 師「まあ、わしの見立てではカッコつくのに早くて1ヶ月。遅ければ2ヶ月はかかるだろうな」 「しかも毎日最低千球打っての話だぞ」 俺「相当な難易度なんですね」 師「そうとうなもんだべな。なんつ〜の、かるわざ師みたいなセンスも必要だし、体力も必要」 「まあ、当分今日教えた事を絶対守って練習すること。当たらなくても絶対変えるなよ」 「もし変えてやってるのを見つけたら、破門だからな」「わかったか?」 俺「かしこまりますた。頑張ります!」 師「ああ、それからな、おめえに言い渡すことがある」 俺「へ?」
聞いた瞬間、目の前が真っ暗になりました。続く。
師「おめえは明日っからラウンド禁止。コース行っても回っちゃなんねえぞ!」 俺「えっ!なんでですか?回らなくちゃ上手くならないですよ(涙)」 師「口答えするなら波紋だぞ!それからキャディは続けれ」 俺「・・・・・」 師「わしがラウンド解禁って言うまで回るなよ、研修生達にもちゃんと見張って 報告するように言っとくでな」「パター練習だけはグリーンでたくさんやっとけ」 俺「地味ですね。」
師匠からの指示、 1、夕方行っても、キャデーの後でもグリーンでパター練習のみやること。 2、その理由としてラウンドしちゃえば元の横振りに絶対に戻るから。 3、そのもう一つの理由としてプロや研修生の迷惑になる。上手いやつはヘタなやつ と回るのは迷惑。ヘタが伝染るつ〜か、マジで迷惑。
最初プロや研修生達と数回回れたのも、師匠の指示で付き合ってくれたらすい。 数回一緒に回らしてプロレベルの凄さや自分の至らなさを認識させたかったみたいね。 そんで、早速毎夜剣道のお面スイングで最低1000発。 やってみた感想・・・ 「当たる気しないし、実際当たらないし、恥ずかしい・・」 もうね、言われた通りやると球の手前をド〜ンとダフって、バウンドしたクラブが ボールに当たって全部ゴロ。隣打席で若いおねえちゃんが練習している時が一番苦痛。 いいとこ見せたいじゃん。 もう来る日も来る日も「ド〜ン、ド〜ン」ってダフる俺の音が1000回以上鳴り響いた のでした。安田大サーカスじゃないってば! で、たまに師匠が見に来るんですが、ちゃんと指示通りにやってるかの確認にくるだけ。 仮にシャフトが寝てても縦に振ろうとしてるか横に振ろうとしてるかちゃんとわかるらすい。 1週間・・2週間・・3週間と時は過ぎていきました。 で、「ある日突然」って開眼を迎えるのですが、その話はいつしたら良いのか思案中です。 で、ラウンド解禁まではパター練習だけ。いろんなラインや距離からイヤというほどパター やりますた。今思えば、これがかなり役立っているみたいね。 もしかしたら次回は少し横道の話になるかも。でもその間毎夜「ド〜ン、ド〜ン」って同時進行 してると思って。もうホントに苦労しますた。続く。
で、茨城の「ド〜ンド〜ン」の続きですが、 3週間の間に数回師匠から「今横に振ろうとしただろ」言われただけ。 後で聞いたら最初のうちは3回に1回、1週間後には5回に一回、2週間後には10回に 1回。3週間後にはたまに・・ってことらしい。 で、4週間になる寸前に「だいぶかたまってきたなあ・・」って言われて、 「じゃあ今度は前にやってた打ち方でやってみな」って。 俺「いいんすか戻しちゃって」 師「おお、いいから前ので打ってみな」 俺「じゃあやりま〜す・・あれ・・??」 って、前どうやってたか忘れちゃってる。 師「わっはっは、見立ての早期に固まったべな」 俺「コンクリートじゃないってば」 ってことで師匠的には予定通りみたいで一安心。 で、1分後にはもう立て続けにレッスンの嵐!続く
で、「やっとかたまったべな」って言うやいなや、 「おめえ、なんでド〜ンってなっちゃうかわかるか?」 俺「わかりませんけど、たぶん上から下に打ち付けてるからだと・・」 師「まあ常識的に考えればそうだべな。バカバカしいと思ったべ?」 俺「バカバカしいなんて、そんな・・ちょびっとだけ・・」 師「ははは、まあいい。常識人はバカバカしいと思って1日でやめる」 「だから20年やっても90前後なんだよ」 俺「はあ、そうなんですか。じゃあ俺って非常識人なの?」 師「言い方によってはそうだな。別の言い方なら才能があるってこと」 俺「じゃあ喜んでいいんすか?」 師「わしはお前がボール放った時にすでに喜んでたよ」 俺「そんなもんなんですね・・・」 師「おめえがド〜ンってなるのは球に直接おろすからだ」 「球と関係ない方向にやれば解決」 「でも同時にそれを伝授すればやはりシャフトが寝てしまう」 「次の処方を出すのは頃合を見てやらねばならん」 「今の1分1秒が頃合だ、逃すなよ」 俺「キャバで逃したので、これだけは逃したくありません」 師「よかろう、きょうは支配人に言ってあるから閉店後も打つからな」 で、そのあと 驚愕 のレッスンが待ち受けていたのでした。続く
師「おまえは肩が開いちゃってるからド〜ンなの」 「クラブっつ〜のは正しい通り道をたどって戻って来ないと真っ直ぐ飛ばない」 「ハイカラな言い方すっと、オンプレーンってやつだんべな」 俺「オンプレーンすか・・なんか雑誌で読んだ記憶あります」 師「いま流行りだからな」 「そんで一般人はそういうの読んで真似しようとするが、真似しようとすれば するほどかけ離れていくし、ヘタになるっぺな」 俺「じゃあ雑誌のレッスン記事って意味ないんすか?」 師「う〜ん、極論すれば一般アマにとっては意味なしだな、弊害のみ」 「あれらはプロの感覚を文字にしたもんだべ、だからちょっとした悩みがある プロがいいヒントを見つけるっていうことはありえるけんどな、トップアマとかな」 「おめえ、かけっこ出来るだろ?走るっつ〜ことよ」 俺「はあ・・運動会では1等が多かったすが・・それがなにか?」 師「じゃあよう、おめえどうやって走ってるか説明してみっぺや」 俺「へ?・・・・」 「え〜と〜・・ちょ、ちょっと10秒走っていいすか・・」
10秒後、 俺「て、手と・・足が・・互い違いに動いて・・ひぇ〜説明できまへん」 師「アインシュタインでも無理」 「ゴルフ雑誌に書いてある大半は走る時に動いてる手とか足とかの結果的な 形とか動く方向とかをプロのネームバリューを借りて無理矢理こじつけてる だけっぺな。それ読んで練習したって余計わかんなくなる」 「もし効果があれば町中プロだらけになるっぺな」 俺「ご説ごもっともで」 師「前説はこのくらいで、早速球打ってみな」 5球くらいド〜ンってやった直後、 師「トップで捻ったままの形でフィニッシュするつもりでやってな」 2球ド〜ンでしたが、3球目は真っ直ぐのナイスショット。 でも4、5球目はダメ。でも6球目はナイスショット。そんな繰り返しで50球。 でもたま〜にギリプロみたいな球が出て興奮! 師「まだ開くっぺな。んじゃ、ダウンの時に捻じったものももう一回捻じってみな」
こ れ は 効 き ま し た !
もうね、ほとんどギリプロ状態!でも5球に一球ミスショットも出る。 師「仮免は合格。でもまだかけっこのように打ててないっぺな」 そんでおもむろに師匠が構えてる俺の正面にしゃがんで、 「球置いてやるから連続で打ってみっぺ」 なんつ〜の、正月に餅つきやるでしょ、きねを打つ人と餅をこねる人みたいな。 もうフィニッシュ行ったらそっからバックみたいな感じで、 「パシ〜ンパシ〜ンパシ〜ンパシ〜ン」って息つぐ間もなく200球連続で。 で、100球過ぎくらいから段々師匠の言ってた「かけっこ」の意味がわかって きました。なんかねえ、歯車がいくつもあらゆる方向に連結してて連鎖的に動くって いうか・・いや・・そんな単純なことでかたずけられないな。 で、連続打ちが終わってから、 師「んじゃ、今度はじっくり打ってみな」
7番、5番、1Wと30球ずつくらい打ちました。ほとんど全部感じイイ球。 師「はい、よくできました。じゃあついでにお前のスイングを撮影してやる、 スクールの教室からビデオカメラ持ってきな」 そんで正面と後方から撮影して貰い、それを持って教室のビデオデッキへ。 見た感想・・「変じゃないな」見る目ないんで(笑) んで師匠が別のテープを数本持ってきて再生。みんな外人。 師「こいつがトムカイト、こいつはニクラス、これはエルス、こいつはタイガー」 っていろんな外人プロのスイングを見せてくれました。 師「こんときのこの部分の形、そしてこうきたときのこの動きと形、クラブの通り道・・」 要点をマジックで画面に書きながら解説。 師「それぞれ個性はあるがツボはみんな同じだべ?」 俺「はい確かに・・」 で、今度はまた俺のビデオを再生。 師「ほれ、おめえもツボんとこ同じじゃん、ここも、ここも、ここんとこも」 俺「はあ・・っつ〜ことは喜んでいいんでしょうか?」 師「バカ・・」
で、翌日も本当に感触の良い球の連続。 でその翌日師匠から思いもよらぬ言葉が飛び出たのでした!
続く。
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