チョット笑える話

チョット笑える話〜工場編〜 2003/02/12
 今、工場勤めをしている。月日が遡ること20年前、学生バイトで工場勤めを約2年間経験した。当時の時世では喫茶店やレストランのウェイターのような格好いいバイトに就く友達が多かったが、自分はどうせ同じ時間働くのなら時給の高い方が得と、あえて汚くて疲れる仕事を選んだ。当時で時給850円、1年後には880円に値上がりした。今でも立派に通用する時給だ。そのかわり溶接や吹きつけ塗装そしてフォークリフトまでやらされ、当時の経験で大体の工場勤務の知識は得てしまった。また、周りの友達よりもリッチな学生生活を送らせてもらった。
 そんな工場にひとりのおばあちゃんが勤務していた。年の頃は65〜70才くらい。朝8時半の出勤で11時半までの3時間を、工場内数カ所あるトイレ掃除に従事する事が彼女の任務だった。何でそんな歳で働くのか私には理由は分からなかったし、あえて聞くこともなかった。
 ある日、彼女が非常に疲れた様子でつらそうだった。僅か3時間とはいえ、高齢かつやせ細ったあの身体での労働では疲れが溜まるはずだ。数日後、元気になった彼女に様子を伺った。その話によると、新発売された栄養ドリンクが仕事疲れに非常に効くらしい、そして毎日これを一本飲んで仕事に出るとのことだった。そんな効用のある医薬品なら私も一見の価値はあろうと彼女にその価格を尋ねてみた。「一本2200円」とのことだった。確か彼女の時給は650円だったはず。本人は気づいているのだろうか、仕事に出れば1日250円づつ赤字になっていくことを。




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