結晶構造
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 導体、半導体、絶縁体
  金属の低効率は10−8〜10−6Ωm程度であり、絶縁体の低効率は108Ωm程度以上の値を示す。
  半導体はこれらの中間の値10−6〜104Ωm程度の低効率を示す固体の総称である。
  


 結晶、多結晶、単結晶、非晶質
  固体は、結晶(crystal)非晶質(amorphous)とに大別される。
  結晶は、原子または分子が規則正しく配列したものである。
  結晶全体が1つの結晶であるものを単結晶(single crystal)と呼ぶ。
  多くの半導体デバイスは、単結晶半導体を母材として製作されている。
  小さな単結晶の集まりであるものを多結晶(poly crystal)という。
  多結晶半導体は、単結晶半導体より製造が容易で、
   太陽電池の母材や、
   単結晶半導体を母材とする半導体デバイスの一部
  として広く用いられている。
  非晶質は、原子または分子が不規則に配列しているものである。
  非晶質半導体は、単結晶や多結晶の場合と異なり、
   ガラスを始めとする各種の母材の上に薄膜状に比較的容易に製作でき、
   大面積化も容易である
  ため、太陽電池や表示デバイスなどに広く用いられている。
  
  
  
 結合
  結晶を形成している原子間には、化学結合力が働いている。
  化学結合には、
   共有結合(covalent bond)
   イオン結合(ionic bond)
   金属結合
   水素結合
   ファン・デル・ワールス結合
  などがある。
  半導体結晶では、共有結合とイオン結合が重要である。
  半導体デバイスの9割以上が母材としているシリコンは、共有結合により結晶が構成されている。  
  原子の最外殻が閉殻になったときに原子間の結合はもっとも安定になる。
  シリコンやゲルマニウムでは、4個の価電子をお互いに共有することにより、見かけ上、閉殻になっている。
  シリコンやゲルマニウムは、正四面体構造をとっている。
  


 結晶構造
  結晶中での原子や分子の配列の規則性を結晶構造という。
  それは7つの晶系
   三斜
   単斜
   斜方
   菱面体
   正方
   六方(hexagonal)
   立方(cubic)
  と、4つの単位格子
   単純
   底心
   面心(face center)
   体心
  の組合せにより分類される。
  
  Siを中心とする多くの半導体は、面心立方格子を対角線上に1/4だけずらした構造をとっている。
  このうち、1種類の原子により構成されている場合をダイヤモンド(diamond)構造という。
  SiやGeは、立方晶であり、この構造をとっている。
  炭素がこの構造をとるとダイヤモンドとなる。
  また、それぞれの面心立法格子が異種原子によって構成されている場合を閃亜鉛鉱(zincblende)構造という。
  GaAs(ガリウムヒ素)やInP(インジウムリン)は、立方晶であり、この構造をとっている代表例である。
  GaAsやInPでは、共有結合のほかにイオン結合の寄与がある。
  単位格子の長さを格子定数(lattice constant)といい、原子間隔を特徴づける値である。
  
  Si面方位は、立方晶格子のx,y,z軸で規定された結晶面を示したものであり、(100),(110),(111)が代表的な面方位である。
  面方位によってシリコン原子間距離が異なり、そのため多少微視的な性質も変わってくる。
  (111)の格子定数が最も短く、(100)は90度の回転に対し対称である。
  劈界面の(111)面を含む(110)方向への劈開が容易であることで、MOSデバイスには最もよく使われている。



 結晶の不完全性
  現実の結晶には、原子配列の規則性に乱れがある。
  また、結晶の大きさは有限であるから結晶の表面や境界に特異な状態が生じる。
  これらを格子欠陥(lattice defect)と呼ぶ。

  代表的な格子欠陥
   点欠陥
    ・格子間原子(interstitial atom)
      規則的に並んだ原子間の隙間に入り込んだ原子。
    ・空格子点(vacancy)
      原子が欠けている点。
    ・不純物原子(impurity atom)
      結晶を構成する原子以外に含まれる異種原子。
       不純物原子が構成原子に置換する置換形(substitutional)と、
       不純物原子が格子間原子となる割り込み形(interstitial)
      がある。
      半導体デバイスでは、この不純物原子の種類と濃度を制御することがきわめて重要である。
   転位(dislocation)
    結晶中の原子配列の規則性にずれやすべりが生じたものが転位である。
    すべりの生じ方により、
     刃状転位(edge dislocation)、
     らせん転位(screw dislocation)
    がある。
    転位近傍には空格子点などの点欠陥が存在していることが多い。
    そして、転位自身またはその点欠陥が半導体の電気的特性に大きな影響を与える。
    また、刃状転位、らせん転位、および、この両方の成分をもった複合転位を総称して完全転位と呼ぶ。
    このほか、不完全転位と総称されるいくつかの転位が知られている。
    また、積層欠陥(stacking fault)とよばれる面状の欠陥がある。
    積層欠陥は不完全転位で取り囲まれており、転位と密接な関係がある。