かなりてきとうな
日本で観られるFILMARK(IFD Film&Arts)作品年表


1970年代後半、ジョセフ・ライという男が映画会社を設立した。
それがIFD Film&Artsである。フィルマークは、そのIFDの子会社にあたる。
2社の作る映画は、ブルース・リーのニセモノ映画、ニンジャ映画、偽ロボコップ、インチキキックボクサー等々、そのほとんどがパチモン。
作品の質も年数を重ねるごとに酷くなり、ついには、粗製濫造の終着点“二コイチ映画”というジャンルを生み出した。
しかし、時代の流れというものは恐ろしい。
時はビデオバブルやニンジャブームの全盛期。なんと、ニコイチ映画という詐欺まがいの代物に需要と供給が成立してしまう。
観客は誰もそんな物を望んではいなかったのに・・・。


私とフィルマーク作品との出会いは、今から9年ぐらい前に遡る。
場所は、大阪のとあるレンタルビデオ屋。
散歩をしていて、偶然発見したその店は、なかなか品揃えの良い店だった。他のところにはないような作品が色々と置いてあったので、私はその店の会員になった。
借りた作品は「仁義なきニンジャ/香港代理戦争」(借りた理由は、タイトルが一番バカだったから)。
そして、観た。
驚いた。
別物の映画2本を無理矢理一本の作品にしている。
内容は全く噛みあってない。しかし、映画はそれを無視して展開していく。
観てるこっちは置いてきぼり。
映画を解体し、ただの肉塊にしてしまったような、そんな謎の物体。
私は、あまりの誠意のなさに衝撃を受けた。
既存の映画に新撮場面を追加し、台詞をすべて吹き替え、それを新作としてしまうインチキ映画の存在。
いわゆる“ニコイチ映画”との出会い。
初めて観るそれは、今まで観た映画のどれとも違う、非常にエキサイティングなものだった。

こうして、私はフィルマークの映画に興味を持ってしまい、現在に至る。
なかなか飽きがこないのが不思議でしようがない。
まぁ、無理して観ようとも思わないので別にいいのだが。


最後にはっきり言わせてもらうが
フィルマーク作品は観ないほうがいい
フィルマーク作品は基本的につまらない。ニコイチ映画ならなおさらだ。
しかし、その得体の知れなさ、怪しさに魅力があるのも否定はできない。
そのつまらなさにマゾ的な快感を感じる。
「酷い!」とか「最悪!」とか言ってる瞬間が一番気持ち良い、それがフィルマークの映画である。


この年表は未完成である。
なかにはフィルマークやIFD作品でないものも混じっているかもしれないので、指摘してもらえると嬉しい(所持している作品以外は確認のしようがないので)。




1981年
アメリカで、TVドラマ「将軍 SHOGUN」が放映され、日本ブームが起こる。
そのブームを受けて、キャノングループが「燃えよNINJA」を製作し、大ヒット。
以降、アメリカでは、ニンジャ映画がコンスタントに製作される。

<IFD作品>
レディ・ニンジャ/セクシー武芸帳
THE CHALLENGE OF THE LADY NINJA
監督 リー・ツォナン


<FILMARK作品>
地獄のニンジャ軍団・クノイチ部隊
A LIFE OF NINJA
監督 リー・ツォー・チン


<無関係>
レディ・ニンジャ2/夜霧の忍び凧
IMPOSSIBLE WOMAN
監督 トミー・リー
出演 ヤン・ホイサン、倉田保昭

「レディ・ニンジャ」の続篇みたいなタイトルになっているが、主演が同じヤン・ホイサンであること以外、全く無関係。
全編「西部警察」や「太陽にほえろ!」のBGMが響き渡る衝撃の一本。



1982年

<FILMARK作品>
バトル・リッジ 血染めの598高地
RAIDING PARTY
監督 ウォーレス・ルロイ
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忍者VS阿羅漢 遥かなる王道
SHAOLIN VS NINJA
監督 ロバート・タイ
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<未確認>
クローン人間ブルース・リー/怒りのスリー・ドラゴン
THE CLONES OF BLUCE LEE
監督 ジョセフ・コン



1983年

<IFD作品>
香港版プレイガール ヤムチャ・ガールズ/地獄の鉄観音
DEADLY SILVER ANGELS
監督 チェン・チー・ツー


<FILMARK作品>
妖術大変化
RED LOTUS TEMPLE ON FIRE
監督 金漢祥


<未確認>
地獄のソルジャー/非情の虐殺指令
RAIDERS OF THE GOLDEN TRIANGLE
監督 スコット・サイチューア
出演 ソラポン・チャトリ

随分前に観た作品なので、細かいところは覚えていないのだが、あまりのつまらなさに腹が立ったことだけは、ちゃんと覚えております。
確か、犯罪組織の基地があるジャングルにコマンドが潜入して、戦うとかなんとか、そんな話だった・・・ような気がする。
本作のようなタイプのアクション映画は、敵陣までにたどり着く間、色々と危機があって、それを乗り越えるアクションが見せ場になるものだが、本作は特に苦労もないまま、開始18分ぐらいで敵陣に潜入完了。でも、攻撃を開始するのは映画が終わる10分前。
それまでの約1時間、何をモタモタしていたのかは全く記憶にない。本当に何してたんだ?そらぽん!!
そんな記憶が吹っ飛ぶほど苦痛に満ちた時間を経て、観客を待っていたのは、敵のボスが逃げて終わる衝撃のラスト!!これ、観なくていいよ、マジで。



1984年

<IFD作品>
アマゾネス・コマンドー/美女脱獄囚:地獄のX作戦
GOLDEN QUEENS COMMANDO
監督 チュー・イェンピン

セクシー・コマンド部隊/ピンク・フォース
PINK FORCE COMMANDO
監督 ローレンス・フル



1985年
アメリカで「忍者ジョン&マックス」放映。
ショー・コスギが日本人初の百万ドルスターになる。
おそらく、アメリカで一番ニンジャが盛り上がった年。
(ちなみに、この余波は次の年まで続く)

日本で初めてニンジャ映画がビデオリリースされる。
作品はショー・コスギ主演「ニンジャ/転生の章」。

<IFD作品>
ピンク・ウォリアーズ/悩殺軍団怒りの逆襲
PINK FORCE WARRIORS
監督 カレン・ヤン
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新・悪魔のえじき/暴虐女傑復讐鬼
DEADLY DARLING
監督 カレン・ヤン


<FILMARK作品>
殺戮戦場
RAIDERS OF THE DOOMED KINGDOM
監督 ソマット・サイチャー
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ニンジャ・サンダーボルト/裏切りと復讐の暗殺軍団
NINJA THUNDERBOLT
監督 ゴッドフリー・ホー
出演 リチャード・ハリソン、倉田保昭

フィルマーク作品のなかでも1、2を争うぐらいに凄惨なハチャメチャニンジャ映画。
翡翠の馬を巡って、刑事と謎のヒロイン、そして、倉田保昭にマフィアが四つ巴の争奪戦を繰り広げるというお話だが、いつの間にやら、忍者帝国の存亡をかけた戦いにシフトしてしまう異次元ストーリー。
しかも、劇中に登場する変な車(ジャケットの解説によると最新兵器だそうです)のカーチェイスを何故か日本(名古屋)で撮影していて、香港が舞台なのにカットが変わると日本になってたりする。
さらにクライマックスは、ニンジャ・サンダーボルトなるくの一(タイトルは、こいつの名前だったのだ!!)VS刑事の上司、リチャード・ハリソンという、物語と全く関係ない者同士の戦いが始まる
リチャード・ハリソンが「命の大切さ」について説教を始めるなか、「お前は最高のニンジャだよ!!」と言い残し、壮絶に散るニンジャ・サンダーボルト。そして、エンディングテーマとして「ダーティハリー2」のオープニングテーマ(多分、無断借用)が大音響で鳴り響き、観てるこっちは脳が死ぬ。
正にこの世の果てのような作品である。
しかし、これだけ酷いのに、もう一回観たいような、観たくないような微妙な気分になってくるのは何故だろう・・・。


<未確認>
バイオニック忍者
BIONIC NINJA
監督 ティム・アシュビー

マグナム・サンダーボルト/香港暗黒街の抗争
MAGNUM THUNDERBOLT
監督 ケネス・コン



1986年
ビデオバブル期
日本でニンジャ映画のビデオが大量リリース。

<IFD作品>
コマンド・フューリー/女囚戦士
COMMANDO FURY
監督 チェスター・ウォン
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忍者プロテクター
NINJA THE PROTECTOR
監督 ゴッドフリー・ホー
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サンダーホーク/死霊伝説の謎
SCORPION THUNDERBOLT
監督 ゴッドフリー・ホー
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男たちの銃火/ファイヤーパワー
MAJESTIC THUNDERBOLT
監督 ゴッドフリー・ホー
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ゴールデン忍者
GOLDEN NINJA WARRIOR
監督 ジョセフ・ライ

暗黒街の忍者
NINJA DRAGON
監督 ゴッドフリー・ホー

淫獣道士/地獄から来た吸血ドラゴン
DRAGON AGAINST VAMPIRE
監督 ライオネル・リャン


<FILMARK作品>
機密ファイル奪回作戦/ニンジャファイター
THE THUNDERING NINJA
監督 ジョセフ・コン
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ニンジャコマンドー/地獄の戦車軍団
NINJA IN THE KILLING FIELD
監督 ヨーク・ラム
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シャドー・ウォリアーズ/極悪ニンジャ部隊
TOUGH NINJA THE SHADOW WARRIORS
監督 ラリー・ハットン


<未確認>
魔界SFX軍団/死霊のニンジャ
DIAMOND NINJA FORCE
監督 ゴッドフリー・ホー

クラッシュof ザ 忍者
CLASH OF THE NINJAS
監督 ウォレイス・チェン



1987年
ショー・コスギ主演「ザ・ニンジャ」劇場公開。
(ちなみに地元では同時上映が「死霊のしたたり」)
それと合わせるかのように日本におけるニンジャ映画ブーム(?)終結。

<IFD作品>
忍者伝説/シナンジュの秘宝
NINJA DESTROYER
監督 ゴッドフリー・ホー
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ロイヤル・ウォリアーズ/第7作戦
ROYAL WARRIORS
監督 ゴッドフリー・ホー
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特捜指令サンダー・フォックス
NINJA KNIGHT-THUNDER FOX
監督 ゴッドフリー・ホー
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<FILMARK作品>
ゴールド・レイダース
GOLD RAIDERS
監督 P・シャロン
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ハード・ジャスティス/裁きの日々
HARD JUSTICE
監督 ラルフ・フィルモア
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地獄のニンジャ戦線・アマゾニア
NINJA: AMERICAN WARRIOR
監督 トミー・チェン

地獄のニンジャ・ソルジャー
NINJA8: WARRIORS OF FIRE 
監督 ブルース・ランバート

ニンジャ・ファントムU.S.A
NINJA PHANTOM HEROES USA 
監督 ブルース・ランバート

ドーベルマン・コップ
THE KNIGHT REVENGER
監督 ジェームズ・ウー

仁義なきニンジャ/香港代理戦争
DEATH CODE NINJA
監督 トミー・チェン
出演 ジュディ・バーンズ、エドガー・フォックス

典型的なフィルマーク製ニンジャ映画。
一見、ふざけた邦題だが、タイトルに全く偽りはない
足を洗った殺し屋夫婦が雇われていた組織から命を狙われ、夫が死亡。生き残った妻が復讐のため、組織に戦いを挑むが、この戦いが実は二組の敵対するニンジャの仕掛けた代理戦争だったという、タイトル通りの仰天ストーリー。
元となっている映画自体は本当に面白くなくて、オープニングとエンディングのニンジャバトルや随所に挿入される忍術の訓練シーンなどの新撮部分のほうが面白い。
ちなみに本作は、自分が初めて観たフィルマーク作品。


<未確認>
バトル・ヒーロー/秘宝強奪作戦
BATTLE FOR THE TREASURE
監督 バート・ピーターセン

地獄のバトルボーダー/戦場に舞い降りた残虐軍団
HITMAN THE COBRA
監督 ゴッドフリー・ホー

鉄腕少年バイオニックキッド
DYNAMITE JOHNSON: BIONIC BOY PART II
監督 ボビー・A・スアレス

ドラッグ・ストライカー/麻薬に賭ける銃弾
EAGLE ISLAND
監督 フィリップ・コー

コードネームはコンドル/幻の秘宝略奪作戦
EYE OF THE CONDOR
監督 シャーロン・パクデビッチ

アグネス・チャンの香港大怪談 ひなげしのキョンシー
VAMPIRE RAIDERS:NINJA QUEEN
監督 ブルース・ランバート

ビデオ化しようとしたら、アグネス・チャンサイドからクレームがついて、発売中止となった作品。詳しくは江戸木純先生の名著「地獄のシネバトル」を読んでください。作品観るより面白いから。
でも、アメリカではビデオ化されてそうな気がする。



1988年
「ロボコップ」日本公開。

「来来!キョンシーズ」が日本でテレビ放映される。
キョンシーが一番盛り上がった年。

<FILMARK作品>
ロボハンター/霊幻暗黒団大戦争
ROBO VAMPIRE
監督 ジョー・リヴィングストン
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ロボ道士/エルム街のキョンシー
THE VAMPIRE IS ALIVE
監督 エドガー・ジェール
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<未確認>
必殺!ムーンウォーク拳/キョンシーマン
REVENGE OF THE VAMPIRE
監督 ジョー・リヴィングストン

ギャンブル・キョンシー/霊幻襲撃
VAMPIRE STRIKES
監督 ブルース・ランバート



1989年
ビデオバブルに終焉の兆し。

<IFD作品>
ソルジャー・ターミネーター/特攻人間兵器
AMERICAN FORCE 4: SOLDIER TERMINATOR
監督 チャールズ・リー
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1990年以降
1990年初頭、日本のバブル経済が崩壊。
92年頃、足並みを揃えるようにビデオバブルも終わりを迎えた。

看板監督(兼経営者)ゴッドフリー・ホーが1990年の「NINJA EMPIRE」以降からフィルマークを離れ、台湾、タイ、アメリカなど、香港以外のところで活動を始める。(現在はアメリカにいるらしい。)


そして、運命の1996年、フィルマーク本社ビル焼失。


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