百合を主体とした妄想雑記(2011/12/16-2011/12/31)

過去の雑記へ ホームへ 未来の雑記へ
過去日記の目次

恒常リンクは文の先頭に着いている_をお使い下さいm(__)m
最新の日記は常にこちら(cur.html)で閲覧できます。

2011年12月16日の百合妄想雑記

2011年の百合ヲタシーンを振り返る(その2・文芸)

_ アニメ・コミック共に豊作である百合ヲタシーン(あくまでも5年前と比べて)ですけれども、じゃぁ文芸方面はどうだったか。
出版点数こそ「ニーナとうさぎと魔法戦車」「アイドライジング」「龍刃機神と戦う姫巫女」があったので2か月に1冊以上程度はキープしておりました。これだけを見ると一応2011年よりも出版点数は多い位だ、と言えなくもない感じです。
が。
純百合物件、つまり「百合ヲタ向け」として企画された文芸が全くなかった。
去年は「君が僕を」「ダブルエンゲージ」が企画立案の段階で「百合ヲタ向け」として考えられていた作品でしたが、全くない。
そりゃ作品の質を考えると2011年の作品群の方が遙かに適用範囲が広いです。つまり非百合ヲタにも普通に楽しめる作品群なんで(アイドライジングはちょっとどうかな)セールス的にもメディアミックス的にも適用範囲が大きいし、つまりは結果的に百合ヲタの拡大、という意味では有り難い作品群なんですが・・・・。
アイドライジングもメディアミックスをやる、と言ってますし、ニーナとうさぎと魔法戦車は既にマンガになってますし(マンガもいい感じですよ!)多分2012年一杯は続いて、あわよくばアニメにもなってくれると思います。
しかし逆に言えば非百合ヲタに受ける要素がないと、つまりは純百合ヲタ物件の文芸というのは存在出来ないのではないか。
商業的に相当出す側が百合に思い入れがあって出版する、という意気込みがないと無理だ、という状況が明確になりつつある。
少なくとも文芸の百合ヲタ物件で数万部を売上げて、アニメで大もうけ、という製作側のストーリーは構築しづらい。
これは良い点と悪い点とどちらもあって、広く薄く広まった方が最終的には百合ヲタシーンとしては利点が多いのですが、しかし。
やはり百合ヲタとしては純百合ヲタ物件を読みたいじゃん、ねぇ。
純文芸だと「オレンジだけが果物じゃない」(ジャネット・ウィンターソン)が文庫化、とかありますけど、やっぱ読んでてしらける位に主人公・ヒロインに都合のよい話を読みたいじゃん!
と言う訳で、来年は百合姫レーベルの文芸本に期待してます。「あまいゆびさき」「Girls uprising」「森田季節百合短編集」は確実に出版して欲しいっすな。値段はちょっと高くてもいいからさー。

コネタSS「GIガール」アップしました

_ コネタSS「GIガール」アップしました。
まぁ話よりも作例のCGを見て和んでちょ。和まない人も多いと思いますが。わははは。

2011年12月17日の百合妄想雑記

2011年の百合ヲタシーンを振り返る(その2・文芸)の続きの話

_ 昨日のエントリだとまるで「ニーナとうさぎと魔法戦車」「アイドライジング」「龍刃機神と戦う姫巫女」が百合的にツマんないみたいに思われるかもしれませんが、そんな事ないからね!
だいたい「ニーナ〜」と「アイドライジング」♂が出てこないし!
(それはそれでラノベとして商業的に大丈夫か、ちょっと不安になりますが)

というか「ニーナ〜」の四巻は読んでいてどうしようかと思う位に(百合的に)悶絶しました。(*)
「アイドライジング」のタキさんの色っぺー所業(これは全巻に渡って)とオリンのツンデレな男気(3巻が圧巻)にはもう百合的に悶絶しまくった。
「龍刃機神と戦う姫巫女」にはもう百合的には鉄板のツンデレ主人公(♀)と幼なじみの♀という組み合わせで・・・・。
なんで百合的に2010年と比べて2011年が不作だった、という事は全く無かった。
それに「アイドライジング」と「ニーナ〜」はメディアミックスの絡みもあるから来年も楽しませてくれる筈ですし「ニーナ〜」のマンガは普通に良作なので結構話題になるんじゃないかなー、等と思っています。
という訳で百合的には2011年はむしろ豊作だった!しかも未来に繋がる豊作な年なんです!
という訳で2011年の注目百合物件、文芸分野については作品の質じゃなくて、未来に繋がる、百合ヲタ獲得に繋がる、という意味で
「ニーナとうさぎと魔法戦車」(兎月竜之助)
「アイドライジング」(広沢さかき)
が「金賞受賞!」と主張します。ふふふ。
いや、「龍刃機神と戦う姫巫女」も素敵な作品なんだけど「スタージョンの法則」のニュアンスが違うんだよなぁ・・・・。SFヲタとしてはここは譲れない<ヴァカな上にはた迷惑

「ニーナとうさぎと魔法戦車」については第一巻はエルザ&クーのエモーションは最初から描かれていましたが、主人公たるニーナには百合的なエモーションは全く描写がありません。
なのでこのシリーズが最初は百合的にマークされなかったのはある意味当然です。2巻から登場するアリスにニーナはぞっこんなので。しかもアリスもまたニーナにぞっこんなんですよー。アリスは4巻でこんな事抜かしますからねー。
「ならばエルザさんは全てを懸けて人を愛した事がありますか!全て、ですよ!恥ずかしいとか、お腹が空いたとか、そんなことはこれっぽっちも考えず、ただ好きな人の事だけを考えて、それに命の全てを費やした事がありますか!自慢じゃないですけど、私はニーナちゃんに助けられてから、ずーっとニーナちゃんの事しか考えてないのです!お風呂に入っている時も、食事をしている時も、眠っている時だって!」
わはははは。

2011年12月18日の百合妄想雑記

「いちばん近くてとおいふたり」を読んだ

_ 「いちばん近くてとおいふたり」(黒柾志西)を読んだ。
冒頭二編はかって百合アンソロジーESで掲載された、姿形は金髪碧眼なれども外国語まるでだめなひめとやや潔癖症な泉との交流譚。
次の二編は双子のひまわりとなずながそれぞれお互いの恋人(♀)を見つけるまでの話。
そんで一つはさんで、かって百合姫Sで連載された「幼馴染と呼ばないで」。
内容はというと皆から慕われる生徒会長の凛と幼馴染の桜。桜は凛に恋い焦がれているのですが、天然っぽい凛は分かっているのか、分かっていないのか。一方で風紀委員の静がちょっかいかけ、むつみは静が好き。
この錯綜した人間関係に「全員好き」と宣う凛の本意は?という所で、ええ?どうなるんだこれ?と思わせる所で連載が「百合姫ONLINE」へ、と言われて早二年。
結局「百合姫ONLINE」よりも先に「Webつぼみ」が先に花ひらく事になった訳ですね。(仕事しろよ編集部?!)
そして驚愕のラスト。
凄いよ、この解法。
このラストの解法はある意味百合でないと成立しない物凄いアクロバチックな解法でこれが受け入れられる人と受け入れられない人と両端に別れそうだなー、なんて思います。
個人的にはこういう手管は百合の可能性を広げるもので(全部が全部これだと困りますが)割にいい感じじゃん、などと思うのでありました。
ラストの「いちばん近くてとおいふたり」は奇麗にまとまった佳品。
表題作だけど、ヴォリュームは少ないし、傑出して凄い、とも思えないんで何故表題作になったんですかね、とかちょっと思ったのでした。いや、有る意味「幼馴染と呼ばないで」を発展的に進めた作品なのですが。
単純にこの単行本「幼馴染と呼ばないで」という表題じゃ駄目だったんでしょうか?という事なんですけど。
・・・・いや、難しいかな、やっぱり。
とにかく色々な意味で楽しい作品集でした。

2011年12月19日の百合妄想雑記

2011年の百合ヲタシーンを振り返る(その3・映像)

_ 東部戦線+スラブの伝承+微百合という組合せが最強に過ぎる『靴ずれ戦線』、という評をみてにわかに興味が高まるなどしているgarbagememoですが、皆様年末への用意はよろしくて?
さて、2011年の百合ヲタシーンを振り返るシリーズ、映像編。
映画・ブラックスワンにもズバリのシーンがあったそうですが、それはさておいて<置くのかよ。
私、今年前半迄は「まどかマギカ」は百合ヲタシーンにとってとてつもなくありがたい!どう考えても初心者向けに百合に誘導する素敵アニメ!等と思って鼻息荒いギミでございました。
こんだけアニヲタに膾炙しているアニメで、二次創作だってバンバン出そうな作品で、主軸とワキが全て百合っぺー。たまらん。山と出る二次創作でも百合っぺー作品が大量に出てくるはずで素晴らしい!等と思っておりましたが・・・・・
まさか「ゆるゆり」がこんなにビッグヒットになるとは!第二期も決定して、正直百合ヲタシーンへのインパクトはむしろ「ゆるゆり」の方が上かもしれませんよね!
というのは今後出てくるアニメで百合っぽい関係軸を導入するのがすごく容易になったから。なにしろ百合っぺー関係軸で実際にヒットした作品がある訳です。「これこれの関係性をワキに入れておこうよ、百合ヲタ買ってくれるかもしんないし」と企画側が思いやすいし、実行しやすい。
今までは百合ぃ?百合は売れないよ、だってヲタが自己投影できないじゃん!という話だったのが明確に反論できる根拠ができた訳ですよ!
この「小説の場合と違って、アニメはむしろ眺めて楽しむので、自己投影しなくても大丈夫」という特性は百合にとって非常に心強い(*)。
いずれにせよ、「広くヲタにヒットする為には♂が空気という条件が必要」という証左と言えましょう。
つまり人間、異性に求める特性と同性に求める特性は違うのでキャラの凄く立っている♂♀が出てくると必ず視聴者の♂か♀が憤激のあまり倒れそうになる、という訳です。
アニメ制作者の皆さん「ヒットするアニメは♂が空気!」を忘れずに!
しかしこの「ヒットする為には♂が空気」はノベル系だと機能しないのが痛いですねぇ。
おおっと話が逸れた。
という訳で今年の映像部門としては
「ゆるゆり」
「魔法少女まどかマギカ」
という事でどうでしょうか<どうかと言われても。

一方で、小説(エロゲ等ヴィジュアルノベルも含まれます)の場合、三人称であろうと読んでいる側は大体自己投影しながら読むので、♂向けに♀主人公作品って結構難しい。ありえるとしたらやはり自己投影できないくらいに隔絶した舞台となじみ深いビヘイビア、というコンビネーションじゃないと難しい・・・・かな?

2011年12月20日の百合妄想雑記

2011年の百合ヲタシーンを振り返る(その4・短編マンガ)

_ 正直、マンガの百合については汗牛充棟の勢い。その中であえて単行本化されてない短編を言及する必要あるの?とかお思いかもしれませんが、どうしても、どうしても言及したい短編がありまして。・・・・いや、ひらり、(6)に物凄い傑作があるかもしんないけどさ。わはは。
で、二つありまして。
まずは「つぼみ(vol.11)」の「べことてくてく」(三谷知子)
これは凄いよ。内容については過去のエントリの繰り返しになりますが以下に述べますね。
ええと、お話しはこんな感じ。
(恐らく)東北の田舎に突如転校してきた美少女、猪瀬美浜。登校の道が不案内だろうと、べこ(牛)大好き少女の「ちよ」が登下校に一緒に行く事に。
べこの世話する時間が短くなるとちょっと不満な「ちよ」だったのですが、しかしこの美少女美浜は中々の難物。打ち解けようとしないばかりか、ちょくちょく行方不明に。
あまりのフリーダムさ加減に呆れた「ちよ」は一緒に行くのを放棄。しかし放り出す事もできずこっそりと後をつけるが、フツーに登校している姿を見て「あ、別に私いらないんじゃん」と少々がっくり。美浜はしかし登校していないという。
さんざん探したあげく、屋上にエスケープしている美浜を発見。
実は美浜は過去♀に告白して「あなたと一緒に歩くだけで自分の顔が嫌になる、それが既に苦痛だった」と振られていたのでした。
こっからの「ちよ」の台詞がすげぇかっこいい男前な発言なんですよ!
「ここのパンなかなかうめぇのよ、腹がへってっからうだうだ考えるんだぁ、ほれ、おあげんせ」
「美浜はここで早ぐ友だちつぐるべきだわ、そんで毎日アホな事ばっかすりゃいいのにさ」
「食べもんのうまさがわがるなら、あんだもう大丈夫だわ」
等、個人的には百合名文句の殿堂入り、ベストスリーに余裕で入る台詞だと思いますです。いや、マジでマジで。
同性恋愛を巡るストラグルとその解法が「頭=インナーワールドで考えるより、肉体=フィジカルを信じるんだ」という普遍的なメッセージへと昇華されている素晴らしい作品だと思います。
もう一つは「ひらり、(4)」収載の「きれいなあのこ」(吉田丸 悠)
話はというと、芸能活動をしている木原。しかし「商品」としての自分に十全にノレていない日々。一方で天然な谷本を「ナチュラルであるが故に素晴らしい」と密かに注目。ふとしたきっかけで谷本に「あなたは清純なもので出来ている気がする、だからそのままでいて」と言う。一方で谷本も木原の属しているアイドルグループ、絶会のファンであった。谷本は決めポーズを木原にねだってしてもらう。
その次の日、絶会のメンバーの喫煙発覚で解散だという。凹む木原に更に追い打ちが。谷本が登校しておらず、実は親の借金で夜逃げだという。
慌てて谷本の家に行くが、実は谷本の家もそこそこ荒んでおり「家が良いから清純なんだ」という思い込みに恥じる木原。近所の人の解説と「やっぱりちょっと頭が弱いような娘さんだよね」と言われ手拍子で「はい」と答えてしまう。
凹む木原だったが、引っ越し直前に谷本からメールが。別れを惜しむ二人。思わず恥ずかしくて出来ないと逡巡していた決めポーズで送り出す木原。
みるみる顔が歪む谷本。
そして!
「あたしの事、バカだと思ってるくせに!」と谷本から罵倒の声!

谷本の屈折と木原の無意識な傲慢さがこのひと言で描かれる素晴らしさ。

おそらく単行本に当分ならないであろう事から(三谷さんは今連載持っているし)ここであえて紹介したい。
「べことてくてく」(三谷知子) at 「つぼみ(vol.11)」
「きれいなあのこ」(吉田丸 悠) at 「ひらり、(4)」
この二つを読めるのは、日本に生まれた百合ヲタだけの特権です!
今、ここの奇跡に打ち震えるんだ!

2011年12月21日の百合妄想雑記

2011年の百合ヲタシーンを振り返る(その5・エロゲー)

_ エロゲー、と言いきったけれども、今年はゲームとしては「白衣性恋愛症候群」もあるし「アナハイム・ガールズラブストーリー」もあるしで比較的豊富な年ではあったんですが、この二つと比較しても遜色無い2ch発の奇跡の無料の百合エロゲが存在している訳です。
それがっ!
「彼女と彼女と私の七日間」だっ!
まぁ、私のサイトを捜し出せる位にアンテナの高い百合ヲタさんなら当然知っていると思いますが。
まぁ凄く画期的な出来の良さですよね!
エロが苦手な人はCTRLキーを押しっぱなしでスキップしてでもやるべき逸品!
エロはちょっとなぁ、等と敬遠しているあなた!これを体験しないのは余りにももったいないぞ!物は試し、無料だから何も損しない訳だし、この機会にやってみないか!
なんつっても、
無料!
元々2chの百合ゲーを作ろうというスレが発祥のため、無料、という事のようです。ちゃんと訳があるんですね。
フルボイス(6人?7人?)!
アマチュア声優さんを使っておられるとは思うのですが・・・・・
ファイルサイズ1GB超え!
フルボイス+ムービーが付属しているので、これくらいのサイズになってしまうのでしょう。ムービーのデキも凄いっすよ!
百合でなくても素直に金取れるだろ、という流麗な絵!
というもう今までの百合どころかフツーのエロゲの常識を打ち破る凄いコストパフォーマンスの作品です。
フツーのエロゲでもフルプライスでこれより酷いのは山ほどあります、という感じですよ。それが無料。有り得なくない?!
自分の感覚としては「これは定価5000円でもおかしくないよな」と思った程で。一瞬シェアウェアかなと、振り込み先を探してしまった位。正に「振り込めない詐欺!」この作品に振り込めないなんておかしいだろ!みたいな。わはは。
で、内容はというと、
魔法が存在する「現代」の女子寮でオカルト研究会の人集めのためにオカルト現象を探求する主人公折原絢子が「覗きをする幽霊」を探して偶然友人の網城杏奈の♀同士のエッチシーンを目撃、そして同時に幽霊である青戸雅と遭遇。
そして彼女と彼女と彼女達のスプラスティックな恋物語の始まり・・・・・
というよーな感じ。
まぁとにかく話もかなり相当猛烈に良くできていて百合ヲタならやらずには死ねない!という作品でございます。
今年の百合エロゲは「彼女と彼女と私の七日間」でした!

2011年12月22日の百合妄想雑記

ヤングアニマル今号「ゆりキャン」を読んだ

_ 鈴木清順、浪漫三部作のBDをゲットして、意気揚々と帰宅の途についたgarbagememoでしたが、途中ヤングアニマル今号の「ゆりキャン」を読んで、余りの凄さに卒倒しそうになり浪漫三部作がどっかに消えてしまったのでありました。
でさぁどんな風に凄いのかと言いますと・・・・・
ええと例の女衒の潜入調査をしているゆりかの今回の客は凄い難物。
例によって気軽な気分で会うと、凄い恥ずかしがりやっぽい感じ。なーんだー、全然大した事ないじゃないの、と思ったら。
全身亀甲縛りだわ、顔は変態仮面(変態仮面って分からない方は画像でググって)だわ、ゆりかのジュースに利尿剤を入れるわ、するなら私の目の前で、とおまるを出すわのやりたい放題。
こ、これは私には無理、とゆりか初の敗北か、という所で自称正妻の沙織が登場!
こっからの展開が更に凄くて凄過ぎる!
面白い、とか、百合的に凄い、とかじゃなくて、今までの百合的概念を大幅に逸脱する凄い概念が炸裂っ!
百合的に得した、とはビタ一文も思いませんが、しかしこれを経験しないのは一生の不覚です!(断言)
リミッターを外したゆりキャンがあまりにも凄過ぎる。
ゆりキャンの2巻(3巻かもしれませんが)のこの回を見ずには死ねない!
・・・・・というよーな今号のゆりキャンでした。

2011年12月23日の百合妄想雑記

「ひらり、(6)」を読んだ

_ という訳で年三回の(来年から年4回になるっぽいですけど)「ひらり、(6)」を読んだ。
では短評に。(*)が付くものは連作/連載です。
「表紙」(釣巻和)
美術室と思しき部屋での二人。絵の具で顔が汚れて破顔している。
「口絵」(水上カオリ)
クリスマス、じゃれて寄り添う二人。いい感じ。
「女の子の設計図」(紺野キタ) 離婚した父親の再婚で、母のもとへと戻る花南。再会したイケメン(笑い)の妹、青音と10年の歳月をいきなり越えて親密になる二人。そして、青音の顔をみると動悸が止まらなくなって・・・・
どう考えても連載っぽい。そして絵面がちょっとファンシーになってますなー。
「ひらがな線、あいう駅より」(雨隠ギド)
学校のミスコンで優勝して女子アナになって玉の輿にのる、と考えて口に出したのを聞かれて仲よくなった二人。聞かれた後輩が余計な事を言わないように、となんとなく一緒に。そして後輩は鼻炎でずっとマスク。これが最後の最後にヲチとして効く。上手ぇぇぇーーー。たまりません。
「口先女と鉄壁の処女」(四ツ原フリコ)
まつりが好き過ぎて「私と付き合って」というも「小雪はほんと口だけだよねー」ととり合ってくれない。私は思った事を言っているだけなのに!
いやー、最初絵面がファンシー過ぎて「・・・・ほんとに四ツ原さんだよね、これ」と思っちゃいました。割にストレートな少女マンガっぽい話。堪能しました。
「白いことが多いドレス」(仙石寛子)
母に「私は同性が好きな女なんだ」というと「・・・・ああ、このドレス着てほしかったのに・・・・でも似合わないか」と想定外の球を返されたよ!という話。ふふふ。軽い様に見せかけてど真ん中の速球。
「私の嫌いなおともだち」(雁須磨子)
私はハミが好き。で、ハミが「同じクラスのタマそっくりだね」と言われて三人で会う。しかしハミしか眼中に無いのでタマとは喋るようにすらならず。
一方でハミは直ぐに彼氏が出来て。
ハミに似ている女主人のカフェでバイトすると、そのタマが(多分好きな)先輩の晴子さんと。ふーんと最初は思っていたけど、晴子さんもいーよね、とちょっと思っている。そして・・・。
屈曲した少女の青春。ううむ。最後はタマにフラれたのか、それとも??
どうも機微が深過ぎて単純な私にはよくわからん。でも凄く面白いですけどね。ふふふ。
あ、これ前回の話とはまったく繋がっておりません。と言う事は逆にこの題名で単行本化するんでしょうねぇ。
「貴女のためなら」(佐藤沙緒理)
高校生の主人(♀)に献身的に仕える主人公。しかし愛情が行き過ぎてもはやストーカー。その過激な空回りする愛情を描きます。というかもうアウトでしょ、アウト。わははは。
「COROLLA 2」(スカーレット ベリ子)
宝塚っぽい演劇をする演劇部の主役ペアの片方が休みなので抜てきされて私。私達の新しい解釈を作りましょう。そして今、この時だけは私があなたを好きでもいいですか。
前回の続編・・・・なのか?少なくとも前作とのエモーション的な繋がりは全く無いので独立して読んで問題ない筈。
「はじまりのことば」(ささだあすか)
あなたが好き、唐突に言われて、もやもやしつつも目が放せない。
ひょんな事から好きになる二人。但し友情ですよね、これ。
とにかく真直ぐに好きになる二人の姿がぎこちなくもほほえましい。このシリーズは個人的には大当たり。マジに早く単行本欲しいっす。これは百合として読まない方が♂としては楽しめるんじゃないかなー。
「under one roof」(藤生)(*)
ルームシェアしている二人。徐々に近づく距離。
相変わらずキュートな絵面で良いスな。
「witch meets knight」(犬丸)(*)
今回は四コマ。メガネをかけた会長に萌え萌えになる演劇部の娘。会長の友人の内藤さんに上手い具合に絡んで、とリクエスト。分かる。その気持分かるぞ!わははは。
「スニーカーと加瀬さん」(高嶋ひろみ)(*)
マラソン大会で靴を買いに行こう、と加瀬さんに誘われる私。ドキドキする。思わず衣服に凝り、テンパって前髪を切って失敗して。
一方で私服姿のボーイッシュな加瀬さんにドキドキ。
たわいのない話ですけど、ボーイッシュな加瀬さんに私も悶えました!がははは。
「月の下の雅ちゃん」(平尾アウリ)
わたし、今日月からお迎えが来るの、という雅ちゃん。そして月から来る使者から必死でかばう私。
・・・・・・・なんなのこれ。いや、面白いんですけど。しかしこういうのをスパッと書いてしまう所が平尾アウリさんの凄さですよね。
「さろめりっく」(袴田めら)(*)
ひかりが♂と別れた、と聞いて(母と違って)一人でちゃんと立っていられる人なんだ、と又も惚れ直すさろめ。しかし一方で自分にひかりが依存してほしいとも願う。その矛盾した心。
思春期を迎えて魔法がつかえなくなったさろめ。
もう自分がひかりに出来る事が何もないじゃない、と愕然として転校を承諾するさろめ。
さろめってちょっとヤンデレ風味ですかね・・・・・あー旧約聖書のサロメってそういえば結構ヤバい人じゃなかったっけ?
とにかくこの強度は只事ではない。着目せよ!
「ハルノート」(大沢あまね)
香水大好きな私が、好きなあの娘の為にイメージにバッチリ合う香水をつくちゃる!しかし案に相違して何故かイメージにバッチリ合わない。そうか、だって私のあの娘のイメージは世界全てだから。
相変わらず大沢さん快調ですが、しかし単行本になるのはこのペースでは・・・・。
「箱庭コスモス」(桑田乃梨子)(*)
今回は四コマで。燿子と鏡子の双子の過去話。和む和む。
相変わらず桑田節全開で楽しいのですが、しかし百合という感じはまったくしませんな。わははは。
「蜜よりあまい」(三嶋くるみ)
吸血鬼だという同級性のかみら。その事を偶然知って親しくなる私達。しかしかみらが授業中にケガした他の♀の子のキズから流れる血を舐めて。猛烈に沸き上がる嫉妬。思わずわたしもかみらに噛み付いて・・・・
これはむしろ噛み付きという行為があまりにもエロッちいので、吸血鬼というエクスキューズが必要なった話、という事でどうか。ふふふ。
「ラスト10ミリ」(茉崎ミユキ)
あの人が落としたリップ。返そうとして偶然弓道をしている姿を見て、そして♀に人気な姿をみて、何故か渡せない。
バスで偶然一緒になって、リップを返そうとしたら、長さが同じでどっちか分からない。いいヨ、別に、それに間接キッスったって、♀同士だし・・・・。
くはぁ、何がある訳じゃないがエロっちー話だすなー。ぐふふふふ。
「オルガンのお姉さん」(前田とも)
昔オルガンの先生だった隣家に戻ってきたお姉さん。
昔語りに話をするとどうも昔お姉さんはお兄さんの嫁さんが好きだったみたいで。猛烈に嫉妬する私。
前田さんは相変わらずベリショの♀を描かせたらキュートですなー<そこかよ。
いや、でも冒頭のお姉さんの絵面でもうノックアウトくらいましたよ!

さて、総評です。

文芸が無くなったのが残念なんですけど、しかし一方でなんか今回続きそう、という感じの作品が多い。ので、好評だったりすれば連載->単行本のコンボをかましたい雰囲気がにじみ出ております。
いえーい、ばっ、ばっ。
ひらり、!君は第三の軸になれるか!ここがしのぎ所だぞ!
とりあえず、高嶋ひろみ、ささだあすか、前田とも、の単行本は頼んだ!

2011年12月24日の百合妄想雑記

2011年の百合物件を振り返る(その6・マンガ単行本)

_ ええと、2011年の百合物件を振り返るシリーズ。
マンガをとりあえずリストアップしよう、と選び出すと、まぁあるわあるわ。
優れた作品というのは分かっているが、これだけは語りたい、という観点から抜き出しても以下の如し。

自分を自分の身体を全的に信じるんだという強いメッセージ「私たちは皆おっぱい」(東風実花)
一般紙での好調さが嬉しい「オクターヴ」(秋山はる)の完結
SFとして百合としてあまりにも素晴らしい「ミカるんX」(高遠るい)の完結
「やまとなでシコ」(上連雀 三平)7年めの奇跡の復活
異形の怪作である「ゆりキャン(1)」(原田重光+瀬口たかひろ)、「百合男子(1)」(倉田嘘)
素敵でかつ切羽詰まった女子の青春・友情物語「淀川ベルトコンベア・ガール(1〜3)完結」(村上かつら)
強力な百合物件として変ぼうした「ぷあぷあLIPS(3)」(後藤 羽矢子)
ヲタ文明とは無縁の雑誌での好調さが嬉しい「蝶のように、花のように(1)」(柳瀬ルカ)
とにかく私的に好きで好きでしょうがない「星と花(1)」(鈴菌カリオ)「Green」(大朋めがね)「大正ガールズ・エキスプレス」(日下 直子)「いばらの泪」(リカチ)
一般紙での奇跡の好調「ブルーフレンド」(えばんふみ)「野ばらの森の乙女たち」(白沢まりも)

・・・・・俺、今年はもうスペースが無いから、という理由で買うのを相当絞ったんですよ。それに「単純に俺が好きで好きでしょうがない」という作品も相当吹っ飛ばしている。
特に自分が押したい「淀川ベルトコンベアガール」「私たちは皆おっぱい」「ミカるんX」等はこれだけで1週間位語れる訳ですよ。
そういう意味では今年は連載完結が多く、百合が普及する、という意味ではやや良くないニュースが多いですが、しかし!だがしかし!
「ゆるゆり」のビッグヒットでおつりが来た、と考える事にしましょうか。ふふふ。明日からは個別に語ります。いや聞きたくない人も多いと思いますが。わははは。

2011年12月25日の百合妄想雑記

2011年の百合物件を振り返る(その6・マンガ単行本)その2

_ そういえば「ゆるゆり」累計100万部突破だそうですね。いや、めでたい。
同じように、百合マンガとして重要なエポックとしては「蝶のように、花のように」「姫のためなら死ねる」の好調、「ブルーフレンド」「野ばらの森の乙女たち」の好調、7年目の奇跡の復活「やまとなでシコ」等ございますが、今回はとりあえず百合ヲタ界にとって、ではなく自分にとって、エポックだった物件について語りたい。
となると最初はこれ。
「わたしたちは皆おっぱい」(東風実花)
私は魂が震えるくらいに感動しましたよ!
これは本筋だけを追うとただのOP(おっぱい)スキーな少女のドタバタ劇なんですけど、1巻の巻末にある短編が作者曰く「本編と同じテーマを扱っているものだ」という言葉が凄い示唆的なのです。
つまり「わたしたちは皆おっぱい」は青春の欝屈と自己肯定を描いた話だった、と見てよいはず。そう考えると2巻に登場した新キャラは皆奇矯な人でありましたが、その奇矯さを含めて最終的に自己を肯定できたし、してどんなに奇矯であっても自己を肯定していいんだよ、という話に読める訳ですよ。
貴子が樹里に「OPは素晴らしい」と説く所は凄過ぎますヨね。あれは樹里に「あなたは自分が自分であることを肯定していいんですよ」という事を説教がましくなく説く素晴らしいシーンですよね。

・・・・こ、こほん。
とにかく、この「わたしたちは皆おっぱい」、素敵な青春少女マンガで百合的にも楽しいマンガだったな、と思う次第。
ええと、次はですね
SFとして百合としてあまりにも素晴らしい「ミカるんX」(高遠るい)
とにかくラストの構図があまりにも素晴らしい。
前に言った事の繰り返しですが
一般的に大きな物語(と私が呼んでいるもの)、つまり人類、地球スケールを舞台にしたもの、というのは登場人物の細やかな心情は効果的に描けない。
大きな危機が目前に迫っているのに、登場人物の心情なんてやってる場合かよ、大体地球人類が絶滅の危機にあるのに惚れた腫れたとかやっていても全然インパクトが無いでしょ。振られたからって死ぬ訳じゃないし、みたいな事になります。
つまり、登場人物の細かな動きがメインの恋愛主体の話、更に言えば百合の場合、地球スケール、宇宙スケールの話とは相性が悪い筈なんですよ。
逆に「大きな物語」では登場人物の細かな心情は描けない。繊細な心情というものは「小さな物語」でしか描けないのです。
が。
しかし。
素晴らしい百合物語でもあった「ミカるんX」は最終話で「大きな物語」に対する回答を「小さな物語」によって行う、というアクロバティックな解法を使う訳です。あるいは「大きな物語」の奉仕者であった「ミカ」が「小さな物語」を受容するまで、あるいは「小さな物語」の代弁者であったるんなが「大きな物語」を抱きしめる、というラストであってですね・・・・・。
つまりここでは「大きな物語」が解決するためにどうしても「小さな物語」が必要で、あるいは「小さな物語」を描くために「大きな物語」が要請された、という話だったのだ・・・・・・・・。
そういう意味で後継者は絶無かもしれませんが「ミカるんX」が成立出来たのは今、ここ、でしかありえない奇跡だったのだ、等と思うのでありました。

ええと明日は「淀川ベルトコンベア・ガール」について語ります。俺自身は今年のベストスリーには十分入る作品だと思うんですけど、なんか割に話題になってない感じなので、力説したいのです。ふふふ。

2011年12月26日の百合妄想雑記

急遽、今号の「彼女とカメラと彼女の季節」「グレイロマンス」を語る

_ 「淀川ベルトコンベア・ガール」を語る騙るのは急遽中止っつーか、上手い事書ける感じがしないっつーか。
で、モーニングツー今号を見たら「彼女とカメラと彼女の季節」が相変わらず百合的に快調なんでこちらを御紹介。
えーと主人公(♀)はもうユキ(♀)に夢中で、色々とユキが町を撮るのに一緒についていき色々とおしゃべり。世界がまるで輝くかのような一時。
そして、一とおり歩いた後、家に来る?とユキに言われてヘッドバンキング並にうなずく主人公。いそいそとついて言ってデリの夕食を御馳走に。舞い上がって一緒の大学に行ってルームシェアとか、と言いだすと真顔で「それは止めた方がいいよ、カメラとか高いし学費も高いし」と忠言されて凹む主人公。
しかし何故か風呂入ってきなよ、泊まっていきなヨ、と言われてお風呂に入ると何故かユキが乱入、じゃれ合っているうちに主人公は(もう抱きしめてキスしたい、私はユキが好き過ぎる!)と実感した瞬間!ユキにチューされる訳ですよ。
だははははははははは!
いや、ふざけてだよね、女同士だし別になんでもないよね、という感じでクールダウン。
そして外の部屋で主人公が上がるのを待っているユキは偶然凛ノ介(主人公に惚れてる男子)のラブレターを見て愕然、という所でヒキ。
きたぁーーーー、という感じ。

一方、今号のKISS、楠田夏子の「グレイロマンス」が百合的にシブかった。
高校生の主人公は「(見た目がややヨワい)先生と結婚する事になった」と言われた♂の先生が急に気になる。一方で親友は文化祭の演劇で雪女をやると言いだして。
揺れる学園生活で多分先生が気になるのは、見かけに左右されない人だと分かったからだ、と納得。一方親友の娘は圧倒的な演劇力で見る者を圧倒。返す刀で「私転校するの」と言った瞬間主人公にチューを。
以後の展開は百合的には苦いので百合ヲタとして推奨はできかねますが、青春の物語として捕えるならば一コマとしては非常に素直に取れる・・・・・かな?まぁ百合ヲタでなければね・・・・。

2011年12月27日の百合妄想雑記

急遽「いばらの泪」(リカチ)を語る・2011年の百合物件を振り返る(その6・マンガ単行本)その3

_ すんません、急遽「いばらの泪」を語ってない事に気が付いたので語ります!
ええとこの作品、ストーリーラインは普遍的なストーリなので今年の収穫に上げるのを不審に思われるでしょう。
でもねぇ。
この作品、とにかくコマの描写が私の体内リズムに恐ろしいほど馴染むんです。
ここで衝撃が!という所のコマがとにかく「ガツン!」と来るのです。
ラストのクライマックス前の見開きで真っ黒なページにもう心臓が止まるか、位の衝撃を受けた。ただの黒いページなのに!(笑い)

話はというと。
主人公の真希(♀)が大学でカンナという美女に心奪われる所から始まり、カンナにちょろっと告白され反射的に「あ、あたしそういうんじゃないから」と応えてしまう。で、カンナさんは「次行こう、次」とばかりに次の女の子に心奪われる。その姿を見て「私はまたしても待っているだけだった」と衝撃を受ける真希。その瞬間身体中にいばらのつるが絡まったような気分に。(つまりはそういうコマが大写しになる)
そして回想。小学生〜中学生の頃、一目惚れな広海をかっさらっていた樹里に「あなたは待っているだけのいばら姫だね、私は違う」と言い放たれ、高校生の頃、その広海にどこか似ている有紀に惚れるが作家・灰島華淡にかっさらわれ「ああ、やっぱり私は待っているだけだった」と又もいばらの蔓に絡まれたような気持に。(つまりはそういうコマが大写しになる)
翻って現代。自分の「傾向」を理解してくれている「りりあ」に愚痴り酔って家に帰ると意識を失ったと思ってりりあが自分にキスを。去っていくりりあを呆然と見て自分の回りに絡まっているいばらの蔓が一斉に花開いた様な気分になる真希(つまりはそういうコマが大写しになるのです)
そして大学で再会してぎこちない態度に。その事でショックを受けたのか、次の日から姿を消すりりあ。
「こんどもまた私の前からいなくなってしまうのか」と思う真希だったが・・・・。
で、上にも言ってますが、要所要所のエモーションとそのエモーションを説明するコマの大きさ、内容が、なんだか読んでいる私の生理に恐ろしいほどシンクロしてしまうので、ごくストレートで単純な話なのですけれどもものっそい心に響く。
ただ、この心に響く感じはあくまでも私の生理に依存しているものなので、私以外の読者の方々が同じ印象を持つかというと極めて疑問であります。
要するにスイートスポットが凄く狭いマンガ、という印象がありますねー。
しかし人の事など勘案してもしょうがない。とにかく私にとって凄く大切なマンガなのでありました。ふふふ。

2011年12月28日の百合妄想雑記

2011年の百合物件を振り返る(その6・マンガ単行本)その4

_ 「百合子、ダスヴィダーニヤ」通称「百合ダス」、こんな!こんな映画があったとは!是非見て百合ヲタ的にどうか俺に教えてくれ!連絡方法はテレパシーでよろしく<無理。
ちなみにこの監督さん、このテのスジの映画を過去にも撮っているようですね。ふふふ。
さて、「淀川ベルトコンベア・ガール」(村上かつら)について語りたい。
これはですねぇ、昨日のエントリでの「いばらの泪」と同じく、もの凄い傑作、という訳ではないのですが、とにかくもう自分はノックアウト食らいました。
話はというと、故郷の福井から遠く離れ、大阪に住み込みで工員としてはたらく16才の「かよ」。ある日「この電車が陸橋のすれ違う真下で大声で三回言うと願いがかなう」という言葉を聞き誕生日の前日に「友達が欲しい!友達と言えば最初に私の事を思い浮かべてくれて、ファッションや雑貨の話をしあう、そんな友達が!」と叫びます。
工場の中にはよくしてくれる人はいっぱいいますが、同年齢の娘はおらず、故郷から遠く離れ友人とも連絡が付かない、そんなある種の切羽詰まったかよの行為。
そしてその願いに応えるかのように誕生日にバイトとして工場に勤める事になった、と紹介される女子高校生、那子。
最初はまったく慣れ合う所作の無かった那子ですが、サイフをギったんじゃないの、という濡れ衣を晴らした事をきっかけにツンドラがツン位にはなった。
そして、突如、那子から「私たちのパーティに来ない」と誘われてホイホイとついていくと、エリカという那子のクラスメイトの家に。これが物凄いゴージャスな家。もう露骨に貧乏人鑑賞パーティかつ那子もビンボー人だよね、という様な状況でたまらず、かよは逃げるように抜け出ます。(このあたりまでが第一巻)
一方で那子は「私はエリカに気にいられたいが為にかよを『売った』」と自責の念に。実は那子の学校ではかよが一種珍獣の様に見られている事をしって自分からは知り合いだ、と言わないようにしていたのでした(最初のツンはその性だという説明)
しかしとうとうエリカに知られてハブにされるのが恐くて「売って」しまった、と凹む那子。
その事がきっかけでエリカと、ひいては学校から孤立する那子。同時に孤立する穴を埋めるようにかよと親しくなっていきます。
一方で那子が学校で孤立していると知らされたかよは「うちは自分のしてほしい事をしてもらうばっかりで」と愕然。
何か出来る事はない?と言うも「何でも言い合うのが友達じゃないでしょ」と応える那子(このあたりまでが第二巻)
で、これは三巻の後書きに書かれていた状況描写なんですけど

・存続した所で赤字が累積していくだけのはせ食品
・シャッター通りの片隅でなす術もなく朽ち果てていくテーラーハセガワ(かよの実家)
・高三から勉強した所で医学部には入学できないであろう那子
・報われる事のないヒロキの那子への恋心
・そして進学してしまえば那子との繋がりは切れてまた孤独に戻るかよ
勝算は無い、退路もない。
「いっそ諦められたらどんなにラクか!」・・・・・・しかし決定打もない。

この抜き差しならない状況でしかしかよが那子がお互いの友情の為にふんばる訳ですよ。
でですね、最期のかよが願うシーケンスがもう悶絶もんですよ。お前どんだけ那子が好きなんだ、という・・・。
そして最初のシーンにこう繋がるんだ、という感動。
この切なくしかし真摯な願いが読者の胸に刺さります。
凄く良い話だし、素敵な友情物語なんです。
なんですけど。
那子がかよの為にエリカに頭を下げて、つまりはその時に初めてちゃんとエリカに向かい合ったシーンも「那子、お前どんだけかよが好きなんだ」と思って私は百合的に悶絶。
・・・・・それに本来友情の意味でかよが「那子ちゃん・・・・・・大好き」という台詞に百合萌えしてしまう自分がちょう恥ずかしい。
この作品が百合ヲタ万人に受けるかというと非常に疑問です。だってこれ友情物語なんで百合的エモーションは全然無いんで・・・。
が俺の中では今年の収穫ですよ、これ。いや、マジに。
という訳で皆さん騙されたと思って、ものは試しで購入してみてはいかがでしょうか。
・・・・・・お前は販促員かよ。

2011年12月29日の百合妄想雑記

俺にとっての2011年の百合物件を振り返る(総括編)

_ えー長々とひっぱって参りましたが、今年の百合物件を振り返るシリーズ、いや、あくまでも「俺にとって」ですけれども。
まずは「特賞」
同人百合アンソロジー「神様はなにも禁止なんかしていない」
文芸部門では
「ニーナとうさぎと魔法戦車」(兎月竜之助)
「アイドライジング」(広沢さかき)
が、
映像部門では
「ゆるゆり」
「魔法少女まどかマギカ」
が、
エロゲ部門では
「彼女と彼女と私の七日間」
漫画短編部門では
「べことてくてく」(三谷知子) at 「つぼみ(vol.11)」
「きれいなあのこ」(吉田丸 悠) at 「ひらり、(4)」
漫画長編部門では
自分を自分の身体を全的に信じるんだという強いメッセージ「私たちは皆おっぱい」(東風実花)
SFとして百合としてあまりにも素晴らしい「ミカるんX」(高遠るい)
素敵な青春・友情物語「淀川ベルトコンベア・ガール(1〜3)完結」(村上かつら)
とにかく私的に好きで好きでしょうがない「いばらの泪」(リカチ)
という事になるかと。
しかしこの作品群、あくまでも「いま、ここ」でなおかつ「俺にとって」という条件なのであって、明日また考えると全然別になるんじゃないかと思いますな!そもそも他人に全く通じるかどうかわかんないセレクションだし!
例えば、映像部門では実は(昨日も言及しましたけど)「百合子、ダスヴィダーニヤ」(通称「百合ダス」)の方が重要だったんじゃないの?とか。
実はワキスジですけど「ブラックスワン」も結構重要だったんじゃないの?とか。
それは色々有る訳ですよ。
例えば吉田丸悠や三谷知子の百合単行本が出版されれば、特に短編部門として特記する必要ないじゃん、とかね。いや、今のペースだとお二方の百合単行本は相当先になる筈だと思ったんでエントリした訳ですし。特に三谷さんは連載を持っているから事実上百合短編を書くのは相当後になると思うんだよなぁ。
等とつらつらと考えたりするのが無上に楽しかったりする2011年でした。大体さー、悩むほど物件があった、というだけで喫驚ですよ。
俺は切々と訴えたいが、そもそもマリみてが出た時は「文芸ではあれしかなかった」んですよ!
今みたいに売れない続編出ない、編集者の熱意だけで出ているんじゃないのか、等とぼやいてもそもそも文芸だけで年6冊程度は出ている訳で・・・・。
それに「ゆるゆり」のヒットのおかげで♀同士の微妙な友情と愛情、という形態はアニメではもう安定して供給される事は確実で色々な意味で百合は前進しつつある!
勿論その進む方向は俺の/私の望んでいない方向だ、という方も沢山おられると思います。
が、しかし、とにかく量が質を生むのであって、出てくる作品が全て傑作、なんていう超越的に自分に都合の良い状況なんてありえません。
それに不満があるんなら自分で作ればいいじゃない。作れなくても出版すればいいじゃない。電子書籍のおかげでハードルは飛躍的に下がっている!
とにかく百合的には「ゆるゆり」のおかげで大躍進だった。そういう一年だったのだ、と思いますです。ふふふ。

2011年12月30日の百合妄想雑記

百合ハーレム構造の問題点(笑い)

_ どうせ皆さん冬祭りでこんなページ見ていないだろうという今だから言える。
ええと「失楽園」(尚村透)ってありますよね。ウテナっぽい構造の百合ハーレム漫画<ひどい言いがかり。
で、最後ソラが一人を選んだ途端、ドミノ倒しの様にソラに付き従っていた♀が雪崩を打って♂にくっついて「お前らソラが好きだったんじゃないのかよ・・・・」というがっかり感を感じた百合ヲタの方々はそれなりにおられたと思います。私がそう思いましたんで。
が。
ちょっと待ってほしい。
実際にソラが一人を選んで、なおかつ他の♀がそれでもソラを好きだとするとですね。
ソラ大好きな♀を振りまくって一人を選んで、しかも振った♀はみんなソラの為に健気に頑張ったいい娘さん達な訳で、そうなると素直にソラが一人を選んだ事って全然祝福出来なくならない?!
つまり、ソラの、そして物語の恋が成就する為にはどうしても他の♀が「ソラよりも(恋愛の意味で)好きな人」が出来ないと、この話が素直に終わることが出来なかった。
つまり「ハーレム形態の物語では主人公ペア以外の脇役も必ずペアが出来ないとマズい!」という事なんですよ、な、なんだってー(棒。
俺さー、どうして三角関係モノって最後にあぶれた脇役がくっつくのか、スゲー不思議でしょうがなかったんですけど、そういう理由があったのですね。

という訳で「失楽園」のラストで脇役がバタバタっと「片づいた」のを責めないであげましょうよ。どうしても納得いかない方は「これはギャルゲーのトゥルーエンド、俺は他の♀のハッピーエンドを妄想するZE」という事でどうか<どうかと言われても

2011年12月31日の百合妄想雑記

百合ハーレムはどう思う?

_ 昨日のエントリで「ハーレム構造だと最後に主人公の恋が成就した瞬間、他の♀は別の恋が成就しないとマズい」という事を言いました。
じゃぁそもそもハーレム構造無くせばいいじゃん?と仰るでしょうが。
フランソワ・トリフォーが「どうしてあなたの映画は三角関係が出てくるんですか?」と問われて「1対1だとどうしてもドラマが生まれにくい。三角関係だと必ずドラマが生まれる」と答えた逸話もあります。
だから、♂♀モノであれば、商業的に長く続ける、という前提であれば1対1の関係性だと意外に手札が無いんで三角関係を持ち出す方が好ましいんです。そして三角関係、四角関係・・・・と連鎖が繋がるとその力学だけで楽しめる。キャラクターものとして、かーいい女の子がわらわらと出せるという意味で、商業的に非常に安定してリターンが見込める。やはりどうしても「長く」続ける為にはハーレム構造というのは有力な構造です。

で、じゃぁ百合の場合はどうか。

百合で♂が読者の場合、主人公に「自己投影」はしていませんから、主人公がモテモテ!だとして嬉しいか。少なくとも自分の感覚ではそれはナイなー、と思います。
これが♂の百合ヲタの総意なのかは分かりませんが、少なくとも「私は」登場人物達が心安らかになる姿を見たい、ハッピーな姿を見たい、世界が善意で出来ていると(一時的にせよ)信じさせてほしい、と思うのです。私にとって百合っぷるというのは希少であるが故に、善きもの、美しきもの、であって、世界の善意の象徴であるからです!<目がマジ
なんで、フラれる人がいるという前提であるハーレム構造は見ていてツラいのですよ。
一応、魅力的な♀がわらわらいて、たわいもない話で盛り上がるという展開は「ゆるゆり」のビッグヒットで市場があると証明された昨今(文芸ではそういう形でヒットを飛ばすのは難しそうですが)アニメやマンガでは問題無いと思いますし、やはり百合にはハーレムではなく複数のペアが入り乱れるタイプの構造の方が好ましいんじゃないでしょうか。
皆どう思う?<どう思うと言われても。
という訳で皆さま良いお年を。