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福島県矢祭町の滑川園芸さん、農業生産法人甚右衛門さんを視察しました。

2013年10月30日

10月30日(水)の午後、お隣福島県の矢祭町にある農家さん2軒に視察でお邪魔してきました。

 1軒目は滑川園芸さん。野菜やこんにゃく、シイタケなどの複合経営から転身して、地域の農家7軒で花卉の生産組合を結成。7軒で協力しながら年間を通じて多品目の花卉を生産。市場に供給しています。感銘を受けた点は2点。

 まず、量と品質を両立して、市場ときちんと取引を継続している点。そのために組合農家の間で技術情報を共有。また、仕入れや床土生産を共同化してコストを抑えるとともに、高い技術レベルでの生産を実現していました。直売などはあえて行わず、市場との情報交換をしっかり行いながら、他産地との競争の中でしっかりと矢祭ブランドの信用を確立している点は、2時間ほどの見学では計り知れないご苦労があるのだろうと拝察しました。

 また、鉢物花卉栽培の根っこである床土生産への研究とこだわりは徹底していて、植物が気持ちよく育つ環境を整えるベースである「根っこが伸びる土」に対する考え方は、私達異分野の農家にも大変参考になりました。細かい技術についての質問にも隠すことなくすべて答えてくださる姿勢からは、ご自分の技術への自信と共に、共に切磋琢磨してゆきたいという、私達若手への愛情も感じました。

 2軒目は滑川園芸さんから車で5分ほどの農業生産法人「甚右衛門」さん。まだ若いご兄弟が経営されている農業法人です。ハウスでのミニトマト栽培をメインにしながら野菜類を栽培しています。親会社が堆肥や有機肥料の製造を行っており、その堆肥や発酵肥料を使い、高品質な作物生産に取り組んでらっしゃいました。種苗会社の試験栽培なども行っており、数十種類のトマトが番号をつけられて栽培されている姿は圧巻でした。震災による顧客の激減を乗り越えて、新たな販路と作目の開発に奮闘される姿から、これからの矢祭農業を引っ張って行く若者の心意気を感じました。帰りがけには近所の堆肥工場にもご案内頂き、高品質の堆肥生産現場も見学。滑川園芸さんも使ってらっしゃる植物性の堆肥はサラサラで山の土のようないい匂いがしていました。

 今回矢祭町の2軒の農家さんを見学して感じたこと。それは「農業生産者はやる気が一番大事」ということです。当たり前のようなことです。しかし、私が住む常陸太田市里美地区には専業農家はほとんどいません。しかしそこより条件が悪い(失礼)と思われるすぐ隣の福島県矢祭町には今回お世話になった2軒をはじめ、多くの優れた専業経営の農家さんがいらっしゃいます。この違いは何でしょうか?一番の理由は里美地区は遠いとはいえ、まだ「通勤圏」だということもあるでしょう。しかし、これからの時代はいわゆるサラリーマンになれば一生が保障される時代ではなくなるでしょう。滑川園芸さんは自分たちで仕事を創り出し、遠隔地にありながらも全国を相手に競争し、流通システムをも確立しています。また地域の中で多くの雇用も生み出しています。

「いつも失敗ばかりだよ」と笑いながらも、農業を愛し、土を見つめ続けてきたベテランの農家、そしてそんな農家と技術提携しながら地域そして全国に良質の有機肥料を提供している肥料会社。そこが立ち上げた農業法人で奮闘する若者たち。農業は場所でするものじゃない。一番大事なのはやる気。土を育てる技。あとは志を持つ仲間の存在。矢祭町の農業から学ぶものはまだまだありそうです。

(記事 by 木の里農園 布施)

出荷準備のできた花の前で説明をうける。

床土に関して熱く語る滑川氏。

滑川園芸
http://item.rakuten.co.jp/e-hana/mag-car_8re/
http://www.himehana.jp/category/hanadukuri_note/touhoku/fukushima_namekawa.html

農業生産法人 甚右衛門
https://www.facebook.com/jinemon831