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言語表現学科の授業紹介・「会話技術論」(高井一先生

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 文学部 言語表現学科 甘露ゼミ紹介

「仲間と連携し、映画を作ることで一歩踏み出せる力を育てたい」―甘露純規

夏目漱石の作品を読み込み表現の幅や深みに接近する

甘露純規 
事件の裏側にうごめく人々の思惑やその文化的な背景を解明するおもしろさに惹かれ、盗作事件の歴史を主に研究。また記憶術や忘却術の歴史の研究を進める。日本文学協会、日本近代文学会、日本出版学会、日本比較文学会、メディア史研究会会員。主な著書に『剽窃の文学史 オリジナリティの近代』、論文に「江戸の記憶術と忘却術-青水先生『物覚秘伝』と建部綾足『古今物わすれ』-」など。

言語表現学科の学びの特徴は、座学だけではなく表現行為を通して言葉について理解を深めることです。人前でのプレゼンテーションや集団でディスカッションをしながら効果的な言葉の使い方や、言葉そのものが持つ特性について学んでいきます。

甘露先生のゼミでは表現行為の学びのひとつとして、3年次に明治時代の夏目漱石の作品『三四郎』の映像化に取り組みます。映像メディアを通して昔の作品を読み解いていくことがゼミのポイントです。しかしただ小説を読んだだけでは映像化は難しいと甘露先生は話します。「例えば主人公の三四郎と美禰子が歩いていたという一文だけでも、実際に2人は何センチ離れて歩くのかなど、細かいところまで決めないと映画にはできません。学生に要求されるのはどれだけ作品を深く読み込んで理解しているかということです」そのためにまずは作品の中から学生がそれぞれ気に入った場面を選択。その場面の登場人物についてレポートを作成し、甘露先生の指導を受けます。「登場人物は紙の上の人間ではない、実際に君達と変わらない若者だと思ってその心理をつかめと指導します。登場人物に血が通い、人間としての厚みが感じられるようになったら、映画撮影を許可します」

三四郎と美禰子が病院で再会する場面を選んだゼミ生の尾崎さんは「この時の美禰子の気持ちはどうだったと思う?と先生は深く小説を掘り下げて読むヒントを与えてくれます。また実際にその場面を再現すると、2人の距離が思った以上に遠かったりと感じ方も変わる。今までより本を深く読み込むようになったと思います」と言います。

「文字の向こう側にある登場人物のドラマや秘められた感情を読み取ることは難しいですが、こうした作業を繰り返すことで学生達も段々と理解していき、夏目漱石の表現の幅や表現の持つ本当の深みに接近していきます」と甘露先生は話します。

「全員監督」から学ぶ協働と仕事をまとめる力

「映画作りや監督の仕事から人と協働することの大切さを学びました」―尾崎 綾さん

映画作りでは、全員が自分の作品で監督を務め、他の人の作品で役者やスタッフになります。「役者は具体的に演じるキャラクターの気持ちがわからないと演技に臨めません。どのようにこの役を理解しているのかと監督は役者に問われ、撮影現場は常にディスカッションです。いかに話し合い、他人と協働しながら期日までにひとつの仕事をやり遂げるかというのもゼミの重要な目的のひとつです」と甘露先生。こうした監督の仕事について尾崎さんは「いかに気持ちよく役者やスタッフに仕事をしてもらうかを考えて動きました」と言います。「役者に芝居の仕方を尋ねられた時は、『例えば、こんな時あなたならどうする?』と身近な具体例を挙げて理解してもらうように工夫もしました。監督という仕事を通して、物事の全体が見渡せるようになったと思います」 

これに対して甘露先生は「考え方の違う人達と連携しながら仕事をまとめるのが監督の仕事。そのためには明確なイメージを持ち、それに向かって皆とコミュニケーションを取りながら形にしていくことが大切です」と話します。また「こうした能力は社会で求められる基礎的な力」とも。「締め切りまでに皆とどう連携を取りながら仕事を形にしていくか。それを体験させる意味からも、映画化は有効な教育手段だと感じています」

初めての映画作りは大変ですが、夏の撮影期間が過ぎると学生達の顔つきは少し変わってきます。「一人ひとりが映画を撮るということに学生達は最初呆然とします。しかしいろいろな試行錯誤を経験して終わってみると、自分の考えたことを人と協働しながらやり遂げたというのは彼らにとって大きな手応えになります」と甘露先生。「撮影が進むにつれて皆とうまくコミュニケーションが取れるようになり、とても大きな達成感を感じました」と尾崎さんも同感します。

4年次では甘露先生が決めた題材をリメイク、映画化してコンクールに出品する作業も行います。1年次から広告業界を希望していた尾崎さんはCM作りにチャレンジ。今度は小説の登場人物からユーザーの心理を深く読む作業に変わったと話します。「映画作りと同様、CM作りも人の意見を取り入れることが大切だと先生に教えられました」

こうした映画作りの経験を通して、甘露先生は「与えられた人生を受け取り続けるのではなく、こういう人生にしたい、あるいはこういう仕事につきたいと思ったら一歩踏み出せるような人を育てたい」と言います。「今の学生達は皆、指示待ちや受け身と言われることが多く、夢がないと言われることもある。でも本当にそうかと疑問に思います。自分がしたいことについて準備し、人を説得し、作り上げる。自分の考える夢を実現していく力が自分にはあるということを教えてあげたいと思っています」

もっと「甘露ゼミ」を知る

事前に細やかな絵コンテを描き、本物さながらの映画作りに挑戦


ゼミ生達は、映画を撮るにあたり事前に細やかな動きを絵コンテに起こし、それを見ながら撮影を行います。絵コンテは仲間や甘露先生と相談をしながら制作。撮影現場では本物の映画さながらにカチンコや照明器具なども使用します。

自分達で作った映画作品はDVDにして保存版に


4年次では20〜30分の短編映画を制作。太宰治などの作品を現代におきかえてリメイクし、ほぼオリジナルの作品の世界観に近づけます。撮った映画は編集し、DVDとして保存。パッケージにもこだわり、まるで本物の映画のDVDのように仕上げる学生もいます。



2008年3月20日(木)
2007年度児童文化グループ研究例会(2)

 これまでのグループの活動の総決算のため、夏に叢書を刊行予定。刊行に先立ち、査読の機会を持つということで、この会を開きました。他大学の院生さんも参加してくれました。感謝。
 叢書の大黒柱となる高塚・鶴田准所員が力作を発表。荒削りな部分はまだあるものの、執筆にむけて、それぞれに手ごたえを感じた様子。
 前夜、久しぶりに、昔の熱血スポ根アニメを見たせいで、質疑応答・議論にコスモを燃やしました。4時間近くもやっていましたが、不思議と疲れん会でした。が、高塚・鶴田君はぐったりじゃろう。


2008年3月4日(火)
2007年度児童文化グループ研究例会


「絵巻から漫画まで−顔のリアルをめぐって−」と題して、三田村雅子×高橋亨先生をお招きしての研究例会。なんと、三田村先生が井上雄彦「リアル」を論じるという、原國人先生によるビックリ企画。司会を引き受けましたが、タイトルからして、どうまとめていいものか、ボーゼン自失。
 発表壇とフロアーの間には、熱のこもった質疑応答。テーマへの関心の高さがうかがえました。おかげで、ボーッとしている間に終了。
 飲み会の席上、「なんで君が児童文化なんだ?」と高橋先生に真剣に尋ねられました。なりゆきです・・・としか答えられない私が、そこには居たわけです。・・・情けないですね。

2007年3月20日(火)
2006年度児童文化グループ研究例会

 名古屋大学院生の鶴田武志君と発表コラボ。結構付き合いの古い鶴田君ですが、一緒に研究発表をするのは初めて。「明治初年代の児童書籍と宣伝」と題して、鶴田君の前座を勤めました。私の内容は、ニュース・物語・宣伝の関係を、明治10年代の新聞続き物を通して考えるというもの。鶴田君の内容は、松本清張執筆の児童書についての考察。この成果は叢書にまとめる予定。
 写真を見て気づきましたが、研究者の背中って丸いのね。
 

2007年3月11日(日) 
日本近代文学会東海支部シンポジウム。

 「文学・映画・ゲーム」という演題で、元松竹シナリオ研究所所長川邊一外先生が講演。創作法の秘訣を、おしみなく披露されました。その後、「メディアの交差と文学教育」というシンポ・テーマで、川邊先生、稲垣広和先生、広瀬正浩先生、梶川忠先生がディスカッション。私はCR活動の実践者、シンポ企画者・コメンテーターとして参戦。フロアーからは、シンポ企画への厳しい批判も出ました。ちょっと涙目になるけど、厳しいコメントは、勉強になります。


2006年10月14日(土) 就職講演会。

 飯室・徳竹先生のご尽力で、第一回文学部就職講演会が開催されました。今回はマスコミ志望の学生に向けての講演会。『文芸春秋』編集者、『中日新聞』記者として第一線で活躍する先生の講演とあって、フロアーには、1〜3年生まで多くの学生がつめかけました。第一線の緊張感と熱気、伝わったかな?後半は就職相談会。甘露ゼミからは、情報誌編集者として働いているOBや、広告代理店に内定した4年生などが参加。業界の甘くない現状や、内定を獲得するための心構えについて、語ってくれました。講演会の詳細を知りたい人は甘露まで。講演の録音MDあるよ。