
減感作療法 とは
減感作療法(げんかんさりょうほう)とは、IgE抗体が関与するアレルギー疾患(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎)に対し、原因抗原を定期的に投与(一般的には注射)し、原因抗原に対する過敏性を低下させようとする治療法である。脱感作療法、アレルギー免疫療法ともいう。現在存在する、上記のアレルギー病の唯一の根治療法である。欧米、特にアメリカでは減感作療法が確立していて、この療法でアレルギー患者が治っていくため、日本では数十種類以上ある抗アレルギー剤は、アメリカでは数種類しかない。抗アレルギー剤はアレルギーを根治するまでの対症療法薬として位置付けられている。
注釈 New !
減感作療法はあまり効かないと誤解する先生方がいらっしゃいますが、その背景には効果のある治療をする環境が少々困難という現実があります。日本には杉花粉のエキスはありますが、ヒノキ、シラカバ、ダニ、カビ等のアレルゲンは日本には無い為 私はアメリカから輸入したアレルゲンエキスを注射してもらっています。(体にアレルギーを起こす原因物質、花粉症の場合はスギやヒノキ花粉、喘息の場合はダニやカビの菌子等をアレルゲンといいます)
私の場合、約30年程前から(中学生ころ、当時花粉症という症状が知られていなかった・・・・)12月終わり頃〜4月下旬まで目がかゆく 鼻水がずるずる出る、鼻が詰まるので口で息をする、その為 口の奥から咽までがかゆくなる等 医者に行って診てもらっても、”熱の出ない風邪です”と診断されていました。(当方、現在40歳代後半・・・男)
当時は毎年花粉の時期(当時は原因知らず・・・・・)、目薬をさしたり鼻炎カプセルを飲んで眠くなったり・・・・という症状が続きました。
30歳頃、テレビを観ていると なんと花粉症という症状があるらしい・・・・
なんと自分はこれと同じ症状ではないか!と当時気がつき減感作療法を始めました。
減感作療法の治療期間には確かに個人差があると思います。花粉症で減感作療法の治療をして3年過ち まだ症状が出るので止める、という方がいました。”でも症状は軽くなった、以前よりつらい期間は短くなった”と言っていました。
花粉症の場合、不快感がどれだけあるかどうかで減感作療法で”絶対に直すんだ”という意気込みがあるか無いかで、数年治療した後 そのまま治療を続けるか中断するかという選択になると思います。
喘息患者の方の場合はもっとでしょう、この段階で喘息重症患者の方がアレルゲン最高濃度の数千分の1、数百分の1迄しか到達していないとしても、その時点で下記に解説する様にスクラッチテストでアレルゲンを調べ治療してきたので、その方法を継続するのがが最も好ましいと思います。ステロイドでの対症療法で発作を抑えても、喘息アレルギーは現時点より決して良くはなりません。
私の場合は治療開始後(平成5年5月開始)、確実に翌年の花粉飛散時期より期間も症状が緩和されていました。
”花粉症治療には2〜3年はかかる”・・・・、3年過ち確かに症状は軽くなったのだが、やはり花粉飛散ピーク時2週間位目がかゆくなったり鼻水が出たり・・・しかし3年前より全然不快な期間が短い・・・・
その当時喘息で通院されていた当時からの先輩患者は、”殆どその後発作は出なくなり、救急車を呼ぶ事が無くなり良かった。”と言っていましたし、現在も病院でよく会います。
現在私は治療開始以来、他のアレルゲンもブレンドして(計20種類位)注射してもらっていますが、私にとって主アレルゲンである”スギ”
”標準化アレルゲン治療エキス「トリイ」スギ花粉 2,000JAU/mL”
http://www.torii.co.jp/iyakuDB/data/tekisei/alg/sa_genkansa.pdf#search='エキストリイ 2000'
を現在、毎週1回0.4ml注射しています。
15年前は、エキストリイ(当時の濃度は現在の標準化アレルゲンエキスと濃度が異なります)を1万分の1に薄めたアレルゲンを0.01ml注射して反応が翌々日まで残る事が1ヶ月も続きました・・・・
なにしろ私は重症でしたので、根性で細く長く治療を続けてきた結果だと思っています。
減感作療法を推奨していただけない機関、会社、薬剤師様等どちらか様がどんなに減感作療法を否定されようとも、薬を飲んだり目薬をささなくても、現実に私はマスクも何も付けず、鼻水も目のかゆみも くしゃみ もしないで普通に過ごせる様になったのが事実なのです。
私のお世話になっている先生の他の患者さん作成のブログが下段の外部リンクにあります。
そちらからクリックしてご覧いただければ、具体的な治療法方等がブログを辿ると見つける事が出来ると思います。
私は東京都内に住んでいますが、本当に効果のある減感作療法をして頂ける先生が全国にもっと増える事を切願します。
花粉症重症患者の私が、長年をかけて減感作療法で花粉症をほぼ克服した事実を元に、正しい減感作療法とそのメカニズムを以下に解説させて頂きました。
アレルギーの仕組み
アレルギー(allergy)という言葉の語源は、ギリシア語のallos(他の、異なった)とergon(仕事、反応)の組み合わせで、「普通と違う反応」という意味である。人間の身体には、免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質の抗体が存在する。そのうちの一つがIgEである。そのIgEの量が多い人間がアレルギー体質の人間ということになる。元来IgE抗体は、寄生虫などに対する抗体として人間の身体を守った。したがって、生物学上はIgE抗体の多い人間が生存するのに有利だったということになる。しかし、現在のように衛生環境が向上したりして、寄生虫に接触する機会がほとんどない、ということになると、今まで寄生虫に対する防御反応として働いていたIgE抗体が、ダニやカビや花粉などの吸入性アレルゲンや、食物などの食餌(しょくじ)性アレルゲンに対して反応を示すようになった。その結果、アレルギー体質の人間は、アレルゲンに接触するとアレルギー反応を起こすこととなった。 また、症状がどこに出るかは人によって違う。アレルギー性鼻炎だけだった人が喘息を発症したり、喘息だけだった人がアトピー性皮膚炎を発症したりする。IgE抗体の根本的なメカニズムは同じなので、症状が出る部分が違うというだけのことである。したがって、アレルギー病が一つでもあったら、次のアレルギー病の発症予防のためにもできるだけ早いうちから減感作療法を始める必要がある。ちなみに、IgE抗体の量は遺伝で決定されるので、アレルギー病は遺伝性疾患である。
アレルゲンの検査
アレルゲンの検査方法は主に2種類存在する。
血液検査
一つ目は、血液検査である。ただし、血液検査ではIgEの数値は測定できるが、陽性反応の特に強いアレルゲンにしか反応しないので、血液検査だけのテストでは不十分である。実際、ダニに対して、後述する皮膚テスト検査で陽性の人の50〜60%しか、血液検査でのダニアレルゲンには反応は出ないという報告もある。逆にいうと、血液検査で出た陽性反応のアレルゲンはその人にとって重要なアレルゲンということになる。
皮膚テスト検査
二つ目は、皮膚テスト検査であるが、この検査は、例えば背中にアレルゲンエキスをたらしてその部分を軽くひっかいて、15分ほど経ったところでどのくらい赤くなっているか(反応しているか)、反応がないのかでチェックする(スクラッチテストなど)。この方法であれば、アレルゲンの数があるだけチェックできるので、例えばアメリカでは花粉だけでも数十種類もの皮膚テスト用のエキス・治療用のエキスがある。さらに、皮膚テストは感度が高いので血液検査が陰性だったものにも反応を示すことが多い。したがって、テストの種類も多く、感度も高い皮膚テストを行うのがより正確なアレルゲンの特定ということになる
どんなアレルゲンか
アレルゲンは回避可能なアレルゲンと回避不可能なアレルゲンにわけられる。たとえば、そばに対して強いアレルギーがあったら、それを食べなければよい。しかし、たとえばダニやカビや花粉などのアレルゲンはどんなに頑張っても回避不可能である。したがって、特に回避不可能なアレルゲンに対して減感作療法で治療する必要がある。気管支喘息やアトピー性皮膚炎などの通年性アレルギー病は、そのような通年接する回避不可能なアレルゲンが原因である。
アレルゲンが判明したら治療用のエキスを作成
上記の方法でアレルゲンが判明したら、それに基づいて治療用のエキスを作成する。ただし、ここで注意しなければならないのは、カビのエキスは他のエキスと混ぜてはいけない、ということである。理由は、カビのアレルゲンはタンパク質分解酵素が含まれているのでダニなどのタンパク質を分解してしまい、治療効果がなくなってしまうからである。また、エキスの状態を良好に保つために、冷蔵庫のような温度で保管することが必要である。ただし、凍らせてはいけない。
治療用アレルゲンエキスを作成したら
治療用のアレルゲンエキスを非常に薄い濃度で少量(0.02ml〜)から皮下注射し始め、慎重に投与量を0.5mlまで増やしていく(具体的には0.02ml→0.03ml→0.05ml→0.07ml→0.1ml→0.15ml→0.2ml→0.3ml→0.5mlというように)。1回に投与するアレルゲンエキス量が0.5mlに達すると、アレルゲンの濃度をさらに10倍にし、前述のように投与量を徐々に増やしていく。アレルゲンエキスの濃度は経験的に数段階(3〜5段階)と設定されている。 ちなみに、皮下注射は、普通の血液採取などの注射よりも、痛みはかなり軽減される。したがって、皮下注射は継続しやすい方法でもある
注射のスケジュール
アメリカでも日本でも、アレルギーの専門医学書に、減感作療法の注射の頻度は、最初は1週間に2回、その後は1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回とだんだん減らすと書いてある。ただし、アレルゲンの種類やその反応の強さには個人差があるので、必ずしもそのようなガイドラインに縛られる必要はない。頻度は多いほど至適維持量に到達できる。
時間とともに増えるアレルギー反応
たとえばある人に、回避できないダニやカビや花粉などの吸入性アレルゲンのアレルギーがあったとして、最初は症状が弱くてもそれらに接触する回数が多ければ多いほど、IgE反応は増えていく。すると当然、アレルギー病は年々悪化する。したがって、できるだけ早い段階で減感作療法を受けるのが望ましい。
減感作療法はなぜ効くのか
減感作療法が効く理由については、アメリカでずっと研究されている。しかし、患者にとって重要なのは減感作療法は効く、という事実である。ただし、なぜ効くのか、という学説としては存在するので簡単に紹介しておく。
従来の学説
アレルギー反応が起こる仕組みはIgE抗体が花粉などのアレルゲンに対して反応してしまうからだと述べた。それによって、身体中の粘膜や皮膚などに炎症を起こしてしまうのである。つまり、花粉などのアレルゲンがIgE抗体と反応することによって、アレルギー反応が起こる。しかし、減感作療法によって、その人のIgE抗体が反応する毒素であるアレルゲンを少量ずつ投与していくと、新たにIgGという抗体、免疫ができる。そのIgG抗体は、今までIgE抗体と反応して人間の身体に炎症を起こしていたアレルゲンに対して、IgE抗体よりも先に結びつく性質を持っている。IgG抗体は身体に炎症を起こさず、アレルゲンと結びついても無反応なので、それがIgE抗体よりも先に結びつくことで、IgE抗体による炎症を起こらなくさせるのである。
最近の新しい学説
細かく説明していくと余計にわかりにくくなってしまうので、この学説の大局を説明する。まず、この学説で重要な、人間の中にある細胞では、調整T細胞とTh1細胞とTh2細胞が存在する。調整T細胞というのは、Th1細胞やTh2細胞を調整する働きを持っている細胞である。アレルギー病は免疫病であると位置付けられるが、アレルギー病はTh2細胞の働きが強すぎることによって起こる。しかし、減感作療法によって治療すると、調整T細胞が、行き過ぎたTh2細胞の働きのバランスを「正常」な状態に徐々に調整していくのである。
薬物療法
それぞれのアレルギー病に関して、現在の症状が強ければ、対症療法としての薬物療法をするのは当然である。ただし、減感作療法で症状が軽くなっていくにつれて薬の量も減らしていくことができる。しかし、薬物療法だけでは一生続けてもアレルゲンを完全に回避できない限り症状は徐々に悪化しながら一生続く。
減感作療法を成功させるには
減感作療法を成功させるには、あらかじめ、減感作療法を理論上、医師も患者も理解しておくことが重要である。特に若い人では、感覚的に効くと思えるのは例えばステロイドを注射するような即効性のある強力な治療である。しかし、ステロイドだけでは、その時はおさまっても結局一時的な対症療法に過ぎない。よって、そのような治療はあくまで減感作療法で治癒していくまでの対症療法として位置づけるべきである。減感作療法は2年や3年など長期的な治療であるため、その治療のメカニズムを理解する必要がある。途中でやめてしまう人の多くは、即効性がないため(濃度が上がらないと効果も出てこない)、効いているという実感がないため途中でやめてしまうのである。したがって、患者も正しい知識と理論を知る必要がある。また、基本的には病院に通うような形になるため、医師と患者の信頼関係も重要である。医師は患者を治療の対象物としてみるのではなく、一人の感情を持った人間としてみることが重要である。そのような医師ならば、患者も信頼を持つことができる[1][2]。そして、減感作療法はある程度長期的な治療なので、モチベーションも維持する必要がある。減感作療法は患者の側の姿勢も重要な治療である。
日本のアレルギー医療の問題点
一般に日本の医療は薬漬け医療と呼ばれる。たとえば、喘息患者にステロイドを投与し続けても、その時の症状はおさまるかもしれないが、対症療法に過ぎないので、根本的な減感作療法をしないと、時間とともに症状は悪化し続ける。さらに、ステロイドは副作用が強い薬なので、減感作療法をしながら、徐々に減らしていく、という使い方が望ましい。 小児喘息が成人しても治らない人が少なくなく、成人になって再び悪化する人も多い。したがって、根本的な治療である減感作療法が必要になる。
日本の減感作療法の問題点
欧米、特にアメリカでは減感作療法が一般的に普及している。アメリカでは減感作療法のテスト用のエキスと、治療用のエキスが充実している。そして、それらのエキスはダニをはじめとして標準化されたエキスである。ただし、標準化されていないエキスもあるが、それでも濃くて効果のあるエキスである。ここでいう標準化とは、そのエキスに対してアレルゲンの有効なタンパク質の成分が、どれくらい入っているという意味で、そのエキスに対して最大どの程度の反応が起きるかを予測できるので有効性と安全性が高い。要するに「使用して治療効果があるエキスを使っている」ということ。それに対して、日本では、アレルギーにおいてもっとも重要なダニの治療用のエキスがない。小児喘息の98%はダニに対してアレルギー反応を示す。またカビの治療用のエキスも少ない。花粉に関しては、アメリカではテスト用、治療用、ともに数十種類のアレルゲンエキスがある。それに対して日本は花粉のテスト用のエキスが12種類、治療用のエキスが4種類あるのみである。さらに日本のエキスはスギ花粉以外は標準化されていないので、治療効果も薄い。そのような理由で、日本の医師には減感作療法はあまり効かないと誤解する人もいて、日本での減感作療法はあまり盛んでなく、一般的に言われる「薬漬け医療」になってしまっている。しかし、それではアレルギー科の存在価値はない。日本では、その医師の専門外の科も標榜できる自由標榜制なので[3]、専門外の医師が病院経営のためにアレルギー科を標榜し、医師免許さえあれば処方できる薬だけで治療する傾向にある。アメリカレベルに効果のある減感作療法をするには、今のところ、アメリカのエキスを日本アレルギー協会を通して輸入するという方法しかない。ただし、そのようなことをしている医療機関は多くなく、また、そうすると、日本では認可されていないために、保険診療がきかず自費診療となるので、患者の経済的な負担が大きくなるという欠点がある。したがって、アメリカのエキスを厚生労働省が認可するのを要望する声も少なくない。
日本のアレルギー患者を救済するには
現在、日本での喘息での年間の死者数は4000人にも上る。また、国民の3割以上がなんらかのアレルギー病に罹患(りかん)している(アレルギー病の家族を持つ人間に関しても考慮すると、その害悪は国民の3割以上どころか、それよりも格段高い割合である)。もはやアレルギーは一部の人間の問題ではなく、日本国民全体の問題である。さらに、小児喘息は近年2倍以上に増え、アレルギー病は年々増えていく。対症療法で身体をだましながら治療をしていったり、薬漬け医療になって身体を破壊していったり、それでも挙句の果てに死を迎えるような治療を続けるべきか。言うまでもなく、治療して即効性はなくとも、長い目で見れば最も賢明な根治療法である減感作療法が、日本でも もっと普及するべきである。近年日本で若干流行している(医療にも効果はどうあれ流行というものが存在する)舌下減感作療法はどうか。舌下減感作療法については、確かに自宅などでできるというメリットはあるものの、対象が花粉の中のスギ一種類などに限られる。したがって、純粋にスギ花粉一種類の花粉症の人にはいいが、たいていスギにアレルギー反応を示す人は春も秋も含めて他の花粉に対してもアレルギー反応を示す。医師にしてみれば、血液で検査(実際に検査をするのは医師ではない)をして、舌下減感作用のエキスを処方するだけで、楽に儲かるかもしれないが、それでは今までの薬漬け医療と変わりはない。ちなみに、アレルギー医療の最も進んだアメリカでは、舌下減感作療法は趣味のような位置づけで、保険承認もされていない。本当に患者を救うための減感作療法とは、皮下注射による減感作療法である。標準化されたエキスによるスクラッチテストによって多種類のアレルゲン検査が可能であり、逆にいうと、そうしないとその人のアレルゲンはわからないのである。したがって、アレルギー科の医師は来院患者全員の皮膚テストをまず行う事が好ましい。そして、反応が出アレルゲンのエキスだけを作って治療ができる。温帯地域である日本において重要なアレルゲンは、およそ60種類の花粉と、ダニとカビである。その他にはネコやイヌや昆虫や食物について調べる。ちなみに、日本で承認されているハウスダストのエキスは何が入っているかよくわからない薄いエキスなので(その辺のホコリを拾い集めたもののため)それだけで治療しても、効かないのはむしろ当たり前である。ハウスダストというエキスはかつてアメリカでも使われていたが、ハウスダストの中身の正体が研究により解明されたので、アメリカではハウスダストというアレルゲンはもはや使われていない。具体的にはその中身は、後述するヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニ、カビが中心である。繰り返しになるが、ダニにおいてはコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニという二種類のダニが特に重要である。ダニやカビは通年性の抗原で、喘息をはじめとする通年性のアレルギー病において主要な抗原であるので、特に重要である。前述した日本アレルギー協会を通して、アメリカのホリスター社製のテスト用と治療用のアレルゲンエキスを、医師免許さえあれば輸入可能なので、多少患者の金銭的な負担はかかっても、それらを輸入して治療をする方法が最良と考えられる。アレルギー協会の講演による宮本医師の言葉によると、アメリカのダニのエキスでの減感作療法は使えば効くことはわかっているが、国が動いてくれないとどうしようもない、ということだそうである(本来は学会が働きかける職責。厚労省は学会が動かないと、と発言。このようなことを、たらい回しと言う)。日本のアレルギー患者を救うには、日本のアレルギー患者自らが動く必要がある。厚生労働省にアメリカのアレルゲンエキスを認可してもらう。そうすれば、アメリカのアレルゲンエキスが保険適用され日本全体にアメリカ水準の減感作療法が徐々に広がっていく。そうなれば、日本全体のアレルギー患者が正しい治療を受けられるようになる(日本国民が自ら払う様々な税金はそのようなところにこそ使われる必要性があると思う)。今のところ、日本の医師は薬を出すことに興味があって、患者を救うことには興味があまりないようである。したがって、主権者である国民一人一人が自ら声を上げる必要性がある。
アレルゲンエキスの認可・承認の一つのモデル
したがって、まずはアレルゲンエキスの認可・承認が不可欠ということがわかる。そして、少なくとも、日本アレルギー協会を通して手に入るホリスター社製のアレルゲンエキスはすべて認可・承認される必要性がある。
現在アレルゲンエキスを日本で販売しているのは鳥居薬品一社のみである。そこで、実際問題として、薬の承認を独立行政法人医薬品医療機器総合機構[4]に申請する主体は製薬会社であるから、鳥居薬品がそれを行う。
承認されればそれで使えるようになるが、現実は行政側のハードルが高いようである。
そこで、承認されなかった時に不服審査申し立てを行う。
アレルギー研修医の教育・アレルギー専門医の再教育
減感作療法は、現在存在する唯一のアレルギー病の根治療法である。アメリカなどにおける研究の進歩によって、減感作療法は1997年にWHO(世界保健機関)によってアレルギーを根治することのできる唯一の根本治療法として承認された。
減感作療法はおよそ100年前に花粉症に対する最初の治療方法として始められたが、欧米ではその後も改良工夫を重ねて、現在でも花粉症や喘息などのアレルギー疾患に対する唯一の有効な根本的治療法として確立されているので継続的に広く行われて今日に至っている。
日本でも減感作療法は50年近く前に始められたが、欧米における改良工夫はほとんど行われず昔のままに放置され続けているから、今日でも50年前の時代遅れの方法で行われている。その結果、日本のアレルギー専門医は、日本で行われてきた時代遅れの減感作療法が現在でも欧米で行われているものと誤解して、「減感作療法はやっても効かない」という理由で徐々に行われなくなった。
「喘息は一生治らないから上手につき合いなさい」と言う日本のアレルギー専門医もいるようだが、そのようなアレルギー専門医は抗アレルギー剤を処方するだけでなく、原因アレルゲンを確認するための適切な皮膚テストと有効な減感作療法を行えるように、欧米並みの臨床アレルギーの再教育を受ける必要性があると思う。
また、研修医においても、欧米並みの臨床アレルギー教育を受ける必要性があると思う。
そのような教育の場がいかに提供されるかが今日の日本のアレルギー診療における重要な課題のうちの一つである。また、そのような教育の場を提供するのは、主にアレルギー学会のなすべきところである(それを教える人間は、アメリカに留学してアレルギーを専門に学んだ医師であったり、招聘<しょうへい>したアメリカのアレルギー専門医だったりするであろう)。
動画でみる減感作療法
動画において減感作療法やアレルギーについて解説する。ただし、日本ではアメリカでアレルギーを専門に学んだ医師などのいる極々限られた病院以外ではアレルギー医療は遅れている(薬物療法のみに委ねられている)ため、日本での動画はあまりなく、アレルギー医療の整っているアメリカからの動画となる。
まずは、アレルギーテストにおいて重要な皮膚テスト(スクラッチテスト)に関して紹介する。
背中の赤くなっている部分がアレルギー反応を起こしている部分である。このように、感度の高い皮膚テストによって、多くのアレルゲンをテストする。テストエキスはもちろん標準化されたものが中心の良質のエキスである。そうしてテストしたら、その結果をもとに治療用アレルゲンエキスを作成する。
次に、アレルゲンエキスの皮下注射について紹介する。
このように、皮下注射は子供でも痛みをほとんど感じない注射であることがわかる。
アレルギー反応の動画も紹介する。肉眼では見えないが、アレルギー体質の人間の身体ではさかんにこのような現象が起きている。
以上の動画を総括してわかることは、アメリカでは既に小児期の段階で皮膚テストをしてアレルゲンを調べ、皮下注射で早いうちからアレルギーを治療することが一般化されていることである。また、当然大人になってから発現したアレルギー疾患に対しても、同様に治療する。
参考文献
- 長屋宏『アレルギー:正しい治療のために』中公新書、1988年、ISBN 4-12-100873-1
- 長屋宏『減感作療法でぜんそくは治る』講談社<健康ライブラリー>、1995年、ISBN 4-06-254046-0
- 長屋宏『日本のアレルギー診療は50年遅れている:喘息も花粉症もアレルギー免疫療法(減感作療法)で治る』メディカルトリビューン、2007年、ISBN 978-4-89589-336-7
- 大久保公裕『ササッとわかる最新「花粉症」治療法』講談社<図解 大安心シリーズ>、2008年、ISBN 978-4-06-284715-5
脚注
- 土屋繁裕『ドクターハラスメント:許せない!患者を傷つける医師のひと言』扶桑社、2002年、ISBN 4-594-03729-1
- 土屋繁裕『ストップ ザ ドクハラ - 医者のハラスメントに患者はどうすべきか』扶桑社、2003年、ISBN 4-594-04008-X
- 児玉知之『「名医」のウソ:病院で損をしないために』新潮新書、2008年、p173、ISBN 978-4-10-610282-0
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機
外部リンク
- New!アレルギー免疫療法(減感作療法)を受ける患者のブログ
- 日本アレルギー協会、米国ホリスター社製アレルギー抗原輸入
- 日本アレルギー学会シンポジウム 2005年6月開催
- 日本アレルギー学会シンポジウム 2007年6月開催
- クリニシアン1992年4月1日発行
- メディカルオンライン医学論文2008年
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の減感作療法のページはこちら