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私たちの取り組んだ、「インドネシア"黄金の繭(まゆ)"展」 とは‥‥‥。
→ 基本コンセプト
→ 王妃のプロジェクトの背景 〜 ジョグジャカルタのジレンマ
→ 地球に優しい産業開発
→ インドネシアと北九州市の深〜い関係
⇒ インドネシアへ派遣された北九州市職員 (直接跳びます)
→ アジアともっと交流したい
●私たちの活動のきっかけ
ジャワ島中部の古都、ジョグジャカルタの歴史ある王宮が取り組む、あるプロジェクト
――
「この地方特有の、黄金色に輝く不思議な繭を、人々の暮らしの改善に少しでも役立てたいと願う、王妃の地道な挑戦…」
このプロジェクトを、「地球に優しい産業開発のヒント」という視点から日本の皆さんに紹介しようと、インドネシア大好きの有志 が集まって自主的に出展することから始まりました。
自然と産業の優しい関係に触れながら、インドネシアに暮らす人々との友好と交流をさらに深めていくことがテーマです。
●ジョグジャカルタ特別州
ジョグジャカルタの街は、250年の歴史を持つ現役の 王宮(クラトン) を取り巻くように作られ、日本でいえばちょうど京都に似た成り立ちといえます。
王宮都市としてクラトンを街の中心に置き、伝統を大切にし、高層建築を制限しながら古くからの町並みをそのままに残した美しい都市です。
ジョグジャカルタ近郊のジャングルには、世界最古・最大の石造仏教遺跡として名高い世界遺産「ボロブドゥール遺跡」があります。
毎年世界中から多くの観光客が訪れていて、一帯の治安の良さもバリ島に並ぶ快適な地域です。
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●発展と引きかえに
もともと王宮を取り巻く周辺地域には、これといった見るべき産業はありませんでした。
多くの人々は主に小規模の農業で細々と生計を立てていました。
近代に入り、産業開発の名のもとに、周辺地域に小規模な化学染色工場や皮革処理工場が次々と作られていきました。
ところが、ジョグジャカルタ近郊に増えてきた化学系工場は、どれも資金的に余力がなく、廃液は未処理のまま流され続けました。
都市の環境は徐々に悪化し始め、近年になってとうとう生態系に悪影響をもたらすほど深刻化してしまいました。
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●王室のジレンマ
インドネシア政府はついに日本にも協力を要請し、日本からの ODA(政府開発援助) で種々の国際協力が実施され、下水処理場も建設されました。
それでも、これ以上現在のやり方で開発を進めれば、環境への悪影響はさらに進んでしまいます。
これまで大切に守ってきた美しい自然や、何百年も綿々と営んできた伝統的な生活を続けていくための環境をも失ってしまうでしょう。
「しかし、多くの人々の貧しく苦しい生活は、少しでも改善したい・・・。」
人々も自然も共に愛する王室にとって、そのジレンマに心を痛める日々が続いていました。
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●一筋の光
そんな折り、ジョグジャカルタ王室 のカンジェン・ラトゥ王妃は、一筋の光を見出すこととなりました。
それが、この"黄金の繭"だったのです。
●人々と 「ドンドン」
この"黄金の繭"をつくる野生の蛾(ガ)= クリキュラ 。現地では ドンドン という名前で呼ばれています。
農業で細々と生計を立てている貧しい人々たちにとって、ドンドンは、実は大切なカシュナッツやアボガド、マホガニーなどの葉を食い荒らすため、農作物に対しては他でもない「害虫」なのです。
そのため、ドンドンの幼虫が見つかるとすぐに取り除かれてしまっていました。
また、繭の中のさなぎは、おいしく貴重な蛋白源として人々の食用となっていました。
黄金の繭が見つかるとすぐに繭を切り刻んで中のさなぎを取り出し、繭自体は全く利用されることなく捨てられていました。
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●日本の調査から
そんなある日、日本野蚕学界の調査による報告から、王室は、このドンドンが作る黄金の繭を天然の絹繊維として紡げる可能性があることを知りました。
「これなら、人々が農業の副収入として現金収入を得る道を開くことができるかも知れない…!」
王室のカンジェン・ラトゥ王妃は、すぐにこの黄金の繭を糸に紡ぐ技術の研究を
国立ガジャマダ大学 に指示。
同時に、農家の人々から黄金の繭を買い上げる体制作りを始めました。
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●幻の繭
ところが、このドンドンが作る黄金の繭は、時季をはずすとなかなか見つからない"幻の繭"とも言える代物です。
採集だけに頼っていても安定した量は確保できません。
さらに、売り物になるというだけで人々が乱獲すれば、それこそあっという間に生態系を破壊してしまいます。
しかし、むやみに保護して数を増やしたりすれば、本業の農作物に被害が広がり、本末転倒となってしまうでしょう。
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●自然にも人々にも優しく
そこで王妃は、ドンドンの人工飼育を研究することにしました。
自然の生態系の保護と、安定した副収入の確保の、両立を目指したのです。
この方法を確立できれば、今は荒れている土地に飼料となる樹を植えていき、産業の定着と緑地の拡大を、矛盾なく進められます。
さらに、植物の種類に応じたドンドンの許容数の研究も始めました。
農作物が十分に収穫できる範囲で、そのまま繭になるまで生かしておける限度が見つかれば、人々とドンドンとが互いに利を分け合って共存できる・・・。
これらの研究は、国立ガジャマダ大学 を中心に今も進められています。
こうして、王妃は、荒地・砂地の緑地化促進とエコロジー産業の見本として、事業の推進に積極的に関わっています。
環境を思いやりながら、現在の農業だけでは生活が苦しい人々の暮らしの向上に、今も心を配り続けているのです。
●北九州市の経験
今から100年以上も前の西暦1901年、わが国で初めての近代的溶鉱炉 東田第一高炉 が、北九州市八幡東区(当時は八幡市)の東田地区に誕生しました。
この東田第一高炉の誕生とともに 北九州市 は近代工業都市としてのスタートを切りましたが、工業が急速に発展していくと同時に、環境の悪化という弊害に苦しめられることになりました。
特に1960年代の高度成長期には 7色の雲 と呼ばれた工場煤煙が街の象徴となり、市の中心に位置する海上輸送の要所、洞海湾は
廃液色の死の海 と化していました。
しかし、これらの環境問題を克服すべく全市を上げて一念発起、不断の努力の結果、現在では世界中に誇ることのできる環境都市として復活を果たすことができ、世界的にも
国連表彰 を受けるまでになりました。
現在では、これらの独自に培ってきた技術が、広くアジアを始めとした国々に指導しながら
地球全体の環境改善 に生かされています。
具体的には、北九州市が自ら行う支援協力 とともに、JICA 等を通じた環境改善のための技術支援を行っています。
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●インドネシアへの技術協力
特にインドネシア共和国は、北九州市における国別輸入額も第2位の国であり、大変密接な関係にあると同時に、首都ジャカルタを始めスラバヤ、スマランなどの各都市の環境改善や調査協力、技術指導を積極的に展開しています。
そのような活動の中の重要な一環として、北九州市職員を現地に派遣 し、現地の上級官吏や技術者に密着して直接高いレベルの指導を行う国際協力も行われてきました。
その 派遣先や活動内容 は実に様々な分野にわたっており、北九州市がこれまでに培ってきた多くの分野での世界的レベルの技術力や行政力が、インドネシアの人々が抱いている展望を実現させていくことにも役立てられているのです。
→ インドネシアへ派遣された北九州市職員 へは こちら から。
●キラキラ会の活動と、人々の和
今回の"黄金の繭"の企画をやり遂げるために、多くの方々の協力が必要でした。
実行委員会 や キラキラ会 も皆ボランティアで活動していますが、それだけではなく、この企画に興味を持ち賛同いただける地域の方々や学生、留学生の方々の協力も重要でした。
そしてもちろん、インドネシアの皆さんによる様々な方面での協力も、数多く必要としました。
すべては、この企画を取り巻く数多くの立場の方々が互いにつながり、多くの支援と協力を受けて、初めてこの企画は実行できたのです。
また、王宮のスルタン一族には、今回の出展のために多大な協力を賜わりました。
特殊な技術の必要な"黄金の繭"の紡ぎができる専門の職人はジョグジャカルタでもたった30名足らずで、この中でも熟練者となると数名程度しかいません。
この貴重な職人さんたちを現地から北九州市に招いて会場で実演していただくことができたのも、その実現のための許可や人選で王室にご協力いただいたおかげでした。
このように最終的に王室の絶大な協力を仰げることになったのも、日本でもインドネシアでも、この企画に賛同して様々な分野の方々どうしが互いにつながってくれた結果なのです。
そして、この"黄金の繭"を中心にした活動がきっかけとなり、新たに関わっていただくさまざまな方どうしで、新たな国境を越えたつながりが生まれ、また次の動きの原動力へとつながっていくとすれば、それは素晴らしいことだと思われませんか?
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●広がりはアジアへ
この不思議な"黄金の繭"の紹介を通じて、自然と産業の優しい関係に触れながら本来のアジアの姿をもう少し知ることができ、その過程の中でインドネシアに暮らす人々との交流、ひいてはアジア全体に暮らす人々との友好と交流が次々に生まれる…。
この、生の交流の醍醐味を、関わっていただいた皆さんとともにさらに深めることを目指したいと、そう私たちは考えています。
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