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描画用タブレットとGimp

この章では、Gimpにおけるデジタル描画用タブレットの使い方をお見せします。Gimpでタブレットの使用を可能にするX拡張はXinputと呼ばれています。XserverとしてXFree86を用いたLinuxで、Xinputとタブレットを有効にして設定する方法をお見せしましょう。


 

紹介

 

描画用タブレットとは?

タブレットと言うときには、電子ペンと組み合わせるデジタル描画用タブレットのことを指しています。このペンは圧力を感知することができます。これはつまり、強く押せば、ペンシルストロークが太くなるということです。


CADのタブレットのように、ペンを持たないタイプのタブレットもあります。しかし、Gimpを使うときにはペンが使えるタブレットが必要です。Gimpはグラフィックアーティストのためのプログラムだからです。


プラットホームとブランド

私達はこの章でWacomタブレットを批評します。当然SummaSketchのような他のブランドもありますが、ハードウェア上の制約のため、Wacomタブレットに絞っておきます。ArtPadから最新のIntuosまで、全てのタイプのWacomタブレットをカバーします。


次に、私達はLinux XFree86の下への設定とインストールの説明だけをします。しかしこれは、XFree86を使用できる他の全てのバージョンのUNIXでも同様に行うことができます。


SolarisOSF/1HP-UXAIXといったほとんどの主要Unix/X11実装はXinputに対応していますが、Wacomタブレットを使えるようにするドライバーが無いという問題があります。WacomはIRIXのためのドライバーを作成しましたが、SGIマシンへのアクセス手段が無いため、この方面の説明を続けることができません。


USBタブレットはどうですか?

USB (Universal Serial Bus)対応のLinuxは、これを書いている時点では非常に限られています。私の知る限り、USBタブレットに対応しているものはありません。そのため、代わりにシリアルタブレットを購入することを強くお勧めします。(訳注)


インストールと設定

まず最初に、Gimp 1.0.xはタブレットに対応していません(しかし現在の開発バージョンはタブレットに対応しており、次期のGimpリリース版はこの機能を備えます)。これは使用法を制限しますが、諦めてはいけません。Gimp 1.0.xでタブレットを使用する二つの方法があります。最も簡単な方法はマウスの代替物としてペンを使用することですが、操作に圧力感知を取り入れることができません。


ペンの能力を完全に引き出したいのであれば、自分でGimpにパッチ当てコンパイルをする必要があります。しかし、これは容易なことではありません。X11の再コンパイルも必要になるため、古いバージョンのX11 (XFree86)を持っているときには非常に複雑になるかもしれません。


マウスの代わりとしてペンを使う

 

圧力感度の無いペンは不完全な道具ですが、それでもまだマウスで描くことと比べれば、フリーハンドでドローイングするときの容易さと正確さを非常に改善します。 このセクションではWacom Intuosタブレットで説明するIntuosタブレット以外のマウスの代用物や補完物として電子ペンを使う方法の情報を提供します。


正しいXFree86のバージョン

XinputとWacomタブレットは3.1.2Dリリース以降でXFree86によってサポートされています。しかし、多くの新機能が追加され、バグが修正されているので、最新で最も素晴らしいバージョン(これを書いている時点では3.3.3.1)を入手することをお勧めします。


注目に値する新機能の一つが、同時にペンとマウスを使えるようにするSwitch/AlwaysCore機能です。どっちのポインティングデバイスを使っているのかを指定することなくマウスとペンを切り替えることができます。


もしXFree86 3.3.3かそれ以降をインストールしたことがなければ、アップグレードを強くお勧めします。そうしないと、タブレットを使っていて遅くて煩わしいと思うでしょう。


比較的新しいLinuxディストリビューションなら、ほとんどの主要なLinuxディストリビュータが比較的容易にXFree86バージョン3.3.3またはそれ以上に新しくアップグレードさせるアップグレードパッケージを含めています。


XFree86Configファイルの中のタブレットの基本的な設定をカバーしましょう。このセクションはIntuosタブレットや圧力感度を有効にしたときの全てのタブレットに必要です。


マウスとペンの自動切り替え無し

3.3.3.にアップグレードしなければ、マウスからペンに換える場合や逆の場合で、自動切り替えを使うことができません。XFree86設定ファイルはこの場合非常に簡単に設定できます。


XF86Configファイルは下記の場所で見付けることができます。


/etc/XF86Config

/usr/X11R6/lib/X11/XF86Config

(ほとんどの場合、このファイルは/etc/X11/XF86Configにシンボリックリンクされています)


Xserverも同じようにファイルを検索するので、確実に正しいファイルを編集して下さい。(つまり、/etc/XF86Configファイルがあれば、/usr/X11R6/lib/X11/XF86Configファイルは編集しない)


ほとんどの場合、XInputとWacomの設定データはXF86Configファイルに既定値がセットされており、コメントアウトするだけです。ファイルの編集とXinputサポートの追加の方法を説明します。既にデータがあれば、当然ハッシュマークのコメントを取り除くだけでできます。


編集する三つのセクションはFilesModuleXinputセクションです。


Filesセクション

XF86Configファイルのバックアップコピーを作ることからはじめて下さい(シェルでcp /etc/X11/XF86Config ~/XF86Config.old)。そして好きなエディタを呼び出します。


注意: ルートユーザーでファイルを編集しなければなりません。さもなければ、変更を保存することができません。


KDE環境であればkedit /etc/X11/XF86Configと入力します。
GNOME環境であればgedit /etc/X11/XF86Configと入力します。


下記のセクションが見付かるまでスクロールダウンします。


 
 

RgbPathFontPathがあなたのインストール状態と同じでなくてもいいことに注意して下さい。ここでやらなければならないことはModulePathを追加することです(つまり、Wacomドライバーが置かれる場所)。XFree86で利用できる全てのドライバー(モジュール)の最も一般的な場所は/usr/X11R6/lib/modulesですが、インストールの状態によっては違っているかもしれません。


確認するには、シェルでls -l /usr/X11R6/lib/modules/を実行します。これは恐らく次のように出力するでしょう。


 
 

この出力を得られなかったら、ドライバー(モジュール)が別の場所に置かれています。シェルでこんな風に実行することで見付けなければなりません。


find /usr/X11R6/ -name xf86* -print

上のファイルリストはあなたのシステムと正確に同じでなくても構いませんが、Wacomタブレットドライバーであるxf86Wacom.soという名前のファイルがなければなりません。


fileセクションのModulePathに以下のエントリを追加してください。


"/usr/X11R6/lib/modules/"

パスのところ、つまり"/usr/X11R6/lib/modules/"のところは当然、ドライバー(モジュール)があるディレクトリの場所を反映したものです。これでXF86Configファイルはこのようになります。


 
 

Moduleセクション

次の段階は、XFree86(X11)の中で使用するためのドライバー/モジュール読み込む/有効にすることです。ここに関係するXF86Configファイルのセクションは、Moduleセクションです。標準XF86Configファイルでは、このセクションは存在しないか#でコメントアウトされています。私達の場合、Pointerセクションの上にModuleセクションがあります。


これはあなたのXF86Configファイルにコピーすることができる一つの例です(Pointerセクションにはコピーしないように)


 
 

Xinputセクション

ここでさらに、X11への拡張として(Xinputデバイスとして)ペン/タブレットを有効にする必要があります。これをXinputセクションでやります。このセクションは標準XF86Configファイルでは存在しないか#でコメントアウトされています。


私達はPointerセクションの直後にXinputセクションを追加しました。Moduleセクションのように、あなたの設定ファイルにコピーするための例を用意しました。後でオプションと設定について話しますが、あなたはすぐにペンを使い始めたがっているだろうと思います。


こちらがXF86Configファイルにコピーすることができる一つの例です(Pointerセクションにコピーしないように)



 
 

実際には、この全てを必要とするわけではありませんが、圧力感度を有効にしておくほうがいいですよね?


まだちょっとペンを使う準備ができていません。最初に、コンピュータの正しいシリアルポートにWacomタブレットが接続されている必要があります。設定ファイルによれば、これはttyS0シリアルポート(DOS/Windowsの下ではCOM1)になります。WacomタブレットをttyS1(DOS/Windowsの下ではCOM2)に接続されていれば、設定ファイルでのttyS0ttyS1に置き換えましょう。


全部済んだら、ドライバーの読み込みとタブレットを有効にするため、Xserver再起動して下さい。もちろん、Xserverを再起動する前に設定ファイルを保存しておかなければいけませんよ。


XserverとLinuxコンピュータ全体を再起動するもっとも簡単な方法は、Ctrl+Alt+F2とCtrl+Alt+Deleteを押すことです。これだとコンピュータ全体が再起動してしまうので、これをする前に、現在の全ての作業を保存したのか確認しておいて下さい。Unix/Linux環境ではもっとエレガントな方法があるのですが、初心者にとってはこれが簡単な解決方法なのです。


Gimpでペンを使う

再設定やGimpのリビルドを行う必要はありません。もう、ペンの電源を入れるだけで全部です。これはxsetpointerで行います。私達の設定例に注意を払っているなら、Xを実行している間、シェルにてxsetpointer Wacomコマンドを入力することによってペンの利用が有効になります。


電子ペンはこれでポインティングデバイスになります。マウスボタンをエミュレートするためにペンのボタンを設定することができます。例えば、ペンボタンをリセットするにはxmodmap -e "pointer = 1 4 3 2"を入力します。マウスに戻すには、xsetpointer Pointerを入力します。これはペンの先端をボタン1に、消しゴムをボタン2に、ペンの押しボタンをボタン3に設定しています。


実感されるかもしれませんが、この作業方法は本当に苦痛です。正しい方法は、マウスとペンとの間で自動切り替えを有効にすることです。


マウスとペンの自動切り替え

まだマウスとペンの自動切り替え無しを読んでいなければ、そこと違うことをカバーするだけなのですぐに読んで下さい。


まず最初に、あなたのLinuxシステムにXFree86 3.3.3かそれ以上がインストールされている必要があります。どのバージョンがインストールされているのかを簡単に調べる方法は、マニュアルページを読むことです。man XFree86を実行し、ページの最後へスクロールダウンし、どのバージョンに対してマニュアルページが書かれているのかを読み取って下さい。ほとんどのLinuxディストリビュータは、XFree86 3.3.3以上へのアップグレードを容易にスムーズにすることができるアップグレードパッケージを用意しています。アップグレードを取り出す場所を探すにはXinputを見て下さい。


既にXF86Configファイルでタブレットを有効にし、タブレットのテストが済んでいることを想定しているので、今度は設定ファイルにいくつかの新しいエントリを追加するだけで済みます。編集する必要があるところは、Xinputセクションです。


次のものは、あなた自身のエントリのテンプレートとしてコピーして使用することができるXinputセクションの例です。


 
 

見ての通り、AlwaysCore "mode"にCore Deviceを持ついくつかのサブセクションを追加しました。このデバイスと設定は、マウスを放して代わりにペンを持ったときにマウスからペンへの自動切り替えをXFree86にもたらすものです(逆も同様になる)。さあ、Xサーバーを再起動して、これをテストしましょう。


これでXFree86は自動的に切り替わり、もうxsetpointerを実行しなくても選択したポインティングデバイスを直ぐに有効にすることができます。


Gimpでの自動切り替え

マウスとペンの自動切り替えはあらゆる事を簡単にしてくれていませんか?(マウスを使って)メニューに高速に、かつ簡単にアクセスできるという利点と、ペンの優れたペインティング品質を使うことができるということを直ぐに切り替えることができます。


やらなければいけないことや、実行すべきコマンドは何もありません。しかし、これではまだ普通のポインティングデバイスとしてペンを使っているだけです。圧力感知がありません。Gimpでマウスとペンを手動で切り替えなければいけないよりもずっとましなのですが、まだ改良の余地があります。Gimpでは圧力感知を得ることができます。次の節でこの方法についてお教えしましょう。


圧力感知と自動切り替えツール

ここを読み始める前に、最初にマウスとペンの自動切り替え無しマウスとペンの自動切り替えを読んで、それに準拠すべきです。


これらの指示に従っていれば、Gimpが有効にする必要のあるツール間の圧力感知自動切り替えXinputサポートを持っているでしょう。自動切り替え機能はGimpの道具箱の任意のツールをペンに割り当てることもできます。例えば、消しゴムツールにペンの消しゴム部分を対応させることができます。


この節では新しいIntuosタブレットを除く全てのWacomタブレットをカバーします。前に出たように、XFree86 3.3.3以上が必要なのですが、今回はGtkにおけるXinputの有効化とGimpへのパッチ当ても必要になってきます。GimpとGtkをダウンロードする場所はFTPを見て下さい。特別なGimp patchも必要です。このパッチの最新バージョンを見付けるためにXinputを見て下さい。


GtkにおけるXinputサポート

Gtkは既にXinputに対応しているので、これを有効にするだけです。即ち、configureに--with-xinput=xfreeを与え、再コンパイルするだけです。Xinputを有効にしたGtkとGimpの両方をインストールした特別なGimpインストールディレクトリを作ることを推奨します。さらに、ホームディレクトリにある通常の.gimpディレクトリとは別の、個人用Gimpディレクトリを持つことは良いアイデアです。これはXinputに対応したGtkを解凍展開configureコンパイルしてインストールした例です(これらは全てxtermのようなターミナルウィンドウで行いました)。もちろん、あなたのコマンドはちょっと違っているかもしれませんが、基本的には同じような手続きになります。
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コンパイル問題

もしコンパイルが失敗したとしたら、それには色々な理由があり得ます。まず最初に、Gimp配布物が利用できるX11開発ファイルを全て持っているかを確認して下さい。ディストリビューション間には違いがあるため、これをチェックする正確な方法を指示することはできません。しかし、インストールツールとしてrpmを使っているなら、rpm -q -a | grep Xを試してみることができます。

私達のLinuxディストリビューションでは、このコマンドはこのような行になりました。


XFree86-devel-3.3.3

あなたの結果はちょっと違っているかもしれませんが、見付け出す文字列はXFree86-develです。


ソース配布をインストールするを読むこともお勧めします。ここで、コンパイルと一般的なコンパイル問題に関する大量の有用な情報が見付かります。

GimpにおけるXinputサポート

自動切り替えツールと圧力感知を手に入れるためGimpでXinputサポートを有効にする必要があります。Gimpにパッチ当てをして、最初から再作成をする必要があります。これは取るに足らないことではありませんが、この手順を踏むガイドを務めて、あなたができるだけ簡単にやれるようにしたいと思います。


Gimpにパッチ当て

Gimp 1.0.2と特別なGimp Xinput patchをダウンロードすることから始めて下さい。patchconfiguremakeをしようとする前にソース配布をインストールするを読んでおくことをお勧めします。


よし、準備はいいかな? いつものように、次の例をあげましょう。Gimppatchの両方があなたのホームディレクトリにあると仮定します。



 
 

この後、appディレクトリにあるMakefileを編集しなければなりません。geditもしくはkedit app/Makefileを実行するだけです。これが見付かるまでスクロールダウンしていきます。

desaturate.h \

そして、desaturate.hの行の後に2行を挿入する必要があります。下記はどうなったのかの例です。バックスラッシュ記号"\"にお気付きでしょうか? この記号を挿入した時、これは後続の文字(この場合、改行文字、つまりエンターです)を読み飛ばすようにと告げているのです。"\"記号の直後にエンターを挿入しなければいけないことが重要な事柄であると覚えておいて下さい。もしそこに改行文字(エンター)ではないスペースや他の文字があれば、Gimpをコンパイルするmakeは失敗してしまうでしょう。

 
 

見てのように、二つの行を挿入しました。devices.cdevices.hです。そして、desaturate.oが見付かるまでスクロールダウンして下さい。それからdesaturate.oの後にdevices.oを挿入します。下の例を見て下さい。

 
 

あとやらなければならないことは、Gimpのコンパイルインストールだけです。

新しいGimpを起動する

XinputをサポートしたGimpを起動する前に、スタートアップファイルを作成するか、Gimpを起動しようとするたびにLD_LIBRARY_PATHを設定しなければなりません。Gimpを気楽につかうためには、スタートアップファイルを作ることをお勧めします。/opt/gimpinput/binGimpというファイルを作成して下さい(geditkeditを開き、私達が用意したサンプルをコピーし、あなたのホームディレクトリでこれをGimpとして保存します)。

 
 

スタートスクリプトを使う前に、これに実行許可属性を与えて、あなたのgimpinput binディレクトリに移動させなければなりません。こののようにします。

最後の行(上のやつ)は新しいXinputが有効なGimpを起動しています。もしGimpのインストールと設定をしている時に何らかの問題に出くわしたなら、Gimpの入手プラグインのコンパイルを読んで下さい。

Gimpのツールを圧力感知ペンに割り当てる

Gimpの新しい機能を使うことができるようにするためには、いくつかの設定をする必要があります。Gimpはそのための親切なGUIを用意しています。ダイアログ|入力デバイスを呼び出して下さい。すると必要な値を設定することができるデバイスダイアログが現れます。

やらなければいけないことは、デバイスドロップダウンメニューのWacomスクリーンモードへ設定することだけです。そして、デバイスドロップダウンリストメニューのEraserスクリーンモードへ設定します。どのような設定にすべきなのかはFigure41.1 を見て下さい。

 
 

終わったら、保存を押して閉じるを押して下さい。これでGimpツールをペンの終端(実際のペンでは消しゴムとなっているところ)に割り当てました。

ダイアログ|デバイスの状態を使ってデバイスの状態を呼び出します。ファイル|新規を使ってGimpで新規画像をつくり、新規画像をカーソルが示すようにタブレットの上でペンを走らせて操縦してみて下さい。Wacomボタンがデバイス状態ダイアログボックスで有効になるでしょう。

道具箱でブラシツールを選んでみて下さい。ペンの向きを変え(消しゴムで指す)、前と同じ手順を踏みますが、今回はブラシツールの代わりに消しゴムツールを有効にします。マウスを持って、デバイス状態ダイアログで保存を押します。

 
 

これでタブレットを使用する準備が整いましたが、これがパッチを当てたGimpであることと、圧力感知がちょっと大雑把であることを覚えておいて下さい。バグもあるでしょう。既知のバグは、デバイス状態ダイアログが更新すべきなのに更新しないということです。しかし、このバグは機能に影響しません。圧力感知が有効になっているツールはブラシだけです。(消しゴムのような)他のツールは自動切り替え機能の利益があるだけです。


Wacom Intuosタブレット

 

Intuosとは何?

IntuosはWacomの最新のタブレットです。これにはツール-ID (どのペンを使用しているかの自動認識)や、エアブラシや、特別な四次元マウスや、そしてもちろんデジタルペンといった、いくつもの新しいツールと機能があります。三つボタンが必要なX11環境での作業を容易にする、ペンと統合されたもっと多くのボタンがあります。

これら全ての機能はGimpやXFree86に対応していません。当然、普通のWacomタブレットとして圧力感知や消しゴムや四次元マウスは使えます。

日常の使用にはまだ時期尚早である開発バージョンのGimp、Gimp 1.1.xは特にIntuosタブレットに非常によく対応しています。(Gimp 1.1.xの試用を参照のこと)

XFree86でIntuos対応を有効にする

Intuos対応を有効にする前に、マウスの代わりとしてペンを使うのセクションと圧力感知と自動切り替えツールのセクションを読んで、それに従って下さい。

下記の例を終えるまでX11を再起動しないで下さい。Intuosに関する限り、(少なくとも)XFree86 3.3.2を持っていれば、XFree86 3.3.3以降を持っていなくても心配する必要はありません。

XFree86 3.3.3.1にはIntuosの一昔前のベータ版ドライバーがありますが、最新開発バージョンのドライバーを入手することをお勧めします(これはお守りのようなものです)。これをダウンロードするところを探すにはXinputを参照して下さい。

Glibcベースのシステムにて

Glibcベースのシステムであれば、XFree86 3.3.2と3.3.3の両方のコンパイル済みドライバーがあります。それ以外では、XFree86の再コンパイルの必要があります。Glibcベースのシステムであれば、同じバージョンのXFree86のコンパイル済みドライバーをダウンロードしてきて、これをモジュールディレクトリにコピーするだけです。

 
 

さあ、Intuosを使うためにXserverかコンピュータを再起動しましょう。

システムがGlibcシステムであるかを確認する

Glibc Linuxシステムではないとしたら、これが何であるかを調べるにはどうすればよいのでしょうか? Glibcシステムであるかどうかを確認するには、このようにlsコマンドを入力するだけです。


 
 

libc-2.0.x.sold-2.0.x.so(xのところは番号)を持っているとコマンドが知らせたら、あなたはGlibcベースのシステムを持っています。

非Glibcシステムなら

これらのファイルを持っていなければ、あなたはドライバーのソースコード、つまりxf86Wacom.cファイルを入手しなければなりません。XFree86の配布ソースコードも入手する必要があります。ドライバーとXFree86の両方のソースコード配布物のダウンロード場所はXinputを見て下さい。

最初にXFree86 3.3.3.1ソースコード配布物を解凍展開して下さい(もしくはもっと新しいもの。古いものはダウンロードしなかったと仮定しています)。そして、xf86Wacom.cxc/programs/Xserver/hw/xfree86/common/ディレクトリにコピーします。

既にXFree86 3.3.2か3.3.3か3.3.3.1を持っているが、Glibcシステムではない場合、システムと合致するXFree86ソース配布物をダウンロードすることが賢明でしょう。Wacomドライバーをリビルドするだけでよいので、これは多くの時間を節約します。

あなたのXFree86バージョンと合致するXFree86のソース配布物をダウンロードして、xf86Wacom.cを適切なディレクトリにコピーしたら、次のようにする必要があります。

 
 

そして、このセクションの前で説明した適切なディレクトリへドライバーをコピーします。


非Glibcシステムと同じくらい古いXFree86バージョンを持っているなら、XFree86配布物全体を再コンパイルしてインストールしなければなりませんが、これはもはやこの本の範囲を超えてしまっています。

Gimp 1.1.xの試用

 

Gimp 1.1.xは開発バージョンのGimpで、開発が完了したらGimp 1.2としてリリースされます。これはまだ開発中であり、使用するには不安定なバグを持っているであろうことを覚えておいて下さい。さらに、あなたにはまだコンパイルできないかもしれません。

それにも関わらず、私達がGimp 1.1.xで何ができるのかについて知っておくことが良いと考えるのは、次のGimpリリースについてくる先進的な情報を提供するためだからです。デジタルタブレットに投資することを考えているGimpアーティストのために、この情報はタブレットを購入する決心の助けになるでしょう。

圧力感知

Gimp 1.1.xは絵筆や消しゴムやインクツールのような、ブラシを使用する全ての描画ツールで圧力感知に対応しています。これは例えば、消しゴムを以前よりもさらに精度良く使うことができるということです。

圧力感知も非常に改善されているため、Gimp 1.0.xにパッチを当てたバージョンのように大雑把ではありません。あなたは非常に素晴らしい線を描くことができ、ペンは圧力と傾きの小さな変化にも反応するようになります。

インクツール

しかし、恐らく最も大きなニュースはインクと呼ばれる道具箱の新しいアイテムです。インクツールは理想のタブレットツールです。これは傾き圧力感知に対応しており、容易に先端の形状を調整することができます、このツールを電子ペンで使用すると、ペンの圧力と傾きに応じてストロークが変化し、達筆な筆書きのようになります。事実、このツールはGimpのインクツールで見られる精度に見合うものなら、本当に高価なインクペンを買わなければならないであろうくらいに良いです。

インクツールのベストを引き出すためにはIntuosタブレットをお勧めします。より古いWacomタブレットや、ROMバージョンが1.4以上のPenPartnerを使うこともできます。しかし、設定がずっと難しく、古いROMバージョンであるためにArtPad IIをテストしていません。

Gimpでタブレットを使う

 

それでは始めましょう

注意: この節はGimp 1.0には当てはまりません。しかし、(Gimp 1.2となる)Gimp 1.1.xでのタブレットの用途をカバーしています。

ペン/モニタ の調整

電子タブレットを使うときによくある誤解は、普通の紙にスケッチするように即座にスケッチすることができるという誤解です。これは間違っています。デジタルペンで描くのはかなり違っていて、これをコントロールするには練習が必要です。

協調はただ一つの最も重要な練習のモメントです。普通の紙では、描いたものを一目見ただけで分かります。タブレットで描いた時には、やったことを見るために視点をペンからモニタへ移動させなければなりません。これは大きな違いです。ペン/モニタの協調の練習をする必要があります。

簡単だが効果的なトレーニング方法をやってみましょう。

Gimpの新規画像を作成し、マウス(と右クリック|フィルタ|下塗り|Gfigプラグイン)でいくつかの円と十字形を描いて下さい。これで、タブレットで描き始めることができます。十字形の周りに円を描き、円の中に十字形を描きます。やがて必要なペン/モニタの協調をマスターできるでしょう。(この演習はIntuosのマニュアルにあります。)

圧力感知を使う

Gimpの通常の圧力感知ツール、絵筆消しゴムエアブラシを使う分には全く問題ありません。あなたがかけた圧力はペイントの量を制御するでしょう。強く圧力をかければもっとペイントされ、逆も同様になります。

デバイス状態ダイアログがGimp 1.1.xではちょっと違っていることに気付くでしょう。これは現在のブラシ(とパターン)がインクツール(ペン先)とコアツール(マウス)と消しゴム(ペンの消しゴム部)と、もし持っていれば四次元マウスに割り当てられていることを表示しています。明らかに、パターンは消しゴムツールによって適用することはできません。ブラシはインクツールによって使用することはできませんが、もちろん割り当てることはできます。例えば、スタンプツールをペンの消しゴム部に割り当てれば、この場合はパターン見本は重要になります。

 
 

インクツールを使う

Gimpの最も適したタブレットツールはインクツールです。このツールでスケッチをすると、あなたは本当にびっくり!と感じるでしょう。あなたがこれまで使ってきた全ての従来のインクペンを凌ぐくらいにツールは良いです。

インクオプション

もしまだ開いていないのであれば、道具箱のインクツールの上で電子ペンをダブルクリックしてインクツールのオプションダイアログを開いて下さい。

· 最初のパラメータスライダーは大きさ感度です。これらのオプションはあなたが使用しているペン先の一般的なピクセルサイズと、インクツールの一般的な圧力感度に関係します。

· 傾斜感度はインクツールのパラメータの最も目を引くものの一つです。
なぜなら、傾き感知がなければ、インクツールは普通の筆のように振舞うでしょう。傾き感知は、タブレットに対して異なる角度でペンを傾けることによりペン先の傾きを変えることができるように、タブレット上の磁界がペンの傾きに反応することを意味します。

傾き感知のペンが実際のインクペンのように振舞うため、未熟な手腕ではマスターすることがより難しくなるかもしれません。しかし、これは比較にならない芸術的な自由を与え、常により洗練されたペンストロークをつくります。事実、傾きを変えなければ描くことができない一定の筆書体フォントがあります。

素晴らしいインクペンを作るため、どちらかといえば高めの値を圧力と傾き感知の両方に設定することをお勧めします。低い値を設定すると、インクペンは鈍い感じになるだけでしょう。

· スピード感度はタブレット上を移動するあなたの手のスピードに対し、どのくらいペンが反応するのかを制御するパラメータです。素早くスケッチをした時には、ちょうど普通のペンでするように、ペンストロークは細くなり、スピードを落とすと太くなります。鉛筆のスケッチような多量の線を描くのなら、このパラメータを高い値に設定すべきです。

· 角度補正は傾き感知に依存しています。角度補正は筆ペンの先端の形状からはなれることができます。角度補正が高いほど、形づくられるペン先の形状の変化が多くなります。もしあなたが経験豊かで達筆なアーチストで、いつも描くようにある一定の固定された角度で(そして時々ある効果を得るために別の角度にペンを傾ける必要がある)伝統的なインクペンを使えるなら、このオプションは特に面白いです。

ペン先の種類と形状の調節

Gimpのインクツールは三つの基本的なペンの種類、円形方形菱形から選ぶことができます。ペンの種類を選んだら、形状プレビューウィンドウの中で形と傾き角度を手動で調節することができます。

以前に伝統的なカリグラフィックペンで作業をしたことがあれば、とくにカリグラフィックテキストを書く時には、異なる効果をつくるためには多くの異なるペン先を使わなければならないことを知っているでしょう。また、あなたが太くて大きなペンストロークで作業することを好むのなら、ペンストロークの開始と終了の形に強い影響を持つので、適切なペン先の形状を選ぶことが非常に重要になります。


 
 

方法と助言

美術の先生が黒板にスケッチを描くところを見たことがあります?瞬く間に描いてしまって、しかも非常に完璧のようです。これは当然ながら非常に印象的です。しかし、あなたは先生がずるをしていたのを知りません。

授業の前に、彼はほとんど目に見えないくらいに薄い補助線を引き、小さな点を打っていたのです。彼には線が見えますが、距離があるため、あなたには見えません。

同じことがコンピュータグラフィックにも当てはまります。非常に写実的なドローイングは、通常テンプレートとして写真から作られます。電子タブレットなら、こんなことはお茶の子さいさいです。タブレットに写真を置いて描くだけです。画像をトレースするのは簡単なのです。


想像上のものをペイントしたいときでさえ、テンプレートやモデルとしていくつかの写真を使うことができます。


紙にスケッチすることに慣れていれば、タブレットは役に立ちます。いつものようにスケッチをして、そしてタブレットの上にスケッチを置き、それをトレースするだけです。新しいタブレットにだんだんと慣れてくれば、紙の段階をスキップして、Linuxワークステーション上で直接スケッチをしたいかもしれません。


簡単なチュートリアル

もちろん、アーチストの数だけWacomタブレットを使う方法があります。実際の紙とインクペンと同じように、電子インクペンとタブレットでも、ほとんどの伝統的なドローイングの技術が使えます。

あなたが自分のペインティングとドローイングを創造するとき、このチュートリアルがGimpとタブレットの使い方のアイデアを与えうることを願っています。


 
 

テンプレートとパレットを作成する

1. 古いカラー写真から始めました。写真をスキャンして、Gimpに取り込みました。そしてインデックスカラーモードに変換しました(右クリック|画像|インデックス)。インデックスオプションダイアログで、256色のオプションパレットを作成することを選びました。

2. テンプレートとして用いるには写真が小さすぎたため、私達の白黒レーザープリンタからレターサイズの出力を作りました。


3. 次の手順は、右クリック|画像|パレットの保存コマンドでインデックス画像からパレットを作り出すことです。新しいパレットに名前を付け、新しいパレットが利用できるよう、カラーパレットダイアログからオプション|パレットの再読み込みコマンドを適用しました。
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スケッチを描く

これで、Wacomペンを使い始めることができます。

5. このレイヤーに最初のスケッチを描きます。印刷された画像をテンプレートとして使えるよう、タブレットの透明なプラスチックシートの下に印刷した写真のコピーを置きました。

6. 道具箱でインクツールをアクティブにし、インクオプションダイアログにアクセスするため、インクツールのシンボル上でペンの先端を使ってダブルタップしました。

7. オプションダイアログでは、0.8に上げた傾き感度以外はデフォルトの値を使用しました。菱形形状のペンタイプを使用し、Figure41.7にあるように手動で傾けました。


 
 

8. テンプレートの輪郭に沿って、シャドウ領域を強調したいところでは太い線を、明るい、ディテール部分では細い線になるように、様々な圧力で簡単なドローイングをしました。


スケッチを塗る

9. 次のステップはインデックス画像から作成したパレットを開くことです。私達はペンを自由選択(投げ縄)ツールに割り当て、顔と腕と足を選択しました(複数の点在する領域を選択するにはShift+投げ縄を使用する)。そして、インデックスパレットから肌色の色見本の一つを選び、塗りつぶしツールを使って塗りつぶしました。輪郭が損なわれずに残るよう、塗りつぶしツールは後ろモードを使いました。

 
 

10. ベースカラーを割り当てたあと、新しい透明レイヤーを追加して、色パレットからの色を使って塗りを繰り返しました。デモンストレーションとして、二つの異なるテクニックを使いました。顔のところにボリュームをつけるため、大きくて低い不透明度のソフトなブラシのブラシツールに切り替えました。そのブラシを使い柔らかな影と肌の色合いのブレンドを塗りました。腕と足のために、再びインクツールを使いました。短いきりっとしたストロークと細いペン先で、クレヨンのような効果を出すようにしました。

 


 

ドレスを作る

11. ドレスとハンドバッグと髪の毛のために、パターンダイアログのデフォルトパターンのいくつかを使用しました。そして、オーバーレイまたは乗算モードにして、大きくて柔らかなブラシを低い不透明度で使うことによって、ちょっと立体的な効果を追加しました。

 
 

背景を塗る

背景のために、雑踏の白黒写真を使いました。ドローイングを作るために、写真をドローイングに変換するで説明したのと同じ方法を使いました。

12. スキャンした画像を白の背景レイヤーにコピーし、その上に新しい白のレイヤーを置きました。黒く塗るストロークが透明になるように、このレイヤーをスクリーンモードに設定しました。

13. 下の画像を見ることができるように、しばらくスクリーンレイヤーを通常の半分の不透明度に設定しました。傾きスピード感度を最大値に設定したインクツールを使ってドローイングを作成しました。

14. 画像の輪郭や面の方向に沿うように努めた、たくさんの速いペンストロークを使ってスケッチが作られています。二つのレイヤーの組み合わせは、スケッチ風の品質を損なうことなく、多くのディテールを持ったドローイングを作っています。

15. 荒いところをスムーズにするため、いくらか右クリック|フィルタ|ぼかし|ガウシアンぼかし右クリック|フィルタ|歪み|明度伝搬を加えました。最後のタッチは、右クリック|フィルタ|芸術的効果|キャンバス地でテクスチャーを少し追加することです。


 
 

** 訳注 **

これを書いている時点で(2001/08)、LinuxのUSBサポートはそれほど悪いものではありません。カーネル2.4以上では標準でUSBに対応しています。カーネル2.2の場合では、USBに対応させるためのパッチがあり、Linuxディストリビューションによっては最初からパッチが当たっている物があります。しかし、カーネル2.0より下を使っている人は、カーネルのバージョンを上げるか、USBを諦めてシリアルのタブレットを使うことになります。Windowsの場合では、Windows2000、Windows95OSR2.1以降(正式対応はWindows98以降)でUSBに標準で対応しています。戻る

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