チョット笑える話

チョット笑える話〜北海道ツーリング編〜 2003/09/27
 北海道にはその昔、聖地があった。日本全国のバイク乗り野郎たちが目差した、北の大地に存在した土地。これといった観光名所ではなく、実際に行けば只の野っ原、ただ単にバイク乗りの間で噂が噂を呼んで俗化されたミーハーな土地。だから聖地なのである。その名は「開陽台」。場所は釧路郊外の内陸部にその聖地はありました。この地の売り文句は、「330度をグルリと見渡せる地平線(360度ではないところがイケてる)」。
 私がこの地を初めて訪れたのは、北海道一周ツーリングが2回目となる、平成3年の秋のことだった。バイク・ツーリストたちにとっては聖地であるこの丘の頂上付近。駐輪場辺りの芝生には無数のテントとバイクが疎らに散らばっていた。そこに一軒ある唯一の土産物屋兼売店で、以下の会話が続く。私はただ、そのやりとりを傍観していた。(沖縄、九州、大阪、京都等の方言は架空です)。

店主のおばちゃん:「お兄さん!搾りたての牛乳飲んでいかない!」
ツーリスト:「駄目ッ、オレ、昔から牛乳飲めないの」
店主のおばちゃん:「ウチの牛乳は内地のとは違うサぁ。試しに飲んでケロ」。
ツーリスト:「駄目ッ、オレ、小学校ん時も牛乳飲めねーくて、クラスメイトに譲ってたばってんバイ」
店主のおばちゃん:「オラんとこの牛乳は搾り立てだけん、そこいらのモンとはひと味も、ふた味も違うケン。どーじゃい一本」
ツーリスト:「駄目なモンは駄目じゃい!牛乳なんか飲めるヤツに、よか人間なんておらんばいとーね」
店主のおばちゃん:「ウチの牛乳は低温殺菌ナンよ。兄さんみたいに牛乳嫌いの人も、喜んでウチの牛乳旨いって言ってくれるさかいに、アンさんも一本どないひましょ」
ツーリスト:「おばちゃんが、そこまで言うなら、一本貰っとこうか」
店主のおばちゃん :「毎度、おおきに!」
 やっとのことで一本の牛乳を売ったおばちゃん。千枚通し見たいなピンで瓶の蓋を開け、ツーリストの若者に一本の牛乳を手渡した。
ツーリスト:「ブッファー、ゲロゲロ。やっぱり駄目だー、牛乳なんて飲めるわけねーっつうの!」
 辺り一面に吐き出された牛乳。それを雑巾で拭きながら、店主は言った。
店主のおばちゃん :「まったくしょうがない人だねぇ。牛乳代一本200円ね」




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