神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

八ヶ岳定着

2015年12月26日〜28日



”北稜最終ピッチ”



 雪山からしばらく遠ざかってる。今シーズンは真面目に取組みたい、と思う。 ということで、まずは八ヶ岳西壁の復習をすることにして、パートナーのKさんには初体験を 楽しんでもらうことにした。もともとは爺が岳東尾根の予定だったが、雪が少ないので八ヶ岳に変更。 年末に八ヶ岳に入るので、2泊3日で3つのルートを組んだ。初日は阿弥陀南稜から行者小屋に降りて ベーステントを張り、翌日は赤岳主稜、最終日は阿弥陀北稜を越えて舟山十字路に戻る。実際は、天気の都合で 前後したが、3つのルートを完登することができた。


26日:阿弥陀南稜:曇り、視界なし、強風

 舟山十字路から立場川沿いに歩き堰堤のところを渡渉して尾根に取付く。 まったく雪はないが急登であり、凍っているかもしれないのでアイゼンを着けた。立場山まで雪は無し。 その先は徐々に雪がでてきて土が見えることはない。 無名峰は風が強そうなのでその手前でハーネスを着け、再びアイゼンを着けた。 雪は降っていないがP1さえも見えない悪い視界。

 P1、P2を越えてP3のルンゼ取付きに着くと 出だしはベルグラ、その先のルンゼは不安定な雪の上に氷が張っている悪い状態。 いつもながら風も強い。Kさんのロープワークの練習のためにはロープを出すべきだが、かなり時間がかかる。 天気が悪いので早く抜けたい。 結局、Kさんもソロで越えた経験があるので、スピード優先でロープを出さずに越えるという判断をした。 P4基部のトラバースは雪が少ないので容易だった。 南稜にトレースはなく、人の気配もなかった。 阿弥陀頂上は視界ゼロ。

 中岳コルへの下山路の微かな踏み後を頼りに慎重に降り、コルから中岳沢を下降した。 途中、北稜の取付きを確認しながら降りる。 その先で会ったクライマーは、阿弥陀北稜岩場の基部まで行って悪天候のために引き返してきたという。 行者小屋に着いてテントを張り、小屋でお酒を飲みながら残り2日間をどうするか相談。天気は明日も悪いらしい。 とりあえず明日の赤岳主稜は止めて、天気次第で阿弥陀北稜に登ることにした。(G記)

コースタイム:舟山十字路6:30〜11:50阿弥陀頂上〜12:20中岳とのコル〜12:50行者小屋

Kの感想

 約1年ぶりの南稜。雪が少なく状況は違うが概要やポイントポイントは、覚えているので特に不安は無かった。 P3ルンゼは、3P目左上し稜線に出た。前回はルンゼを真っ直ぐ進んだので後半は始めてのルートだった。 傾斜はキツイが所々、岩が露出しており足場がしっかりしていて怖い箇所は無い。 頂上を踏み、中岳沢に入るとようやく強風から開放され安心出来た。


27日:阿弥陀北稜:曇り、視界なし

 朝起きると小屋周辺は真っ白。昨日以上に視界が悪い。7時に赤岳主稜に出発した パーティーは取付きまで行って9時には戻ってきた。 我々は出発を遅らせ、北稜なら行けるかもということで、ダメ元で出発。文三郎道 から中岳沢に入りしばらく行くと右手に尾根が見えてくる。 ちょっとした雪面を登ると稜線だ。稜線通しに進むとトレースが あったのでそれに従う。雪が多いとJPの辺りが難しい記憶があったが今回は容易たっだ。

 JPに着くと5人パーティーが ロープを出して準備をしていた。その先の雪壁には3人が取付いていた。5人を残し我々も雪壁に取付く。岩壁の 取付きに来ると、ガイドパーティーがモタモタしていた。 クライアントがハーネスにエイトノットでロープを結べないでいると、 ガイド「ぜんぜん覚えてないの?」、クライアント(大きい声で)「全部忘れました」。 彼らを待ってKさんリードで出発。 ここまではまったく視界はなかったが、なんと2Pから晴れてきて素晴らしいクライミングとなった。 久しぶりに太陽を見た。

 昨日に続いて阿弥陀頂上に立つが、景色はまったく違う。赤岳のみならず、360度のパノラマ。 これなら中岳コルへの下山も安心だ。 再び中岳沢を下りテント場へ。またまた行者小屋でお酒を飲みながら明日の相談(けっこう飲みました^^;)。 天気は明日もよさそうだ。 主稜には登りたいが、明日は帰るのでテントを担がなくてはならない。テント担いで主稜はちょっと…。 酔っ払いオヤジ二人の 話し合いで、天気がよければ文三郎道に荷物をデポして主稜にアタック、 天気が悪ければ一般道から阿弥陀を越えて帰ることにした。 夜起きると満点の星。月明かりで阿弥陀が闇に浮かんでいた。(G記)

コースタイム:行者小屋9:00〜12:00阿弥陀頂上〜12:30中岳とのコル〜13:00行者小屋

Kの感想

 天候の回復により、P2に乗り上げる最後の1歩は暖かい太陽光を浴びながらの1歩だった。 目の前のナイフリッジが綺麗に上方に伸びている。ロープをしまって頂上までのルートを数分。 360度見渡せる快晴の頂上に。最高でした。


28日:赤岳主稜:快晴、強風

 4時起床。やはり満点の星だ。主稜を拒否する理由はない。他のパーティーが出発して行くが、 主稜でないことを祈る。 文三郎道を進み主稜取付きのポイントに来ると、4人パーティーが準備をしていた。 それを見て我々は 文三郎道の阿弥陀への分岐の看板の柱に荷物をデポすることにした。 ここに戻るまでには彼らは大分先に進んでいるだろうから。

 主稜取付きまで戻ると、先のパーティーは2Pに取付いているところだった。 まあ、我々が追い付くことはないだろう。快晴だが 気温は低く、主稜は暗く風が強い。この時、スピード優先で頂上に抜けるための戦略を考えていた。 1Pのチョックストーンは雪がないので下をくぐった。 これだけでもかなり楽である。先週の経験があるので迷わずロープを伸ばすが、とにかく低温の強風で辛い。

 核心のピッチで1時間前に取付いたはずのパーティーに追いついたが、待たされることはなかった。 上部はますます風が強く冷たい。 「あと2ピッチだ!」と自分に言い聞かせる。 手足の指が千切れそうになるなか二人で頑張り、終わってみれば2時間ほどで 抜けることができた。

 赤岳頂上には10人ほどが強風の中で写真を撮っていた。その後、デポの撤収現場がものすごい冷強風で辛い。 流行る気持ちを抑えて物が飛ばされないようにゆっくりと支度して中岳に向かう。 中岳と阿弥陀とのコルに来ると信じられない 無風ポカポカ。ここで、まったり休憩。重いザックを背負って三日連続3度目の阿弥陀頂上に到着。この3回はすべて違う ルートだった。下降は中央稜のつもりだったが、降り口がとても悪かった(中央稜にトレースはなし)。ロープを出す気力もない ので御小屋尾根下降に変更。長い尾根をいつものように黙々と下って我々の八ヶ岳定着は終了した。舟山十字路は静かだった。

 天気の変化、雪、岩、そして計画の変更とたくさんの要素が詰まった三日間で、十分に満足の復習ができた。 ずっと時間を気にしながらの三日間だった。(G記)

コースタイム:行者小屋6:30〜7:30主稜取付きへの分岐〜文三郎道/阿弥陀分岐にデポ〜8:30主稜取付〜10:40赤岳北峰 〜13:00阿弥陀頂上〜15:50舟山十字路

Kの感想

 主稜の登攀は本当に寒かった。ビレー中に、体が冷え切ってしまい次の動作に移る際に体が強張って動きが悪い。 陽のあたる頂上に出た時は太陽の有難さを痛感。
 天候が悪く登頂日の変更はあったものの今回の山行では初めて、阿弥陀北稜・赤岳主稜を登る事が出来た。 Gさん、ありがとうございました! 山も小屋での宴会も楽しかったです。 次は(?)誰かを連れて再挑戦してみたいです。 

メンバー:G、Km