トマ・クレキョン
Thomas Crequillon
1505-15年頃生-1557年頃没



MIDIサンプル


シャンソン「我が愛しの死」
Chanson "Mort ma prive"
(1' 55)
NEW



CDその他



EGIDIUS KWARTET, EGIDIUS CONSORT:
THOMAS CREQUILLON: CHANSONS.
ET'CETERA, KTC 1274.
NEW

 フランドル楽派の中でも、名前は知られつつもあまりまとまった量のアウトプットを聞く機会に恵まれない音楽家は沢山います。トマ・クレキョンはその一人ですが、今回ようやく、一枚全部をクレキョンの世俗曲にあてているCDが登場しました。

 演奏しているのは、トン・コープマンのアムステルダム・バロック合唱団のメンバーのCT以下4人が作ったエジディウス・カルテットで、このCDではさらに適宜女性のソプラノを加え、また器楽も加えて演奏しています。

 演奏されているのは、すべて世俗曲で、殆どは初めて聞くものばかりでしたが、クレキョンの独特のスタイルは十分これで味わえるとおもいます。この時代では、もちろんフランスではジャヌカン、そしてカール5世の合唱隊の同僚であったゴンベールなどのシャンソンも人気をはくしていたのですが、そのどちらとも異なる、哀愁と節度のある明るさが感じられる音楽スタイルで、今までほとんど演奏されていないことが不思議なぐらい、いい曲揃いだと思います。どちらかといえば、ジョスカンらの世俗曲の、正当な後継者という感じでしょうか。

 さすがコープマンの手兵で構成されただけあって、エジディウス・カルテットは、十分クレキョンの音楽の魅力を引き出した演奏を聞かせてくれます。イギリスの団体では、今はこのような演奏ができる団体はないと思います。風味としてはカピッリャ・フラメンカにちかいでしょうか。曲の配分も、緩急のバランスをとって配慮されてはいるとおもいますが、ただ、それであっても流石に60分をまともに一気に聞くのは、無理です。それはこれらの曲が、連続して次々に聞かれるものではなく、詩と音楽を味わいながら、そして多分、演奏そのものに参加しながら楽しむものであったことによると思います。レコードの、物理的な条件から、30分で一区切り、というのは、こういうCDを聞いていると、理想的だったと感じます。




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