雅楽における五行配当表


雅 楽 双 調 黄鐘調 壱越調 平 調 盤渉調
五 行
朱・赤
方 位 中央 西
四 季 土用


壱越調
中央(壹越調があたる方位)について四方八方をかねて、その徳のすぐれたる也ゆえに壹越調と名づける。明障子に砂をかぐるが如く、声細やかに聞こえ、物にとりつかず。

平 調
金(平調があたる元素)は物を平ぐる心ありとし、平調とする。
春風に柳のたおれかかる如く、これを吹く。

双 調
角は牙なりと、もろもろの草木、地より出る。
やさしくしめじめと、しかも姿のうちに心有るように吹く。

黄鐘調
黄は火の色なり赤けれども、赤くはにざる也。鐘はさかつきとよむ水、萬水の源なり。銚子にすみたる酒の入りたるを見るが如く吹く。心よろこばしき風情有るべし、水音という。

盤渉調
盤はわだかまる。水の心ならへのする心。渉はわたすとあり、陰なり。
しずみてしずかなる徳あり。涼心もしずかなる所有也より心静かにのべかけて吹く。

太食調は、平調と同様なり。



時の声
 四季に六調子のうちの四つを当てはめたものを「時の声」と言う。
「教訓抄」には、春は双調、夏は黄鐘調、秋は平調、冬は盤渉調、壱越調は中央とある。
昔漢の京房は律管(当時の調子笛)を用いて候気の法を行ない、それによって一年間の各月の季節を測定することを企てた。それをわが十二律に応用すると次のようになる。
壱越=十一月、断金=十二月、平調=正月、勝絶=二月、下無=三月、双調=四月、鳬鐘=五月、黄鐘=六月、鸞鏡=七月、盤渉=八月、神仙=九月、上無=十月(但し、月は陰暦)
これを前記の六調子に当てはまると、平調は冬、双調は春、黄鐘調は夏、盤渉調は秋となり、各調には季節感が伴う。
(但し、壱越調は中央の調として季節感が伴わず、また太食調も多く舞楽の調として季節に関しない)。