錫杖岳烏帽子岩前衛壁1ルンゼ

神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

錫杖岳烏帽子岩前衛壁1ルンゼ

2015年10月17日〜18日



クライミングも快適だったが、紅葉がまた素晴らしかった。”



 錫杖は日帰りでも可能だが、土日を使ってのんびりすることにした。予報では日曜が 快晴で土曜は今一つということで、岩が乾いているか心配だったが、土曜も雨は降らず 多くのクライマーがいたようだ。寒さを心配したが、夜もさほど寒くはなく、日曜は 我々以外のほとんどのクライマーは半袖で登っていた。

 横浜を17日の0900に出発し、中原高原口の駐車場に1300過ぎに着いた。駐車場には 1台分の空きがありラッキー。先週の3連休ほどではないが、紅葉シーズンということで 人出はかなり多そうだ。

 準備を整えて出発。カム類の他にハンマー・ハーケンまで持ったので、ギア類が重い。 水を持ち上げなくでよいのは楽だが。笠ヶ岳の登山道は気持ちがよい。途中、ドングリを 拾いながらゆっくり歩く。下ってくるクライマーの話では、明日の錫杖は混みそうだ。 錫杖沢出合のテント場に到着。テントは2張あった。テント場はものすごくきれいな紅葉に 囲まれている。紅葉に興味のない私も思わず声を上げた。夕飯を食べ、やることもないので 1800前にシュラフに入った。

 翌朝0400に起きて朝食を食べていると、なんと真っ暗な中をヘッデン点けて岩場に向かう パーティーが。我々も焦って支度しているとまたも他のパーティーが。明るくなってから 歩くつもりがヘッデンでの出発となった。歩き始めると東の稜線が明るくなり始め、 岩壁基部に着くころには薄明るくなっていた。3人パーティーのトップが左方カンテ 1ピッチ目をヘッデン点けて登っていた。う〜ん、ヘッデンで登るのか。 前衛壁基部を右にしばらく降ると広いテラスがある。そこが、1ルンゼの取付きだ。 1番乗りだった。ゆっくり支度していると十分に明るくなってきた。

<1P:Gリード>
 ルンゼ左のフェースを登っていく。結構立っているがまったくピンがない。 恐々登っていくとランニング無しでは登る気にならない垂壁にぶつかった。左右いろいろ試すが どうも今一つ自信が持てない。何しろ、ここでフォールしたらどこまで落ちるか分からない。 左の凹角に入るのがよさそうだが、一歩のトラバースがどうにも怖い。ギア類が重い上に 40mほど伸ばしたロープが背中を引っ張る。そうこうしている内に腕が疲れてきて、 「1Pでこれじゃ、この後の8Pは無理だろ―っ!」と思う。結局、大きめのカムを効かせて恐る恐る 左の凹角に入り、少し上がるとビレイ点が見えた。「よかった〜」1Pでかなりの時間を使ってしまった。 確か核心はこの先のはずなのに…。

<2P:Mリード>
 正面に見えるルンゼに入り、V字状岩壁基部でビレイ。

<3P:Gリード> そこから1ルンゼ左俣を詰めるルートもあるが、ビレイ点からすぐに 左にトラバースすると立派なビレイ点がある。そこで、2Pを切った方がよかったかもしれない。 今回はトラバースの後フェースを直上した。ピンは無し。でも、1Pに比べると格段に容易で 希望が湧いてきた。

<4P:Mリード>
 スラブを登って大テラスでビレイ。右に1ルンゼ左俣直上後にこちらにトラバースする ルートが見える。10年ほど前はそこをトラバースした。そのときあったピンは 見当たらない。そしてA1で越えたフェースも見える。一方、左を見ると高度感のある カンテにペツルが2つ。ペツルがなければとても登る気にならないが、我々はそちらを 選んだ。ペツル効果か?

<5P:Gリード>
 そのペツル付カンテ。登ってみると、高度感はあるが岩も安定しており、その高度感を 楽しめる気持ちのよいピッチだった。

<6P:Mリード> スラブから凹角に入り左上するとビレイ点。

<7P:Gリード>
 フェースからルンゼ状を詰めると垂直のチムニー。ここもランニングがなければ 怖い。カムを効かせてステミングで少しずつ上げる。ここを越えれば終了点はすぐだ。 取付きから2時間50分で抜けることができた。

<懸垂>
 懸垂支点はどれもしっかりしている。基本的には真っ直ぐ降りればよいが、落石に注意が必要だ。 途中、3パーティー8人とすれ違ったが、お互いに声を掛け合い問題はなかった。懸垂すると、どのピッチ も傾斜が強いのが分かる。

 取付きに戻って漸く水分を補給し、早々に引き上げた。途中、クライマーに聞くと左方カンテは とんでもない混みようらしい。そう言えば、10年前の1ルンゼも左方カンテが混んでいたから の変更であった。

 錫杖沢の左岸は急であるが、下りは気持ちが楽だ。テント場に戻ってこれまた早々に撤収しクリヤ谷を降る。 渡渉ポイントには大勢のハイカーがいて驚いた。その先でもドングリを拾いながらゆっくり下った。

 10年前の1ルンゼは人に連れられてのクライミングで特に記憶はない。そのときも半分はリードしたはずだが、 今回登ってみて、10年前の私の実力でリードで登れるピッチがあるとは思えなかった。ただ、懸垂で戻り、 錫杖沢左岸を下降中に真っ暗になっていたことを覚えている。今回は、パートナーにも 恵まれ、1Pのモタモタにも関わらず早く行動でき、ルートの概要も理解できた。10年前との一番の違いは ランニングピンの数だろう。今回苦労したリードでも、確かなランニングがとれればもっと豪快に攀じれたと思う。 錫杖は、4級程度ならランニングがなくても登れる確実な登攀力と、ナチュプロのセットに慣れていることが 必要と感じた。

 そうそう、クライミングも快適だったが、紅葉がまた素晴らしかった。
(記事:G)

TS 4:50〜5:301ルンゼ取付点6:00〜8:50終了点〜10:10取付点〜11:05 TS

メンバー:G、他1(M)