A blue Destiny
第16話 椎の実の人


 アイグレッテから東に進み、大陸の突端部にあたる場所にアイグレッテ港が作られている。
 どうせ作るならアイグレッテのすぐ近くに作ればいいとも思うのだが、そのためには船を内海に入れる必要がある。しかし、そのあたりは水深が浅くて大船は入って来れないらしい。
 それで今のこの位置にあるのだ。大洋に面してはいるものの、北にある山が港を囲うようにそびえているので、波も穏やかで船が停泊するには絶好の場所になっていた。
(そんなことを誰かが言ってた気がするな)
 誰かが誰なのか思い出すよりも早く、リュウマとサフィナは旅客で賑わうアイグレッテ港に辿り着いた。

「大きな船だね」
 そのあたりの民家よりもはるかに大きな船を見つけて、サフィナが面白そうに指をさす。
 船はその一艘だけではない。商船や客船、大小様々な船が碇を下ろして水の上にぷかぷか浮かんでいる。
「私達はどの船に乗るの? あれ?」
 あれ、とはさっきからサフィナが指さしている大船である。
「いや、さすがにあの船は無理だよ」
 その大きな帆にはファンダリア軍の紋章が描かれているのだ。つまり、軍船であって民間人を乗せてくれるはずもない。
「まあ、どの船に乗るのかは港まで行ってみれば分かるよ」
「そうだね。じゃあ早く行こ」
 リュウマが歩き出すよりも早く、サフィナはさっさと走って行った。
 見るもの全てが珍しいのか、旅に出てから彼女はよくはしゃぐ。もちろん良いことには違いないので、リュウマも頬を緩めながら後を追った。



「う、うぅぅぅ……」
 それからほぼ一時間後、二人は船に乗っていた。
 港に着くと、ちょうど出港直前の船があり、駆け込むようにしてその船に乗ったのだ。
「う、う〜ん」
 行き先も予定通りにカルバレイスのチェリク港。もっとも、アイグレッテ港から出る遠距離の船の7割はチェリク行きなので、運が良いというほどではない。
「うっ、うぅ〜……」
 どうしてチェリク行きが多いのか。
 昔はセインガルドとファンダリアのあるいわゆる“第一大陸”の東側を通る航路もそれなりに栄えていたのだが、18年前のベルクラントの被害によって世界の海の様子もだいぶ様変わりした。水深が浅くなったり、あちこちに小島ができたり、さらに潮流までが大きく変化してしまい、航海に適さない海域も生まれたのだ。
 特に第一大陸東回りの航路は被害が大きく、通る船も激減してしまった。これは、セインガルドの首都だったダリルシェイドがあそこまで衰退したことの一因にもなっている。
「ぁう〜……」
 さて、先ほどから散々唸っているのは誰なのか。そして、どうしてこんな苦しそうな唸り声を上げているのか。
 後者に関しては簡単である。船酔いだ。
「あの、サフィナ。大丈夫?」
「ん、ん〜……」
 意外なことかもしれないが、船酔いしているのはサフィナである。
 彼女の顔色が悪くなったのは、船に乗ってあてがわれた船室に入った直後だった。そのままベッドに寝転がり、そして現在に至っている。
(嬉しそうな顔が見られるようになったかと思ったら、今度は苦しそうな顔か……)
 かわいい顔を歪めながら、虚ろな視線で天井を見るサフィナ。彼女のそばに椅子を運んで腰かけながら、リュウマはそんなことを考えていた。
 ちょっと笑ってしまったのは失礼でなくもない。しかし、それに気付いている余裕などサフィナにはないはずだ。
「薬とか、船員さんに言ったらもらえるかな。ちょっと行ってくるよ」
 ほうっておいて大丈夫かなとも思ったが、ともかくリュウマは部屋を出て行った。
 後ろのほうで、サフィナが“あぅ〜”とか言いながら小さく手を振っている。


 いまいち勝手の分からない船内を歩き回ると、はからずも甲板の上に出てしまった。
 右はどこまでも続く海、左にはアイグレッテの北に広がる山々がやや霞んで見えている。
「海も山も綺麗だね」
「でも君ほどじゃないよ」
 ……などと絶対にありえそうにないサフィナとの会話を想像しつつ、リュウマは船の甲板を歩いて行く。
 他の船客も、何人かが甲板に上がってきている。商業、巡礼、旅行、武者修行などなど、目的も様々な老若男女……なかには先ほどリュウマが妄想したような会話を交わしていそうなカップルもいた。
 ちょっと羨ましくもあり、ムカツクような気もしないでもない。
(おっとっと、それどころじゃない)
 雑念を振り払い、リュウマは広い甲板の上を見渡してみる。すると、掃除でもしていたのか、モップとバケツを持った若い船員の姿が目に入った。

「あの、すみません」
「はい?」
 近くに行って呼び止める。爽やかな笑顔を向けて、船員は立ち止まってくれた。
 背が高く、海暮らしの人らしく色が黒い。年齢も含めてロニに似ている青年だった。
「一緒に船に乗ってる子が酔ったんです。薬とか、どこかでもらえませんか?」
「それは大変ですね」
 と、言ってはくれるものの、顔はさして慌てていない。よくあることなのだろう。
「ちょっと待っててくださいね。取ってきますよ」
 モップの先をヒラヒラさせながら、船員は船の中へと続く階段を駆け下りて行った。
 他人のためにあんなに必死に……良い人というのはいるものだ。


「さてと……」
 とりあえず、船員が戻って来るまでやることがない。
 甲板を囲う手すりのほうまで寄って行き、リュウマは何となく海を見下ろしてみた。波が船にぶつかって、白い線を海の上に残している。
(いいもんだなぁ、船旅っていうのも……)
 潮の匂いをたっぷり含んだ風を受け、リュウマは嬉しそうに目を細める。
 しばしの間、ゆっくりとした時間が彼を包んだ。
「あっ、わっ、ちょっと……!」
 だが、そんな静かな時間に割り込むように、誰かが後ろのほうで慌てたような声を出す。ほとんど同時に何かをばらまくような、細かい何かが大量に床に落ちる音がした。
「……ん?」
 と、振り向くまでもない。船の揺れに運ばれて、落ちた何かはリュウマの足元まで転がってきていた。
「何だ、これ?」
 いくつか一緒に転がってきたうちの一個を拾い上げ、リュウマは首を傾げる。
 小さな金属の塊で、形も大きさも椎の実によく似ているが、かと言ってアクセサリーにも見えないし、機械か何かの一部だろうか。
「ちょっとそこの人! ボケッと見てないで拾ってよ! こ、転がる……」
「え? あ、はい」
 ボケッと見ているそこの人……おそらく自分のことなんだろうなぁと思いつつ、リュウマは甲板に視線を移した。
 手と足の指を全部使っても足りないほどの金属製の椎の実が、あちらこちらに転がっている。その中心近い位置には女性が一人、甲板に屈み込みながら慌てた様子で椎の実もどきをかき集めていた。
(何で僕がこんなこと……)
 と、思わぬでもなかったが、無視するわけにもいかない。リュウマも膝をついて屈み込み、自分の周りの椎の実もどきを拾い始める。揺れる船の上でのこんな作業は、意外と難しかった。

「あの〜、僕の近くに転がってきたのは集め終わりましたよ」
 ポケットの中いっぱいに椎の実もどきを詰め込んで、リュウマは屈んだままの女性に近付いていく。どうやら女性のほうも拾うのを終えたらしく、今は手も動かしていない。
「あぁ、ありがとう。この中に入れてくれる?」
 そう言って女性は古い革の袋をさしだした。手の平の上に乗ってしまいそうな小さなその袋には、リュウマが拾ったのと同じ椎の実もどきが入っているようだ。
 また落さないように気をつけながら、リュウマはズボンのポケットから中身を取り出す。
「まさか袋の底に穴が開いてるとはねぇ。まあ、ずいぶん長いこと使ってるから仕方ないんだけどね」
 誰にともなく呟く女性の顔を、リュウマも見るともなく見てみる。
 緑の長い髪が頭の後ろでまとめられ、これまた長い前髪の下に顔が見える。すらりと鼻筋が通り、切れ長の目が綺麗な美人である。年齢は20代の前半といったところか。
「ん、なに?」
 ついつい見入ってしまっていたようだ。視線に気付いたのか、女性が顔を上げてリュウマのほうを見た。
「あ、いや……それ、いったい何なのかなって思って」
 それとは、リュウマが拾った椎の実もどきのことである。
 とっさに作った話題だったが、女性は特に疑いも持たずに袋の中に視線を戻した。
「これのこと? これは弾」
「……たま?」
 それだけ言われただけでは分からない。
「もっと言うと銃弾」
「じゅうだん……」
(床の上に敷く厚手の織物は……)
 じゅうたん。
(複数の人や物が集まって……)
 それは集団。
(千の十倍……)
 十万。
 と、頭の片隅でそんな馬鹿々々しいことを考えるリュウマ。
 しかし、また別の部分には少しは真面目な細胞があるようで、銃という聞き慣れない武器のことはいちおう思い出していた。
 銃が開発されたのは天地戦争以前だという。当初は火薬の力で中の弾丸を飛ばしていたらしいが、天地戦争時代にはレンズの力を応用して様々な形態の銃器が開発されたらしい。その後、戦争の再発を恐れて科学の進歩がほとんどストップして以来、銃という武器もどんどん廃れていったという。最近になってオベロン社が銃の研究もしていたという話も聞くが、18年前に潰れてしまって定かではない。
 今は一部の猟師が狩りをする時に使うくらいで、リュウマも実物を見たことはない。
「へぇ、これが銃弾かぁ」
 リュウマが珍しそうに革袋の中をのぞきこむ。パッと見ただけでも百個以上の椎の実もどきが入っていた。
「あなた、ずいぶん若いようだけど旅の剣士?」
「え? まあ、そうですね」
 旅に出たばかりな上、たいして剣の腕に自信もないが、旅の剣士と言えなくもない。リュウマは顔を上げ、自信なさげに頷いた。
「ふ〜ん」
 女性の顔が、思ってたより近くにあった。ちょっと慌てた。

「お待たせしました」
 と、そんな時にさっきの船員が戻ってきたようだ。
 うっかり見入ってしまっていた女性の顔から目を反らし、リュウマは立ち上がる。船員の片手には、茶色い紙の袋が握られていた。
「この中の錠剤を三粒、朝と夕方に水で飲ませてあげてください。完全に船酔いが治るわけではないですが、少しは楽になると思いますよ」
「え? 治るわけじゃないんですか?」
「船酔いって言うのはね、一度酔ってしまうとなかなか治らないんですよ」
 そんなもんなのだろうか。
 まあ、海のプロが言うことなので間違いはないだろう。リュウマは船員から薬の入った紙袋を受け取った。
「それじゃあ、400ガルドになりますね」
「へ?」
「いや、400ガルド。まさか、タダでもらえるとでも思っていたんですか?」
 思っていた。
 しかし、ここで首を縦に振って金に汚いヤツだと思われたくない。とっさに判断して、リュウマは頷くのをやめた。
「仕方のないことよ」
 と、ここで話に入ってきたのは、さっきの椎の実の人である。椎の実の人というのも失礼な呼称だが、本名を知らないリュウマの中ではこんな呼び名が誕生していた。
 どうやら彼女はリュウマの考えていることが分かったらしい。
「船乗りの仕事って言うのは、キツイ割には賃金が安いしね。こうやって小遣い稼ぎをしないと、なかなか生活できないのよ。そうでしょ?」
 別に咎めるわけでもなく、椎の実の人は船員に向かって確認をする。船員はちょっとバツが悪そうに頭をかいて、そして頷いた。
 まあ、別に払わないつもりはない。リュウマは財布を取り出して、その中から400ガルドを支払った。
「どうも」
 嬉しそうに400ガルドを受け取って、船員は大事そうに自分の財布にしまいこむ。
 なるほど、旅をすると色々なことを知ることが出来ると聞いたが、こういった船員たちの裏事情もそのひとつかもしれない。
 まだ仕事が残っているのだろう。小走りで船内へと戻って行く船員の背中を見送りながら、リュウマは少しだけ勉強した気分になっていた。

(さてと、そろそろサフィナのところに……)
 薬を持って行ってやらなければならない。そう思ってリュウマが歩き出そうとした時だった。
「なんだと! 300ガルドは高すぎるだぁ!!」
 甲板の向こうのほうから聞こえてきたのは、そんな乱暴な怒鳴り声である。思わず立ち止まり、リュウマは声のしたほうを見た。椎の実の人も、同じ方向を見ているようだ。
「だ、だから……アップルグミ一個に300ガルドは高いんじゃないかと」
「ここは陸の上じゃねえ、船の上だ! 船の上には船の上の相場ってのがあんだよ!」
 怒鳴り声を上げているのは、大柄な図体をしたこの船の船員のようである。さっきリュウマに薬をくれた船員とは違い、一見して柄の悪そうな強面をしている。
「おら、つべこべ言わずに払いな! さっさとしねえと、海に叩き落すぞ!」
 刺青のある太くて毛深い腕を突き出し、男は向かい合っている旅行者風の中年男性の襟を締め上げた。
 ちなみに、アップルグミは普通100ガルドで店頭に並んでいる。
 リュウマは知らないだろうが、船員達が船で売っている品物は問屋で安く大量に仕入れた物で、定価で売ってもそれなりに儲けにはなる。300ガルドは欲張りすぎだ。
(良かったなぁ、僕が声をかけた船員さんは良い人で)
 向こうの様子を眺めながら、リュウマは内心でホッとしている。
 ところで、やはりこういう場合は助けに入るべきだろうか。いや、本当なら助けに入るべきなのだろう。
(けどなぁ……)
 柄の悪い船員の筋肉質な身体を見ていると、ちょっと足が止まってしまうのもまた事実。

 そんなこんなで進むべきか見守るべきか、ぐずぐずとリュウマは迷っている。だが、どうやら事態はそんな情けない主人公を放っておいて、勝手に動いていくらしい。
「ちょっとちょっと」
 いつの間に割り込んで行ったのだろうか。船員と中年男性の間に立って、さっきの椎の実の人が手を上げて船員を制している。
「法外な値段で売ることには目をつむるとして、嫌がってる人にまで物を買わせようとするのは押し売り以外の何物でもないわ」
 彼女の身長は、女性としては高いほうかもしれない。だが、前に立つ船員はそれよりずっと高い。自分の頭よりも高い所にある船員の顔を見上げながら、椎の実の人は普通の声音を崩さずに言う。
「押し売りは良くない。陸の上でも船の上でも、それは守りなさい」
 しかし、かえってその落ち着いた口ぶりが気に入らないらしい。最初から引きつっていた船員の顔が、ますます赤く上気してきた。
「なんだと、この……!」
 振り上げられた船員の手が、中途のところでピタリと止まる。
(あっ、あれが銃!?)
 離れたところから眺めていたリュウマ。椎の実の人が構えた武器を見て、珍しさに見入ってしまった。
 黒光りする長い金属の筒が、船員の額に向けて突きつけられている。その先から弾が飛び出すのは、リュウマも知っている。ずいぶん長く重そうだが、椎の実の人はそれを右手だけで支えていた。
 その根元、手に握る部分にはおそらく複雑な仕掛けが施されているのだろう。そこを引いたら弾が出てくるであろう引き金に指をかけ、椎の実の人は船員を睨んでいる。
「おい、何の真似だ、姉ちゃん」
 船員は銃を知らないのだろうか。
 しかし、相手の先ほどまでとは違う厳しい表情に、何かを感じ取っているのは確かだ。動こうとはしない。
「言ったでしょう、押し売りはやめときなさいって。言うこと聞かないなら、あなたの頭に穴が開くわよ」
(頭に穴?)
 そんな威力があるのだろうか……銃を知らないリュウマには信じられない。あんな小さな鉄の塊、いくら当たったとしても穴が開くとまでは思えない。
 どうやら、それは船員も同じらしい。
「けっ、ふざけんじゃねえ!」
 再び拳を振り上げた。
 椎の実の人を正面から殴るつもりだ。思わずリュウマが助けに入ろうとした時……
「!?!?」
 パァン……と、鼓膜に思いっきり響いてくるような爆発音が鳴り響いた。
 おそらく甲板にいた人間の全員が、その音の発生源に眼を向けただろう。音の余韻が消え去っても数秒間、船の上は完全に静まり返って波の音だけが静かに聞こえてきた。
「…………」
 もちろんリュウマも例外ではない。開いた口を閉めようともせず、しばし呆然と立ち尽くしていた。
 音がする前よりもやや上に向けられた銃の先からは、薄く白煙が立ち上っている。椎の実の人はその銃を相変わらず右手に持ち、そして足元をジッと睨んでいた。
 その足元で、船員が尻餅をついている。右のこめかみの毛が、少し焦げているのは気のせいだろうか。
「……ふ」
 と、ちょっとだけ笑ったような様子を見せて、椎の実の人は銃を下ろした。
「これに懲りたら、もうセコイことを考えるんじゃないわよ」
 言い残し、彼女はくるりと船員に背を向ける。もう立ち上がる気力もないのか、船員は女性の後を目で追うこともしなかった。


「どう? 驚いた?」
 自分がどれだけ人を驚かせたことか……そんなことをまったく気にもしない表情で、椎の実の人はリュウマの方に戻ってきた。
 それに対しては何も答えず、ただリュウマは頷くだけだ。まだ驚きが抜けないらしい。
「そっかそっか、そりゃ良かった」
 椎の実の人は満足そうだ。ちょっと興味深そうに近付いて来て、それだけでなく彼の顔から足元までをゆっくりじっくり眺め回した。
「ねえあなた、名前は何て言うの?」
「え? リュウマ=フィリス、ですけど」
「ふむふむ、リュウマね」
 確認するように頷きながら、椎の実の人はリュウマを観察することに余念がない。
「あの〜」
 とりあえず、困った顔して言ってみる。
 文句を言うつもりはないのだが、こうジロジロ見られていい気はしない。しかし、そんなリュウマのささやかな抵抗など、どうやら通用しない様子である。
「ちょっと聞くけど、剣の腕はどれくらい?」
「え? え〜っと、人並みくらいです」
 ついつい答えてしまうリュウマ。
「ねえ、あなたはカルバレイスに何しに行くの?」
「何って言われても……」
 目的と言えば、サフィナの記憶の手掛かりを探すという実に漠然とした目的しかない。
「特に目的もなく、ただ単に旅をするだけってとこですかね」
「船酔いの薬を買ったってことは、旅の連れがいるってことよね。一緒に旅してるのも剣士さん?」
「いえ。一緒にいるのは、まあ普通の人です」
 記憶喪失のサフィナは、はたして普通と言ってもいいのだろうか。
「なるほどね。ま、贅沢言ってたら切りがないしね……」
 少しだけ考えるような様子を見せて、やがて椎の実の人は何かを決めたように手をポンと打った。
「良かったらさ、私と組んで一仕事しない?」
「え?」
「私の名前はナビリア=デュナミス。その道じゃ少しは知られたトレジャーハンターよ。よろしく!」
 右手を突き出し、握手を求める椎の実の人……あらためナビリア=デュナミス。その様子から察するに、すでにリュウマが了承するのは決定事項らしい。
 ついついリュウマも右手を出して、そして握手してしまった。流されやすいと言うか何と言うか。
(何やってんだ、僕)
 自分自身に呆れざるをえない。
 しかし、それよりも……
(あれ? ナビリア=デュナミス……デュナミス?)


 …つづく






  ……あとがき……

プリムラ「今回さぁ、勝手な世界観の考察がちょっと多くない?」
 まあ、たまにはそんな回もありますよ。気にしちゃダメ。
プリムラ「この世界、ホントに銃って珍しいの?」
 まあ、多分ね……
 それはともかく、謎の新キャラ・ナビリア=デュナミス……彼女は一体何者なのか?
プリムラ「それは次回のお楽しみ……って、あんまり謎もなさそうだけどね」


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